レイ「アシスタントのレイだよー」
ジャンヌ「アシスタントのジャンヌです。ヴァリアントサーフェイスって旧シュバルトゼロの武装モデルの1つにもなっていた機体ですよね。ここまでその機体触ってもいなかったんですね……」
うん、だから今までのはほぼ漫画と対戦動画で見てって感じだよ(゚Д゚;)ちなみにV.sは今のシュバルトゼロにもある程度イメージとして落とし込んではいるよ。ウイングの光の翼とかね。
さぁEPISODE13も公開です。
レイ「MS導入かぁ。反対する人もいるんだねぇ」
ジャンヌ「一体何がどうして、MS導入を反対しているのか。事情がありそうですね」
では本編をどうぞ。
「はぁ。何度も言ったはずだ。この基地にモビルスーツなどと言った、科学者の妄言で実現したものはいらないと」
「同感ですな。戦力比がなんだ。次元粒子などという得体のしれないもので動く人形に命を預けられるわけがないだろう」
「おまけに異世界でもMSがなどと……それはお前達の頭の中の世界での話だろうが。お前達だけの世界の話なら、どうとでも言える」
説得のための資料を提示して、話し終わったところで深絵達に向けられたのは今までと同じくだらないとの言葉だった。四ツ田基地の上層部メンバーは皆自ずとMSへの理解を示さない。誰も深絵達の言葉に耳を貸さなかった。基地を預かる司令もだんまりを決め込んでいた。
正直に言って、今までも同じだったのでそれほど期待してはいなかった。今までも根拠のない持論で突っぱねられていたため今回もほぼやけくそ気味だ。それでもMSに運用について詳しい元の経験を聞いて、戦術に取り入れたMSオーダーズはこれまで以上に着実に成果を上げている。今までより20パーセント近い戦果向上に現場では驚きの声が上がっている。そのおかげでソルジアも改良型が誕生。量産化が進められている状況で、彼の話を信用できるはずなのに彼らはなおも嘲笑い、決めつけ、そして怠慢していた。
(……正直言って、もう駄目だなぁ。晴宮防衛大臣には申し訳ないけど、やっぱり予算削減を無理にでもしてもらった方がいいかな)
心の中で思う深絵。MS導入に賛成しない基地への最終手段。導入しなかった場合でも予算の削減によって防衛能力が落ちるそれは、敵部隊侵攻を許す諸刃の剣。だからこそ基地が落ちるよりも先に先手を打って、一刻も早いMS導入へ誘導する。元が提案したもう1つの案と合わせてこれが最後の策だった。
友人の夫である黎人も含め良くしてもらっている晴宮に手間を掛けさせたくない。だがこれしかないだろう。そう思った深絵の耳に華穂の提案が入った。
「もうっ!そんなに言うんだったら、実際の人の話を聞けばいいですよっ!にぃ、出番だよ!」
「か、華穂ちゃん今は仕事中……」
元への期待感に溢れる華穂を言い咎めるも、深絵も同じ気持ちだった。元が向こうの世界で得た考え方なら、この停滞状況を打ち破ってくれるかもという淡い期待があった。本当なら今回は全て元に説明を任せてみても良かったが、以前の晴宮防衛大臣がいる場での言動もあって黎人達との打ち合わせでこちらがメインとなった。
目線を合わせると、元が頷く。交代することを伝え、話のバトンを元に託す。
「じゃあ元君、お願いします。くれぐれも言い過ぎないように」
「善処はする。けど率直に言わせてもらうぞ」
期待に沿えるかは分からないとしつつも元は台に立つ。基地上層部からの視線が更にきつくなる。だが元はそれを物ともせず切り込んで言った。
「じゃあまず言わせてもらいますけど、既存兵器がMSより優れている点ってなんですか?」
「はぁ?お前は分からんのか?」
「えぇ。正直既存兵器、例えば戦闘機がMSに勝っていると思うのは移動距離、大きさ、重さ、直線スピード、実弾の破壊力、あとは1機当たりの値段の高さ。そのいずれもMSとの対決では何の影響ももたらさない。むしろ弱点となりえる」
元が語るのは今までも深絵達が再三伝えてきたMSの利点と既存兵器の欠点。MSは非常にそれら兵器と小回りが全く違う。深絵と華穂は顔を見合わせてしまう。
どういうことだろうか。それらは散々伝えてきたはず。相手も聞き飽きた指摘に声を荒げる。
「そんなことは今までにも飽きるほど聞いて来た!そんな程度の問題、歯牙にも掛からん!」
「けどそれは、あなた達だけが見ている世界の話ですよね」
しかし元は上から更に指摘して反対の意見を押し留める。先程深絵達が言われた自分だけの世界であると。的を射た発言に上層部の連中が騒ぐ。
「何!?貴様不敬にもほどがあるぞ!」
「実際に戦果を挙げておる!これは現実の話だ!」
「は、元君……!」
