機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、皆様。マスクの争奪戦に初めて出たものの、どこも朝からの販売はなさそうというのが最初の感想でした。作者の藤和木 士です。

レイ「アシスタントのレイだよ~」

ジャンヌ「アシスタントのジャンヌです。朝早い時間から出ていましたね」

朝飯購入がてら途中の薬局で空くの待ってたんだけど、年配の人が一目散に入っていって2個しかない消毒ジェルを先入ったから全部買うだの小規模の言い争いしてたのを見て若者がーとかが当てにならないのをよくよく理解しましたよえぇ(;・∀・)それが今の品薄生んでいるんだろうがと。以前のトイレットペーパー品薄もきっとそれが原因なんだろう、うん許せん( ゚Д゚)

ジャンヌ「はいはい過去はもう忘れてください。今は別に大丈夫でしょう。それより今日の更新です」

今日はEPISODE28の更新だ。投稿遅れる発言はなかった。

レイ「あぁ、そんなこと言ってたねぇ。で話の内容は確か元君が政府の会議に突入したところかな」

そうです。伝えに来た用件とは何なのか。それでは本編をどうぞ。


EPISODE28 反撃の狼煙2

「元君ではないか。それに深絵君に、妹さんまで……ネストの方で被害状況を確認していたのでは?」

 

 晴宮大臣の問いに深絵が前へと歩み出て今の状況について伝達する。

 

「急な訪問申し訳ありません。ですが、次元覇院について、次の行動が判明したので報告に上がった次第です」

 

「次元覇院の動きが?」

 

 首相と思われる人物が聞き返す。しかし重要な話題ながらも、先程までの話を邪魔するなと大臣の一部が反論する。

 

「騒々しいぞ、君達。今は君達の処遇についての判断を……」

 

「ハッ、危険な武装勢力の逐一の動向よりも、自分達の勝手な主観で決めつけた思い込みを優先するのか?」

 

「話し方がなっていないのか!警備員、つまみだせ!」

 

 警備員が慌ててこちらを取り押さえようとする、がそれを首相が止める。

 

「待ちたまえ」

 

「首相!?なぜです?こんな国を運営する者に不遜な態度を取る輩は……」

 

「彼の言うことには一理ある。それに次元覇院の動向がすぐにあるようにも聞こえた。こちらも彼らの動きは把握しなければならない。いいね」

 

「……失礼しました。して、その動向とは?」

 

 首相の視線か、それとも言葉に圧倒されたのか大臣は謝罪の後に本題を訊く。元は頷いて黎人の席からスターターによる操作を始める。

 傍らで黎人と小声で言葉を交わす。

 

(色々と危なかったな)

 

(……余計なお世話、とは言わない。今回は助かった)

 

(そうか。じゃあもう一回辛酸を飲んでもらうぜ)

 

(何?)

 

「と、繋がった。こちらを」

 

 辛酸の二文字に反応する黎人。だがこの後の流れを言わず、これまでで分かっている状況の説明を開始した。

 

「次元覇院は先程声明を発表しました。二日後、三枝県沖にて人工衛星ホリンを打ち上げるとのことです」

 

「人工衛星?カルト団体がか?」

 

「はい。表向きには平和のためのシンボルとは言っています。ですが既にこちらと自衛軍の諜報の結果、これが宇宙軍事基地としての機能を持つことが分かっています」

 

「宇宙軍事基地だと!?」

 

 話しながら資料(スタート作成)をスクリーンで次々と映していく。多数の推進器、機関砲などがあることや、MSなどの格納、製作ブロックに居住ブロックも存在することが見て分かる。

 手元のタブレットで読んで戦慄する大臣達。元は言う。

 

「宇宙軍事基地は各国が現在も進めているプロジェクト。一番実用開始に近いのはアメリアでしょうか。ですが、次元覇院のこれはそれよりもレベルの高い、実用的なものです」

 

「そんなものを彼らが保有しているとなれば……脅威だな」

 

「でしたらすぐに止めなければ!もしこんなものが打ち上がればアメリア、いえ、他国からも何と言われるか……」

 

