機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、皆様。引き続きご覧の方は改めまして。ちなみに今日がここのアシスタントとしてのジャンヌの誕生日です。作者の藤和木 士です。

レイ「アシスタントのレイだよ~」

ジャンヌ「アシスタントのジャンヌです。懐かしいですねその設定」

設定言うなし(´Д⊂ヽ引き続きEPISODE53と54の公開です。今回は54です。

レイ「奪還作戦!ガンダムの性能は心配だけど、元君頑張れー!」

ジャンヌ「性能の勝る深絵さんでは果たせない大役、元さんならきっと成し遂げてくれますね」

ま、まぁ人質自体の奪還はフィクサーの率いる部隊がやるので、元君は襲撃の側ね(´・ω・`)
さぁ、施設で起こっているのはどんなことなのか?潜入部隊がどのように入ってくるのか注目です(´-ω-`)それではどうぞ。


EPISODE54 変わらぬ思想と変わらない意志2

 

 

 ゼロンの人達に連れられて、やってきた廃棄施設。その地下で、私はあの男と再会した。

 

「やぁ、待っていたよ?人類の救世主(クルス)

 

「……ドクター」

 

 ドクターグレイブ・モセス。彼こそディスティニーライダーの開発者にして、私クルス・クルーシアを引き抜いた張本人だった。

 ドクターの側には、人質として捕らえられた千恵里達の姿が。三人の扱いに対し、苦言を呈する。

 

「彼女達を、離してください。人質はもう必要ないはず、です」

 

「ん?いやぁ、彼女達は使わせてもらう。人質の中にはかの西園寺グループの令嬢がいる。彼女さえいれば、かのグループの協力も引き出せる。それにだ、もしかすればディスティニーライダーの量産型のパイロットにも……」

 

「ふざけないでっ!」

 

 激高する。そんなの、ダメだ。あんな機体のパイロットなんて。あれはいけないんだ。記憶を、失うだけじゃない。命を、奪う。敵も、味方も、関係なしに。

 博士の考えは間違ってる。例えDNLが、万が一に滅ぼさなくちゃいけないのだとしても、こんなのは間違ってる。

 

「人質を、マシンに乗せるなんて、そんなの人として……」

 

「人として、何だ?」

 

「人として最低」

 

「黙れぇ!!」

 

 グレイブの手がクルスの胸倉を掴む。そのまま彼女の体が施設の壁へと押し付けられた。彼は凄まじい剣幕の後、穏やかさを装って言う。

 

「人の進化は守られなければならない。これまでの歴史で、人類は進化し続けてきた。その中で争いも起こった。だがそれらの中で生き残ってきた者はいずれもその争いに勝利してきた!今もそうだ。力のある者こそが、生き残る!」

 

「それが、DNLじゃ」

 

「私もそう思ったさ、最初はな!だが、DNLの能力を知るうちに私は恐ろしくなった。DNLの次元粒子を操る力。奴らの力が、もし私達の体を構成するDNLまで操作できるのだとしたら?それは旧人類を簡単に滅ぼしうる!しかもその力は適応した者にしか目覚めないときた。それでは旧人類は滅ぼされるしかない。だが今は人の時代、不浄なるDNLは旧人類、いや、今を生きる普通の者達にとって、悪でしかない!」

 

「そんな……」

 

 そんなの、傲慢すぎる。DNLだって今を生きているはずなのに。自分達がそうじゃないからって、今確かな力を持っている人を滅ぼすなんて。

 クルスに己の思想を押し付けたグレイブは手を離すと人質となった千恵里達に言う。

 

「君達にだって言える。もし友人のどちらかがDNLになったとしたら?DNLになってしまえば?君達はたちまち、普通の人間ではなくなる!普通でいられなくなる!」

 

「普通って……それをあんたが決めるの!?」

 

「そうです。人は進化し続けてきた、変わり続けてきた!DNLだってそれなのに、優劣を付けられるからって嫉妬して消そうだなんて」

 

「さっさと私達を解放しろー!」

 

 千恵里達は各々の言葉でグレイブの行いを否定する。しかしグレイブはその言葉を聴かず、逆に押し付けた。

 

「決めるさ!私が、私達が人類を導ける!DNLなどという人類の偽物を駆逐して!君達は、その贄となる!人類の為の贄だ、これは致し方ない犠牲……」

 

