ネイ「アシスタントのネイです」
グリーフィア「アシスタントのグリーフィアよ~。震えたって何?」
いや、まぁ今は特に関係ない。とりあえずEPISODE16、17の投稿になります(;´・ω・)
ネイ「何か気になりますが、今はお話の方ですね。前話最終場面では深絵さんが意識を失ったようですが……」
グリーフィア「なぁんでこういうロボット作品で、みんな扱いにくい大型武装出すのかしらねぇ」
ロマンだから( ゚Д゚)
グリーフィア「あーハイハイ」
ネイ「なんでそんなロマン持つんですか」
それが男の性ってもんですよ……というわけで本編をどうぞ
遠くからでも分かる轟音が基地内に響き渡った。退避させた深絵からの通信に訊く間もなく従った元はその轟音と共に伝わったDNの思惟から、それが深絵によるものだと察する。
轟音と共に戦域に弾丸が到達する。実弾だったが、音に相応しい速度を持って到来したそれがマキイン・刃――――を庇った魁に直撃した。
『ガフッ!!』
『づぅ!?何だ、今の攻撃は!実弾……?』
マキイン・刃の沢下はその方角に目を向けた。だがそれは命取りだ。隙を見逃さず強襲する。
「隙だらけなんだよ!」
『ちぃ!!』
ビームサーベルを振り下ろす。一撃目は回避されたが、続く二連撃目がシールドの表面に火花を散らせる。妹の華穂もアームに接続したガンアサルトをレールガンモードに切り替え放つ。
『そこっ!』
狙い澄ました実弾が敵機アサルトライフルを貫く。瞬時にサイドアーマーから切り離したことで被害を免れる機体。深絵の作り出した状況にジャンヌも驚きを露わにする。
『すごい……凄いです!深絵さん一体何の武器を使ったんですか!?』
「分からない。深絵、何をしたんだ?……深絵?」
確認を取るが、反応がない。呼びかけても応答がないのを不審に思い、華穂に告げる。
「華穂、深絵の様子がおかしい。確認に向かってくれ」
『え、えぇ!?深絵さんが!?何があったって』
「分からないから確認すると言っている。ここは俺がやる。ジャンヌ、予想位置の送信を」
『了解』
あわあわとしている華穂を一喝しすぐに深絵の無事を確認に行かせた。一方僚機を失い怒りに震える沢下。
『俺の
「おっと、行かせねぇよ!」
真っ直ぐ深絵の方へと向かおうとしていた沢下の進路を塞ぐ。振り下ろしたサーベルをシールドで受け止められる。だが受け止めたのを逆手に取り、地上へと押し込み戻す。まだ敵が残っているのだ。それを無視して向かおうとするなど許しはしない。
機体の出力に任せて再度地表へと戦闘の舞台を戻した両者。一騎打ちとしゃれこもうとするも、それを邪魔する一射が向けられた。
「っ!」
『新手のMS!1機だけ……?新型がもう1機!』
機体カメラに映るのは、前にいる機体と同じ機体。リフレクトシールドなるものを装備した増援のパイロットが沢下に言った。
『沢下戦神官、何を手こずっていると思えばガンダムを相手にしていたのか』
『フン、誰かと思えば。そういうくらいなら支援してくれるのだろうな?』
『無論だ。漆黒のガンダムは何としてでも排除か確保しなければならない。時間を長引かせていれば包囲される。一気に決めるぞ』
2機は両手にバックパックから引き抜いた実体剣を抜き放つ。抜き放つと同時に剣の刀身が赤く染まる。ヒートソードとなった剣を構える機体に元もまた武器を切り替える。
「実体剣なら、こいつで!」
ブレードガン・ニューCに切り替えて両者との戦闘を再開させる。ビームサーベルを纏った剣と赤熱化した実体剣。3機が入り乱れ、戦う。
加わったもう1機のマキイン・刃もかなりの腕前だ。こちらの機体で劣る性能を、腕前と数で抑え込もうとしている。ビームを放つがそれを加勢に入った1機もシールドでこちらへと跳ね返す。もう1機と同等の性能を持っている。先程と同じように力だけで圧倒するのは難しいだろう。回避して両者の剣を受け止め鍔競り合う。
『効きませんよ、ビームは。最新機が2機。いい加減墜ちてもらいましょうか!』
『このまま斬る!』
「ふっ、生憎、あんたら程度で落ちるような機体じゃない!!」
出力を上げ、一気に吹き飛ばす漆黒のガンダム。ブレードガンで振り払い、まずは増援に来た1機に狙いを定めたのだった。
◆
(……さ……深……ん!)
