機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも皆様。先日言っていたアリスギアの要所がひと段落し、これでこちらに力を入れることが出来ます(´Д`)作者の藤和木 士です。

ネイ「アシスタントのネイです。作者さんずっと調査宙域にこもりっぱなしでしたよね」

グリーフィア「アシスタントのグリーフィアよぉ~。「全然冷撃の調査エリア来ない(゚Д゚;)」って言ってた割に、ストーリー4章は攻略出来たのよねぇ。寧ろ強化しすぎたくらいみたいだし」

(^o^)おかげでキャラの装備やら結構そろったけどね。すぐみちゃんのギア揃ったし。さて今回はEPISODE10と11、第2部第1章を締める話となります。

グリーフィア「元君突貫!果たして間に合うのかしらねぇ~」

ネイ「間に合わなかったら大惨事だよ……姉さん」

それでは本編をどうぞ!(`・ω・´)


EPISODE10 闇夜翔ける蒼炎の流星3

 

 

『さぁ、ガンダムを出すか、娘の命を差し出すか。いい加減に答えを出してもらいましょうか、次元光姫?』

 

「っく……!」

 

 愛娘に躊躇なく銃を突きつける世話係のスパイに、光姫は歯ぎしりする。東響湾上空でにらみ合う両部隊。光姫の率いる緊急発進部隊は光巴を人質に取る次元覇院MS部隊に対し、何の対抗策を打てていなかった。

 この場に深絵がいれば、一瞬の狙撃でどうにかなったかもしれない。だがそんなあり得ないことを考えても、どうにもならなかった。光姫の機体でその一瞬に行動できたとは思えなかったのもある。

 どうすれば、と思った時黎人から連絡があった。秘匿回線による『作戦を開始する』という知らせだった。

 

『シュバルトゼロガンダムとブラウジーベン、閃のソルジアによる作戦だ。光姫、お前は相手の注意を刺激しないように引いていてくれ』

 

『元が……?……分かった』

 

 そう言って光姫は逃走しようとする次元覇院達をけん制し続けた。光巴に大丈夫だ、すぐに助けるからと励ましの声を掛けて。

 そうしてから5分以上が経っていた。回線から深絵を自衛軍の機体が襲っていることも分かっていた。元もその支援に向かったと聞いた。このまま作戦が瓦解してしまうのかと不安が胸をよぎる。いつまでも相手も待っている保証はない。

 

『さぁ、いい加減にそろそろ答えを出しなさい!私がこの子を殺してもいいんですよ?私は神に選ばれた使徒、罪など神が赦してくれるのですから!』

 

 ふざけた言い分だ。神なんてものは存在しえない。一部の人にだけ見えるものなど、それは幻覚と言って差し支えない。そんなものに縋って罪から逃れられるわけがない。そう言いたかったが、そんな狂気を平然と人に向ける彼女らを刺激することも言えず、ただ黙っているままだ。

 

「ママぁー!!」

 

「光巴……!」

 

(お願い、早く、誰か光巴を……っ!)

 

 光姫は願う。この状況を打破する一筋の光明を。神にも祈りたい。決して彼らのような都合のいい神ではない。人の道の非道を許さない助けを。

 だがそんな思いも、彼女らの盲信する神の力に遠く及ばなかった。次元覇院の使徒の1人がそれに気づいた。

 

『……なんだ、あの光……戦闘?』

 

『ほう……どうやらあなた達は神の選択を踏みにじることを選んだようだ。神の怒りを受けるがいい!』

 

『隊長!』

 

「っく!?」

 

 次元覇院がこちらの動きに気づいてしまう。自分達に歯向かう姿勢を見せた光姫達を非難すると、彼女は光巴の頭に銃を突きつけている。このままでは光巴は……。母親としての叫びと手が伸びた。

 

「光巴ッ!!」

 

「終わりだッ!」

 

 躊躇することなく、マキイン・魁のトリガーが引き絞られた―――――――

 

 

 

 

 その前に、その腕部が宙を舞った。

 

『ぐぅ!?』

 

「狙撃!?深絵!?」

 

 丁度橋方向からだろうか。斜めに走った光の一射がスパイのソルジア・魁の銃を持っていた腕部を撃ち抜いた。撃ち抜かれた腕部が宙を舞い、銃ごと爆散した。スパイのソルジア・魁が体勢を崩した。