「止めて!」

 

 ドクターに対して、私は再度呼びかけた。

 

「やるなら、私だけで良い。どれだけいじられたって良い。だけど千恵里達には、手を出さないで」

 

 懇願。その言葉に鼻で笑うグレイブ。

 

「フン、随分と口ごたえするようになった。ならその減らず口も聞けなくしてやろう日検体K03」

 

「………………」

 

「クルス……!」

 

 どうなったってかまわない。護るんだ、私が、千恵里ちゃん達を。それが私にとっての、最後の恩返し……。

 最後の言葉を三人に伝える。

 

「大丈夫だよ、みんなは、私が守るから」

 

 それを残して、クルスはドクターの用意した「処置室」へと入る。武骨な手術台といくつもの実験器具が並べられた部屋。隅にはこれまで犠牲になった同期達の……「パーツ」があった。

 見たくなかったもの、そしてこれから自分がなるかもしれない果て。それを目に焼き付けて手術台へと寝る。従順に従う姿を見て、気味悪く微笑むグレイブ。

 

「大丈夫だ。次に目覚めた時には、余計なことも考えず、ただ人類の為に戦う戦士となる。きっと彼女達も君の姿を見れば考えを改める。君と真の意味で友情を築けるはずだ」

 

「……」

 

 何も答えず、目を閉じる。その流れで麻酔を打たれる。考えが徐々に失われていく。次に目覚めた時はきっと、この感覚がずっと続くのだろう。目覚めたのかも分からない、永遠の静寂。DIENDに適した身体に。

 私の意識は、そうして消えた。

 

 

 

「……クルスッ」

 

 歯ぎしりして壁を叩く。救えなかった。クルスを。それどころか自分達が助けられてしまった。

 私だって、勝手に体を改造されるなんて、嫌だ。でも彼女に背負わせてしまったことに何も思わないはずがない。それでも自分には何も出来なかった。

 千恵里の苦しさを察しつつも、命は言う。

 

「でも、私達にはどうにも出来なかったよ……。こんなこと、言いたくないけど」

 

「命……」

 

「みこっちの言う通りだよ。ゼロンは誰も容赦しない。味方すらも時には利用する。むしろこうして殺されずに監禁されているだけでもありがたく思うべきだよ」

 

「……そう、だね」

 

 三人はあの後地下室の奥にある独房に閉じ込められていた。クルスの処置が完了次第、出してやると言われた。

 出られる喜びはない。クルスが心配だから。それにここを出られても、何をされるかなど分かったものではない。殺されなくても、生き地獄なんてまっぴらごめんだ。

 お父さん達心配していないかな……。でも、人質として連れられたときに、元さんが戦っていたみたいだし、連絡はしてくれているよね……?命は家の方で既に事件を知っているかもしれない。

 どのみち、千恵里達は助けが来ることを祈ることしか出来ない。抜け出そうと最初は試みたが、どこからも抜け出すことは難しかった。

 

「助け、来るかな」

 

「来るよ、きっと。元さんがいたみたいだし」

 

「でも、私達が人質のままだったら、あの人でも難しいと思う」

 

「だよね……」

 

 命の言葉に沈黙せざるを得ない。捕まっていなかったら、きっと既に解決しているはず。対応が遅くなっているのはきっと私達のせいだ。

 けれど聞いたことがある。HOWはテロリストの要求に従わないと。人質がいても構わず事件解決を優先する。だけどあの時、HOWと自衛軍は動けずにいた。

 何で……。私達は助かった。でもそれが本当に良いことなのか。

 

「………………」

 

 何か、しなくちゃ。捕まったままじゃ、どうにもならない。そう思って再び部屋のあちこちを調べる。ポケットにも何かないか。ケータイも全て取り上げられた。けれど何かないかと。

 

「千恵里ちゃん、下手に動かない方が」

 

「そうだよ。変に見つかって、怪我でもしたら」

 

 友人二人は動かない様にと言う。だがそれでも止めはしない。そんな時、外の方で会話が聞こえてくる。

 

「おい、配置変更だ」

 

「配置変更?聞いていないぞ」

 

 配置変更、という単語でまさかと思う。やってきた側の人物が言った。

 

「何でも、裏の方面で怪しげな電波が確認されているらしい。MSの影も見えたとか」

 

