レイ「アシスタントのレイだよ~」
ジャンヌ「アシスタントのジャンヌです」
さぁ今回はEPISODE25の公開です。光姫、沢下の対決だ( ゚Д゚)
レイ「本当だよー。これまでにも散々辛酸なめさせられ続けてきた敵だもんね。光姫ちゃんがこの戦いを終わらせないと!MSオーダーズの最後の砦なんだからっ!」
ジャンヌ「ですね。是非ともこの戦いで沢下との因縁を終わらせてもらいたいものです」
それでは本編をどうぞ。
レイ「ねぇ、なんで今回台本キツめなの?砦って言葉をちゃんと使うとか」
それが重要だからだよ(^ω^)
ジャンヌ「……あれ、え、まさか」
「ママぁ!」
「もう大丈夫だからね、光巴」
娘の呼び声にそう答える。黎人もその到着にホッと胸をなでおろしている。しかし事態はそれを許さない。
『赤の女王だ、撃てぇ!!』
ロートケーニギンを視認して敵部隊が我先にと迫ってくる。光姫は肩部シールドを前方に向け、装着されたマシンガンを掃射して対応した。
実弾に対し大きく回避を行う敵MS達。その間に右腕部に装備した盾と一体化した大型ビームランチャー「紋章の盾」を前方にいた沢下の機体へ向ける。
沢下の機体は逃げずに仁王立ちのまま、バックパックのアームユニットを開いてみせる。こちらを映すほどの鏡面を持った掌。敵の能力を光姫もある程度知っていた。だが構わず紋章の盾に装備されたアタッチメントビームランチャーを放つ。
「ぐぅっ!」
反動が機体を襲う。直進したビームは敵のアームユニットを直撃。予想通り反射を行い返ってくるビーム。それに対し再度ビームランチャーを放つ。二度目の弾撃に跳ね返った弾丸が相殺される。
その光景を見て確信する。どうやら跳ね返ってくるビームは特別強化されたわけではないようだ。それに見た限りではむしろ弱くなっているようにも見て取れる。打消しの後を見てそう思う。
連射出力での試運転の一発を放ったのが功を成した。対して攻撃を軽々と跳ね返した沢下はその判断を中傷する。
『おいおい、まさか隊長を名乗っていて我らの力を把握していないのか?』
「何言っているのかしら。充分収穫はあったわよ?迎撃だってちゃんとしている」
『ふん、突発的な対応はエースの必須条件。そんなものは大した自慢にもならない』
「それはそれは大した自信なことで。けど、さっきの言葉、どういうこと?」
挑発に対して挑発で対抗する。しかし光姫の気になったのはそれ以前に奴が放った言葉だった。
指摘に対し、分かっていないのか訊き返す沢下。
『さっきの言葉?』
「とぼけんじゃないわよ。柚羽って、あなたまさか……」
否が応でも気づくその名前。苛立った声音でその考えを肯定された。
『あぁそうさ。俺はお前に謀殺された間宮柚羽の兄だ!』
思いもよらない関係が暴露された。柚羽の兄。生前聞いたことがある。柚羽には離婚した父親に引き取られた兄がいると。
兄は別れる最後まで妹といると言ったが、両親の意向でそれぞれに引き取られたという。彼は柚羽の葬式にも参列したらしい。だが顔を知らなかった光姫は今ここでようやくその顔を知ることとなった。
あまりに衝撃的な事実に動揺を隠せない。しかしそれ以上に光姫を混乱させたのは自分が柚羽の死を仕組んだという彼の言い分だった。
「兄って……けど、どうして私が柚羽を殺さなきゃいけないのよ!」
『しらばっくれるな!俺は柚羽が死んだあと、悲嘆に暮れる中で出会ったあの方に真実を告げられた……鈴川光姫、お前があの男を母にけしかけて柚羽を殺させたのだと!』
「言われたって、そいつがおかしいわよ!第一まだ二十歳にも満たない子どもが、どうしたってそんな手の込んだことを」
あまりに飛躍した考えだ。普通そう言われたとしても信じる方がどうかしている。
ところがそれを沢下は信じた。こちらの言葉を意にも介さず信じるまでの流れを話し出す。
