機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、皆様。今週末より近場の店でバトスピのショップバトルが再開しつつあるものあって、デッキ構築考えてます、藤和木 士です。

ネイ「アシスタントのネイです。なんかそれ関連で一つ作者さんの中ではかなり反響のあるツイートありますよね」

グリーフィア「アシスタントのグリーフィアよ~。アルティメット・ウィステリア、バトスピが今季から取り入れた転醒と呼ばれるシステムを利用したギミックを完全に圧倒できるカードに注目したのよねぇ」

うん、そうなんだよね。元々別のカードで対策取ろうとしてたんだけど、しっくりこなかったんでカード眺めてたらこれどうだろって発言したらスゲー反応(゚Д゚;)あれで正解なのか(ガンダム戦記風)
さて、ガンダムDNはLEVEL2第3章の大詰め、EPISODE42の公開です。

グリーフィア「次元を超えし救世主、その象徴が今、魔王へと変わる!って感じよねぇ~」

あのそれ少しジ○ウのOPでの台詞改変ですよね(;・∀・)

ネイ「あぁ……時代をってところのですね。姉さん生き生きしてる」

グリーフィア「まぁ魔王になるのはなんとなく予想は出来たけど、ここからどうなっていくかはさっぱりだわ。魔王としての非情さを元君が持てるのか?ってところかしらね」

ネイ「でも作者さんは織田信長という人とは違う魔王として貫いて行ってもらうようなことを言っていたような」

ある程度は似通るけど一つ一つの判断は違うかもしれませんよ。それでは本編へ!


EPISODE42 魔王の生まれた日5

 

 

 遂に倒した!と深絵は確信する。

 大柄なアーマーを貫いた一撃。間違いなく中のMS諸共貫いている。敵もその一撃を受けて体を震わせている。

 

『あ、あが……グ!』

 

『やった……やったぁ!』

 

『間違いない、やったよかほちー!深絵さん!』

 

 武装はほぼ使い果たしてしまったけれど、それでも目の前の敵は落とせた。こいつを落とせれば、こっちの侵攻を抑えられるのはほぼいないはず。

 既に味方も続々と敵人工衛星内へと侵攻しつつある。沙織さんの支援に向かってくれているはず。後は武装が比較的無事な華穂ちゃん達も援軍に向かわせれば盤石なはず。

 深絵は銃槍を抜いて指示を出そうとした。

 

「うん。ここは終わった。後は二人にまか」

 

 だが機体を衝撃が襲った。機体が敵大型MSに体へと押し付けられる。敵が残った腕でこちらを押さえつけているのが原因だった。

 まだ動ける!?そんな驚きは現実のものであるということを敵パイロットにより知らされた。

 

『へ……まだだ……まだ、終わっていない!』

 

「こいつ!」

 

『機体を全損状態にまで追い込まれたのは癪だが……構わん。どのみち俺は生き残る!マリオネッターシステムでなぁ……!しかし、お前だけは殺す!』

 

 その言葉と共に機体の内部からの熱量センサーが反応した。

 

『分かるか?こいつの内部の機体はマキシマム……胸部ビーム砲を今、起動させた!』

 

「えっ」

 

『このまま発射すれば機体は爆発するが……どのみち爆発するなら、貴様の機体だけでも!』

 

『深絵さん!?』

 

 しまった、自爆!?思わぬ相打ちの宣告に拘束からの脱却を図る。

 しかしブラウジーベンの現在の出力ではその片腕だけの抑え込みも外すことは叶わない。深絵を助けようと華穂達が助けようと接近を試みる。

 

『深絵さん!』

 

「二人とも来ちゃダメ!」

 

『深絵さん!?』

 

 二人まで巻き込んだらダメだ。これ以上最悪な状況を作り出してしまってはいけない。まだこいつも生き残る可能性も考えれば自分だけで……!

 徐々に高まっていく熱量。もう逃げられない。諦め、死を受け入れようとする。

 

「……くっ!ごめん、光姫ちゃん……!」

 

『消えろ、私の最高の爆発と共に―――』

 

 直後、機体の力が抜ける。あまりに不自然な感覚。しかし深絵の反応は早かった。敵機体を蹴り離して拘束を解除、同時に距離を取る。

 トリガーを引かれず、チャージされたままだったビームが機体内部から放たれた。当然それは深絵を貫かず、空に放たれた。エネルギーを暴発させて機体は自爆する。

 一体何が起こったのか。分からないがとにかく助かった。生きていることに半信半疑な深絵。

 

「っ……あ、あれ、生きてる?」

 

『み、深絵さん!良かった!』

 