 更に展開は続いた。上方で炸裂音が響くと煙幕が展開して次元覇院のMSを包み込んだ。一切の状況が分からなくなり、光姫も前に出かけた機体を踏みとどまらせる。これでは中がどうなっているのか分からない。もし光巴がこの中で撃たれてしまったら……。意を決し光巴を奪還できるようにと煙の中へと突っこもうとした。その時、

 

『俺がやる』

 

 聞こえたのは元の声。直後蒼い光が煙幕の中へと突撃した。風圧で機体がバランスを崩した。急ぎ体勢を整える。

 

「くぅぅ!?何が……!」

 

 瞬間、煙幕が晴れた。光の刃が煙と共にスパイの両側に展開していたソルジアを両断した。そして中央スパイのいた箇所で響き渡る刺突音。煙幕が晴れたその先で見えた光景―――――その背中に光姫は声にならない喜びを喉から絞り出した。

 

「光巴っ!」

 

 蒼い輝きを身に纏った漆黒の竜騎士(シュバルトゼロガンダム)が、敵機の肩口を左手で貫いた上でその右腕に光巴を抱きしめていた。傷のない無事な娘の姿を確かにその眼で確認した。両肩シールドには先程の機体を両断したビームソードが展開している。

 両腕を潰されたソルジア・魁のスパイの女が姿を捉えたことに驚愕する。

 

『バカな……視界は塞がれていたはず!?』

 

 彼女の言う通り、あの状況では一切の視界情報は得られなかった。あのガンダムは視界不良の状態でも見分けることのできるカメラを持っていたとしか思えなかった。

 だがしかし、元は2人の間で抱いた疑問に対し、一言で済ませた。

 

「俺に視界は必要ない。動いたという証拠、動くという意志があった時点で、俺はその先を行くっ!」

 

『これがハジメの、ドラグディアが誇る竜騎士(ドラグナイト)の力ですっ!』

 

 2人は宣言すると同時に相手の左腕を完全に断ち切った。そのままこちらへと後退するのであった。

 

 

 

 

『クソッ!突破された!』

 

『慌てるな、蒼のガンダムを抑える。それと本部に応援を……』

 

 漆黒のガンダムを逃し、なおも追撃を掛けようとする斉田司令配下のMS部隊。だが私は、その彼らに対しそれが愚策であることを明かす。

 

「その必要はない。そもそも、貴様達は防衛大臣を含めた政府の決定に反している。軍法会議ものだ」

 

『軍法会議だと!?ふざけた嘘を……』

 

「ほう?では私の機体を、知らないとでも?」

 

 機体の腰部の鞘から、剣を抜き放つ。剣と言っても西洋のものではない。東洋、この国日本がかつて戦国の世にあったころから使われる日本刀をMS用に打ったMS刀「村金(むらかね)」。ソルジアのカラーとこの機体が揃った機体を、自衛軍の兵士が知らないはずがない。

 MS刀を見て、ソルジアのパイロットも憎々し気にその名を呟く。

 

『……新堂沙織……自衛軍最強のMS剣士!』

 

「ご名答。なら、私が防衛大臣直属の護衛であることも知っているだろう?」

 

『……っく!!』

 

 ようやくソルジアが交戦の意志を失う。これに専用ソルジアのパイロット、沙織も安堵のため息を漏らす。とはいえパイロットの様子を見るに、仕事が増えたという認識が強いと認識する。

 漆黒のガンダムの方はどうなったかと思い、後方カメラを確認する。間に合っただろうかと不安になっていたが、そんなものは無用な光景が展開されていた。

 

「空が、光っている」

 

 夜空を照らす無数の光が一か所から放射状に展開していた。暗いのもあって光の線が流れ星の様に空を照らしていた。同時に灯る爆発の光は次元覇院の機体か。

後は彼らの仕事。沙織は遅れて到着した自衛軍治安部隊に3機のソルジアを任せて、その様子を橋から見物することとした。今後の見定めのためにも。

 

 

 

 

『光巴っ!』

 

「ママー!!ごわ゛がっだよ゛ー」

 

 無事再会を果たす親子。元は光姫が離さないようにしっかりと掴んだのを確認してから、部隊を下がらせろと告げた。

 

「光姫と部隊は下がっていろ。後は俺がやる」

 

『分かった。ありがとう』

 