怒り心頭の彼らを見て、流石に不味いと制止に入ろうとした。だがそれに対し正面から対抗する元。
「MSの戦果だって事実だ。むしろ、あなた達の戦果もMS無しでは実現していない。でなきゃ、こういうデータも取れていないんだからな」
スクリーンに映し出されている戦果のまとめに指をさす。元の言う通り、これまでこの基地が関わった防衛戦にはMSが投入されていた。最初はこの基地の戦力だけだったが徐々に制圧されていき、MSの合流でようやく立て直せたことになっている。だが彼らはその結果を「自分達だけの力」でどうにかなったと思っていた。今も彼らは言う。
「フン。それはお前らの目が節穴だ。それは自衛軍の意地で、逆転を得た結果」
「そうだな。それは自衛軍の成果だ。でもあんた達じゃない」
「なんだと……?」
彼らの戦果ではないと否定した元の口から、今回用意した最後の手段が語られる。
「仲間意識の必要な軍隊で、個人の考えや戦果に固執するのはいただけない。それを続けるのならこちらも非常手段を取らせてもらう」
「ほう?非常手段?」
「今後一切、あなた達の基地の作戦、および救援にMSは送らない」
それは今回の説得において自衛軍トップとの会議で決定したこと。というよりは元が提案した案だった。MSを必要としないというのなら、それを叶えさせてやればいい。ただし、やるなら徹底的に。未だ既存兵器の活躍はあるものの、いずれもその数を減らしている。MSへと置き換わりつつあった。そんな状況で、まともに支援を寄越す基地があると言えば、そうはないだろう。その現実を思い知らせるのがこの非常手段であった。
最悪基地を失いかねないハイリスクな提案。それでも最初に深絵が考えていた予算削減よりは……。これに対しどう出るかと思われたが、ここまでしても彼らは彼ら。その提案に二つ返事で答えた。
「いいだろう。MSなど絵空事の珍兵器だということ、他の基地の兵力と共に思い知らせてくれる!」
「そうですか。けどあんまり期待しない方がいいですよ。周囲の基地はいずれも戦闘機を主戦力としない、MSを軸としています。少数を残していてもいずれも自軍MSとの連携、あるいは非常戦力としてしか使わないでしょうから。正式な通達が本部から来ると思われます。では僕からの話は以上です」
両者共に余裕を見せる。だが深絵は分かっている。これは悪い流れであると。それに怖気づいてくれることが第一だったのだ。だがそれでもやるしかない。最悪この基地が壊滅してでも、基地上層部がいなくなってMSを配備できるようにしなければならないのだから。
お互い言うべきことは言った。最後に完全に口を閉ざしていた基地司令の男性が言った。
「では、今回の会談はここまでとしよう」
そうして今回の説得はまたしても失敗することとなったのである。
◆
基地を出て、帰りの車の中。ジャンヌは説得とその反応を納得できていなかった。どうしてあれほどの利点を持つMSの事を訊いても、旧来の兵器が一番だというのか。それを思い切って口にした。
「どうして、あの人たちはこうもMSの利点を理解できていないんでしょう」
「ん?……あぁ、あれは理解できていないんじゃないよ。理解したくないんだと思う」
「理解したくない……?」
カホからの言葉に首を傾げる。DN……次元粒子を用いた旧来の兵器を上回る力を発揮できるMSを遠ざける理由をジャンヌはまだ分かっていなかった。するとハジメがこの国の人について簡単に説明する。
「日本人は昔から過去の物に縋りがちなんだよ。昔からある物を崇めて、それを絶対の価値観にしてしまう。それが自分の中で変わらない不変の常識だって決めつける。少し違うかもだけど俺も柚羽のこと引きずってただろ?過去がああだったからこれからはもう誰の手も離さないって」
「あぁ、ハジメの幼馴染の……。えぇとつまり……」
頭の中で基地上層部の者達の言葉を整理する。彼らはMSが出来損ない、言い換えれば既存兵器が全てだと言っていた。だがそれはMSの性能を認めたくない気持ちから起因するもの。言ってしまえばMSの性能は認めていること。認めないのはプライドだろうか。
考えるジャンヌに対し、対角線上の席に座るカホが簡単に彼らの考えを語った。
「つまり、あの人達は昔の兵器大好きなのよ。MSが普及した後も戦闘機とかそういう昔の兵器が良いって人もいるくらいだし。それが重症化して、あんな旧式に平気で命を預けているんだからいい迷惑だよっ!」
「それは……いい迷惑ですね。でも、本当にそうなんでしょうか……?」
「華穂、それは意味が少し違う……って、ジャンヌどうした?」
カホを諫めながらもジャンヌの言葉に気づくハジメ。ミエも何が引っかかっているのかと問う。