 他国からの指摘。それを先に恐れることかとツッコミを入れたくなるのを抑えて、言葉を続けた。

 

「他国だけで済めばいいけどな。これはこの星に生きるすべての人の脅威となり得るものだ。撃ち上がればあいつらは悠々とこちらを攻撃し続けるんだから」

 

「……なら、自衛軍の全戦力を以ってこれを全力で阻止しなければならないぞ」

 

「ですね」

 

 首相の言葉に大臣の一人が同意する。しかしそれではだめだ。二人の言葉に大臣らが賛同していく中で晴宮が首を横に振る。

 

「いや、全戦力投入は危険です」

 

「晴宮君?」

 

「防衛大臣!あなたは何を……」

 

「忘れたのですか、彼らMSオーダーズが奇襲を受けた最大の要員を」

 

 オーダーズ・ネストが被った被害の元凶。マリオネッターシステムの存在。

 資料にも確かに記されているそれは人工衛星ホリンの地上攻撃方法のひとつとしても挙げられている。

 それが意味する事実を防衛大臣に頷いて語る。

 

「そうです。私達の基地は彼らの運用する遠隔操作MSによって甚大な被害を受けました。もし自衛軍がこちらを手薄にして、同じようにここが制圧されたら?それはもっとも最悪のシナリオです」

 

「……自衛軍を下手に動かせませんね、それは」

 

 頼みの自衛軍を動かせないことに大臣達も頭を抱える。

 しかし打破する方法は充分にある。それは大臣達が消極的に考えていた者達の存在。

 

「なら、その為の者達を使えばいい」

 

「そのための……?」

 

「俺達MSオーダーズは、MSによる暴動を防ぐための組織でもあるはずですが?」

 

 MSオーダーズはMS開発を行うと共に、そのMSによる犯罪を抑止するための存在だ。MS所持法に照らし合わせて違反者を確保する。教習もその一環だ。

 これまでと同じように、オーダーズが中心となって事態を解決する。それだけの話だったが大臣らの一部はそれに対し渋る。

 

「これまではそうだ。だがこれからは自衛軍に含めて円滑な運用を……」

 

「だからさっきも言ったでしょう。思い込みのそれが重要なのかって」

 

「何が思い込みですか!歪な組織体系で上手く行くと?また同じ被害に遭ってもいいと言いますか?」

 

「歪、ね。確かにあなたから見て俺達MSオーダーズは歪でしょう。でも、だからこそ出来るものもある」

 

 怒鳴る大臣の一人に冷静に真っ向から反論する。

 

「人間完璧に全てをこなす、なんて不可能だ。同じ人間が集まっているのなら、なおさらな。だけど特色のある人間が集まればへこんだ箇所に上手く収まるように調整が出来る。難しい状況にも、適材適所で当たれる。MSだって同じだ。便利であっても既存兵器と比べると操縦が難しいし、装備によって不得意になる戦闘もある。だけどそういうのを他のMSがカバーして、戦っていくんだ。今のあんた達には、人材を大事にするってのが欠けているんじゃないか?」

 

 隊員同士でカバーする。光姫が心がけていると言っていたものだ。

 仲間は沢山いてもその人物はたった一人しかいない。だからこそ他で代わりが出来るなどとは思わない。ナンバーワンよりもオンリーワンの方がいい。

だからと言って他から手を借りないというわけではない。こちらの意向を改めて伝える。

 

「それでも今のオーダーズには補給と部隊再編が必要だ。その為の拠点と、補充要員だけは回していただかないと」

 

「フン、偉そうなことを言っておきながら人頼みですか。そんなに他人の厚意を突っぱねておきながら、偉そうに!」

 

「自衛軍に無理矢理入れるのが厚意だとは思わない」

 

「だからそれを!」

 

「もういい、国土交通大臣」

 

 二人の話を切ったのはまとめ役の首相だった。国土交通大臣に一瞥してから、こちらに向けて返答をする。

 

「オーダーズの戦力補充は防衛大臣に任せる。ただし首都周辺を防衛できるだけの戦力は残しておくように」

 

