機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、皆様。この頃は新型コロナウイルスのせいで様々なイベントに支障が出てますね、作者の藤和木 士です。今日はいつもより遅めの投稿です。

ネイ「アシスタントのネイです」

グリーフィア「アシスタントのグリーフィアよ~。そうねぇ。かくいうバトルスピリッツの公認大会とかも、大型のものから店舗大会まで影響受けちゃってるものね~。商品展開にまで影響したら、ね~」

_(:3 」∠)_まぁ病気だから仕方がないんだけどさ。それでもガンダムコラボの方に支障が出たら……あ、無論ディーバ関連もね。
さて、今回も2話投稿でお送りいたしますよ~。

ネイ「第2部に来てなかなか壮大そうなタイトルですね……掃討って」

グリーフィア「これは東響の次元覇院をぜーんぶ叩く!みたいな作戦かしらねぇ」

掃討戦、一体何を叩くのか。それでは本編へ!


EPISODE18 東響掃討戦1

 

 

 5月最終週、元はMSオーダーズのオーダーズ・ネストにある会議室、その指揮官担当席にいた。元の隣にはジャンヌが座り、同じ側には深絵も座る。華穂は居ない。彼女はMSオーダーズ主要メンバーに近いとはいえ、今回のような大掛かりな作戦会議には呼ばれない立場。隊員として隊長である光姫か深絵から聞くだけだ。

 大掛かりな作戦とは、次元覇院に対する作戦だった。既にプロジェクターの前で、各セッションの小隊長達に黎人が作戦の前段階、これまでの次元覇院の行動についての説明を行っていた。

 

「今月で次元覇院のMS撃破数は東側全体で400機を突破。うち200機前後が東響のエリアとなっている。MSの東側輸入量なども考えると、東響の次元覇院使徒の使える機体は、相当限られていると思われる。そこでオーダーズは6月初旬、この東響、最低でも23区の次元覇院の殲滅作戦の展開を決定した」

 

 黎人の後ろのスクリーンに作戦の概要が映し出される。作戦名は東響掃討戦、次元覇院を東響から追い出し、東響の安全圏を作り出すのが狙いだ。資料にはこれまで何度か同じ作戦が試行されていた。しかし真っ向からやり合うにはMSオーダーズだけでは戦力が足りない。いや、実際数は足りても防衛も含めた戦線維持が困難になると予想されたのだ。

 それを今一度計画したのは、無論それが解消されたということ。それには少なからずシュバルトゼロガンダムの技術流用が背景にあった。そのおかげでこれまで互角だった情勢はこちらの圧倒が目立つようになっている。これなら守りながら掃討出来ると判断したのだ。

 スクリーンへと作戦における目的、それに部隊配置が表示される。

 

「今回の作戦で都内における次元覇院の一掃、加えて23区外縁北西にあるとされる次元覇院東響侵攻拠点とされる地区を破壊。その為にネストと都内の間、都内、そして23区外縁それぞれに臨時前線基地を作成、そこから総指揮官の指示に従って部隊は行動してもらう」

 

 要するに3チームに分かれ、それぞれの担当地域に根付く次元覇院使徒達を殲滅するのだ。担当指揮官についてMS部隊全総指揮官、主力チームSABER隊長の光姫が発表する。

 

「距離がネストより近いチームより、A、B、Cと付けていきます。作戦全体のバックアップおよび基地周辺防衛のAチームは私、次元光姫が指揮を。都内殲滅とCチームから抜けてきた敵MS撃退を行うBチームはSABER副隊長の蒼梨深絵が担当」

 

「はいっ」

 

 深絵が返事をする。そして最前線を担当するCチーム、その指揮担当は……。

 

「そして敵侵攻拠点の攻略を行うCチーム指揮官は、黒和元に担当を要請します」

 

 担当の名を聞き、室内から動揺が生まれる。対して元は静かにそれを見ていた。どよめく会議室を、黎人がすかさず制した。

 

「静粛に。彼を今回Cチームの指揮官としたのはいくつか理由がある」

 

 そう、元が今回指揮官を受けたのにはわけがあった。その理由が1つ1つ提示されていく。

 

「1つに、彼は後々オーダーズにて設立予定となる遊撃部隊「CROZE(クローズ)」の隊長を務めてもらうため、その指揮能力を見ることにある。そしてもう1つ」

 

 リモコンを操作するとスクリーンに映ったスライドが変わる。そこにはいくつかの写真が写っている。何かの運搬状況。何かと目を凝らす隊長達。だが元はそれを知らされている。元をCチーム指揮官とした理由、それを黎人とメカニック担当の来馬が写真の正体と共に明かした。