(誰か、呼んでる?)
朦朧とする意識の中、深絵は声を聞いた。誰かは分からない。けれど自身を呼んでいるのだけは分かる。
どうして自分はこうなっているのか。思い出せずにいたが分かることがあった。今すぐ目覚めなければならない。それだけを思い出して、深絵は意識を呼び起こす。目覚めると機体カメラにソルジアV2の頭部と炎の赤と煙の黒に染まっている。ようやく意識をはっきりさせて、深絵は機体を起こす。
「っ!華穂ちゃん、状況はっ」
『はうっ!?だ、大丈夫ですか深絵さん』
いきなり起き上がったのを見て華穂は心配の声を上げる。体のあちこちが痛む。機体が反動に耐えられず、地面へとぶつけられたのがフィードバックされたのだろう。しかし今はそれにかまけている場合ではない。すぐにあの後どうなったのかと聞いた。
「それより、私の撃った弾は?撃墜できた!?」
『えっ、あぁ……沢下の機体は外しましたが、庇った僚機を撃墜しましたよ。でも今増援が入って2機でにぃと戦ってます』
外した!深絵は動揺する。本当なら沢下の機体を撃墜するはずだったのに。しかも今は増援が来たと言うではないか。痛む体を無理矢理起こし、戦況を実際に確認する。
元の機体が確かに2機のMSと戦っている。しかも2機は同じ機体であり、元は銃剣の兵装に切り替えて戦っていた。先程よりも悪化した状況を歯ぎしりする。
「っく!」
『深絵さん、無理は……』
「もう一度、狙撃を敢行する」
『深絵さん!?』
フラフラの体でもう一度攻撃を行うとの発言に、華穂が狼狽える。確かに先程の射撃で機体各部にも不具合が出ている。恐ろしい威力だ。それでももう1発は放てるだけの強度はある。それを華穂にも告げる。
「まだやれるよ。私も、ブラウジーベンも!」
『深絵さん……』
華穂は言いたげだったが諦めて何も言わなかった。これは意地だ。スナイパーとしての、そしてMSパイロットとしての……。
奮起する深絵にシュバルトゼロのサブパイロットであるジャンヌから回線で伝えられる。
『ミエさん。ハジメからの通達です。「華穂を戻せ。2機で機体を抑え込む」とのことです』
元からの遠回しの援軍要請。これで決まった。
「任務、了解っ!」
機体を立ち上がらせる。地面に激突して変形してしまった左ブースターウイングをパージする。機体バランスを再入力し始める。華穂へと先程のジャンヌの、元からの伝言を言った。
「華穂ちゃん、元君の支援を」
『あっ、ハイ!深絵さんも気を付けて』
すぐに建物から降りて、元の下へと向かっていく。二度目の発射、これが実質的に最後になるだろう。出来る限り負荷を抑えこめるよう各部を調整する。
「エディットアーム、パイルバンカー展開」
エディットアーム内部のパイルバンカーユニットを地面に向けて展開、建物との固定を行う。しっかりと反動に耐えられる態勢を整え、再び狙撃カメラを展開した。が、カメラ自体の破損が目立ち、とても精密射撃には使えない。狙撃カメラを切って、照準を壊れていないデュアルアイカメラに切り替えた。
実弾で狙撃カメラを使わない狙撃はほとんどない。MSで銃自体のスコープを覗いて狙うには衝撃が強すぎることが分かっている。なら、直感で、感覚で当てるしかない。
「……」
1発だけの制約が重くのしかかる。例えこれまで数多くの狙撃を成功させてきた深絵でも、対物ライフルで動く人型の的に当てるのは至難の業だった。しかし、当てなければならない。当てなければ一気に劣勢になる。落ち着いて狙いを合わせる。
敵の動きは非常に速い。先程の狙撃で警戒されているのだろう。そこで丁度華穂のソルジアV2が戦線に再突入した。ガンアサルトとMS刀「タチカゲ」で敵と機動戦を行っている。支援に入ってくれたとはいえそのせいで余計に狙いがつけづらくなったとも感じる。だがそれでも深絵はやると決めた。元に敵の動きを縛るよう呟く。
「元君、敵を抑えて。一瞬だけでいいから」
『了解』
直後元が敵へ向けて飛び込む。振り切った銃剣の刃から逃れるべく2機は距離を取る。が、直後元は銃剣の1本を敵へと向けて投げつけた。投げつけた武器が敵の頭部を直撃、機体バランスが崩れる。それを深絵は見逃さなかった。
「……今っ」