「了解しました」

 

「首相……」

 

「ただし、それを行うのはMSオーダーズの責任者問題を解決してからだ」

 

 要求を呑むための条件として、首相が提示した責任者問題。今回の作戦の損失に対する落とし前を要求してきた。

 

「緊急を要するのは分かっている。だが私達もその説明を野党はもちろん、国民にも伝えなければならない。それらに対する対応の為に、誰がその責務を背負ってくれるか、どう責任を負うのかをはっきりさせてくれ」

 

「……それなら、既に答えは決まってますよ」

 

 予想できた、とは違う。だがどちらにせよ頼みこもうとしていた案件が状況とマッチしていた。

 その目的を達しつつ、なおかつ彼らが納得するであろう答えを回答する。

 

「次元黎人をMSオーダーズ司令から解任する、というのでどうでしょうか?」

 

 

 

 

「次元黎人を、オーダーズ司令官から解任……」

 

「っ」

 

「黒和元!何を言って……」

 

 元の唐突な解任通告。それは黎人を困惑させるのには十分すぎた。黎人を解任させれば、また大きな動揺を生みかねない。

 深絵も少し虚を突かれる。が、すぐにこちらに目線を送った元の顔を見て様子を見ることにした。

 元は黎人、そして大臣達に語る。

 

「いくら緊急を要するとはいえ、先の件に責任を負う必要があるのは事実。しかし現場の総指揮に当たっていた次元光姫隊長は殉職した。ならそれらの全てを総括していた彼が適役でしょう」

 

「だ、だが私は司令なんだぞ!こんな状況で組織の長がいなくなれば」

 

「それに関しては現場のこちらが繋ぐ。それに基地に居ながらこれだけの損害を出す事態を招いたんだ。手薄になるのを分かっていながらな」

 

「そ、それは……だがそのためのAチームだった!」

 

 元の指摘に歯ぎしりして反論を行う黎人。Aチームの存在は確かに基地に何かあった時の為の急行出来る部隊というのは間違いない。

 それを元も分かっている。分かった上で、彼の言葉を否定した。

 

「だけど、間に合わなかった」

 

「ぐぅ……」

 

「今のあなたで、こちらも含めた防衛手段構築が出来るとは思えない。だから外す。その代打としては、自衛軍の新堂沙織さんにお任せしたいところです。以前から交流もありましたし。もちろんその決定は防衛大臣か自衛軍のしかるべき人に委ねますが」

 

 戦力外通告を受けて黎人が拳を硬く握る。見ていて辛い。元の狙いは何なのだろうか。隣の華穂も心配そうに見つめる。

 そう思い始めた矢先、元は大臣達に向けて提案する。

 

「いずれにせよ、次元黎人をこの作戦には参加させられない。つきましては、彼の身柄を拘束して頂くことは可能でしょうか?」

 

「拘束!?」

 

「ふむ。その意図は?」

 

 首相が聞き返す。意図について彼は語る。

 

「彼はこれでもオーダーズの中心人物です。監視を付ける程度では周囲の人物の助けによって脱走する恐れがあります。まして今の次元覇院は彼にとっては縁者の仇。正直MSを装依して戦闘に入ってくる可能性も否定はできません」

 

「に、にぃ……」

 

「そ、そこまでなのか、彼は……」

 

「可能性を追及すればどこまでも広がりますよ。それに責任を負う前に万が一襲撃を受けた時に死なれても困るでしょう?ならばいっそ中に収めておいた方がいい。と、俺は思います」

 

 そう言って見せる元。だが深絵達は分かっている。彼がそこまで無鉄砲な人間ではないと。

 そこまで聞いても元の言葉は黎人に対しての嫌がらせのようにしか思えなかった。悪印象を与えるだけだ。実際大臣の何人かが小声で本当かと疑っていた。

しかし首相はその訴えに首を縦に振る。

 

「分かった。では、敵による誘拐も想定して彼を拘束させよう」

 

「ありがとうございます。っと、忘れていました」

 

 すると思い出したかのようにリアクションをした元。彼は更に加えてもう一つ要求を行った。

 