 

「これは侵攻予定の拠点を映したものだ。このコンテナ、中身は分からないが、「MSではない何か大型のパーツ」であると思われる」

 

「おそらく敵拠点も同じく、私達を壊滅させる計画を立てているものと推定されます。何かは断定できませんが、これが本当ならMSオーダーズは「最大戦力」でこれと渡り合わなければなりません」

 

「それもあって黒和元を、シュバルトゼロガンダムを最前線に配置した。Cチームにはこれの制圧、あるいは破壊を要請する。敵基地周辺には住宅街もあるが、こちらに関しては既に内偵で次元覇院使徒が大半を占めているのが分かっている。そうでない者達は既に避難させた。存分に戦ってほしい。なおこの作戦は自衛軍とも連携する」

 

 理由を聞いて隊長達は声を収める。最悪の事態にならないために、最大限の力をぶつけるとなれば誰も反論はしない。反対の言葉がなくなった時点で、黎人が作戦会議を終了させる。

 

「では今回はここまでとする。後にチーム担当などを通達するので、それまではこれまで通りに。それでは解散」

 

 一斉に立ち上がり、敬礼する。そうして隊長達、そして元達は部屋を出ていく。

 

 

 

「大規模作戦……東響が戦火に包まれるのは、避けられませんよね?」

 

 会議室を出たジャンヌが一言、そう言った。先程の作戦、ほぼ民間人にも被害が出かねないのは明らかだった。それは光姫達ももちろん承知しており、ため息と共に語る。

 

「そうね……出来れば民間人を巻き込まない作戦を採りたかったけれど、でも基地と隠れ家からの動きがある以上、最大限の部隊展開は避けられないわ。それが結果的に一番被害を減らせる策だから」

 

 仮にもしCチームだけで作戦展開した場合、攻め込む部隊の背後、都内側から次元覇院のバックアタックを受けて部隊が崩壊する可能性がある。それを防ぐために都内警戒のBチーム、全体を見通し、ネスト防衛にあたるAチームと作ったのである。

 それを実現する為に数は自衛軍への協力要請で取り付けた。それでも推定数はほぼ互角。その為に光姫達は各地に点在するMSオーダーズ支部にも協力を仰いだのだという。それに言及する深絵。

 

「最大展開ってわけだから、支部にも協力を仰いでるからね~。光姫ちゃんの妹の夢乃ちゃんもこのタイミングで東響の本部配属で来るんだよ!」

 

「私としては、あの子に来てもらうのはどうかなって思ったんだけどね。でも人手が足りないし、何よりあの子が来たいって言うから」

 

 自らの妹の参戦に光姫は頭を軽く抑える。光姫の妹と聞いて元も思い出す。確か華穂と同い年の、姉よりも元気さが取り得の少女だったはずだ。

 

「光姫の妹……華穂とは同級生なんだったか?」

 

「うん、華穂ちゃんと同い年だよー」

 

「本当なら三枝の中学校卒業してから、地元の高校通うって予定だったんだけど……華穂ちゃんのこと聞いて、自分も責任取りたいってオーダーズまで来たのよ」

 

「責任?」

 

 光姫の言葉に首を傾げる。何だろう、同級生の悲しみを受け止められなかったからと自責の念に駆られてしまったのか。それとも同級生以上に親友として?しかし思わぬところで華穂に、そして元自身に関係していることを深絵から教えられる。

 

「あーひょっとして忘れてる?夢乃ちゃん、5年前のモバイルスーツ「ガン・ファイター」のパイロットだったの」

 

「……!あぁ、思い出した」

 

 言われて気付く。あの場で光姫が確かに試作モバイルスーツガン・ファイターのパイロットが自身の妹であると言っていた。彼女も、5年前のあの場に居たのだ。関係者として。

 思いだした元に、光姫達が彼女の当時の心境を語って見せた。

 

「あの事件でモバイルスーツのパイロットだった夢乃は、あなたを含め数名を怪我させたとして逮捕。ウイルスによる不可抗力ってのもあって不起訴にはなった。けど友人の華穂ちゃんのお兄さんであるあなたを殺してしまったって思い込んで……華穂ちゃんと同じようにしばらく引きこもってたわ。まぁ、当時は中学最後の冬だったから、支障が出たのはほんのわずかね」

 

「それから華穂ちゃんの家出があって、私が華穂ちゃんを東響に連れてきた。それを光姫ちゃんから又聞きした夢乃ちゃんが頼み込んでこっちに来たんだよね。以来夢乃ちゃんはモバイルスーツだけじゃなく、MSにも関わったってわけ」

