機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、皆様。引き続きご覧の方は改めまして。今週末にあるバトスピ界放祭に向けてのデッキ構築でこっちがあまり進んでおりません(;・∀・)作者の藤和木 士です。

レイ「アシスタントのレイですっ」

ジャンヌ「アシスタントのジャンヌです。……いや、今回藤和木CS出ませんよね?」

出ないよ。だから界放祭にって言ったじゃん(;´・ω・)

ジャンヌ「たかだかお祭りのデッキにそこまで……」

レイ「あーでも作者って年々勝ち星下がってるんだよねー。去年はCS一本だけだからあれだけどおととしその前は14勝から12勝に」

もうやめてくれ( ;∀;)とまぁそれもあるけど今はEPISODE17の公開です。

ジャンヌ「無事基地の人達は助けられましたが、この先どうなるのでしょう?」

レイ「司令が生きているのは幸いだけど、どうなるんだろう?」

というわけで本編をどうぞ。


EPISODE17 貫く一撃とこれから3

 

 

 四ツ田基地襲撃から1日。元と深絵は名護屋市内の総合病院を訪れていた。大学と併設して建てられた病棟のとある一室を目指す。

 途中、深絵と会話をする。話題はこれから話すことだ。

 

「……大丈夫かな?」

 

「大丈夫って、何が?」

 

「いや……事実を話すことと、あと後ろのあれ」

 

 深絵が振り返って見つめる視線。元もそれらを振り返って一瞥し、頭を振りつつも何とかなると答える。

 

「事実は事実。話しておかなきゃならない。それがどんな結果を生むとしてもな」

 

「それは分かってるよ。けどあんなことがあって、それでいて今もだなんて……」

 

「死人に鞭打つような所業ってか?けど軍人は腐れば野良犬以下だが、腐らなければどれだけ傷ついても任務を遂行する忠犬だ。大丈夫、何とかなるだろ」

 

「羨ましいな。そういう風に考えられるの。と、ここだね」

 

 この先の不安を吐露しながらも目的の場所へたどり着く。特別病棟の関係者以外立ち入り禁止区域。そこにやってきた元と深絵―――――それから軍服の男性と彼に連れられた少人数の子ども達。元は軍服の男性に待機を言ってノックをしてから深絵と共に病室へと入室した。

 

「失礼します」

 

「失礼します」

 

 病室特有の臭いを鼻に感じる。ベッドには一人の男性が寝ていた。2人の来訪にその男性は顔を向けた。

 沈黙の中、先に口を開いたのは元だった。

 

「改めまして、MSオーダーズの黒和元です。体調はいかがですか、須藤 千(すどう ぜん)四ツ田基地司令」

 

 先の戦闘で襲撃を受けた基地の司令、須藤千の病室を彼らは訪れた。

 

 

 

 

「……つまり、あの時まで貴官らの組織ではあの担当官達の不敬を把握していなかったと」

 

「はい……。担当変更もほぼ一方的でしたし、その担当官達も変更後は自衛軍に編入、こちらとの接触を避けていたようで……現在自衛軍本部にて彼らの処遇を私達の上とで決めているようです」

 

 深絵は暗い表情で四ツ田基地司令の須藤へと告げる。あの戦闘後、すぐに深絵は本部と連絡を取り、基地を出た後に話していた可能性の調査を依頼していた。捜査部の葉隠がすぐに動き、集めてくれた情報で元担当官達の所業は明らかとなった。

 なんでもダンガンの情報を聞いた彼らは、性能を見るまでもなく四ツ田基地の隊員らを骨董品に縋る古い者達だと早合点。話を聞くことなく否定から入って基地の者達の逆鱗に触れたのが原因だった。またMS導入の説得についてもとんでもないミスがあった。そもそもの話最初は「MS導入を聞き入れていない」のではなく、「MS導入に関しての相談」を基地からの要請で自衛軍本部が依頼したのだ。導入に際しての説明であるにも関わらず、話をよく聞いていなかった担当者の怠慢。それが今回の悲劇を生んでしまった遠縁だった。

 思えば担当者もあまり真面目そうな印象がなかった。失礼だが社会に出てはしゃいでいる若者のような2人だ。しかも今回以前の彼らへの追及も間に入っていた者が適当に誤魔化していたのもまた良くない。結局のところ、古い古いと言って貶していた側が、一番古い体制そのものだったと証明されてしまったわけだ。そのせいでどれだけの人間が死んだのか。それを今後しっかりと突きつける必要がある。あやふやにしたツケは重いだろう。