「彼には娘がいます。彼女も同じく拘束、というより彼の下に置いておくことは可能でしょうか?」

 

「娘?」

 

「あぁ、光巴さんの事だね。まさか彼女までMSに装依すると?」

 

 晴宮の表情が怪訝なものに変わる。まさかと深絵達も思ったが元の回答はやや違った。

 

「流石にあの年でMSには装依出来ませんよ。ただ彼女は思った以上に突発的な行動が多いようですから。急に両親がいなくなれば不安になることは否めません。父親の下にいた方がいい、というだけですよ」

 

 苦笑する元。だがそれで元の意図が見えた。その表情と言葉で納得した様子を浮かべた晴宮が頷いた。

 

「なるほど。それなら彼女は彼と共に保護した方がいい。首相」

 

「そうだな。二人まとめて自衛軍の管轄する施設で頼めるか」

 

「分かりました。すぐに手配を」

 

 晴宮は側近に指示してすぐさま二人の身柄確保の準備を進める。華穂がこちらに顔を向けて小声で話を整理する。

 

(深絵さん、これって……)

 

(多分、そういうこと)

 

(やっぱり……)

 

 元の考えたそれに気づいた。元が黎人を司令官から解任した理由は1つだ。

 一方拳を机に付けて俯いたままの黎人。光巴も拘束されるという事実に失意となっている。黎人はまだ気づいていないようだ。

だが分かる人にはその意図は分かっていた。その証拠に新堂首相は元に対し言う。

 

「……もう少し、君も素直でもいいのではないか?」

 

「ん?」

 

「言葉が届くべき人物に届いていないようだ」

 

「……それは、まぁ後ですね。まだお話しておかなければならないので」

 

 まだ話すことがあるとして、元は更にもう一つ、由々しき事態があることを大臣達に告げた。

 

「失礼ですが、まだ話は終わっていません」

 

「まだ何かあるというのかね?」

 

「えぇ。特に各省庁を監督する大臣方にはとても関係のある内容です」

 

「私達に関係が……?」

 

 動揺を見せる官僚達。身に覚えがないという様子の彼らに対し、元は言い放つ。

 

「一部の大臣直下の部下が先程、情報漏えいと利敵行為の罪で拘束されました。もちろん次元覇院のスパイです。現状確認できるのは厚生労働大臣、国土交通大臣、環境大臣、外務大臣の方が確認できます」

 

「馬鹿な!そんな事があるわけがない。ふざけるのも大概にしろ!」

 

 役職を呼ばれた大臣達は騒ぎ出す。自分の所から裏切り者が出たと認めたくない故の反論だった。

 そんな彼らを収める声が後方から響いた。

 

「彼はふざけてなどいません。自衛軍諜報部でもそれは確認できたことです」

 

「あ、あなたは!?」

 

「新堂沙織二佐……それは本当かね」

 

 「新堂」沙織二佐に、首相の「新堂」幸地が問う。彼女は頷いて、更に発展した状況を告げる。

 

「現在スパイ行為に走った各省庁職員の内19名を確保。うち5名が隠し持っていたMSで逃走中。その中に厚生労働大臣と国土交通省直属の補佐がいます」

 

「そ、そんな……!?」

 

「わ、私はそのような輩の仲間ではない!」

 

「それは今から、明らかにすることです。後程官僚方には事情聴取を受けてもらいます。もちろん、首相にも」

 

「分かった。皆も抵抗せず受けるように」

 

 首相命令で一様に表情を重くする。自分の省庁の職員が裏切り者だとすれば、そうなるのも仕方がないのかもしれない。

 最後に首相は最終確認を行う。

 

「それではMSオーダーズにはプロジェクト・ホリン阻止に向けて行動してもらう。自衛軍はそのサポート、万が一の首都防衛と私も含めた周辺調査を頼む。それから次元黎人とその家族の拘束・保護も」

 

「了解」

 

「分かりました。そのように」

 

「うむ、健闘を祈る」

 

 そうして政府官邸における会議は終了を迎えた。

 

 

 

 

