ネイ「アシスタントのネイです。一期の裏側で、あんな事が起こっていたなんてですね」
グリーフィア「アシスタントのグリーフィアよ~。でも彼女がやっていなかったら、きっと変則フラッグ戦より前にGBNが崩壊していたんでしょうねぇ。致し方ない犠牲、コラテラルダメージってやつね」
それを、分かってんだろうなぁリク君!( ゚Д゚)サラを救った代償!二期で真実知ってもらって重くなってほしいですわ(かつての手のひら返し)
さて、他にも話したいことはありますが、まずはEPISODE51、公開ということで。
ネイ「前話ではディスティニーライダーとの対決に何とか制した元さんでしたが……逃げられてしまったんですよね」
グリーフィア「逃げたパイロットはどこに、って感じねぇ。それが今回分かるわけだけども」
そうです。そして今話であの子も友達と共に再登場ですよ~(^ω^)それでは本編をどうぞ。
頭、痛い。息……苦しい。いつものことだけど……今日のは特に辛い。前に襲われた時よりもそれが激しい。
裏路地を歩くのは蒼いMS。パイロットは機体の動かした反動をもろに受けていた。赤い目はすでにもとの緑に戻っており、システムを切っている状態だ。
何とか戦闘地帯からは逃げ出せていたが、いずれ捕まりかねない。いや、いっそのこと捕まってしまうのもいいかもしれない。これまでの「実験」が全部嘘になれば、もとの生活とまでは行かなくても、こんな頭の痛い、記憶が薄れていくような日常は消える。
とはいえそれも自衛軍に生かされればの話。既に何人もの人を殺した私を生かす意味は、人体実験くらいのもの。そんなのは嫌だ。だったら逃げないと。
レーダーに発見されるのを恐れてパイロットはMSの装依を解除する。機体から現れた銀髪の少女。少女はフィードバックによりボロボロになった私服姿でその場に倒れた。
「だ、め……」
立ち上がろうともがく。早く逃げなくては。民間人のいる場所で戦いなんてやりたくない。
少女の想いとは反対に体は眠っていく。意識が遠ざかる。そして記憶も消えていく。どうしてここにいるのか、ここまで来た理由が、消えていく。
そうして少女は目を閉じた。夜は明けていく。少女に朝日が当たってもその眠りは目覚めさせぬままだ。
◆
「よーしっと。提出物、ここに置いておきますね~」
「ご苦労様ー。あら、千恵里さんが手伝ってくれたの?」
「そうなんですよ~、いつもありがとうございます。千恵里先輩、いろんな人手伝ってますよね~」
「好きでやってるから。それに夢の為でもあるからね。それじゃあ、何かあればまた」
帰る途中に後輩の仕事を手伝うと、私は職員室を後にした。
入嶋千恵里。かつてシュバルトゼロガンダム、黒和元に二度助けられた少女だった。彼女は港内区の都立港内第三中学校に進学、現在中学三年生で進学先の高校の受験の真っただ中だった。
受験勉強に追われながらも手伝いを済ませた千恵里は校門で待っていた友人と合流する。
「ごめん、今終わったよ」
「お疲れさまー。本当、こんな忙しい時に見ず知らずの後輩を手伝うとか、よくやるね~」
「見ず知らずじゃないよ、都美樹ちゃん。あの子それなりに千恵里ちゃんに手伝ってもらってる子」
「そうそう。命の言う通り、あの子を助けるのはこれが初めてじゃないから」
待っていた二人は千恵里と話しながら共に校門を出る。後輩の手伝いに関して軽い口調で見ず知らずの子を助けたと思っているのが
二人とは小学校からの付き合いで、丁度同じ時期に港内湾岸小学校に転入してきた縁で友人となった。当然あの事件も同じクラスメイトとして経験し、危機に陥った自身に逃げるよう叫んでくれた。
三人一緒に同じ学校に進学したが、高校からはどうか分からない。けど友人であることに変わりはないと私は信じてる。二人と話しながら下校の道を歩く。
「にしてもホント人助けが好きだよねぇ、ちぇりーは」
「だって、言われたから。あの時、蒼のガンダムのパイロットに。裏切られるかもしれない覚悟を持って、助けられるようにって。まぁあんまりにも内容が酷いと断っているけど」