 だからと言って深絵達に責任がないわけではない。はっきりと自分達の責任だと千に弁明する。

 

「でも、気づけなかった責任が私達にはあります。申し訳ありません」

 

「そうだな。それが無かったら、謝罪さえあれば回避できたのかもしれない。だがもう起きてしまった。どれだけ言っても、失った仲間は取り戻せない。私も、謝罪を要求しなかったのだからな」

 

 謝罪に対し過ぎた出来事だとし、また自身の判断が不適切だったと語る須藤。どこか諦めを感じさせる彼の言動は続く言葉で更に補強される。

 

「これはまだ承認されていないが、退院後私は軍を離れる。こんな結果を起こした責任は取らなければな」

 

「そんな、それは……」

 

 軍を辞める。原因はこちらにもあるが、彼にとってそれは決定事項のように語られた。そんな必要はない、責任だって自分達MSオーダーズにあると言おうとした深絵の言葉を遮って、元が必要ないと言い切った。

 

「それは責任を取るっていうのと違うんじゃないですか」

 

「ほう、ならばどう責任を取る?私に何が出来ると」

 

「決まってる。もう二度と同じことが起きないように対策を作る。それは実際に経験して後悔をしたあなたが一番適任のはずだ」

 

 須藤の問いに即答する元。こういった場面で責任を取って辞任の流れが日本では普通。須藤もそれを取る流れだった。だが、元はそれを否定する考えを持ちかけた。それは責任に対する考えの違いからくるものだろう。

 元の言う勝手な考えと思われたかもしれないが、実際はそうではない。これはそこまでの経緯を聞いた晴宮防衛大臣が提案したもので、元がそれに同調したに過ぎなかった。そこに至る経緯も伝える。

 

「何でもかんでも、辞めて責任を取ったと思うなよ。ちゃんと責任を取るっていうなら、失敗した時迅速な対応をするのが筋を通すってものだ。晴宮防衛大臣も、あんたを辞めさせるには惜しいと言っていたしな。上の異存はない」

 

「晴宮防衛大臣が……そうだな。確かにそれが本来あるべき責任の取り方だ。それを許してくれるのはありがたい。しかし、私にそこまでの実力があるとは自分自身、思えない。こんな結果を起こした自分に」

 

 起こした被害に、自信をなくしたと語る。護ってきたものを失った事実に呆然自失となる須藤の姿に、深絵も引きずられて俯く。実は2人は自衛軍に須藤の退役申請を撤回してほしいと言われ、来ていた。もちろん2人、少なくとも深絵は彼に退役をしてほしくはなかった。ライフルの借りがあるし、責任の一端を感じていたからだ。

 それを聞いて元も一緒に行くと言ってくれた。多くの人の声を聞いて、ここにいる。隣にいた元が諦めに入っていた須藤にその声を届ける。

 

「謙遜する余裕があるうちは、まだやれるさ。あの戦いでもあんたの判断は間違ってないんだからな」

 

「謙遜など……私は」

 

「まぁ、それはこいつらの声も聴いてからにしてほしい。入ってきていいぞ」

 

「はっ、失礼いたします」

 

 入ってきたのは先程まで共に来ていた軍人の男性、と数名の子どもたちだった。軍人の方は四ツ田基地所属の軍人だったが、子どもの方はそんな素振りも見せない男女混合、身長も疎らな子たち。深絵も最初はどうしてこの子どもたちが関係しているのかと思った。だが話を聞いて、彼の力、心を奮起させてくれると思い連れてきた。

 子供たちの顔を見て、目を見開く須藤。体を起こし、声を発する。

 

「お前達……どうして」

 

「おじちゃん、ダメだよやめちゃ!」

 

「おっちゃんがいなくなったらだれがおれたちを守ってくれるんだ!」

 

「すみません、千さん。でも、基地が燃えていたのを見て、この人たちから辞めるかもしれないって言われて、心配で」

 

 我先にと話す年下の子ども達の言葉を、年上のお姉さんがまとめて事情を伝える。この子どもたちは四ツ田基地の防衛範囲にある学校の子ども達だった。学校の避難訓練や学校行事等で基地から人手を出したりして関わりを持っていた。だがそれ以上に、司令が子どもたち、基地周辺の住民から非常に好かれていた。その子どもたちが学校からの帰りに基地が燃えているのを見て心配して基地手前の橋まで来ていたのである。