 終了して大臣達の多くが重い足取りで去る中、黎人が元へと詰め寄った。

 

「何故だ、何故私を解任した!」

 

「ん?」

 

「れ、黎人さん……」

 

 落ち着きを失い、乱暴にその襟元を握り問いただす黎人。その姿はとても冷静にはほど遠く、華穂も狼狽える。

 やれやれと思い深絵は間に割って入り、その怒りを取り除くように話す。

 

「黎人君落ち着いて。何も元君はただ勢いに任せて黎人君を解任したんじゃないよ」

 

「深絵君まで……!何を根拠にして、そんな無責任なことを!オーダーズは私が設立してこれまで戦ってきたんだ!それを私抜きでなど……」

 

「黎人君だけで戦ってきたわけじゃない。今そんな事をして、一番寂しく思うのが誰なのか、分からないの?」

 

「寂しく……?」

 

 場違いとも思える言葉に黎人が首を傾げる。深絵はそんな黎人にはっきりと告げた。

 

「光巴ちゃんだよ。あの子がお母さんを亡くして、平静でいられると思うの?」

 

 正直に言って、光巴が本当に悲しんでいるのかは分からない。極端に怯える時もあれば今回元に見せた時のように穏やかに語って見せることもある。

 それでも彼女は4歳の、年相応に幼い子どもだ。このまま一人にしておくなど出来るはずがない。考えればわかることだった。

 深絵の言葉に同意見であると元も伝える。

 

「あの子は強い子だって思う。だけどそれで放っておいていいなんて考えるんじゃない。そう思い続けている内に、あの子の闇が大きくなっていく未来があるかもしれない。それを見守って、導いていくのが本来のお前や光姫の役目だ」

 

「……それはそうだ。だけど、これは仕事で」

 

「仕事を優先しないと、なんてただの強迫観念だ。自分でなければ出来ない、自分が抜けたら成り立たないって思い込みで家族を殺すくらいなら、仕事なんか犠牲にしたっていい。出なくても他でカバーするだけだ。例え司令だとしても今のお前はそれが許される状況なんだからな」

 

「……待て、まさかお前の目的は最初から……」

 

 そこでようやく黎人も気付く。元は頷いて答える。

 

「ま、今回は休暇と思って政府の下でのんびりしてるんだな。一応責任取りとしての側面もあるし」

 

「ちょっと最初は驚いたけどね。にぃが今までの鬱憤晴らしに来たのかと」

 

「普通はそう思うだろう……だが、そうだな。光巴には気を掛けてやらないといけないかもしれない。今日もあの子は少しおかしかったから」

 

 ため息を吐いて受け入れる黎人の言葉。光巴が変、という単語を気にしつつも掛かった声に意識を向ける。

 

「やはり、君の狙いはそれだったか」

 

「あなたは、首相でしたっけ?」

 

 訊き返す元。まだあまりなじみのない元でも役職だけは覚えていたようだ。首相は名乗る。

 

「新堂幸地だ。そこにいる自衛軍二佐、新堂沙織の父親でもある」

 

「そうなんです?」

 

「そうなのよ」

 

 肯定を行う沙織。そう、彼女は首相の娘だった。もっともその首相もかつては防衛大臣であり、この数年の間に首相へとなり上がったわけなのだが。

 深絵も最初聞いた時は驚いた。今ではMSオーダーズに便宜を図ってもらっている人物の1人だ。首相は元の本心に対し評価した。

 

「司令の心情を図り、ストレスから放つために職を剥奪する。乱暴だが間違ってはいない。黎人君が冷静沈着に見えてメンタルが脆いことは晴宮君からも聞いていた。実際ここで話している時も集中できていなかったからな」

 

「も、申し訳ありません……」

 

「謝る必要はない。血縁者を失って、冷静さを失うのはそれだけその人物の事を想っていたという裏返しでもある。それで無暗に飛び込まれるのは厄介だが、止めてくれる仲間がいたことは幸運だよ」

 

 謝罪に対しても寛容に認める首相の姿勢。人生経験が豊富なだけあって頼りになる。

 そんな首相は元の行動を評価する一方で、同時に忠告も行った。

 