あの日以来千恵里は誰かの助けになるように行動していた。中学ではちょっとした話題となり、「何でも屋のちえり」と呼ばれるようになった。
非常に不本意である。そんな誰かに呼ばれたくてやっているわけではないから、そんなに有名にもなりたくない。だけどそんな私の気持ちとは裏腹に、注目は集まった。理由はそれ以外にもう一つ。命がそれについて触れた。
「そうだね。何でも屋ってことで「付き合ってほしい」とかもあったよね」
「それ!まったく、私はそういうの好きじゃないって言ってるのに……」
「嬉しい悩みだねぇ。仕方ないって。だって千恵里、素で美人なんだから、校内の誰だって付き合いたいって思われるんだから~」
茶化してくる都美樹はともかく、千恵里はどうやら男子にとっての憧れの的らしい。手伝いの合間によく男子に呼び出されて、告白を受けることがままあった。中には何でも屋としての仕事としても言われることもあり、その度に先生や都美樹達クラスメイトに追い返される日々だった。
顔が綺麗なのは普通の人に取っていいことだとは思う。けれどこんなに迷惑ならそうでない方がよかったと私は思わされてしまう。そのせいで誰かを助けられなかったり勉強時間が減ったりするのだから。時間には限りがある。邪魔は極力してほしくない。
それをいいことだとからかって来る都美樹に対し、千恵里はいつも言っている夢で返す。
「それでも私は人助けがしたい。そう約束したから」
「ま、そうだよね~。ちぇりーの想い人はあの黒のガンダムのパイロットさんだからねー」
「ちょ、そういうんじゃない!そんな邪な気持ちじゃないから!」
「あ、あはは……都美樹ちゃん本当に人をくっ付けたがるの好きだね」
「むぅ、みこっちも割と好かれるよね、男子に」
「私は私の家を背負えるくらいの人としか付き合わないですから、フフフッ」
いつもの都美樹の悪ふざけも残すところあと3か月ほどだ。三人でいつも通り話していく。
今日は近くの商店街を通っていくことにした。商店街の人達からはいつも手伝っているお礼として果物やらお菓子やらもらってしまう。お礼なんて、と言ってもみんな遠慮しなくていいとそのまま押し切られてしまう。
重くなった荷物を抱えながら三人は商店街を進んだ。
「そういや聞いた?隣町でゼロンと自衛軍の衝突があったって」
「あ、聞いたよ。確か浦賀製作所だよね。お父様が怪しいってことで提携断っていたところだよ」
命の家はかの有名な西園寺グループ。命はその令嬢だ。その西園寺グループの笠下に入ろうとした製作所がゼロンだとしたら、非常に危険なものだったに違いない。
ゼロンについては特別嫌っているわけではない。だからといって認めているわけではない。それに噂では構成員の中には夫婦聖院に所属していたものもいるとネット上で言われ、千恵里の心中は複雑だった。
もし夫婦聖院と同じことをやっているのだとしたら、私は許せない。彼らが壊滅しても、まだ悲しみが続いている。それを消すために、私はHOWに入るんだ。
二人の話に私も加わる。
「命のお父さんなら大丈夫だね」
「はい。大分無茶な条件だったらしいので、怒りそうになったそうですが」
「みこっちのお父さんを怒らせるなんて、怖いもの知らずだねぇ~。というか、ちぇりーは大丈夫なの?カルト集団」
「……まぁ嫌いだよ?夫婦聖院の残党も流れているって話しだし。でもさ、最近思うんだ。いくら家族の仇とはいえ、全員が敵ってわけじゃないのかなって」
「ふぅん?」
二人が首を傾げる。何と言ったらいいのだろう。いろんな手助けをしている内に、そう思えてきた。人は多種多様だ。手助けも千差万別で提出物を運んだり、店番をやったり、そして先程の付き合ってほしい旨や、逆に自分が誰かの恋路を手伝ったりと。
手伝いひとつでこんなにも考え方がある。そしてその手伝いの理由も様々だった。困っていたというのがほとんどだったが、相手側が単に丁度そこにいたから声を掛けた、そして有名になってくると自分を目当てに手伝ってほしいと依頼が来ることもあった。