「裏?確か第3部隊がいたはず」

 

「……その第3部隊も様子がおかしい。もしかすると第3部隊とすり替わったのかも……」

 

「何だと?」

 

 すり替わった、という発言。助けが来た?でもバレてしまったら意味がないだろう。その考え通り、ゼロンの兵士達は対応を行う。

 

「現在第3部隊はこちらに向かいつつあります。表向きは帰還ですが……おそらく」

 

「むぅぅ……この事を上の部隊は」

 

「まだであります。見張り部隊を含めたMS部隊は至急外で迎撃せよと。ここは我々が」

 

「よぅし!分かった。行くぞ!」

 

 一目散に駆け出していく音が響いた。もし外の部隊がHOWだとしたら、このままでは危ない。

 咄嗟に扉を叩いた。

 

「っ!元さん……」

 

「ち、千恵里ちゃん!」

 

「ちぇりー、今騒いだって……」

 

 分かってる。でもやらずにはいられない……っ。どうにか、この声を届けて……。

 何度か扉を叩く。それでもこの扉は開くことはなかった。しばらくして銃撃音がわずかに聞こえてきた。戦闘が始まったのだろう。

 

「戦闘が……」

 

「始まったね」

 

「うぅ……うぇ!?」

 

 止められなかった。またきっと、元さん達が余計な戦闘を……と思った瞬間、後悔が途切れた。

 突然千恵里の体が前へと倒れる。あり得ない。彼女の前は扉なのだ。鍵が開かなければそんな事にはならない。

 移動させるために開けた?けどこれはまたとないチャンス。前の敵を倒せば……。思い切り前へとタックルする姿勢、それを前からしっかりと受け止められる。

 

「きゃっ!?」

 

「おっと、下手に攻撃してくれないでくれよ?俺達は君らを助けに来たんだ」

 

「……えっ?」

 

 思わぬ言葉に顔を上げる。見上げた先でバイザーを上げて露出させた顔に、千恵里は見覚えがあった。

 

「あなたは……確か病院で先生と話していた」

 

「お、分かってくれたか。そうだ。あの時の自衛軍の人だぜ」

 

 クルスの病室に入ってきた自衛軍の中で、先生達と状況を話していた人だ。髭を生やしたその男性は服を完全にゼロンの物へと変えていた。

 状況に困惑する千恵里に、彼は現状の理由を説明した。

 

「俺達は君達を救いに来たんだ。黒和元も、既に周囲に展開している」

 

「あ、……てことは、今戦っているのは……」

 

「いや、予定では戦ってるのはあいつらの部隊だ」

 

「ゼロンと?それって」

 

 ゼロンと戦っている。それはつまり同士討ちということ。だけどさっき聞こえてきた話では、確かに第3部隊がHOWの部隊だと言っていたはず。

 普通ならあり得ないはずの出来事。千恵里の考えの予想を、彼らは余裕で超えていた。

 

「ま、簡単に言えばあれはフェイクだよ。帰ってくる部隊が敵の侵入部隊だと思えば、敵だって必死になってそれを止めようとするだろ?けどその時には既に敵は入り込んでいる。俺達みたいなのがな」

 

 合点がいく。つまり先程のあれが全て芝居だったのだ。ここまで入り込んだのも凄いが、敵の同士討ちまで仕込んでいた。そこまで出来るとは、思っていなかった。

 

「ありゃりゃ、見事に騙されたってわけだ、ゼロンは」

 

「でも、すぐにバレませんか?」

 

 欺いたのは凄い。だがしかしそれは同時にギリギリの賭けと言えた。いつまでも敵が現状におかしさを感じないわけではない。撃たれた側の敵が白状してしまえば、この発想にたどり着いて兵が戻ってくるかもしれない。それどころか監視カメラなどがあったら終わりだ。

 ところがそこは自衛軍の特殊部隊。その対策は既に取っていたのだった。

 

「それについては問題ない。既に施設のシステムにハッキングしてここの情報は欺いている。上の部隊も……フン、丁度か。今シュバルトゼロガンダムが始末してくれた」

 

「始末……」

 

 その単語に唾を飲んだ。きっとそう言うことなのだろう。仕方ないとはいえ、やるべきことだ。これで囮の敵が本当の事を話すということもなくなったわけだ。

 

