機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、皆様。作者の藤和木 士です。

ネイ「アシスタントのネイです」

グリーフィア「アシスタントのグリーフィアよ~。今日も投稿ね」

コロナで外出自粛、ハーメルンなどのネットサイトを見る人も多いだろうね。ではEPISODE29公開です。

ネイ「前回の最後の方でジャンヌさんに会いに行くと言っていた元さんは、光巴ちゃんがDNLであるのかどうか気になっていましたね」

グリーフィア「そうよね~。DNLって詩巫女とかの能力の事を指してもいるみたいだったけど、象徴操る以外に使い道ってあったかしら~?」

(;´・ω・)あの、元君の能力……。

グリーフィア「あぁ、ニュータイプ的感応能力?」

ネイ「だけど今すぐ光巴ちゃんに求められるってわけではないのでは?」

そこら辺は後々補強していきますよ。それでは本編をどうぞ。


EPISODE29 反撃の狼煙3

 

 

 作戦終了から4時間弱。もう日を跨ぐのもわずかと言った時間に元達は自衛軍基地へとやってきていた。

 一度ネストの方まで戻り、光巴を連れての来訪。普段は起きているはずのない遅い時間帯の行動に光巴が目をこする。

 

「……はじめおにーちゃん、ここどこー……」

 

「自衛軍がやっている病院、かな。ジャンヌが搬送されたから向かっているんだ」

 

「……ジャンヌおねーちゃんが……?」

 

 深絵に抱きかかえられて薄く応答する光巴。流石に健康上よろしくないと深絵は愚痴る。

 

「んー……今日は光巴ちゃんを黎人君と一緒に自衛軍に預けるだけして、寝かせてあげた方がいいんじゃないかなぁ?」

 

「それ私も思いました。もう光巴ちゃん寝る時間だし」

 

「ただでさえ私達も仮眠取り始める時間だもんね……」

 

 華穂、そして夢乃も同意見であると口にする。

 時計の針を見ても子供にもよろしくない時間なのは分かっている。元だって早く寝かせてあげたいのはある。ただそこまでして急いだのはやはり時間の問題だった。

 

「その意見は間違いない。だけどどうしても明らかにしておきたい。この子……光巴が本当にDNLに目覚めているのかどうか」

 

「そのDNL、だっけ?にぃが会得したってスキルらしいけど、そんな重要なものなの?」

 

 DNLの力に疑問を抱く華穂に他の二人も頷きを見せる。センスの部類に入る能力の有無が戦闘に役立つのかどうか。

 しかしたかがと侮ってはいけない。これまでのマキナ・ドランディアの歴史の端々で、その能力を持ったものが老若男女問わず奇跡を起こしてきた。自慢ではないが元自身もその一人なのだ。

 DNで構成された世界の動きを読むことのできるこの能力が、次元世界で暮らすのに重要でないはずがない。能力によっては戦局を大きく変えるかもしれない。

 そのために一刻も早く彼女が本当にDNLなのかを知る必要がある。彼女達にも短く要点を告げる。

 

「次元粒子で構成されたこの世界だからこその力なんだ。場合によっては戦局を動かしかねない」

 

「んー……そこまで言うなら分かったよ。でもあまり長くならないように」

 

「了解だ。と、ここだな」

 

 深絵からの忠告に頷いた直後、目的の病室に到着する。確認の為に病室の表札を見て、ジャンヌの部屋であることを確認するとノックして反応を待つ。

 

『……はい』

 

「ジャンヌ、元だ。入るぞ」

 

 言って扉を開ける。部屋ではベッドを起こして体を預けるジャンヌの姿が。服を患者用の服に着替えて安静にしていた。

 やってきた元達に挨拶をする。

 

「すみません、こんな状態で出迎えて。でもみなさんで来て頂くなんて」

 

「ジャンヌさん、もうお体の方は大丈夫なんですか?」

 

「えぇ。幸い後遺症などもないだろうとのことです」

 

 胸に手を当てて微笑んで見せる彼女の姿に、元も一安心する。

とはいえ無事だったからと言っても全てがなかったことになるわけではない。華穂も指摘する。

 

「本当に良かったぁ。これで支障が出てたらにぃもうジャンヌさんに足向けて寝れなかったじゃん」

 

「それはもう分かってるって」

 

「分かっている、ですか。本当に分かっているのなら、そういう状態に陥らないのが普通だと思いますが?」

 

「……はい、その通りです」

 