そうしていくうちに夫婦聖院、いやカルト集団も全員が全員単に広めたいから入信しているわけではないのではと思うようになったのだ。あの時もし自分が捕まっていたら、嫌でも生き残るために活動に加わっていたとしたら。仕方ないからやった、など到底擁護出来ないとはいえその選択肢以外道はない。
それが染みついて結果あのように堕ちていく。ならそうなる前に助け出せばいい。手遅れになる前に手を伸ばせば……あるいは。などと考えるようになった。
少し考えれば分かるはずの事。それが分からなかったことが、あの人達の言っていた裏切られるかもしれない中で誰かを助けられる心を持つ理由と関わりがあるように思えて仕方がない。本当にそれが正しいかは分からないが、だから聞いてみたい。そして二人にもそれを伝えてみる。
「みんながみんな、好きでカルトの活動に参加しているわけじゃない。私だって嫌なのに入れられそうになったから、もしかするとそうして嫌々従うしかなかった人達もいるのかなって。だから、一概にみんな悪いって言えないのかなって思って」
「あー……ってそれ今気づく?」
「えっ」
思わぬ回答。都美樹の発言に命もこめかみに指を当てて指摘した。
「うーん……千恵里ちゃんって、時々天然入るよねぇ。私が言えることじゃないかもしれないけど」
「い、いや、思い始めたのはそこそこ前から……」
「あー、うん。いいって。気付いたことが大事なんだから」
反論しようとする私を、都美樹が制する。変に優しく言われるからか、怒りが芽生えてくる。……いや、本当に前から思ってて、答え出せていないだけだから!それを二人にも言おうとする。
「何よ!二人して私を馬鹿にして……?」
「ん、どしたし?」
「千恵里ちゃん……?」
千恵里の口から漏れる疑問符。二人もどうしたのかと聞いてくる。
今、小さく声が聞こえたような気がする。誰かのうめき声が。すぐに周りを見る。だけど誰も苦しんでいる様子は見られない。
空耳かとも思った。でも私の目に一つの道が映った。先程通った店の傍の脇道。そこまで戻る。奥は路地裏となっている。その道の途中に、人の手が見えた。
「!誰か倒れてる」
「えっ?」
「本当だ、人がいます」
先行する千恵里に遅れて都美樹達も路地裏に入っていった。ごみ箱で丁度影になる位置、そこに白髪の少女がボロボロな状態で倒れていた。
すぐに私は彼女を抱きかかえて呼びかけた。
「大丈夫?あなた」
「……う」
呼びかけに小さく反応が返ってくる。息はあるようだ。一体なぜこれほどまでの怪我をしたのか。気になることは多いがまずは救急車だ。
「命、救急車!都美樹は商店街の人呼んで!」
「わ、分かりました!」
「おっけ!大人の人呼んでくる!」
命達はすぐ各々行動してくれた。今のうちに私は怪我の具合を確かめる。擦り傷などもあるが、一番多いのは火傷のような跡。だけど昨日今日で火事があったなんて話はここじゃ聞かない。
それに妙に体が痩せこけていた。肌も異常に白い。髪は白髪だが色素が抜けたような印象を与え、不健康さを感じる。
(誰かに監禁されてた……?人体実験とか……)
変に勘ぐってしまう。そうとしか思えないほど、少女の体にはおかしな点が多かった。何か事件に巻き込まれたのではと思う中、命が救急車を呼んだことを告げてくる。
「千恵里ちゃん、救急車すぐにくるって!」
「ありがとう命」
「おーいちぇりー、薬局のおっちゃん連れてきたよ~」
都美樹の連れてきた商店街に入る薬局の先生が怪我の度合いを診る。骨折などの確認をして、やってきた救急隊員に引き継ぎをしてくれた。
第一発見者ということで私達も救急車に同乗する。彼女がどうしてあんなところに倒れていたのかも気になる。救急車は最寄りの病院、港内病院へと向かった。
病院に運ばれた少女はすぐに手当てが行われた。来るまでの間に目覚めることはなく、手当ての間もずっと眠り続けていた。
看護師の人からは傷は浅くもう間もなく目覚めるであろうとのことだった。三人で病室に残って、目覚めるのを待つ。
「いやー大事に至ってなくてよかったー」
「本当だね。あれ、千恵里ちゃんどうしたの?浮かない顔して」
「ん……ちょっと、気になること聞いたからさ」