 

 事情は把握した。予想は的を射ていたようだ。納得して元は手を打つ。

 

「なるほどね。それで2人は仲いいのか?」

 

「うん、すごくね。人員配置の時に夢乃ちゃんは支部に配属されたんだけど、今でも結構な頻度で連絡取り合ってたんだって。元君のことも話したらしいよ」

 

 2人の関係も良好と聞き、兄としては嬉しいことこの上ない。そこでジャンヌが話を戻した。

 

「でしたら、何か問題が?ミツキさんは関わらせたくないようでしたけど……」

 

 ジャンヌの疑問に光姫が首を振って質問に答えた。

 

「まぁ、単純に妹まで戦いに巻き込んじゃったなってのがあるわね。それと元のことは妹のいる支部には知らせていなかったんだけど、やたらと元の話題に食いついていたから、もしかするとまた……」

 

「あぁ……そういうことですか」

 

 光姫は頷く。姉としては妹の無事と、必要以上に責任を感じすぎてはいまいかと気にしていた。同じ妹を持つジャンヌにもすぐに分かったのだろう。もっともジャンヌとしてはその妹にも当てはまるため、双方の立場を理解していたようだった。ジャンヌは言う。

 

「ミツキさんの心配は分かります。でも、妹さんは妹さんで通したい筋があるのかも知れませんよ?」

 

 通したい筋、ジャンヌにとってのそれはやはりこの世界に来ると言ったあれだろう。あの時はせがまれ、なかなか大変だった。しかも親族は約1名を除いてジャンヌの意向を尊重した。そして彼女の妹もまた、面倒な通したい筋があった。

 光姫の心配に元もまた気にすることはないと答える。

 

「俺は構わないぜ。言いたいっていうなら聞く」

 

「元」

 

「けど必要以上に謝るって言うなら話は別だ。あれは事故、彼女には不可抗力なんだから」

 

 同時に謝られ過ぎても困ると回答しておく。事故は事故。それも不本意なものならその程度が一番だ。光姫にも確認を取る。

 

「それでいいか?」

 

「まぁ、それなら伝えておく。ちゃんと聞いてあげてね」

 

「了解だ」

 

 言葉を交わし、休憩所へと入っていく。待機中の隊員の中に、華穂もいた。

 

「あ、光姫隊長、深絵隊長お疲れ様です。にぃ達もお疲れー」

 

「お疲れ様、華穂もお昼休憩に入るところかしら?」

 

「はい。そちらも作戦の概要を伝えたって感じですね。お昼行きます?」

 

 敬礼を交えて、この後の予定について訊く。丁度昼に入ったところ、少し考えて賛成する光姫。

 

「そうね。色々と話すこともあるし」

 

「分かりました。じゃあ早速行きましょう!」

 

 華穂が加わり、一同は食堂へと向かった。

 

 

 

 

「じゃあ、にぃはCチーム……前線部隊の指揮担当で決定したんですね」

 

「そうだね。みんな最初はちょっと驚いちゃってたけど、作戦成功の為に必要だって示したら分かってくれたよ」

 

 カホとミエの会話を聞きながら、ジャンヌ達はランチを食していた。今日のランチはAがショウガ焼き、Bがエビフライのメインとなっている。ジャンヌはBのエビフライとサラダ、ごはん、そして味噌汁がセットになったものを食べていた。箸でエビフライを挟み、サクッとかじる。やはりこちらの昼食も手製込めて作られていると思う。

 昼食に舌鼓を打つ。口の中のエビフライを呑みこんでから話題となっている作戦についてジャンヌも言及する。

 

「必然的に私もCチームですね」

 

「そういえばまだ言ってなかったけど、ジャンヌにはCチームの通信管理もやってもらうわ。元の補助としてね」

 

「あら、そうなるんですね。情報量は多くなりますが、それくらいなら任せてください」

 

 いつもの仕事に+αされるのは初めて知った。もっともドラグディアにいた頃も似たような事をやっている。問題ないと返答した。

 既に昼食スペースでは多くのネスト所属の隊員達が昼食を取っている。そして聞こえてくる会話にも作戦についての話題がほとんどを占めていた。東響全域での作戦展開に驚く者、ついに次元覇院を追い出せると息を巻く者など多彩だ。それに惹かれるようにミツキもチーム配属の話をする。

 

「ここだけの話、チームの分け方なんだけどいつもの主力攻撃チーム1のSABER、攻撃チーム2のRIOT、基地防衛チームのGUARDIAN、を3つに分けてそれぞれに配置するわ」