『けど、どうして……殺せると思って油断した……?』

 

 華穂の言葉が当てはまりそうだとは思ったものの、そうではない気もする。困惑する三人のもとへ、ホリン内部にいる沙織からの通信がそれを解決した。

 

『深絵、無事か』

 

「沙織さん。えぇ、何とか」

 

『沙織師匠!そっちで何かあったんですか?』

 

『先程マリオネッターシステムのコントロールポッドルームの戦闘で、ルーム自体が爆発したんだ。原因は迎撃した敵MSの爆発による誘爆。一応後方にもそれを伝えるが、その際にポッドにいた何人かが即死したようだ』

 

 ポッドにいた何人かが即死、それで先程の出来事と結びつく。力が弱まったあの時、ゲルツは爆発に巻き込まれてMSの接続が断裂したのだ。そしてゲルツも死亡した。

 偶然とはいえそれが深絵を助ける結果となった。深絵は命の恩人とも呼べる沙織に感謝の言葉を述べる。

 

「そうですか。でも助かりました。あのパイロットが死んでいなかったら、私」

 

『そうか。それは幸いだった。と、すまない。まだこちらも全てが終わったわけではない。君達も援護に来るときは気を付けてくれ』

 

「了解です。華穂ちゃんと夢乃ちゃんを向かわせます。ご武運を」

 

 そう言って通信が切れる。二人にも先程言ったように沙織への支援に向かうように伝える。

 

「じゃあ、後は二人にお任せするね。私は一旦下がる。いいね?」

 

『はい!師匠のお助け、行ってきます!』

 

『了解です!深絵さんも気を付けて』

 

 二人の機体が進路の開けたホリンへと向けて飛行していく。

 思わず光姫ちゃんに謝っちゃったなぁ。途中で生き残ることを諦めてしまったことに反省する。まだあの時、何かやれたかもしれないのに。

 冷静になればまだ「ブルー・ジョーカー」も残っていた。それで残った腕を斬り裂いて、もしくは最悪自分のウイングを爆発させてでも拘束を緩ませることも考えられた。

 冷静になりさえすれば。それは戦士が心がけるべき判断の考え方。至れなかったことはそれだけ光姫の死が脳裏に焼き付いていたからなのかもしれない。自分も同じように死ぬと、観念してしまったから。

 けれども深絵は生き残った。それは覆しようのない事実。また不意を突かれたら分からないが、そうならないためにも今は退くことだけを考える。

 

「さて、私も一旦出直さないと……本部、こちら深絵。一旦帰還し……!?」

 

 回線口で目を見張った。視線の先はホリンの円盤上、そこでは先程倒した大型マキシマムと似た機体が交戦していた。

 あれがもう一機存在したことにも驚いたが、それ以上に驚いたのは戦っているのがシュバルトゼロガンダムだということ。そのシュバルトゼロガンダムも機体フレームを紅く輝かせて互角の近接戦闘を演じていた。

 あの紅いシュバルトゼロガンダムは……?何かが起こっていることは理解できる。でもそれは今までに見たことのない姿。

 何かが憑依しているとでも言うべき切れの良い動きで大型マキシマムと戦っている。相手は沢下だろうか。回線をシュバルトゼロガンダムへと合わせる。すると元の声が聞こえてきた。

 

『いや、悪魔じゃない!むしろそれ以上の存在と言えるッ』

 

『何だと!?』

 

「元君……?」

 

 沢下の声も聞こえる。おそらく話し相手は沢下で間違いない。だが悪魔とは一体……?彼が言ったから反対した?それ以上とは悪魔以上の存在ということ?

 言葉の意味を判別しかねる。深絵は悪い予感を感じる。そしてそれはすぐに現実のものとなった。

 

『魔王だ。俺は、お前達狂信者を許さず、現実に生きる人達……お前らが否定した人類を護る魔王になる!』

 

「元君……何言って……!」

 

 嘘だ。そう思いたかった。魔王などと言う悪の頂点とでも言うべき名を名乗ると、彼は言った。

 一体どうしてそんなことを……言いたかったが、言えなかった。その言葉に激高した沢下と更に激化する戦闘。それに今のブラウで向かえばどうなるか、目に見えて分かる。

 今は抑えて、後でその真意を問いただそう。本当にそんな悪の道を通るというのなら、私は……。不安を抱えたまま、私はその場を後にして、後方へと撤退する。

 

 

 

 

