機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、皆様。昨日のトレンドにエクバ2の次回作の情報が入っていて、だからこそのマキオン発売か、と思っていました、作者の藤和木 士です。

グリーフィア「アシスタントのグリーフィアよ~」

ネイ「アシスタントのネイです。マキオンと言えば、作者さんオンライン対戦はしないんですか?」

あぁ、家庭版フルブのシャフが地獄だったのでやる気失せました(;´・ω・)あと今のままだと回線黄色なので、ツイッターのグループの人としかやれないっていうね。黄色はあかん、可能な限り青でね。
というわけでEPISODE8の公開です。

ネイ「ゼロンの襲撃……東響掃討戦から11年、それでもまだ東響への進出が止まっていないのを見ると、裏ルートとか多そうですよね」

グリーフィア「というより、これは掃討しきれてなかったっていうのが正しいのかもねー。あの前線基地と都心の敵を排除した位だし、もっと郊外の方に逃げていたのかも。途中でネストが襲撃受けてて出し切れていないんだとしたら」

そこら辺はまたどこかで言うとして、今話には更なる敵勢力、そしてあのシュバルトゼロガンダムの後継機の姿が遂に登場!(戦闘はまだです(´-ω-`))

ネイ「最後声ちっさいです」

グリーフィア「果たしてこの襲撃を解決するのは誰なのかしら~。千恵里達か、元君達、それとも~?」

それでは本編をどうぞ。


EPISODE9 覚悟の契約2

 

 店を出た私とクルス。支払いを任せてしまったことに胸は痛むが、そんなことを気にかけている場合ではない。非常事態を察して外へ出た二人の見上げた先に、機人の影が映る。

 

「あれってゼロンの……!」

 

「ゼロン本軍、それに、あれは蒼穹島勢力の機体だ」

 

 クルスの指摘するように、これまでに何度も見たことのあるゼロンの主力シトとシシャ以外に、曲面装甲を多用したダークブルーの機動兵器が背中からDNを放出させて降りてくる。

 こんな街中でMSが現れるなんてただ事じゃない。疑惑を強めて二人はスターターを起動させる。

 

『スターター装依開始。周囲の人は離れてください』

 

「装依!」

 

 スターターからの注意喚起が流れ、民間人が二人から離れる。それぞれの機体、シクサス・リッターとガンダムDN二号機に装依を完了した二人が機体を浮かせて彼らの前に対峙する。

 

『我らはゼロン。次元覇院の正統後継者なり』

 

「次元覇院の後継者?冗談じゃないわ。人に迷惑かけるあんた達は、犯罪者でしょう!」

 

 威勢よく言って見せる。反逆者となる千恵里の言葉を聞き、ゼロンのリーダーであろう、ダークブルーの機体の一機が鼻で笑う。

 

『犯罪者か。笑わせる』

 

「何がよ!」

 

『MSの運用、それを独占する君達もまた、悪ではないか。僕らもその可能性を押し広げているだけに過ぎない。自分達の足元も見ずに、勝手なことを言うな』

 

「勝手は、どっちよ!」

 

 ブレードザッパーを抜き放ち、斬りかかる。その機体もまた腰に携えた剣を展開して光刃で受け止める。

 銃剣と光剣が交わり火花を散らす。戦闘が開始されたことにモールを訪れていた人達が悲鳴を上げる。

 

『民間人の方は避難してください。急いで!』

 

 クルスが避難するように呼びかけながら、バックパックのウイングの剣を取り出す。その様子を見て、先程の男が指示を出す。

 

『シト、シシャは残りの敵と対峙、モール内の清浄化を。ワン部隊はこちらをやれ』

 

『了解です、晃司(こうじ)先輩!』

 

 先程の奴とは違う声。機体のパイロットの声と共に目の前の機体が出力を上げた。どうやら命令を出している者はこの場にはいないらしい。

 鍔迫り合いを弾き、都民に襲い掛かろうとするシト部隊を止めようとする。が、それをワンと呼称された機体達が阻む。

 

『お前の相手は、俺達だ!』

 

『ガンダムって機体の力、見せてみなさいよ』

 

『もっとも、僕らの足元にも及ばないだろうけど』

 

「上等よ。まずはあんた達を片付ける!」

 

 剣を向けて千恵里は周囲の敵の掃討に掛かる。ぶつかり合う剣と剣。そこに敵の銃撃が襲う。それらを回避して反撃のマシンガンの弾を浴びせようとする。ところがシトと交戦するクルスがそれを制止した。

 

『ダメだよ千恵里ちゃん!周囲の安全が確認できなきゃ、銃火器を使うのは危ない』

 

「ぐっ、そうだった……クソッ!」

 

 周囲にはまだ避難する民間人の姿が。それに手を伸ばすゼロンのMS達、そして取り囲むワン部隊がマシンガンと銃槍でこちらを攻め立てる。

 銃は使えない。それどころか、こっちは回避することも迂闊にできない。こんな卑怯な方法で……!