『あの方は予言した。お前がとある兵器に関わるということを。それがやがて大きな争いを呼ぶと!私はそれを防ぐため、あの方に従いモバイルスーツを暴走させた。これでモバイルスーツは開発中止になるはずだった!だがお前達は懲りずにモビルスーツと名前を変えて研究を続行した。愚かなことだ』
「愚か?なら今そのMSを使っているあなた達はどうなのよ!」
MSの開発を愚かだというのなら、それを使わずに自分達の考えを主張するべきだ。今の彼らは口だけの存在。都合のいいことばかりを並べる人間だ。
ところが彼は否定する。そしてあまりにも身勝手な言い分を主張する。
『それは神のお告げさ。モバイルスーツからモビルスーツへと名を変えたそれは、神の意向を受けて変わった。俺の行動が、世界を正しき方向へと姿を変えたのだと、あの方はおっしゃったのだ。だから何も問題ない!』
自己中心的だ。自分が関わった。それだけで世界を動かしたなどと考える彼に、光姫は言いようのない嫌悪感を示す。
その言葉に開発者である黎人も感情を露わにする。
「馬鹿げている……お前達のせいで、どれだけの人間が迷惑したと!」
これまでに何度も武力行使を受けた側の怒りは計り知れない。それでもそれらを歯牙にもかけないと沢下は語る。
『迷惑?我らは神から授かった正しき平和の教えを説いているに過ぎない。迷惑だと言う方がおかしい。それにその流れに横入りする貴様らの、どこが正しい!殺人犯の者達の言葉ならなおさらだ』
「……言っても聞かない、いいえ。聞けないなら容赦する必要はないわね」
これ以上の言葉は無意味だ。こうしている間にも基地は攻撃を受け、逃げる隊員達に被害が出続けている。
間違った認識を正すには時間がなく、そして遅すぎた。ならばもう戦い自分達の身を守るしかない。例え親友の兄だったとしても、聞き分け出来ない彼を野放しに出来ない。
黎人達に下がるよう伝える。
「黎人。先に行って」
「光姫!分かった。彼を生かしておいては危険すぎる」
「ママ……」
「大丈夫。ママは負けないから」
「……うん!」
光巴も納得して黎人達はその場を離れる。直後沢下のサインで待機していたマキインが一斉に前へ躍り出る。黎人達を襲わせまいとロートケーニギンのドローンからレーザーを放射して阻む。
『ぐっ』
「Aチーム、量産型の相手は任せた!」
『了解です』
雑魚をAチームの追従した部隊に任せ、自らは沢下と対峙する。紋章の盾後部からビームソードの柄を抜いて斬りかかった。
「はぁっ!」
『フン!』
斬りこみを回避して逆にバックパックから取り出したビームソードで斬りかかった沢下。それを光姫も光剣を振り上げ受け止める。
ビームとビームのぶつかり合いで火花が散る。振り払って一度距離を取る。シールドのマシンガンが狙いを定め弾幕を形成した。
弾幕の雨あられを器用に避けていく沢下の新型。左手に構えたライフルで反撃してくる。こちらは大きく回避運動を行いつつも、避けきれない弾丸は機体の肩・膝に装着したQBユニットの防壁で防御する。
何度も戦い合っているからか、お互いの動きはそれなりに分かっている。沢下の機体だけが強化されているわけではないのだ。
そう考える光姫。しかし現実としては光姫に不利な状況だ。アタッチメントビームランチャーから放つビームは、いずれも相手のアームユニットで無効化。むしろこちらに向いて牙を立ててくる。強化装備が実質仇となる状況に陥っていた。
(一応、対抗策はある。でも今ランチャーを破棄するべき……?)
紋章の盾に施された緊急時対策。それなら攻勢に出られる。だが使えば引き換えに性能が相対的にダウンする。
使わないに越したことはない諸刃の剣。だが今の光姫を直接カバーできる味方がいないのも事実。ならば、使うにしても最大限使ってから……!