「さぁて、行くぞ嬢ちゃん達。上はシュバルトゼロガンダムと俺の息子の部隊がやってくれてる。裏口から脱出だ」

 

 取り仕切る自衛軍の男性を先頭に千恵里達は牢から脱出を開始した。

先導役の人は見た目と話し方に反して非常に注意深く進む。可能な限り敵との接触を避け、千恵里達に細かく指示を出す。

施設全体が混乱状態にあったためか、接触は少ない。だが「少ない」であってゼロではなかった。逃げ出す職員と鉢合わせし、職員が千恵里達の姿を見て破れかぶれで襲い掛かってくる。

 

「こ、こいつら捕虜だ!」

 

「おっと!」

 

 銃を向けてくる。それを庇うように前に出た先導役が先に銃撃する。発砲音と水滴音が響く。すぐに先導役と後ろの殿が先へと急がせる。民間人に銃撃した敵を見せない為か。そのおかげで千恵里達もわずかしかその残されたものを見ることはなかった。

 どれだけ走ったのだろうか。二度ほどの銃撃戦を経て千恵里達は広間へと出る。見覚えがあった。クルスと別れたあの部屋だ。

 

「よし、この脇の通路を行けば外へ出られっぞ!もう少しの辛抱だ」

 

「やっと出口~」

 

「これでこんなところからおさらばですね。あれ、千恵里ちゃん?」

 

 千恵里の体は自然とクルスの入っていった部屋を向いた。

 あの奥にクルスが……。今行っちゃいけないのは分かってる。でも……。

 

「……悪いが、今は寄り道厳禁だ。逃げることだけ考えな」

 

「はい……」

 

 自衛軍の人にも言われ、千恵里も断腸の思いで足を動かす。そんな時だった。

 

 

 

 

『―――寄り道厳禁?ハハッ。寄り道はしてもらうよ。嫌でも、ね!』

 

「この声……!」

 

「ちっ、見つかったか。嬢ちゃん達、下がってろ!」

 

 

 

 

 ここに捕らえた男の声。グレイブと名乗った男性がこちらを見つけた。自衛軍の隊長は千恵里達に下がるように命じてMSを纏う。

 MSを纏うほど……やっぱり想定されているのは、MS戦。私が見つめていた扉が開く。

 光をバックに姿を現したのは蒼いMS。腕に大きな装甲を纏い、背中には歪な翼のようなものを備えていた。

 蒼い機体に紅いDN、その機体を見て真っ先に気づく。

 

「クル……ス?」

 

「えっ?」

 

「まさか、あれが!?」

 

 続いて都美樹、命も気付く。その横から姿を現したMSからグレイブの声が響いた。

 

『その通り!彼女のこそ、不浄なるDNLも、それを是とする者達を滅ぼす救世主!』

 

『冗談!』

 

『さぁ、存分に暴れなさい、ディスティニーライダー……運命を突き詰める者よ!そいつらから消してしまいなさい!』

 

 蒼いクリアブルーのバイザーが真っ赤に染まる。血のような赤だ。手の装甲も展開して、まるで獣のような爪を展開する。

 クルスは何も答えずに、展開する自衛軍との戦いを、いや、虐殺を始めた。

 

 

NEXT EPISODE

 




今回もお読みいただきありがとうございます。さぁいよいよ次からディスティニーライダーとの対決、そして怒涛のクライマックスの節へ!( ゚Д゚)

レイ「クズだ……あの博士クズだっ」

ジャンヌ「とてもではありませんが……悪趣味ですね」

大体君達が言いたいシーンは分かった(´・ω・`)

レイ「何も考えられない様にするなんて……あたい許せへん!」

まてその先は言うな(゚Д゚;)カオスになる。

ジャンヌ「レイさんがあたいって言う時点でカオスだと思いますが……」

うー☆……はいまぁ、それは元君に任せることにしましょう。

レイ「だねー♪けど本当に止められるのかな?何かヤバい雰囲気出してるし」

ジャンヌ「クローユニットを擡げてって、かなり獣っぽい戦闘スタイルのような気も」

頭空白にしたらそうなるって何なんだろうねっ。その戦いの行方はまた次回ということでっ。それでは今回はここまでです。

レイ「次回もよろしくねーっ」
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