 ふと宗司達の事を思い出す。二人を置いて来てしまった。その失態に今さら気づいた。真っ先に護るべきは彼らのはずなのに。

 悔しさで奥歯を強く噛む。盾で防御し、斬りこめるチャンスを伺う。その間にも後方から関係のない人たちの絶叫が木魂する。

 

「きゃあああ!!」

 

「うわあぁぁ!」

 

『ゼロンの勝利の為に、あなた達には犠牲になってもらう。HOWを享受するあなた達自身が悪いのだ、自業自得なのだよ、これは!』

 

「勝手な言い分を……っ!」

 

 シト部隊のパイロットが銃弾と共に言葉を吐く。否定するが、自身のその言葉もまた虚勢だ。悲鳴する現状を打破できないまま、ただ見ているだけにしかならない。

 このままじゃ、本当に……。でも、あれならこれを突破できるかもしれない。元さんには考えて使うよう言われていた兵装。この機体の最後の切り札。

もう迷ってなんかいられない。私はそれに手を伸ばす。

 

「私は……使う!」

 

『千恵里ちゃん!?まさか』

 

 クルスは止めようとした。が、その前に千恵里は発動する。

 

 

「―――エラクス!」

 

 

 力強い一声。その声と共に、機体が蒼く輝く。残像を残してその場から消える。この事態にゼロン側が驚きを露わにする。

 

『き、消えた!?』

 

『ちょ、ちょっと、あれって!?』

 

『ワン・スリー!避けろォ!』

 

 声を上げる頃には既に時遅く、ワンの一機を切り裂いた。ブレードザッパーに腹部を切り裂かれた機体が爆発する。

 蒼炎の力は、もはやシュバルトゼロガンダムだけの物ではなかった。制御に苦戦しつつも、千恵里は残る機体達へと肉薄する。

 

「今までの同じだと思ったら、大間違いよ!」

 

『各機、エラクス機への戦法で対応!シト部隊も支援に……』

 

 敵がこちらへと引きつけられる。それでいい。私に注意を引ければ、それで。超高出力状態の機体で、私はゼロンの機体へと肉薄し、部隊と応戦を続ける。

 

「おおおおぉぉぉぉ!!」

 

 

 

 

 自衛軍の秘匿する開発施設。その中でももっとも秘匿性の高い、自衛軍第一開発局に黒和元とジャンヌ・ファーフニルの二人は訪れていた。

 案内する自衛軍開発担当の人物がその用件に触れる。

 

「ここまで遅くなってしまったこと、すみません」

 

「完成したから、文句はないさ。再開発のために尽力してくれた新堂幸地元首相にも感謝している」

 

 目的はただ一つ。シュバルトゼロガンダムの後継機、その受領の為だった。ロックの施された扉の前でカードキーを認証させる。扉が開放され、中に入るとその機体はあった。

 大きなパネルで構成されたウイングパーツ、肩に装備されるシールド、腰の銃剣、機体各所のユグドラシルフレーム……。かつてのシュバルトゼロガンダムを踏襲しながらも、今までとまるで違った構成をしていた。

 しかしその機体色はまだ黒くはない。むしろ鈍色の鋼の色で、それがまだ動力源となるDNジェネレーターを装備していないことを意味していた。開発担当はこちらにDNジェネレーターの提供を要請する。

 

「ではこれよりDNジェネレーターの換装作業を行います。スターターをハンガーモードでこちらに」

 

「分かった」

 

 言われてゼロ・スターターをハンガーモードで起動させる。起動したスターターをハンガー設置の台に置くとその出力ハンガーにシュバルトゼロガンダムが顕現する。

 顕現した機体に機械のアームが近づく。胸部装甲が開き、DNジェネレーターが露出する。アームはDNジェネレーターを掴む。DNジェネレーターが引き抜かれ、シュバルトゼロガンダムから光が失われた。