 

「つまり、混成チームになるということですか?」

 

「そう言うことよ」

 

 ミツキの言ったRAIOT、GARDMANはMSオーダーズ本部オーダーズ・ネストの任務よって行動する主力チームだ。いくつかの小隊が集まって出来上がったチームであり、代表小隊の隊長がチームのトップとなる。SABERだけはミツキとミエの2人制を取っているのだが。

 チーム分けは気になる。まんべんなく、かつ問題が起きないようにどうチームを組ませるのか。だがミツキの口から語られたのは簡潔なものだけだった。

 

「それで華穂なんだけど、今回華穂には元のチームに参加してもらうわ」

 

「あら……」

 

「え……そうなんですか?」

 

 カホの顔が、鳩が豆鉄砲を喰らったように口を開いて訊き返す。予想していなかった配置にジャンヌ自身も知らずと声が漏れていた。意外だ。カホはミツキやミエと行動することが多いから、てっきりそうなると思っていたのだが。

 一方配置変更に関してミツキはそれが妥当である理由を話す。

 

「元が部隊長を務める予定の試作遊撃部隊「CROZE」、その運用試験としての活動もCチームには課せられている。そのための人員ね。元も知ってる隊員がいてくれた方がいいだろうから」

 

 カホを相談役としてチームへ編入させる。それがミツキの考えだった。確かに組むチームの中に知り合いがいれば些か指揮にも余裕が生まれる。パートナーとしてのジャンヌとは別で、同じ戦場で戦う仲間に安心できる相手がいるのは大事だと思う。ジャンヌはそれを肯定した。

 

「なるほど……確かに知り合いは多い方がいいですね」

 

「ジャンヌがいてくれるのもいいんだけど、やっぱり他の隊員と繋ぐ相手も考えるとしたら華穂以外に適任は居ないわ。もしかすると華穂にはそのままCROZEのメンバーに残ってもらうかもだけどね。そうなっても異存はないかしら?」

 

「はい。光姫さんも深絵さんも他のチームの指揮官としての任があるのでしたら仕方ないでしょうし。私もにぃと同じチームなら多分やって行けそうです」

 

 カホも頷いて見せる。双方了解したのを見てハジメがAランチのショウガ焼きを食しつつその決定に安心して見せた。

 

「それは良かった。昔なら色々ごねて、貶されて一緒には行かなかっただろうしな」

 

「むー、にぃがそう言うんならいかないけど?」

 

「元君、華穂ちゃん」

 

 2人の冗談めいたやり取りにミエが怒の感情を見せる。今にも叱りそうな勢いであったが、2人はすぐに掌を返すように、そのようなことはしないと約束する。

 

「やらないさ。昔はそうでも、今は違う」

 

「やったら深絵さん達に迷惑も掛かっちゃいますから。心配しないでください」

 

「もう……2人ともお茶目なんだから~」

 

 ため息交じりに笑って見せたミエ。段々と食事を終えていく。最後の一口を食べ終えたところでハジメが立ち上がる。

 

「さて、じゃあ午後からは新メンバーとのご対面、ってか?」

 

「そうなるわね。くれぐれも不和なんて起こさないでよ?」

 

 ミツキが釘をさす。それが作戦成功のカギの1つとなるのだ。気は抜けない。ジャンヌもそのサポートはすると答える。

 

「大丈夫です。私もアシストはしますから」

 

「うぅん……ジャンヌもしっかり常識のある行動を、ね」

 

 ミツキの不安げな顔に苦笑して、ジャンヌ達は昼食を終えた。

 

 

NEXT EPISODE

 




EPISODE18はここまでです。グリーフィアさんの予想大当たりでした(゚∀゚)

グリーフィア「やったぁ♪賞品は何かしら~」

無いよ(;´・ω・)

グリーフィア「それはがっかりねー」

ネイ「あ、あはは……ですが元さんもようやくここに来て隊長という役回りを拝命することになるわけですね」

マキナ・ドランディアでも士官学校に行くような話は出ていましたが、結局すべてが終わってからという話でしたからね。とはいえその大きな理由としては謎の機動兵器の相手というエースパイロットらしいものとの対決なのですが。

ネイ「MSではない何か、でしたね……」

グリーフィア「何かしらねぇ……やっぱりガンダムといえば、それって」

はーい口閉じましょうね(^ω^)

グリーフィア「残念ね~」

ネイ「もうほぼ答えになっている気が……」

さて、ではEPISODE19へ続きます。
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