今度はしくじらない。しっかりと機体を地面に踏ん張らせ、トリガーを引く。直後轟音と共に最速の実弾が敵MSに向けて放たれた。衝撃が機体を襲う。電子化された体に更なる痛みが刻まれていく。それでもしっかりと機体を地面へと着けて衝撃を抑え込もうとする。機体の腕部からもスパーク、そして小爆発が起こるが機体は耐えて深絵も意識を保つ。
駆動系に問題が生じたのか、重対物ライフルが手から滑り落ちる。だがライフルよりも先に深絵の意識が標的となった敵機に向けられた。当たったのかどうか。それだけが満身創痍の深絵の体を突き動かす。そしてその先に結果があった。
◆
思えば、それは一瞬の事だった。深絵からの指示に従い、敵機のうち1機を足止めさせた。とはいっても逃げる敵機にブレードガンを投げつけて態勢を崩したくらいだ。しかし、その一瞬を深絵は狙い、撃った。先程と同じ轟音が戦場を突き抜けた。
一瞬しかない発射タイミング。しかしそのわずかな隙が敵にとっての命取りとなった。轟音の直後マキイン・刃が咄嗟にシールドを構えた。そのシールドを貫いて実弾が敵機の左腕を奪い去ったのだ。
『ぐっ、ぐぉぁあああ!?』
『なんだと!?』
左腕を穿った衝撃で、マキイン・刃が凄まじい勢いで回転、吹っ飛ばされていく。仲間に起きた異常事態に増援に来た男の声が震える。深絵が撃ったのは沢下の方だったのだ。
『ハジメっ!』
「分かってる」
ジャンヌからの呼びかけに元はブレードガン・ニューCのビームサーベルを最大発振で応える。狙うは沢下の機体。された仕打ちの仕返しを込めて、ブレードガン・ニューCからビームサーベルを最大発振して振り下ろす。
シールドがない今、ビームライフルに切り替えるのも手だったが、そうしないのは無論敵の僚機の存在があったからだった。予想通りもう1機のマキイン・刃がシールドを構えて割って入ってくる。
『今やらせるわけには!』
「上等!」
『Ready set GO! DNF「ディメンションブレイド」』
銃剣に高純度DNから形成した高エネルギー刃をシールドに向けて叩き付ける。片方が動けない今、この高出力であのシールドも押し切れる。シールドを表面から斬り裂いていき、完全に両断した。
『シールドがっ!?』
「このまま……斬り裂くっ!」
踏み込んで加速、狼狽するマキイン・刃の構えたヒートソードを両断する。そしてそのままブレードガンを敵機胸部へと差し入れた。首筋付近からジェネレーター付近へと入れた一撃で、機体が痙攣をおこす。
『グォッ!?』
「このまま……墜ち!?」
撃墜を狙おうとした元の耳に警報が鳴り響く。機体カメラを向けると衝撃から回復した沢下のマキイン・刃が右腕部のビームピストルをこちらに向けていた。狙い撃ってくると思い、機体を陰に隠したがそれがいけなかった。
『フン!』
ビームが放たれる。しかしあろうことか、沢下は味方機体を撃ったのだ。次元粒子発生器を直撃しブレードガンを突き立てた機体から火の手が上がる。予想していなかった攻撃に元は緊急退避を行う。
「っく!あの野郎……!」
『ブレードガン喪失。敵機、そのまま上空に!』
煙を振り払って敵を視界に捉えようとする。だが既に沢下はこちらに背を向け撤退行動に入っていた。仲間を撃って自分が逃げるために利用するなど、言語道断だ。逃げる敵を追撃しようとした元だが、深絵から追撃は不要との指示を受ける。
『待って。追撃は危険だよ』
「深絵!だけど……」
言い返そうとした元だったが、深絵の発言で頭を冷やしていく。
『下手に追撃して、次元覇院を刺激すれば愛智が戦火に包まれる。愛智の防衛の要だったここを失った今、勢いで向かってくる可能性も考えればここは行っちゃダメ』
東響とは事情が違う。それに気づいて機体を苦々しくも見逃す。突出しすぎた考えを謝罪する。
「そうか。悪い」
『ううん。元君の考えは至って普通だよ。けど沢下はいつも僚機や増援に来た味方すらも利用し逃走してる。追撃に出た味方は全機撃墜、とんだバケモノだよ』
『それほど、MSオーダーズも苦戦させられる相手、なのですね。あの沢下という男は』
『ですね。にぃや深絵さんの人生を滅茶苦茶にした男ですから!それより深絵さん、機体は大丈夫ですか?』