引き抜かれたジェネレーターの移動先は無論、新型のシュバルトゼロガンダム。こちらも胸部装甲が開き、その内部にジェネレーターが収められる。するとたちまちDNジェネレーターが起動し出す。その恩恵で鈍色の機体が、象徴とも言える黒へと染まっていった。

 黒、灰色、紺、そして各所に紫とと、これまでのシュバルトゼロガンダムよりも更に色が加わっていた。紫に関してはスタートからの要望だが、それ以外は元が全て調整してもらった。

 機体の起動状況を見て、開発担当が頷く。

 

「よし、出力問題なし。これよりカードに取り込みます」

 

 開発担当が端末を操作すると、機体が出力ハンガーより消失する。消失したのを確認して開発担当は接続していたカードと、スターターをそれぞれ手渡す。

 

「これで本体の行程は終了です。お待たせしました」

 

 十一年もの時間をかけて、ようやく完成した機体。感慨がないわけではない。しかし、これで終わりというわけでもなかった。本機を構成する最後のパーツ。その開発がまだ残っている。

 それでも、ここまで作り上げてくれたことに感謝する。

 

「ここまでの開発、感謝する」

 

「残りの支援機、武装各種も急ピッチで仕上げます。とはいえメインとなるあれはまだかかりそうですが」

 

「構わない。一番難航するのがそれなのは分かっていたさ。では、これにて帰還す……」

 

 機体の受け取りを終え、帰還しようとする二人。開発担当に通信が入って状況は一変する。

 

「ん?失礼。はい……えっ?黒和さん、司令部からの通信です」

 

「どうした?」

 

「東響中都区、ハレルヤモールをゼロンMSが襲撃。現在その場にいたCROZE隊員が交戦とのことです」

 

 CROZE隊員の交戦と聞き、すぐに元も仕事用の端末で黎人につないだ。

 

「俺だ。黎人司令、ハレルヤモールの件は知っているか」

 

『無論だ。今戦っているのは、入嶋とクルーシアだ。宗司君達もいる。そちらは護衛の隊員が外まで護衛している』

 

 入嶋達が戦闘に入っている。幸いと言えるか微妙な状況だ。あの二人がどこまで出来るか、不安が過る。

 黎人に他部隊の出撃状況を確かめる。

 

「CROZE部隊、出撃の状況は」

 

『現在チームCとRを出撃させた。現地のGチームと合流させれば何とかなろう』

 

「俺も出る」

 

『ま、待て。まさかそこからか?』

 

 そこから、というのは無論この開発施設から出るのかの意味だ。その通りだと俺は回答する。

 

「あぁ。試運転がてら、飛ばす」

 

『……あんまり推奨されないがな……。おまけにまだウエポンスペースは武装入れていないんじゃないか?』

 

「それでも十分だ。だろう?開発担当?」

 

 黎人の言葉を軽く受け答えして開発担当にこの状態での戦闘が可能か問う。開発担当は難しい顔でその問い掛けに応える。

 

「まぁ、一戦闘くらいなら大丈夫だとは思います。DNジェネレーターの最終調整もファーフニルさんに動かしながら調整してもらえるのでしたら」

 

「決まりだな。所長にこちらの出撃ハッチを使えるように通達を」

 

「はい」

 

『……途中で動けなくなったとか言わないでくれよ……』

 

 黎人の一抹の不安を残しながらも、緊急出撃シークエンスが始まる。元達は先程まで新型が置かれていたハンガーのあった位置に移動。ハンガーが格納され、上部天井が開放されていく。

 開発担当の操作で施設内に警報が響き渡る。スターターに、新型のデータが入ったセレクトスーツカードを装填する。

 

『|Gemini US《ジェミニアス』

 

 これまでの装填音とは違う音声。二人で手を繋ぎ、装依に備えた。

 

「行くぞ、ジャンヌ」

 

「えぇ」

 

 最後のハッチが開放し終わり、射出口から日が差した。吹き抜ける風、腰に付けたスターターの装依ボタンを押し込む。

 

『Standby OK?』

 

『装依』

 

 二人の声を合図に生成されたゲートが挟み込む。そうして顕現したシュバルトゼロガンダムの後継機。システム音声が機体名を読み上げた。

 