光姫はコンピューターに指示を出す。
「ドローンレーザー弾着位置変更、アタッチメントビームランチャー出力マキシマイズ、時間差射撃……開始!」
ドローンが肩上部にせり出す。レーザー発振部を煌めかせるといくつものレーザーが沢下の機体に向けて伸びる。
『愚かな……自身の攻撃で散れ!』
余裕を見せる沢下はバックパックのアームを開く。先程と同じく、掌に仕込まれたリフレクトシールドで跳ね返す気でいるのだろう。
しかしそうはならなかった。ロートケーニギンの放ったレーザーはどれも沢下が駆る機体に着弾しなかったのだ。
跳ね返す気でいた沢下も、光姫の狙いが掴めないでいた。
『何?どういうつもりで……!』
「こういうことよ!」
動きの止まった機体。その一瞬が更に時間を生んで右腕部に装着された紋章の盾のチャージは完了した。最大出力を放出する。
放たれた膨大なビームの量。真っすぐと敵機体へと伸びた。沢下はアームの掌を向けて防御する姿勢を崩さない。ビームはそのまま直撃した。
拮抗するビームと機体。だが先程までとは違いビームは放ち続けている。敵の機体の周囲を蒸気が覆い出す。
『ぐっ……えぇい!』
舌打ちをした沢下が機体を横へと逃がす。受け止めながらの緊急回避。ビームの圧に耐えられずに右アームユニットが接続部を半壊させてビームの奔流に呑みこまれる。
残った左アームからビームが跳ね返る。しかしその威力は放出したビーム量よりも圧倒的に少ない光弾となっていた。放出直後の為相殺は出来ずシールドで防御する。着弾の爆発で視界が覆われる。
「くうっ……!さっきのあれは」
先程の反射状況で理解した。あの反射性能には限界がある。周りに吹き出ていた蒸気のようなものも何か関係があるのかもしれない。
いずれにせよこれは重要だ。すぐさま全機体のデータベースに映像を記録させた。しかし敵の勢いはまだ衰えていなかった。
『調子に乗らせはしない!この程度で収まる怒りであるものか!』
「まずっ!」
煙を突っ切ってこちらを襲う斬撃。間一髪のところでシールドを構えて凌いだ。しかし想定外の事態も起こった。シールドに突き立てられたビームソードの切っ先がわずかにアタッチメントビームランチャーを裂いたのである。
当初よりも完成度が高くなったことで搭載可能になったビーム砲。それでも多少の損傷で誘爆の危険性が生まれる。
完全にダメになったわけではなかったものの、光姫はすぐに損傷したアタッチメントビームランチャーの破棄を行う。シールドのアタッチメントが外れ、ランチャーが地面へと落ちる。
「……このッ!!」
『ん?っ!?』
パージと共にシールドで光剣を押し返す。すぐさまシールドを振り回す動作を行った。シールドを振り回す動作に見えるが、何かに気づいた沢下は瞬間的に避ける。同時に何かが熱で切断される音が聞こえてくる。
落ちる金属片。斬られたのは沢下の機体の胸部装甲パーツだった。ダクト部分が小爆発を起こし、現実を知らせた。
『……よくも、俺のマキシマムをっ!!』
機体名を挙げて怒りを沸き立たせる沢下。ロートケーニギンの振り回したシールドからはビームランチャーがあった根元から光の剣が出現していた。
これこそ紋章の盾に装備された隠し装備、ガントレットビームソードだ。持ち手部分が端末となったこの兵装は近接戦に持ち込まれたことを想定して、光姫が要請した格闘兵装だった。攻撃を受けた直後の不意打ち、シールドを装備したままでの剣術を行うために。
光剣を展開した状態で接近を開始する光姫。左手のビームソードも発振させて二刀流で攻める。
「はぁっ、このっ!」
『づっ!えぇい!!』
沢下の駆るマキシマムも剣戟に応じた。ビームソード同士の激突が火花を散らす。
本来光姫の駆るロートケーニギンは砲撃戦を想定した機体。接近戦は全く考えられていない。それは紋章の盾を装備した本形態でも同じだった。
しかし光姫は劣る機体の性能差を抑え込んでいた。織り交ぜられるアームユニットの一撃も正確に回避して、大振りの一撃に合わせて的確に繰り出す反撃。さながら近接型同士の激突に謙遜ない激しさだった。
光姫自身も近接戦闘訓練は受けていたが、それ以上に背負っているものの違いがあった。ここを抜けられれば夫と娘に危険が及ぶ。他の機体への迎撃を考えても、ここで立ち止まっては居られない。
護るのだ。自分が、家族を。戦う力を持っている自分にしか出来ない。声を張り上げ戦意を高揚させる。
「はあああぁぁぁ!!」
『ぐっ!何っ!?』