「さっきの会談でどこか気になる点でもあった?」
「あ、はい。……あの基地司令の方、他の士官の方と違って、ほぼ喋らなかったなぁと思いまして……。それにあまり悪い印象を感じなかったといいますか……あ、もちろんMS導入に賛成していないことにはよくは思っていなかったですよ?」
ジャンヌは感じ取っていた。彼から伝わる感情のDNを、詩巫女としての感性によって。あれは苛立ちや失望のように思える。しかしそんな負の感情でもジャンヌ自身の心の中では放っておけないと感じた。
まるで正反対の感情であるそれらがどうしてもジャンヌは腑に落ちなかった。カホはそんなことはないとジャンヌの考え方を否定した。
「いやいや、それはないって。あの司令も同じ上層部の士官達と一緒で怖い顔してましたよ~。嫌味も言ってた気がするし!」
カホの表情からは一刻も早く今日の事を忘れたいと言いたいくらい、印象を悪く思われていた。だがその一方でミエ、そしてハジメは少し考えて気づく。
「まぁすごい怖い顔していたのは私もよく覚えてるよ。……けど、確かにあの人、最初と最後の挨拶以外、まったく喋ってなかったかも。全然気づかなかったけど」
「確かにジャンヌの言う通り、俺もあの司令には顔を合わせた時から少し引っかかっていた感じはあったな。喋っていなかったっていうのも今気づいた。それ以上に他の喧嘩腰の士官達に意識取られてたけど。今思えば俺の通告に返答していたのも基地の司令じゃないやつだったんだな」
先程までの会談を振り返り、自己分析する2人。さっきまでは他の士官との言い合いもあって気づけなかったことに、段々と気づいていく。更に話を聞いていた運転手もまた彼らに気になる話題を持ちかけた。
「あ、そういえば今日待っている間に面白いことを基地隊員から聞いたんですよ」
「面白いこと?」
「はい。何でもあの司令さん、昔凄いスナイパーの師匠に師事されていたんだとか」
発言にジャンヌ達の注目が集まる。凄いスナイパーとはどれほどのものなのだろうか。基地の隊員達から聞いた凄いスナイパーの師匠の話を運転手は聞かせる。
「自衛軍がまだ軍隊化されるずっと前に、特殊部隊に所属していたらしいんです。日本で起こったデモ隊の主導者を暗殺したり、海からの密入国者達を夜間に全滅させたりしたらしいです。でももっとすごいのが1987年に起こった武装集団テロに対する武力戦。ラウル神聖教ってみなさんはご存知です?」
「あぁ。確か昔のニュースを振り返るって感じの番組で見ましたね。ニュースになるくらい日本のメディアとかに浸透した新興宗教で、でも裏では洗脳とか毒ガス分布、それに最後くらいには戦車による首都進攻もやらかしたんでしたっけ?」
「あの事件学校の教科書とかにも載ってたから覚えてるよー。その年に指導者とか全員捕まってその後も指名手配犯がたまに捕まっていたんだよね~」
ハジメ達は頷きそれを思い返していた。生まれてはいなくともニュースで伝え聞いていたようだ。ジャンヌには全くだが、それでも今の次元覇院のような恐ろしいカルト集団がいたのだと分かる。
そこでカホが何かに気づいて運転手にそれを聞いた。
「え、まさかそのスナイパーさんって……」
カホの指摘に運転手は頷く。
「そう。そのスナイパー、「三滝 境二郎」さんがその武装テロの戦車を止めたんです。戦車の装甲を対物ライフルで戦車の装甲を撃ち抜いて」
『うそぉ!?』
運転手が明かした事実に驚きを隠せない女性陣達。ハジメも鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている。
続いて運転手はスナイパーのキョウジロウと、基地司令との関わりを話す。
「基地司令の人は、その成果を当時テレビのリアルタイムで見ていたそうです。そしてその人が後年所属した名護屋の四ツ田基地に入隊して、狙撃のイロハを教わったんだそうです。とても仲が良かったそうで、5年前に亡くなったんですが、それ以前に本人から直々に基地司令の座を頂いたらしいです」
「なるほどねー。けどそれがどうして……」
納得するもどうしてと言葉を続けたミエに同じ感想をジャンヌも抱く。それだけの人物なら人格者として育っていてもおかしくない。運転手もそれは分からないとしつつも関係したもう1つの事柄について話す。
「それは自分にも分かりませんが、でも基地司令は四ツ田基地のとある一角にその人を称えた特別な対物ライフルを開発。基地内に保存しているそうです」
「特別な対物ライフル……」
深絵が単語に注目する。特別と言うからには何かしら突出した性能があるのかもしれない。幸運にも運転手はその情報を隊員から聞いていた。