 ムッと口を閉じてご立腹であることを示してくる主人の言葉に、一切の反論なくその通りだと認めざるを得なかった。

 あの時の自身の失態が無ければジャンヌがこうならなかったのはもちろん、Gワイバーンを失うこともなかった。Gワイバーンは整備班が回収してくれたが直せるかどうかは分からないと言われた。

 これでマキナ・ドランディアに戻ることは現状出来なくなってしまった。故郷に帰れなくなったことをジャンヌにはどう言い訳しても許されることはないだろう。

 罵詈雑言も覚悟した元だったがジャンヌはため息を吐くとここに来た用件を聞いてくる。

 

「はぁ。それで、何の用です?」

 

「え?」

 

「こんな夜遅くにミツハちゃんまで連れてきたんです。単なる見舞いとは思えませんが?」

 

 細かいところまでしっかりと見ていた。もう昔のただのお嬢様だったころとは違う。呑みこみが早いことに感謝して、早速用件を伝える。

 

「……そうだな。詩巫女として頼みがある。光巴がDNLに目覚めている兆候がある。詩巫女としての力で判別してもらえないか」

 

「彼女が……レベルにも依りますが一先ず持っているかどうかの判別だけでいいですか?」

 

「今はそれで。今後の指針にもなる」

 

「分かりました。では深絵さん、ミツハちゃんをこちらに」

 

「あ、うん」

 

 ジャンヌは了承し光巴のDNL能力判別に取りかかる。これから何をするのか分かっていない華穂が詳細を聞いてくる。

 

「ねぇにぃ。ジャンヌさんはこれから何するの?」

 

「さっきも言っただろ。DNLの判別だって」

 

「それは分かる!具体的にどうするのって話」

 

「あぁ。簡単に言うとジャンヌの側からDNの動きに働きを掛ける。と言っても目に見えないエネルギーの波動を放出して跳ね返りを確かめるんだ。簡単に言うとレーダーで敵を探知する動きみたいな。反応ぶつけて反応を待つ」

 

「へ、へぇ……」

 

 分かっていないようだったが元も具体的な説明をこの世界の人間にするには難しい。ただ大雑把に言うとそう言うことになる。

 そういった作業に長ける詩巫女タイプのジャンヌでなければ現状出来ない役回り。だからこそジャンヌの下を訪れたのだ。

 光巴の手を取り、静かに目を閉じるジャンヌ。

 

「………………」

 

「……んゆ」

 

 今にも眠り込んでしまいそうな光巴。このまま反応がないかと思われたが、数秒して反応が見られる。

 

「……!ジャンヌおねえちゃん!いまわたしにはなしかけたっ!?」

 

「光巴ちゃん?」

 

「えぇ。あなたの心に、届くように。その反応だと無事聞こえたみたいですね」

 

 光巴はビクッと体を動かし、驚きを露わにして騒ぎ出す。抱えている深絵が落とさないようジャンヌも脇を抱えて安定させる。

 思わぬ反応を見て華穂と夢乃が半信半疑で成否を問う。

 

「え、これそう言うことなの?」

 

「成功、ってことでいいんですか?」

 

 二人に、そして深絵と元に対してもジャンヌは言った。

 

「はい。彼女はDNLのようです」

 

「はえぇ……」

 

「光巴ちゃんが、元君達と同じ……」

 

 呆気にとられる三人。ただ気になる発言があったのを元は気づいていた。

 すぐにジャンヌにその確認を取る。

 

「のようです、ってことは少し違うのか?」

 

「はい。あまり判別はしたことがないので曖昧になるのですが、詩巫女同士の共鳴や元とのエンゲージで感じたような感覚とは若干違いました」

 

 ジャンヌや元とは違う、と聞いて真っ先に元はスターターのスタートに意見を求める。

 

「スタート、何か知っているか?」

 

『ん~いや?あんまりDNLについては俺もその能力を使うばっかしで詳しいことはさっぱりだな』

 

 知らないと答えるスタート。これ以上は分からないと思いそのままスターターを仕舞いかける。

 すると何かを思い出したかのようにスタートが呟く。

 

『ただ』

 

「ただ?」

 

『DNLで目覚める能力は前にクリムゾン・ドラゴニアスが言っていたようにまちまちだ。その型の一つというのは間違いないだろうな』

 

「つまりDNLであることは間違いないと?」

 

『そう言うことだ』

 

