機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、皆様。2周年を迎えたアリス・ギア・アイギスがここから本番だ( ゚Д゚)とでも言われたかのようにストーリーが重くなってきた気がします、作者の藤和木 士です。

ネイ「アシスタントのネイです。またアプリの話ですか」

グリーフィア「アシスタントのグリーフィアよぉ~。ついでにその元凶のキャラクター今日当てたのよねー?」

そうっすね(´ρ`)村尾未羅ちゃん、重力属性の最高レアリティキャラは一緒に来た人と合わせて初めてだったんで今後安定的に運用できますね(*´ω`)
さて、ガンダムDNはEPISODE12から第2部2章へと入っていきます!ちなみに章のタイトルは「消える命、消えない想い」です( ゚Д゚)

ネイ「これまで以上に不吉極まりない気がするんですが気のせいでしょうか?」

グリーフィア「まぁ、でもガンダムだったらあり得そうなタイトルよねぇ。誰の命が消えるのか、今から予想してみるのも面白いかもねぇ♪」

ネイ「不謹慎だよ、姉さん……」

さぁ、そんなわけでまずはEPISODE12からです、どうぞ!


第2章 消える命、消えない想い
EPISODE12 燃ゆる戦場、滾る苛立ち1


 

 

「さぁ、では定例会を始めよう」

 

 薄暗い部屋の中に円卓の机とセットになった椅子に座る男性達が浮かび上がる。いずれの男性達もオレンジ一色のローブ姿で、顔などははっきりとは分からない。老若の幅ある、しかし妙な統一感ある姿は真面目さ、あるいは異質さを感じさせた。

 一人の男の促しで、男達は順に話すべきことを話していく。

 

「我らの教団は現在、西側に2万人ほど、東側に4000人弱の信者を抱えます」

 

「戦闘員はそれぞれ6000人と500人前後。西側東側それぞれで信者は増やしており、特に西は安泰と言えるでしょう」

 

 彼らの言う我らの教団、それは次元覇院だった。纏うローブの色も次元覇院が運用するMSマキインのカラーと同じオレンジであり、これは教団を象徴する色でもあったのだ。そして彼等こそ、次元覇院の中核、他宗教で言う所の教祖にあたる教柱(きょうちゅう)なのである。

 続いて眼鏡を掛けた男性が端末を操作して円卓中央と教柱それぞれの正面にホログラムの画面を表示させる。そこにはいくつかの機体が表示されていた。男性は説明していく。

 

「MSに関しては、プロトタイプを改造した技術試験機「刃」がロールアウト。西側の他宗派の勢力や、レジスタンス、そして東との境目となっている「ウォーライン」のMSオーダーズとの戦闘に投入。良好な試験結果を見せています。刃のデータを用いて、まもなく次世代機「MAXIMUM」もロールアウトできるかと」

 

「ふむ……これが正式にロールアウト、量産化されれば……」

 

「MSオーダーズの若輩共も終わりだな。それにもうあの機体達も完成していると聞く。既に1機が東響方面軍の基地に搬送されたとか」

 

 自分達の部隊の増強に勝ちを確信した様子の教柱達。彼らにとってMSは自分達の神の贈り物とはしているものの、本気でそう信じてはいない。MSは兵器でしかない。その前提で彼らは使徒達に命じ、自分達の邪魔者を殺し続けてきたのである。

 そんな使徒たちも彼らにとっては戦いの駒に過ぎない。こうして自分達は安全な場所から高みの見物でその利益を得る。それは彼らがMSという力を得る前から、信者達を使って行ってきた活動だった。すべては順調に見えた。しかし教柱の1人が東側の状況に対し、だが、と述べる。

 

「確かに東の攻略は近いだろう。だが、1か月前に現れたとある機体が、我らの敵MSオーダーズに向かい風となった」

 