「だが君も注意した方がいいと思う。黒和元君」

 

「え?」

 

「大丈夫そうに見えるが、黎人君が見せてくれた戦闘状況の映像。最後の大出力砲撃はこれまでに聞いていたガンダムの物とは明らかに違った。怒りの箍が外れて沸き立つままに放ったように見える」

 

 その発言に元が視線を逸らす。この時深絵はまだ詳しく知らなかったが、あの時のシュバルトゼロガンダムは元の怒りによって光姫のロートケーニギンのドローンを追加パーツとして取り込んでいた。

 怒りのままにという発言と違わぬ状況。指摘に対し、丁度その場に居合わせていた華穂も頷く。

 

「確かに……まるで元にぃの感情に引き寄せられるみたいにパーツが引き寄せられました」

 

「華穂」

 

 勝手に言ったことを咎める元。まるで言われてほしくないように。

 それでも首相は助言を行う。

 

「どういった原理かは分からないが、あのガンダムは君の想いに応える。望み、そして感情によっても。君の望むままの力、決して悪意に呑まれないように。とはいえ今は君の力が必要だろうから、それだけは承知してくれ」

 

「……承知していますよ。これまでもそうでしたから」

 

 重い声で了承した元。その表情に何かを感じたが今は聞かないでおくことにした。返事を聞いて首相は後の事を晴宮防衛大臣と娘の沙織へと任せる。

 

「では後は任せたぞ沙織。晴宮君もおとなしく聴取を受けよう」

 

「ですな。沙織君が全てしっかり洗い出してくれているとは思いますが」

 

「期待しすぎですよ防衛大臣。身内とはいえ容赦は致しませんので」

 

「それはそれは」

 

 彼らも次の行動の為離脱する。こちらも残る後始末と明日への準備のため、まずは光巴護送について話す。

 

「じゃあ、こっちも行こう。光巴ちゃん連れてくるからね」

 

「あぁ、頼む」

 

「あ、ごめんそれについて先に行っておきたいところがあるんだけど」

 

 行っておきたい場所があると発言した元。行き先を自然と聞く。

 

「行くって?」

 

「ジャンヌの所だ。ちょっと意見を伺いたくてな」

 

 ジャンヌの所に、というのであれば自衛軍の医療施設に行くということだ。丁度黎人達の保護場所も自衛軍の基地敷地内の為通り道ということになる。

 それだけなら見舞いに行きたいということなのだろうが、気になったのは意見を伺いたいということ。言葉の意味を尋ねる。

 

「意見って?」

 

 すると元は自らの考えを述べた。

 

「次元光巴、彼女はディメンションノイズ・リーダーなのかもしれない」

 

 

NEXT EPISODE

 




今回もお読みいただきありがとうございます。前回グリーフィアが言ってたように、しパイがいましたね(;´・ω・)

レイ「次元覇院はそんなところにまで情報網を伸ばしていたんだねぇ。これは職を狙って入り込んだのかな?それともなってから勧誘?」

全部が全部判明してはいないけれども、MSで逃げた人達は割と前者の設定の人物が多いですね。

ジャンヌ「まぁ勝手にMSを持っていたら、その線が大きいですよね」

レイ「うんうん。それにしても沙織さんのお父さん、幸地さんだっけ?首相だからかよく見えているんだねぇ」

ジャンヌ「元さんの状態を見透かしているようでしたね。歴戦の勘で気づいた、ということなのでしょうか?」

まぁ人の細かな動きを見ているという点ではそうなのかもしれませんね。そして最後の元君の発言、次回はジャンヌの見舞い+αとなります。

レイ「DNLって分かるのそんなに重要?」

あんまり情報出てないけども重要だよ(´っ・ω・)っ歴史の大戦争においてDNLの戦術勘で不利な状況を一変させたっていうのがある設定。

ジャンヌ「なるほど。元さんはそれに賭けていると」

そうなるね。それでは今回はここまでです。

ジャンヌ「それでは次回もよろしくお願いします」
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