気になること、それは看護師の人が彼女の体を見て言ったことだ。千恵里の思った通り、病院の人も彼女の体の異変について言及していた。彼らは口々に言った。体の中までボロボロだと。念のための血液検査もしたらしいが、その時の色が異常な色をしていたという。
気味が悪いという小声も聞こえ、私は心を痛めた。怪我人に対してそんなことを言って、いいんだろうか。けれど看護師さんも同じ人間だ。仕方のないことなんだと考えを押し留めて、頭を下げた。
それを二人にも明らかにせず、千恵里は少女の事を気に掛ける。
「でもそれもいいよ。今は、目覚めてくれることを祈るだけ」
「そう、だね」
「んーけどこの子日本人じゃないよね?外国の子……がこれって、何か事件っぽい匂いがプンプンする」
都美樹が悩ましい表情で少女を見ている。病人にあまりにも失礼だと彼女に言い咎めた。
「やめなよ、面白そうに見るの。私も思うけど……失礼だよ」
「事件は起こってるって思うんだ」
「うん……。じゃなきゃ、こんな状態じゃないと思うし」
その時だった。少女が目を覚ます。
「……う、ん……?」
「あっ、二人とも起きたよ」
「おおっ」
「えぇと……は、ハロー?日本語、分かる?」
たどたどしく少女と会話を行う。日本語が分かってくれればいいが……。そんな一抹の不安はすぐに去った。
「……ここは、どこ?」
「病院よ。港内区の病院。あなた、商店街の路地で倒れていたの。覚えてる?」
千恵里の質問に少女は首を横に振った。どうやら倒れるまでの事も覚えていないらしい。彼女に対して都美樹が名前を訪ねた。
「じゃあ名前は?」
少女は考え込む。考えるという動作に少し引っかかるが、すぐに少女は名乗った。
「クルス……クルス・クルーシア」
「クルス、ね。私は入嶋千恵里。こっちは私の友達の西園寺命と羽馬都美樹」
「西園寺命です」
「羽馬都美樹だよ~」
「ちえりとみこと、つみき……」
名前を反復するクルス。状況を呑みこんだと思われる彼女に私はもう一度どうして倒れたのかを尋ねる。
「それで、もう一度聞きたいんだけど、どうして倒れてたの?結構服もボロボロだけど……」
「……うーん」
少女は再び頭を抱える。言葉に困っている様子だ。けれどすぐにクルスは明かしてくれた。
「ごめんなさい、やっぱり思い出せない」
「そっか……」
「気にしないで。いつも、こうだから」
「いつも?」
思わず訊き返す。するとクルスはその事を話してくれた。その話は千恵里達を驚愕とさせた。
NEXT EPISODE
今回もお読みいただきありがとうございます。元に憧れた少女、入嶋千恵里が成長して登場です。
ネイ「それにご友人も登場と。ですがそのお三方が、まだはっきりとは分かっていませんが、多分、あれですよね?」
グリーフィア「そうねぇ。この流れは助けた子、大方元君が追ってる子よねぇ?」
それは次回明らかになるよ~(´ρ`)けど千恵里ちゃんも随分精神的に成長したと思わない?
グリーフィア「そうねぇ。カルト集団を何もかも憎まない、っていうのはいいかもしれないわね。正義って言葉に振り回されることなく、考えて動くわけだし」
ネイ「憎しみに囚われない考え方。結果的に今のところ深絵さん達が願っていたように成長出来たみたいですね。それを人助けから学んだっていうのはちょっと驚きですが」
でもそういうのって大事だから。昨今色んなメディアで言われてますが、暴走した正義がもっとも危険ですから。実は今回の章もその暴走した正義がキーポイントになっています。
ネイ「そもそもこの作品に出ているカルト集団が、その暴走した正義に当てはまっていますよね?」
んー、割とこの作品で出てるのは勝手に正義を盾に振り回している馬鹿だと思うんだけど(´・ω・`)
グリーフィア「そっちの言い方の方が正しいそうね~。でもそんな暴走するほどの正義が出てくるの?」
えぇ、既に種は蒔かれていますし(´-ω-`)
ネイ「蒔かれて、いる?」
グリーフィア「あらぁ、ひょっとしてそれってー」
今は内緒な(^ω^)それ以外にもブルーディスティニーでEXAMによって道を誤った博士みたいな人も今章では出てきますので。
それでは今回はここまでです。
ネイ「次回もお楽しみに、ですね」