 DNLであることは分かると、補足だけはしてくれた。タイプが違うことは予想外だったが、これはこれで例がまた一つ生まれたということだ。

 これまでにないタイプの能力発現で戸惑ったが、それでも当初の目的は達した。今の自分達にとって必要な物を判別できるかなどもう少し調べたいところだったが、そうもいかなかった。

 

「あ……ふぁぁ……」

 

「流石にもう寝なきゃね、光巴ちゃん」

 

 既に光巴が眠気に負けつつあった。元もそこまで無理をさせるつもりではなかったので、今回はここまでにする旨を伝える。

 

「そうだな。とりあえずDNLであることは分かったからこのまま光巴は黎人の下に送って大丈夫だ。悪いけど深絵達だけで頼めるか?」

 

「私達で?」

 

「いいですけど、どうして……」

 

 自分達だけで連れて行ってほしいと告げられ首を傾げる深絵と夢乃。そんな二人をよそに華穂はすぐにその狙いに気づいて呆れる。

 

「ハハーン。大方ジャンヌさんの下にもう少し居たいってことでしょ?」

 

「……分かってるなら言わない努力をしてもらいたいな」

 

「大丈夫大丈夫。黎人君とか自衛軍の人にも言っておくって」

 

 一言余計だ、と言いたくなるのを抑える。しかし理由を聞いて深絵もそれを了承してくれた。

 

「そう言うことなら分かったよ。じゃあ送ったら連絡するね」

 

「あぁ。頼む」

 

「それじゃあ、ごゆっくり~。光巴ちゃん、もうすぐだからねー」

 

「んゆぅ~……」

 

「いくら二人っきりだからって一目はばからないことするんじゃないよ?にぃ!」

 

「さ、流石にしないと思うな、かほちー」

 

 そんなこんなで深絵達が退室していった。

 

 

 

 

ミエ達が退室していったのを見送って、静けさを取り戻す病室。視線を細めてジャンヌは早速一番に言いたかった事に言及する。

 

「……まったく、今日は散々でした」

 

「悪い。俺のミスだ」

 

 謝罪するハジメ。すまないという気持ちは充分伝わっている。表情を見ればすぐに分かった。

 けれどもそんな謝罪だけ押し付けられてもジャンヌは満足しない。きちんと不満をぶつけた。

 

「ミスじゃないでしょう。あれは感情に任せて突っこんだ結果。判断すら介在していません。ミスは判断した結果で生まれる物なんですから」

 

「……そうだな」

 

 バツの悪そうに視線を外す従者。それでもジャンヌは説教を続けた。

 

「同級生が殺されて、あなたが怒らないはずがないのは分かります。でも、だからって感情を爆発させてはダメ。それで以前はヴァイスインフィニットに手ひどく負けたっていうんですから」

 

 ヴァイスインフィニットガンダムとの対決の話は、快復後ジャンヌも機体整備担当のヴェールや救援に駆け付けたアレクから聞かせてもらっていた。

 出撃時に装備換装も行わずに飛び出したこと、自身を含めた人質三人に雷撃を放たれた直後、逆上したこと、被害を無視して大火力兵装を使用したこと……。そして逆転を期して放ったDNFを見事にカウンターされたことも。

 意識を失っていた間に起こったことを知り、あまりにも酷いと思った。まだ盲目的だったとしても、独断専行、被害無視の戦闘、避難誘導の有無……。後々事情を聞いた時にもハジメはしばらく頭を床から外さずに謝罪し続けていた。

 ジャンヌからの毒舌染みた指摘。それに対しハジメは近くの椅子に座り、額に手を当てて小さく頷いた。

 

「はい……そうですね……何も進歩していない……」

 

「まぁ、わたくしもまだまだオペレーターとして不慣れなところはあります。だからこそ歩調は合わせて欲しいと何度も言ってきました。それでも無茶を掛けてくるんですから!皇帝との決戦時も!」

 

「う゛!」

 

 忘れもしない。マキナス皇帝ギルフォードとの対決時、ハジメは自身に無許可でエラクスシステムの再始動を行った。その時も今回と同じゼロオーバーモード発動中の出来事であり、無茶の一つであった。

 あの時はそうしなければ到底勝てなかったのもあり、戦闘後文句としての発言に留めていた。もう無茶はさせないと誓ったから。

 以降はそれほど大きな戦闘もなかったり、イグナイターの仕様に制限を持たせたりで無茶はそれほどなかった。が、今回またこういう問題を起こした。

 正直に言ってジャンヌ自身も今回のGワイバーン大破をショックに感じている。もう母の下に帰れないかもしれないという不安も感じている。

 しかし、それを抑え込みジャンヌはまだ伝えたいことを受け止めきれていない彼へと告げる。

 