 男は端末を操作する。すると先程まで機体を映していたウインドウが変わり、新たに漆黒のガンダムが表示された。次元覇院がもっとも敵視する「ガンダム」と同じ顔の機体。その姿に教柱の何人かがため息をつく。

 

「こいつか……」

 

「漆黒のガンダム……」

 

「そう。シュバルトゼロガンダムと呼ばれるこの機体が、我らの次元覇院東響使徒を圧倒的な暴力と呼べる力でねじ伏せている。ガンダム達はこれまでにもことごとく我らの邪魔をしてきたが、この機体は圧倒的に性能が違い過ぎだ」

 

 この1か月、次元覇院の東響支部の機体は次元光巴()()作戦の直後から次元覇院の東響都民使徒化をこの機体とMSオーダーズにより邪魔され続けていた。こちらの方が暴力でねじ伏せるはずが、その圧倒的な性能と言う名の暴力で逆に戦線を押し返されつつあったのだ。

 圧倒的な機動性、高出力兵装の際限ない使用、多彩な戦法……。パイロットの技術である反射速度と攻撃の精確性が合わさり、次元覇院は思うように攻められていなかった。前月には5000人いたはずの東側使徒も、1か月で他地域での損害を含めて1000人も減ってしまっている。この間にも人は増やしているはずなのにだ。東響の、シュバルトゼロガンダムによる損害が酷すぎるのである。

 教柱の1人がMS開発の教柱に質問する。

 

「MAXIMUMや例の機体では勝てんのか?」

 

「どちらも未知数です。いくら対抗策があるとはいえ、MAXIMUMでもあの出鱈目な性能を超えられるとは思えません。いずれの我が軍の機体でも優れたパイロットによる適切な運用、そして数の利があってようやくと互角かといったところでしょう」

 

「なんということか。兵の質を上げねばどうともならんか」

 

 最新鋭機でも勝てない結論に教柱達はため息を吐く。全部隊投入の考えもあったが、それで落とせてもその隙に背後から他宗派の機体に殲滅させられかねない。誰もがこの時、東響までの距離を呪ったことはなかっただろう。

 手詰まりと呼べる状況。誰もが今後の対応に苦悩する中、1人の男性が彼らに言ってやった。

 

「―――――なら、俺がやってやるさ」

 

「!沢下戦神官……君ならこの機体を倒せると?」

 

教柱の者達が一斉に沢下と呼ばれた彼の方向を向いた。その人物はオレンジ色のフードを取ると、昔風情のあるおかっぱを崩した白髪を見せて漆黒のガンダムへの意気込みを語る。

 

「倒せる?違うな。倒すのさ。MSオーダーズだろうがその漆黒のガンダムだろうが、次元覇院はその覇の時の如く、全てを制覇する。従わないものは我らの糧になってもらう。それが教義のはず。そのための戦闘のプロ、戦神官だ」

 

 男の自信に満ち溢れた発言を教柱の1人は称賛する。

 

「大した自信だな。ならば貴官にこのガンダム、ひいてはMSオーダーズの対処を任せる。現在このガンダムのパイロットはMSオーダーズの部隊と共に、この三枝の隣「愛智」の基地、これまでに何度か攻撃している「四ツ田基地」に向かうとのことだ。まずはその基地の最終攻略がてら、そのMSと接触。戦闘能力収集せよ」

 

「分かった。だが、殺しても文句は言わないだろう?少なくとも、既にあった機体達を倒すことは出来る」

 

「それならばどれほどいいことか。こちらの「プロジェクト・ホルン」もある。いたずらに兵を消費するなよ」

 

「了解。あの基地もようやく落とせる。どれだけ泳がせていたことか……MSオーダーズ、そして次元光姫!あの女を地獄へ落すのは、俺だ」

 

 ほくそ笑む男、「沢下判」。次元覇院の次なる一手が今起ころうとしていた。

 

 

 

 

「………………愛智か」

 

「ん?どったのにぃ」

 