 その時の話を無事だった基地所属の兵士から水戸が聞き、元の方まで話が届いて基地司令のお見舞いがしたいと彼らの願いを聞き入れ、こうして連れてきたのだった。子どもたちの言葉にタジタジになりながらも優しく言葉を返していく須藤、その姿はまるで近所のおじさんと言った様子だ。

 

「まぁまぁ落ち着け落ち着け。いいかい?おじちゃんは基地を守れなかった。おじちゃんより偉い人はそれでもやってほしいと言ってくれちゃいるけど、おじちゃんはそれじゃあダメだと思ってる」

 

「そんなの知らないやい!おれだって先生にじゅぎょうちゅうあそぶなっておこられるけど、それでも学校にはいるんだっ」

 

「いや、それは君達には学校に通う義務があるから……」

 

「でもおじちゃんだってわたしたちを守るのがぐむ?ぎむだって言ってたよ!ならおなじだよ!」

 

「いや、それは意味が違う。それはね―――」

 

 須藤は何とか子どもたちを納得させようと様々なことを教える。だが相手は子ども。すべてがすべて納得できるわけではない。特に親しい人がいなくなるともなればそれだけ納得しがたいものがあるのだ。

 

「やだー!おじちゃんいなくなっちゃー!」

 

「そうだそうだー!おっちゃんおれたちのこときらいかよー!」

 

「そういうわけじゃない。辞めても死んだわけじゃ……」

 

「はいはい、後は俺達に任せてくれ」

 

 駄々をこねる子どもたちに手を焼いていた須藤。彼らの間に元が制すると同時に割って入った。そして須藤に指し示す。

 

「彼らや町に住む人たちをあんたは家族のように接していた。それにあんた、戦闘機のパイロットに街が機関砲の照準に重ならないように指示してただろ。基地の残っていたレコーダーで聞いたぜ?」

 

「それは……」

 

「戦闘に民間人を巻き込まない。流れ弾まで考慮して、MS相手にその指示を出したあんたなら、いや、あんたしかあの基地の司令官は出来ないと思う。住民からの信頼も得るのが自衛軍、その前身から続く主義でしょう?」

 

 元の言う通り、自衛軍の前身たる組織は日本を守るという主義で古い大戦の後作られた。今は軍隊となっているが、その実災害で被災した民間人を助けたり、地域活性化にも協力たりした。基本を疎かにして得るものはない。それを踏まえて深絵も自衛軍上層部が決定した処遇を伝えた。

 

「ですから、自衛軍上層部はあなたの除隊申請を棄却。代わって新たに四ツ田基地復旧監督と改めてMS導入を要求します。これらに関しては、私達MSオーダーズも全面的にバックアップを行います。……お願いできますでしょうか?」

 

 申し訳程度の要請。実質的にはやれという命令形になってしまっていた。それを理解して滅茶苦茶だと語る須藤。しかし、答えは発言とは逆の方向性を持つものだった。

 

「はぁ、とどのつまり、退役は認めず復旧作業をしろと」

 

「そうなりますね……すみません」

 

「いや、こっちの不覚を許してくれたのならもう何も言わないさ。そうだな……その旨よしとする。退院後それらを進めていくと伝えてくれ。もちろん、MSを使ってだ。残った兵士達のMS転換訓練、よろしく頼む」

 

「本当ですか!ありがとうございます!もちろん、その時はこちらからちゃんとした訓練指導官を送らせていただきます。……あの、もう1ついいですか?」

 

 須藤がその命令を受け入れてくれたことに感謝を述べる。同時にもう1つ用件をお願いする。それは自衛軍上層部やMSオーダーズに直接関係するものではない、深絵が「個人的」にお願いしたいものだった。

 

「お願い、とは?」

 

 内容を訊く須藤。深絵ははっきりと自身のお願いを口にする。

 

「あのライフル……ダンガンの設計データだけでも分けてもらえませんかっ!」

 

 深く頭を下げる。あの時使った重対物ライフルは反動こそ凄まじかったが、撃った時の感覚、そして威力は深絵も納得するものだった。それらの製造技術を用いたライフルを使ってみたいと思ったのだ。

 話を聞いた須藤は思ってもいなかった発言に目を丸くした。だが願いの内容を理解すると苦笑とともにそれを快く承諾する。

 

「……フッ、分かった。そう手配しよう。ついでにスナイパーとしていくつか手ほどきを教えようか?」

 