「でも、それ以上に私はハジメの事が心配です……。もし私が制御に失敗して、機体に不調が出たら、ハジメの想いに応えることが出来なかったらって。それで怪我を負うのはハジメも同じなんですからっ」

 

 パートナーとして最初に心がけたこと。ハジメの邪魔にならないように、ハジメが思うように動かせる様にとヴァイスインフィニットとの再対決までの短い期間でエンゲージシステムに対応した。

 けれどもそれ以上にまた傷ついてほしくないと、ジャンヌは願っていた。最初に出会った時のような、ボロボロの彼の姿を見たくはない。

 そんな思いでずっとハジメを支え続けてきた。これからも支えていきたい。だからこそ言わなければいけないこともある。ジャンヌは言う。

 

「もう自分を見失わないで。それで傷つくのはそれに巻き込まれた人だけじゃない。あなただってそうなんだから」

 

「あぁ、わかっ……」

 

「それと」

 

「ん?」

 

「もう、一人で背負わないでいいんですよ」

 

 ハジメの返事を遮って、言葉を掛ける。虚を突かれたようなハジメの表情。その意図を、手を取ってはっきりと告げた。

 

「今だってずっと悲しみを我慢している。無念と、嘆き、自責、そして怒り……近くにいれば、私なら分かっちゃいますよ?まだ体は辛いですが……精一杯受け止めます。―――もう、我慢しないで」

 

「…………―――――っ」

 

 手を広げて受け止めるように手を動かした。直後ハジメがこちらの膝元に頭をうずめた。普通なら驚いて叫んでしまうような状況だったが、ジャンヌは落ち着いていた。

 うずめると同時にハジメの声が零れだす。

 

「うぅっ……うっ!柚羽……光姫……!俺は、俺はっ!!」

 

 涙声と共に繰り出された二人の名前。ジャンヌはずっと自身のDNLで感じ取っていた。最初に失った初恋の少女と、その親友の喪失に対する感情を。

 対峙した敵がその少女の兄だったことにハジメも衝撃を受けていた。認めたくなかったのだ、そんな現実を。だから怒りで塗りつぶしていた。

それを戦いの中でジャンヌも感じ取っていた。このまま残しておけば、またハジメにとってのトラウマになるのも。それをさせないためにジャンヌは今彼に吐き出させた。

 弱さをさらけ出したハジメにジャンヌは頭を撫でて諭す。

 

「やっぱり無理していました。でも、大丈夫。あなたには私だけじゃない、ミエさんやカホさん、ユメノさん達がいる。この蒼穹(そら)の下で、一人で戦ってなんかいない」

 

「……ジャンヌ」

 

「もう一人で戦っちゃダメですよ、ハジメ」

 

 ハジメに対し微笑む。そして上から覆いかぶさるように抱きしめる。かつてハジメがしてくれた時は違った形で、しかし同じ気持ちで彼を癒す。

 それにハジメも逆らわず、彼女の抱擁を受け入れる。

 もう一度立ち上がれるように、共に戦えるように。再び誓い合った。

 

 

NEXT EPISODE

 




今回もお読みいただきありがとうございます。

ネイ「結局、光巴ちゃんはDNLだったと」

グリーフィア「元君の独白からして、DNL能力を持つ人は詩巫女以外に居て、所々で活躍してたってことなのかしらね」

大まかにいえばそうですね。原点のニュータイプにもパプテマス・シロッコのようにMS開発のアイデアに生かす人もいましたから。

グリーフィア「果たして光巴ちゃんは後々どんなことに生かすのやら。けど元君も、ジャンヌに骨抜きにされちゃってまぁ」

骨抜きて(´・ω・`)

ネイ「骨抜き、かどうかはともかく……ジャンヌさんが元さんの為に献身的になっているのはよく分かりますよね。最初の頃無視ばっかりでしたし」

ははは、本当に最初のころだね。後々だとツンデレみたいになってたからちょっと書き直すべきかと考えたことも。

グリーフィア「書き直すの?」

細かい修正は今でも最新話とかにやっているけど間違いとかが主だから多分やらない。やるとするとかなり書き換え必要だし_(:3 」∠)_

グリーフィア「外出自粛中なんだしやれば~?」

それよりか最新話を更新したい派っす(´Д`)それでは今回はここまでです。

ネイ「やるべきところはやった方がいいとは思いますが……次回もよろしくお願いします」
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