「ありがとーガンダムさん!」

 

 光巴が手を振って礼を言う。その間も次元覇院からの射線を自機で覆うように位置取る。その一方で人質を取られた次元覇院は許しがたい怒りを爆発させる。

 

『おのれおのれおのれぇぇえ!!全使徒撃てェェ!!』

 

 実弾とビームの弾丸をばら撒く。後ろで後退を行おうとする光姫達にも向けた弾丸の雨を、ウイングから分離したファンネルから形成した六角のDNプロテクションで防いだ。自機への弾丸も黒い機体装甲全体から放出されたDNウォールで防ぐ。

 一切の攻撃を受け付けない防壁。光姫達が安全圏へ後退したのを見計らい、ファンネルを戻した。余裕を見せるシュバルトゼロ・イグナイターへ、機体の力をまったくと言っていいほど知らない次元覇院側の指揮官、そしてスパイで姉殺しの妹は言葉を並べる。

 

『攻撃が効かない……やはりその機体、我ら次元覇院のためにあるべきだ!』

 

『私と来ないですか?私と来れば、この日本、いや世界を次元覇院の教義で平和に出来る』

 

 先程までとは打って変わってこの反応。二枚舌が過ぎる。三枚はあるのではと思うこの性根の悪さ。何が教義だ。狭義の間違いだろうと元は意にも介さず彼らの言葉を否定した。

 

「平和?違うだろ。アンタたちのそれは洗脳と脅迫だ。従わないやつは消す、自分のエゴの為に無関係の人を殺す。そんな平和、誰も求めちゃいない」

 

『洗脳?違います。神の言葉です。浄化出来ないものへの慈悲として、私達は神へとその命を返して差し上げている。寧ろ断罪していることに、死した者達は感謝しているはずです!』

 

「そうか。なら俺がお前達も断罪してやるよ。もっとも、俺の場合は地獄以上の場所だがな!」

 

 Xビームライフル・ゼロを構える。戦う姿勢を見せるシュバルトゼロ・イグナイターに次元覇院のMSがライフルを構えて応戦体勢を取る。

 

『地獄などには送られない!神に歯向かうのなら、貴様もっ!』

 

『撃てぇえぇえ!!』

 

 もう1人の指揮官の男が叫ぶと使徒たちはシュバルトゼロに攻撃を集中させた。自らの信じるもののため、無我夢中に攻撃を行う。それを元は容易く回避していく。勢いはあっても技術力がない。当てる為の努力を行わない彼らの弾丸にあたるほど元も愚かではなかった。

 大きく宙返りで弾丸から距離を取ったシュバルトゼロ・イグナイターは全砲門を展開する。ファンネルを展開し、ウイングとサイドアーマーからはまばゆい高純度DNが光の翼を作り出す。幻想と差し支えない光景を魅せ付け、ガンダムの最大火力を撃ち出す。

 

『Ready set GO!DNF、「ゼロ・フルバースト」!』

 

『ターゲット、ロック!』

 

「行けよっ!!」

 

 ジャンヌからのロック確認を受けて全兵装から高純度DNによる高エネルギービームを発射した。ビームライフル、腰部ブレードガン、ファンネル、ウイングのビームサーベル兼用のビームキャノンやビームマシンキャノンと言ったあらゆるビームが前方へと放たれる。

 ビームに貫かれ、爆散していくマキイン達。一斉射を終えて残ったのは指揮官機2機のマキインの強化モデルと思われる機体だけだった。周りの機体の全滅に愕然とする2人。

 

『ば、馬鹿なッ!?』

 

『ま、またしても私の部隊が……どうしてくれる!これでは私に責任が!』

 

『えぇい、そんなもの知るか!それより私を逃がせ!戦うんだよ!』

 

 逃げたい一心で両腕大破状態のマキインは残ったマキインに命令して闘争を開始する。しかし、それを逃しはしない。

 

「お前らは3つ罪を犯した。1つ、子どもに銃を向けたこと。1つ、家族を身代わりにしたこと。そして3つ、その罪を認識できなかったことだ」

 

『フン、たかがその程度の罪で、人を殺していいのか!!』

 

 足掻きと言わんばかりに屁理屈をぶつけるスパイ。そんなスパイに元は現実を突きつけた。

 

「あぁ。その3つに収まらない程の罪を、既にお前達は繰り返しているからな。お前達の居場所はただ1つ……」

 