 魔王を宣言したハジメにジャンヌもまた心を痛めていた。

 魔王になんてなってほしくない。ガンダムは救世主なんだから。でもハジメの言いたいことが分かる気もする。

 ハジメは現実の人間、彼らに攻撃される人間を護ると言った。ならそれは救世主と言って間違いではないのでは?そもそも、信じる者達だけを護ることが救世主ではない。そして彼ら信者達が如何に平和を求めようとも暴力を振るうのなら、それを止めることもまた正しい。その為にオーダーズも戦っているのだから。

 このガンダムも、そんなハジメに応えて力を引き出している。私にはそう思えた。DNLの力、心の動きを顕著に表現するというユグドラシルフレームが変色しているのもそれを表しているのかもしれない。

 ガンダムの制御に努めながら、ジャンヌは一人心の中で呟く。

 

(ハジメ、私はあなたのこと、信じます。例え魔王になっても、それが人々の未来を切り開くと信じて……!)

 

 ジャンヌの想いと同調する様に、ハジメはサワシタのマキシマム・タイラントを寄せ付けない。DNを内包した拳が全ての攻撃を砕く。

 近接戦闘特化という不安さも、いつの間にかなくなり、今はこの強さに心強さも覚える。あまりにも強すぎる力にサワシタも惨状に拳を地面に打ち付ける。

 

『ぐぅ!!何故だ!何故勝てない!!なぜ俺達の理想を否定するゥ!?』

 

 これまでの戦いも含めた問い掛け。しかしそれを導いたのはたった一つの答えだ。ハジメがそれを語った。

 

『簡単だ。お前達は自分達の考えることしか考えなかった。他者の意見を取り入れなかった。だから他の人の意志に反することを平然とやれる。それを人々が受け入れなかっただけ!それは、お前達のエゴだ!』

 

『貴様……貴様ぁ!』

 

 逆上するサワシタは距離を取り突撃の構えを見せる。その両手の甲にビームスパイクを形成する。一気に貫こうというのだろう。

 私もハジメの言葉に同じだ。仇を取りたい、平和を実現したいというエゴが、彼らを生みだした。その思いがあまりに強すぎたから、正義が暴走したからこそこのような結果を招いた。

 だからこそ彼らは罪を受けなければならない。平和を求めるなら、まずその平和を結果的に一番壊した責任を負う必要がある。ハジメはトドメを刺すことを告げる。

 

『ジャンヌ、DNFで終わらせるぞ』

 

「はい!……DNコンバーター出力フルバースト、DNF、行けます!」

 

 出力をDNFモードへと切り替えて準備を万全に整えた。ハジメは前方に手を開いて息を整える。まるで拳法の如く静かな呼吸。タイミングを見計らい、敵の突撃開始と同時にハジメが動いた。

 

『行くぞ!』

 

「はい!」

 

『Ready set GO!DNF』

 

 必殺の一撃を敵に向かって放つ。それはこの戦いを終わらせる、魔王として最初の、この戦いを終わらせる最後の技。魔王の一撃である。

 

 

 

 

 元の掛け声に続いてジャンヌが頷く。合わせてDNFの音声が響いた。待ち構えようとするこちらに沢下は果敢にも言って見せる。

 

『その程度の攻撃……マキシマム・タイラントは止まらない!』

 

「そうかよ。なら証明して見せろ!」

 

 手を開いて放ったエネルギー弾。エネルギー弾に対し勢いよく飛び込んでくるマキシマム・タイラント。ビームなら跳ね返せると思ったのだろう。しかしそのエネルギー弾は直撃すると同時にマキシマム・タイラントの動きを止めた。

 エネルギー攻撃であるにも関わらず跳ね返せないことに困惑する沢下。

 

『!?う、動けない……!?』

 

『今です、ハジメ!』

 

 ジャンヌからの指示。迷わず俺は高純度DNをありったけ込めて黄金に輝く拳でタイラントを殴りつける。

 

「これで、終わりだ!」

 

『DNF、「逢魔心火(おうまのしんか)」!!』

 

 マキシマム・タイラントの腹に拳を打ち込む。シンプルな一撃だった。しかし一撃は凄まじく、衝撃だけでタイラントの強固な装甲を完全に粉砕する。続けざまに拳から光の奔流が発生する。ビームと炎が混ざったかのような光は周囲の光の膜を反射しながら内部のマキシマム・タイラント、マキシマム・ホーリーを蹂躙する。

 ビーム反射装甲をも貫いて、爆発。腕部と腹の装甲が吹き飛んで内部のマキシマム・ホーリーが姿を現す。ところがその機体も先の衝撃の一発と光の影響で完全にスクラップ寸前となっていた。

 ボロボロになった沢下は光の拘束から解放され、身に受けた惨状に呆然と動けずにいた。

 