 橋を走る車の窓から日本の丁度中央近くにある県「愛智県」の街並みを眺めて一言呟く元。何かと思った華穂の発言に、元は思いにふけった理由を語る。

 

「いや、通っていた短期学校が愛智にあったからな。あの事件で巻き込まれていなかったら、ちゃんと卒業していたのになって」

 

「あー、そういえば元君卒業間近の時に巻き込まれたから卒業出来ていないんだよね」

 

「そうそう。就職も内定していたんだけどな……流石にパァだ」

 

 同じく聴いていた深絵がポンと手を打つ。卒業を控えていたにも関わらず超次元現象……この世界では次元障害と呼ばれるそれに巻き込まれたことで、元は短期学校を退学する形となっていた。就職先も決まっていたことからそこばかりは残念だったと気を落とす。就職活動の履歴書も何度も書き直した故にそれを無に帰してしまったことは残念に思う。

 華穂はそれを聞くと確かにと頷きつつもそのあとこの事について話してくれた。

 

「そういうことか。でもにぃよかったかもしれないよ?あの企業ブラック企業だったみたいで、あの後3年くらいで労基の監査入って経営陣逮捕されたって聞くし」

 

「あー……マジか」

 

「それなら良かったかもしれませんね、事故に巻き込まれて」

 

 ジャンヌからもその企業に入らなくてよかったと言われてしまう。身もふたもないことだが、それが事実なら確かに入らなくて正解だっただろう。

 そもそも彼らはなぜ愛智に来ているのか。それは向かう先に理由があった。元達が向かっているのは愛智県のMSオーダーズとの戦いの中でもっとも重要な場所に位置する、名護屋港内に位置する自衛軍基地「四ツ田基地」。この基地の主力は未だ戦闘機といった旧式兵器であり、MSオーダーズは自衛軍本部からの要請を受けてMSの導入促しを行っていたのだ。それも1回2回の話ではない。これまでに5回も促しを行っているにも関わらずMSを配備しないのだという。

 

「それで、今回は導入できるようにして来たのか?MS」

 

「一応今までもそうなるようには話してきたよ。でも昔からの変な考えで頭から否定する人にはなかなか声は届かないから。何度も声をかけるしかない」

 

「もうっ。次元覇院とおんなじだよ!なんで分からないかなぁ……」

 

 見込みを聞くと2人の表情が曇る。彼女達も何度目かになる訪問に嫌気が差しているようだった。そんな説得組に元やジャンヌも同行することになったのは、それを打開してくれるかもと思ったからなのかもしれない。

 確かに元はMSを効率的に扱える世界でMSについて学んだ。MSの利点も把握している。とはいえ説得まで待ちこめるかが問題だった。こちらの常識をその常識を知らない人間に納得させるというのは難しいと、既に実感している。それでもしなければならないのが悲しいところだろう。

 苦難の連続である華穂達にわずかながらエールを送る。

 

「分からないやつには分かるまで根気よく行くしかない。そこに不正があるのならそれを突けばいいけどな。絶対じゃないが、俺も何か言えたら言うよ」

 

「ありがとう~元君。説明は私達がやっていくけど、多分今回は元君の話が主軸になるかも」

 

「だね。私達の世界よりMSを扱える人がいる。これが前と一番違うことだから」

 

 返答した華穂達もその違いを今回の強みとして押し出していくつもりのようだ。いずれにせよ、ここを落とされるようなことはあってはならないのだ。落ちればこの街も、自分の街と同じことになる。自分や華穂、そして深絵といったような人間が生まれない様ここが正念場だ。

 こちらの観光本を眺めていたジャンヌが言う。

 

「大変ですが上手く行くといいですね」

 

「うん、頑張るー。最終手段を使わないといいけど……」

 

 肯定しながらも大きくため息を吐いた深絵。すると運転手から知らせが来る。

 

「まもなく基地到着です」

 

「分かったよ。さぁ、こっからが私達の戦場だよっ!」

 