 迎撃する指揮官の攻撃をかわしながらその手にブレードガン・Xを構える。銃剣にビームサーベルを形成し、彼らに狙いを定めた。

 救いを求める彼らに、元は無慈悲を与える。

 

「神も何もいない、(ゼロ)の世界だ!!」

 

『Ready set GO!DNF、「アッシュ・ヴァルスラッシュ・デュアルクロスコンビネーション」!』

 

 光の翼を形成し、一気に距離を詰めた。ビームサーベルで防御しようとするが、それも一方的に叩き斬りまず一刀を入れる。更に続く攻撃を回り込みながら反対の銃剣で斬りつける。切っては回り込み、また切っては回り込む。高速の斬撃による拘束が男の指揮官機のマキインを蹂躙する。

最後に両方のブレードガン・X・ビームサーベルモードでX字に斬りぬける。だがまだ終わりではない。逃げるスパイ機に対し、後ろから追いつく。

 

『ひっ!!』

 

「お前も、逃がさないっ!!」

 

 抵抗できない機体に対し、再び連続切りによる拘束で痛めつける。光巴が受けた恐怖はこんなものではないと、強く、激しい傷が刻み込まれてゆく。

 同じくトドメにX字に斬り裂いて後ろに回るシュバルトゼロ・イグナイター。完全に機体を大破状態へと変貌させられたスパイは、身動きの取れないまま元の行いを非難する。

 

『おろ、かな……罪は消えず、裁きが……神の怒りの裁きが、お前を殺すぞ……』

 

 憎しみを込めた最後の叫び。それを元は淡々と返答する。

 

「俺が裁かれるとしたら、それは人によるものだ。神でもなく、そして使徒と自称する人を外れたお前達でもなく、同じ人の明日を、他人を傷つけずに願える、な。その時が来るまで、俺はお前達人を捨てた者達を倒し続ける」

 

『……ぐ、あああぁぁぁぁぁああぁぁあぁ!!!』

 

 断末魔と共に機体が爆散を形成する。空域に残ったモビルスーツは元のシュバルトゼロ・イグナイターのみ。ジャンヌが周辺サーチを行い、反応が消えたことを報告する。

 

『敵機反応、ありません』

 

「了解。久々のイグナイター運用、問題ないみたいだな」

 

『はい、私も鍛えましたから』

 

 負荷を感じる様子を見せないジャンヌが笑いかける。イグナイターの強い負荷を耐えられるようになった彼女の様子を見て、機体のエンゲージシステムの調整も上手く行っているということを実感する。

 敵もいなくなったことを確認すると、司令部へと回線を繋ぐ。

 

「敵すべて沈黙。これより帰投する。念のため周辺海域に生き残りの残党がいないかのチェックも怠らないでくれ」

 

『了解です!』

 

 管制官のバックで喜びに沸き立つ声が聞こえてくる。それに対し安心感を抱き機体を翻す。友人の子を護ることが出来た、その達成感に満ちて。

 

 

NEXT EPISODE

 




EPISODE10はここまでとなります。

グリーフィア「現実の慣性の問題やら含めてこれは成功できるのかしら?」

(^o^)多分出来ない気もする。けどここじゃ触れていないけどDNの粒子コントロールで光巴ちゃんは保護している設定ですから問題ない。

ネイ「そ、そうですか……けど元さんのDNL能力が無かったら危なかったですよね?」

間違いないですねそれは。逆に言えば元君はあれを信じて今回の作戦を提言したことにもなります。もっともあれ考えたのは別の人(?)なんですけどね。

グリーフィア「あースターターってことは、彼よねっ」

ネイ「久しく出ていませんよね。やはり出てくるんですね」

実は次で出てきたりします(´Д`)

グリーフィア「あら、そんなすぐになのね。ところでシュバルトゼロも新しいDNFを使っていたわねぇ」

ネイ「アッシュ・ヴァルスラッシュの強化版だよね。後フルバーストとだね」

グリーフィア「デュアルクロスコンビネーション……前作のネプテューヌの」

はいクロスコンビネーションからアイデアいただきました(´-ω-`)

ネイ「早い。認めるの早いですって」

ま、名前とか他に影響されやすいものですから。少し捻って命名させていただきましたが。さてではEPISODE11に続きます。
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