『あ……あぁ……』

 

 タイラントの腹部に固定されたホーリーの機体。残ったタイラントの足から煙が生じ、続く爆発によってタイラントの体が地面へと倒れ込んだ。

 マキシマム・ホーリーは既に全身が砕けており、いつ爆発してもおかしくはない。しかし残されたわずかな時間の中で沢下は自身が負けたことに絶句する。

 

『嘘だ……俺が、止まったら、一体、誰が……誰が柚羽の笑顔を護るというんだ……』

 

 柚羽の為に。その気持ちは元も痛いほどよく分かる。

 もう柚羽は居ない。だけど彼女には笑っていてほしいと思う。だがしかし、今の俺にはどうしようも出来ないとも分かっている。いつまでも彼女の想いを引き摺っていても何も変わらないから。

 俺は沢下へ自身が最後に柚羽と交わした会話の内容と、それに対する自身の気持ちを伝えた。

 

「柚羽と最後に会った時、あいつは、柚羽は言った。もし自分が助けを求めたら、真っ先に助けに来てくれるかって。俺は無責任にも行ってやるって答えた。でも結局、俺は助けに行けなかった。子どもじゃどうにもならない問題だった。あの時はずっと後悔してた。でも今は後悔していない」

 

 有言実行できなかったことは申し訳なさを残す。けれどもあの時言っていなければ柚羽は笑えていなかったかもしれない。そう思うとあの時答えたのは間違いではないと今は思っている。

 無暗に希望を持たせるなと言われても構わない。だけど、そんな難しいことをあの時考えられたかどうかは分からない。だってあの時俺達は、ただの中学生でしかないのだから。

今更考えてもどうにもならない。それは事件に興味を持ち無暗に真実を暴きたがるジャーナリストだけの話だ。

 そうして今、ここに立つ理由。それは他でもない、敬愛する彼女の為だ。

 

「今は彼女がいる。俺の悲しみを受け止めてくれた女性、ジャンヌがいるから、俺は迷わない。どれだけ柚羽の為と御託を並べても、それは妄想の産物でしかないって分かっているからな」

 

『………………最低だな、お前』

 

「あぁ、そうだよ。お前にとっては最低の魔王。俺は魔王として突き進む。でもそれでいい。もし道を間違えそうになっても、俺には仲間がいる。お前達みたいに思想を共有して他人にもそれを強制するんじゃない、目指す未来に向けてぶつかり合って、それでもよりいいものへと昇華させることのできる仲間。そいつらがきっと俺を止めてくれる。そんなみんなを俺は護る。魔王として、お前達との戦いで先陣に立つ」

 

 それは同じ魔王を目指したヒーローと同じ、仲間を信じること。仲間の為なら魔王になることも厭わない覚悟だった。ジャンヌ、華穂、深絵、夢乃、平次、海斗、黎人、来馬、間島、羽鳥……。みんながいざという時は止めてくれると信じている。

 だからこそ元は前を向く。柚羽との約束を思い出に、彼女の思い出がこれ以上穢されないために。常に対峙し続けてきた者へ向けてきた言葉を、新たな言葉と共に沢下にも向ける。

 

「さぁ、お前の野望も願望も全部(ゼロ)に戻す。神をも殺して、俺は人の頂点に立つ!上から襲い来るお前達と戦い続けるために」

 

『……あぁ、柚羽。今行くよ……だが言わせておくれ……クソッたれがぁあぁぁああああぁぁぁぁ!!』

 

 断末魔と共に沢下の機体が爆発する。命の消える感覚、今度こそ奴との宿命は終わりを告げた。終わりに呼応するように機体フレームの発色ももとの色へと戻っていった。

そしてこの戦いも、終焉へと誘われていく。多くの犠牲を払いながら、次元覇院という組織は終わりを迎える。

 

 

NEXT EPISODE

 




今回もお読みいただきありがとうございます。最初深絵達の不意打ちとも呼べる一幕もありましたが、戦いは元君の繰り出したDNF「逢魔心火」で撃破!( ゚Д゚)

グリーフィア「逢魔○王必殺○ね」

言っておくと元君の世界にもジ○ウに当たる作品はあるよ(´・ω・`)そこからの出典ってね。

ネイ「これで戦いは終わり、となっていくんですかね」

そうだね。後はこの戦いの結末と、そこからMSオーダーズがどうなっていくのかが残る2話の内容です。内容短いのでもしかすると2話連投になるかもしれません。まだ投稿する日になってみないと分からないけど。
それでは今回はここまでです。

ネイ「次回もよろしくお願いします」
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