華穂は沢下の所業に云々言いつつも、狙撃支援を完了した深絵の機体状況について訊いた。ジャンヌから片手間に訊いた限りでは、機体の各所が既に限界状態だと言っていたが……。
華穂の心配は的中していた。深絵がやや力ない笑いで現在の状況を語る。
『あ、あはは……機体肩部含めて、腕の関節部がショートしてるね……腕が動かない。エディットアームのパイルも衝撃で屋上のコンクリートに完全に埋まっちゃってるし。……助けに来て~』
憐れな声で助けを求める深絵。あれだけの弾速で問題が出ないはずがないとは思ったが、よもやそこまでギリギリの状況で狙撃を行ったとは。だが先月の光巴救出作戦の時も思ったが、やはり深絵は狙撃のセンスは非常に高いようだ。撃てる状況なら可能な限り撃つ。味方として最大限の援護を行う狙撃手はとても心強いが、同時に無理をし過ぎないか不安になる。自分にとってのガンド、フォーンのようなお手本となる人物がいればもっと伸びるのかもしれないが。
それにしても、援護に使用した兵装は何だったのだろうか。それが気になる元は華穂に深絵の救援に向かうことを伝える。
「なら、助けに行くか」
『そうだね。っと、消火部隊もようやく到着だ!』
空と地上からMSと消防による消火活動が開始される。炎が弱まっていく中で、2人は深絵のもとへと向かうのであった。
◆
「…………ガンダムは追ってこなかったか。日和ったな」
追手が来ないのを見て、聖戦の跡地を振り返る判。否定しようものなら全力で否定しなければ反抗の意志は消えない。もっとも追ってくるのなら本拠地の部隊が一斉に敵を殲滅に掛かるだろう。
初めから負ける戦いに意味はない。自分達の戦いは勝ちが確定した戦いなのだ。負けることなどあり得ない。特に判は妹の復讐を持ち合わせた悪魔たる次元光姫の討伐に、一切の余念もない。妹の復讐の為ならなんだってするのがモットーだ。味方も利用する。もっとも先程のあれは「予定されていた調和」だったのだが。総本山たる基地への着陸態勢に入ると、回線から男の声が発せられる。
『無事逃げおおせたか、沢下』
「逃げおおせた?違う。俺は悠々と帰還したのだ。それに比べ、貴様は二階級特進したというのにここにいる。矛盾だぞ第2戦神官」
『減らず口を』
言葉を交わしているのは、先程判と共にシュバルトゼロと戦った戦神官の1人。だがその機体はシュバルトゼロと背後から撃ったはず。既にこの世にいないはずの人間だった。しかしその姿は確かに回線に映っている。
死んだはずの兵士の生存。それは次元覇院がMSオーダーズを超える、神からの贈り物を賜った者達だからこそ出来た「罪を許された者だけの特別な方法」を得ているからだった。回線から通信官が対立する2人を宥めながらその成功を祝う。
『まぁまぁ戦神官のトップであるお二人もそこまでで……それより今回の聖戦で、あれは問題なく機能出来ることが確認できました』
『フン、ようやくか』
「つまり、東響のMSオーダーズもこれまでと言うことだな……!」
『えぇ!』
滑走路に着地し、その報告を受けて拳を握りしめて喜びに震える。長い間この時を待っていた。これでMSオーダーズを亡き者とし、世界は次元覇院の教義に、「あの方」の望む世界となるだろう。
その喜びを回線にはっきりと告げた。
「聖戦の勝利は近い!その先の未来の為に、俺も最期の時まで戦うぞ!」
歓声が響く。判の脳裏に妹の喜ぶ姿が思い浮かぶ。
(待っていろ、ユズ!お前の復讐、俺が果たす!)
既に采は投げられている。どちらが滅ぼすか。もっとも、勝敗は既に決まっている。真なる正義を謳う、我らの勝ちなのだ。
NEXT EPISODE
EPISODE16はここまでです。
ネイ「無事、追い返せましたね」
グリーフィア「みたいねぇ。大分損害は出たけど、よしってところでしょ」
ネイ「うん。でも最後……」
グリーフィア「不吉よねぇ。何で生きてたのか。まさか生き返る技術を生みだしたとか言ってクローン培養だったり?」
さぁ、それはどうでしょう……?というわけで続くEPISODE17にてこの戦いの幕を下ろします。続くEPISODE17もよろしくお願いします。