一気に弾いた敵。その手からビームソードの柄を弾き飛ばす。相打ちに機体頭部アンテナを斬り裂かれるが、構わずそのまま光姫はロートケーニギンの左手に握るビームソードを逆手に構えて振り下ろした。
狙うのは発生器。素早く振り下ろした一撃だったが、敵の防御が間に合う。右手を犠牲にしつつも敵は致命傷を避けた。フィードバックの苦痛を受ける沢下。
『おのれぇ……!』
「まだ、もう一撃!」
『そうはいくか!』
残る右手のガントレットビームソードも振り下ろす。ところがそれも、根元付近を先に抑えられて刃を外側にずらされる。
双方動きが止まる。しかしまだ敵には右のアームユニットが残っていた。その右アームユニットがこちらの肩部を抑えにかかった。
『これでお前は逃げられんぞ!』
逃げられないと豪語する沢下。機体の肩が握力で握り潰されていく。しかしそれはこちらとしても同じだった。
「それはあんたもよ!」
機体肩部のドローンが分離して周囲に展開する。レーザーでも十分な威力は誇る。敵の体のみを捉えて撃ち抜ける。
勝った。光姫は確信する。敵のアームはこちらの肩を捕らえている。敵の敗因は間違いなくこちらにもう反撃の兵装がないと考えてしまったことだ。こちらには自立式の射撃ドローンがある。
もう敵にこの状況でまともに使える武装はない。左手もこちらのガントレットビームソードを止めている。肩のアームで握り潰そうがドローンは確実に敵を貫ける。もう反撃の手段などない。
はずだった。
『愚か者!』
罵りと同時に衝撃が機体を襲った。何が起こったのか分からなかった。だが視界の下方から響いた振動だ。顔を向ける。そこに映った敵胸部から伸びたパーツ。
砲身のように伸びて出現したそれがこちらの胸部に押し付けられた。背筋が凍る。咄嗟に後退しようとしたがそこで自分が逃げられないことに改めて気づく。
「しまっ」
もう遅かった。
押し付けられた砲身から放たれた光がロートケーニギンの機体を貫く。意識が、途絶え、痛みが生まれる。
◆
隊員達に護られながら基地から離れつつあった黎人達。その途中光巴が気になることを口にした。
「パパ、ママがしんじゃう……」
自らの母親の死を予言するかのような発言。耳を疑った。
なぜそんなことを考えたのか。不安から来る妄想だと娘を諭す。
「光巴、不安だからってそんなことを言ってはいけない。ママは絶対帰ってくる」
「でも……やっぱりこころがざわざわするの。ママがとおくにいっちゃう!」
だが娘は心配だと言う。これまでにもこんなことがあった。以前基地が少数部隊に襲撃された時、直前に光巴が当時世話係だった女性に早く帰るように言ったことがあった。
その世話係は子どもの言うことだと思って笑って流していたが、襲撃時に避難した際流れ弾に当たって戦死した。光姫が当時の事を予知していたように思って不安になっていたのを覚えている。
まるで死を予知したかのような発言。だが娘は更に驚くべきことを声に出す。
「くる、はじめおにいちゃん!」
「何だって?」
半信半疑となりながら空を見上げる。すると蒼い光を解除しながら基地へと向かうシュバルトゼロガンダムとその背に捕まるもう一機の機体。その二機が基地方角へと突入する。
本当に来た。光巴の予言としか思えないほどに的中する言葉。当の本人である光巴は抱えていた隊員の手を振り払って同じく基地の方へと駆けだす。
「あっ、こら!待って!」
「光巴!?」
「はじめおにいちゃん、おねがい、ママを……!ママ、ダメェ!!」
駆けだした光巴が一際大きく叫んだ。悲鳴と取れる叫びと共に、基地に大爆発の音が響いた。あまりにもタイミングが良すぎる光景に黎人も青ざめる。
「なんだ……まさか!くっ!」
「し、司令!」
まさか本当に……光巴を追いかけて黎人も隊員達の制止を振り切って向かう。隊員達も後を追った。
NEXT EPISODE
今回もお読みいただきありがとうございました。砦は、墜ちた。
ジャンヌ「……あぁ。嫌な予感はしていました」
レイ「光姫ちゃん……こんなやられ方って……」
……まぁこれはある種の油断ですね。こちらを捕らえてきた時点でドローンによる射撃ではなく、ガントレットを分離させてかビームソードをいち早く手放すかしないと。
ジャンヌ「そんなこと言っても、黎人さんや光巴さんを残して逝ってしまわれるなんて……」
レイ「光巴ちゃんもそうだけど、これ元君また激おこ案件なんじゃ……」
それは次の投稿で分かるぞ~(゚∀゚)
レイ「その顔!止めなよ!?」
ジャンヌ「縁起でもない」
というわけで今回はここまでです。
ジャンヌ「次回、LEVEL2第2章最終話です。最後に何が……」