「曰く、狙い撃てれば洋上の巡洋艦、あるいはMSも撃破可能なのではと言われるほどのシロモノらしいです。その恩師専用に作り上げて、でも扱える人間が完成当時にはもういなくて倉庫番らしいんですが」
「MS開発以前の武装で!?」
「それは興味深いですね……」
ジャンヌは驚く。通常兵器の枠を超えているとしか言えない。それだけの兵器をこの世界の人間は開発してしまったのだ。果たしてドラグディアやマキナスにその銃を扱える人間がいるのかどうか。
その話を聞き、カホが納得して彼らがMS導入を拒む理由を予測した。
「そうか!つまり基地のみんなそのライフルが最強で、それをMSに脅かされたくないってことなんだ!嫌だねぇ、そんな旧兵器に固執しちゃって~」
「まぁ、その線が妥当っぽいが……そんな単純なものではない気も」
「そうなんです。この後がちょっと気になりまして……話によるとその司令さんはよく周囲に自慢していたそうです。初めてMS導入の勧告をうちがしたときも、基地隊員の皆さんにその事を紹介すると言っていたそうで……」
「……ん?ちょっと待って」
違和感を覚えたミエは顎に手を当てて、自らの知っていることと違うことを明かす。
「ライフルの話って私達聞いてない……っていうか第1回は私達とは別の人がしてて、しかもその人達が担当辞めるってことで代わりにやる様になったんだけど」
「あーそうですよ!前任者の人達からの情報ほとんどなくて、ただひたすらに「頭硬い連中」って話を聞いて、実際そうで……」
カホもまた仕事を引き継いだ時の話を思い返す。それらの話はここまでに至った経緯として自然なように思える。だがわずかに違和感を抱く。それは前任者の対応。ジャンヌは思い至った予測を話してみる。
「もしかして、その前任者の方に粗相があったのではないでしょうか。それが司令や他の方たちの中でまだ解消しきれていなくて、私達にもあまり快く思っていらっしゃらないとか?」
「えー!?そんなこと……うぅーん……」
カホは否定しようとしたが、言おうとしても言いよどむ。ジャンヌの発言には一考する価値があった。これまでぶつかり続けた双方の意見を繋ぐかもしれないからだ。ミエもそれを前提に情報を集める旨を発言する。
「そうだね。今まで私達は先入観に囚われすぎていた。絶対とは言えないけど、確かめてみる価値はあるかも。名護屋散策の後に私の方で確認してみるよ」
「その方がいいな。本当ならすぐに戻って確認だろうけど、とりあえずはこのまま散策に行こう。各々行きたい場所もあるだろうしな」
すぐに確認したい気持ちはあっても、今はもうアポイントメントを取って会った後の話。また次の機会にとするハジメ。カホはもう既にこの後の事で頭を切り替えていた。こちらの手を取り、名護屋の街への飛び出しに胸を躍らせる。
「やった!久々の名護屋だっ!ジャンヌちゃんもちゃーんと案内してあげるねっ」
「え、えぇ。色々とこちらの文化に触れられること、楽しみにしています」
(でも、いいんでしょうか……胸騒ぎがします……)
カホに対し同感であるとしつつもジャンヌの意識は基地の方に向けられる。何か嫌な予感がする。詩巫女の直感として、世界を構成するDNがジャンヌに告げていた。戻るべきだと。ハジメにそれをやんわりと伝えようとしたところで遠くからの爆発とわずかな鳴動が乗っていた車に起こった。
「えっ?」
「何、今の」
「車の振動……にしては少し後ろの方に……!?」
「あれは……!止めてください!」
ハジメが運転手に車を止めるようにと言う。運転手は慌てて車を橋の端に停めた。一同一斉に車の外に出た。そして瞳に映る。四ツ田基地に爆発の炎が上がっていた。
NEXT EPISODE
今回もお読みいただきありがとうございます。
レイ「最初はただの意地の張りって思ったけど、最後の方で前提が違ってたっていうのを示唆されると気になるなぁ。って言ってもまた次は戦闘みたいだけど」
ジャンヌ「EPISODE12の序盤でのこともあり、まさかこれは……となってしまいますね」
次元覇院の指していた基地は果たして本当に四ツ田基地なのか?(´-ω-`)
レイ「と、後EPISODE12と言えば、華穂ちゃんふざけて言ってたけど、まさか第2章のタイトルのあれって……」
何の事かなっ(゚∀゚)
ジャンヌ「……判断付きにくいですね」
いやーでも妹が死んだら元君は止まらないだろうねぇ(^ω^)
ジャンヌ「ただのクソッたれですね」
(´・ω・`)じゃあ色々と話すのもあれ何で今回はここまでです。
レイ「混乱を避けたね……じゃあ次回もよろしくねっ!」