 意気込む深絵。華穂も続く。

 

「これ終わったら、私名護屋の街で服見るんだ……」

 

「華穂、それ死亡フラグ」

 

 華穂のあからさまなフラグにツッコミを入れる。早々にそんなフラグを立てて死んでもらっては困る。だが意図を知らずにジャンヌもこの後の予定について口にする。

 

「いいですね。東響のお菓子と西に近い街のお菓子とでは味付けも異なるそうなので、私もそういったものを買い込みたいですっ」

 

「ジャンヌ。もう少しスラングは勉強しような?」

 

「あはは。終わった後の事もいいけど、まずは目の前の事に集中しようねっ」

 

 これから軍事関係の大事な話をしに行くメンバーとは思えない、朗らかな雰囲気を保ったまま車は件の四ツ田基地へと入っていくのであった。

 

 

 

 

 この時代において、MSに対する考え方は3つに分かれる。1つは作業用のパワードスーツとして扱う平和的な考え。これが本来モバイルスーツ開発者である次元黎人らが求めたもので、今現在そういった作業用MSとして形が残されている。続く考えが戦闘用パワードスーツとして、武器として戦術・戦略に用いる考え。MSオーダーズ、自衛軍、そして次元覇院といったMSを運用組織は主にこちらの考え方で、MSを運用している。そして最後の1つ、それがMSに頼らない、既存の兵器だけで対抗するという考え方であった。

 

 頼らないと聞くと聞こえがいいかもしれないが、実際のところは「MSなど戦闘機に比べれば小さい、力のない兵器だ」といった時代遅れの既存兵器へ固執する意地から来る考え方であった。既に多くの国と地域でMSの有効性は実証されており、戦力差は戦闘機とで1対7と大きく突き放している。この先MSの性能が上がればこの差は更に大きくなる見方だ。

 過去の栄光に縋りがちな、日本人だからこその考えは古い考え方の軍人が上層部にいる基地で多くみられる。晴宮防衛大臣を含む自衛軍トップもMS導入を促してなおこれを受け入れない基地に対して、予算削減といった手段で圧力を掛けてMS導入を強制させている。だがそういったことを地理的理由から出来ない基地も少なくない。そのうちの1つこそ、名護屋最大の自衛軍基地で次元覇院含めた官西とMSオーダーズ側、官東との境目にある「四ツ田基地」なのだ。

 

 既にこの5年の間、何十回にも渡り次元覇院を含めたMS部隊がこの基地や境にある基地を襲撃していた。それらはほぼすべてMSソルジアのおかげで食い止めることに成功していたが、四ツ田基地の古い人間たちはいずれも自分達の戦力があればこそと慢心しきってしまっていた。

基地の隊員達にもその考えを強制しており、それら行動は軍内部でも問題となっていた。MSオーダーズはそれを解消すべく、何度も説得を続けて来ていた。そして今日もまた上層部への理解を求める。が、彼らの考えは今日もまた変わるところを知らなかった。

 

 

NEXT EPISODE

 




EPISODE12はここまでです。同日公開のEPISODE13も公開です。

グリーフィア「次元覇院もいよいよ動き出してきたわけね。前哨戦って言ってたけど、果たしてシュバルトゼロ相手に生き残れるのかしらねぇ♪」

ネイ「確かに元さんは強いけど、まさかってこともあるよ。相手には秘密兵器があるみたいだし」

グリーフィア「んーそうねぇ。それもだし元君達が今回訪れる基地も色々と複雑な事情みたいだし、何が起こるか分かんないわねぇ~」

(;・∀・)あと描写が入るけど今回シュバルトゼロのサポート機のGワイバーンは同行していないからね。戦闘になったらイグナイターはおろかイグナイトにもなれんよ。

ネイ「あ、弱体化してるんですね。それは戦闘にならないことを祈りたいですね……」

そうですねぇ。というわけでEPISODE13に続きます(゚∀゚)
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