「それは……はい、ぜひお願いしますっ」

 

 須藤からの誘いに感謝の気持ちを返答する。世代は引き継がれていく。兵器が変わっても技術は受け継がれていく。いや、兵器もまた姿形を変えて、受け継がれていくのだろう。

 数度言葉を交わして、深絵と元は子ども達と共に病室を後にしたのだった。

 

 

 

 

 病院を出て、子ども達を四ツ田基地の隊員に任せた2人は病院の敷地を出て周囲を歩く。どことなく明るい様子の深絵に元は語りかけた。

 

「良かったな、基地と銃の事」

 

「あ、うん。本当に良かった……辞めるって聞いて、私もそれだけは止めたかったから」

 

 優し気な顔を深絵は見せる。彼女はこちらへ協力してくれたことへの感謝を伝えてきた。

 

「元君もありがとう。いろんな人達の話をかき集めて、あの子たちを連れて来てくれて」

 

「同級生の頼みだ。それに実際に調べたりしてくれたのは四ツ田基地の人や東響の自衛軍の人達だ。俺はアイデアを利かせただけだ」

 

 実際自分が手を出せたのは子ども達の声をこうして届かせただけ。それ以上の事は出来なかった。もしあの場で須藤が断っていたら、無意味に終わったのだろうから。だが子ども達の言葉を聴いて、行けると判断したのは間違いない。だから元は言う。

 

「それ以上に、あの子達が自分の意志をしっかりと伝えたのが一番だ。正直なのが人を動かす一番の方法だからな」

 

「元君……うん、そうだねっ」

 

 深絵も納得した様子を見せる。ここでの行動はこれで終わり。この後は華穂達と合流して、

東響へと帰らなければならない。あちらではやはり連日続く次元覇院との戦闘が続いているようだから、手助けに向かわねばならないだろう。

 そこでポケットから着信音が鳴り響く。ポケットから取り出した最新型の携帯端末には妹の名前が出ている。電話に出る。

 

「もしもし。こっちは終わったぜ?」

 

『あ、もう終わったんだ。なら早くこっち来なよ~。今日には東響に帰らなきゃなんだからさ~』

 

 無邪気に名護屋散策を満喫しているご様子の華穂。脇からはジャンヌとドライバーの水戸の声も響いている。緊張感のない様子と思いつつそれに了解と応える。

 

「分かった分かった。俺の目当てもあるからな。すぐ行く」

 

『うん、りょーかい!じーっとしてたら、にぃが欲しがってたムック本がドーなっても……』

 

 言いかけたところで携帯を切る。昔もだが妹は柚羽の事件以来、特撮を封印した自分を奮い立たせようと特撮関連の台詞を会話に混ぜてくることがあった。よく知らないのにネタで使ってくるものだからか、自然と怒りが溜まってくる。ネタはあっても乱用は避けるべき、特撮に限らず作品やファンに対する配慮が欲しい。

 電話を切って、深絵に華穂達と合流することを伝える。

 

「じゃあ、早くあいつらと合流しようか」

 

「フフッ、華穂ちゃん楽しそうにしてたね」

 

「あれははしゃぎ過ぎだと思うけどな」

 

 そんな会話をしながら、2人で、そして合流したジャンヌ達とで名護屋の街を満喫していくのであった。

 

 

NEXT EPISODE

 




今回もお読みいただきありがとうございます。

レイ「これで愛智の事件は収束、って感じかな?」

ジャンヌ「そうですね。MS導入も決定しましたし、被害は甚大になってしまいましたが、良かったと思います」

いや、良くはないと思うけどね。それに至らないうちに解決すべきだった。そうすれば戦闘機のパイロットっていう戦闘要員を失わずに済んだわけだし。

レイ「って言ってるけどその流れを考えたのは藤和木だよね?」

そ、それは話の流れがそういうものだからでしてね(゚Д゚;)

ジャンヌ「今は何も言いませんよ。それより次回投稿遅れるそうですね?」

はいそうです(^o^)大体4日5日置きに今投稿なんですが、ここ最近はあんまり時間もなくてですね……その他したいこともあるわけで。次回の黒の館DNとその次の投稿が若干遅れそうになります。ご容赦ください。バトスピ界放祭もあるので。
では今回はここまでです。

レイ「次回もよろしくねっ。藤和木の今年の界放祭はどうなるっ!?」

ジャンヌ「まぁせめて12勝以上は上げてもらいたいものです」

厳しい;つД`)
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