『ジェミニ・クロス・ディメンション シュバルトゼロガンダム・ジェミニアス』

 

「シュバルトゼロガンダム・ジェミニアス、装依完了」

 

 ジェミニアスへと装依を完了した元は、上を見上げる。開発担当が射出タイミングを譲渡する。

 

「発進いつでもどうぞ」

 

「シュバルトゼロガンダム・ジェミニアス、これより作戦地点ハレルヤモールへと飛翔する!」

 

 翼を広げ、勢いよく飛び立つ。射出口から飛び出た機体は、一回転の後速やかに目標地点への進行を開始する。

 スピード、出力。これまでのシュバルトゼロガンダムと段違いだ。あふれ出る機体のポテンシャルに感動すら覚えた。これなら戦える。

 ジャンヌにもそれを確認する。

 

「凄い機体パワーだな。そっちはどうだ」

 

『えぇ。上がった分ちょっと制御は難しいですが、事前のシュミレーターでの想定内です』

 

「テストがてら最大出力で飛ばす」

 

『了解。いつでも』

 

 準備が整うと同時に機体のスラスターを全力で噴射する。シュバルトゼロガンダム・ジェミニアスは、その限界性能で目的地であるハレルヤモールへと急行するのであった。

 

 

 

 

 ハレルヤモールから何とか脱出できた宗司とエターナ。入り口を見ると、他にも脱出してきた人は多い。そして人質として襲い掛かるゼロンのMSが銃を乱射しつつあった。

 それを阻むように空から数機、そして追う形でモールからもHOWの機体が一機出てくる。

 

『これ以上被害は出させん』

 

 聞き覚えのある声の機体が、敵と切り結ぶ。一度弾かれ、斬られたと思ったが、その機体はバックパックを分離して脇をすり抜け様に切り裂き、倒した。

 再度合着するバックパック。あれよあれよと切り倒していく機体は敵をせん滅するとこちらに歩み寄ってくる。

 

『大丈夫か、相模宗司、エターナ・ファーフニル』

 

「その声……呉川さん。はい、無事です」

 

 千恵里達の上司に当たる人物だ。呉川は装依状態のまま、この状況を整理する。

 

『全く、入嶋達もこちらを優先すべきだろうに。まぁ、あの場で食い止める選択が無ければ、中を思うがままにされていたのは間違いないが……。C隊は俺と共に中に突入。R隊は外の整理、並びに出てくるMSの対処、それからこいつらの護衛を頼む』

 

 宗司達をR隊と称した部隊に任せ、再び中へと向かう呉川。保護されながらも、外に広がる惨状を見つめる。

 

「……酷い」

 

 怪我をした人を駆けつけたHOWの人員が手当てする。しかし、中には助からず、命を落とした人も、機体が運んでいる。血の臭いが辺りに広がりつつある。

 学校での戦闘よりも酷い。モールの中がわずかに見えるが、中も血だまりが広がっていて見るに堪えない。もっと中は酷い惨状なのだろうか。

 視線を逸らす。逸らした視線の先に、俯いたエターナの顔が見える。恐る恐る、話しかける。

 

「お前も、怖いって思うか?」

 

「怖い?ううん……凄惨だとは思う。でもこんなの私の居た世界じゃ、少し前まで当たり前だったから」

 

 平気であると答えるエターナ。ところがその表情は浮かないものだ。何か思っている、と考えた時にはエターナは話し出す。

 

「私の居た世界は、種族の違う人間同士が殺し合っていた。種族戦争、みたいなものだった。中立国でも、そういった思想の強い人間が、平和に暮らしてた人々を殺して、感情を煽ってたくらいだし」

 

「だから、慣れてると?」

 

「慣れてる、のとは違うかも。日常茶飯事だから、それを受け止めて、そのうえで自分がそうならないように生きてきた。ただ、私の姉様はその凄惨な戦争を終わらせた。英雄の片割れとして。だから、それから私には期待されていた。姉妹だからって、ちやほやされていた」

 

 達観した表情で、呟き続ける少女。期待を受けた少女の辛さが、明かされる。

 

「でも、私には何の取り得もなかった。DNLとしての能力は平均的で、姉様みたいな奇跡の出会いもない。最初の内はそれも仕方ないって思ってたけど、周りの人達の声を聞いて変わっていった。所詮は妹、姉とは違うなんて言われて。だんだん私は、姉様に嫉妬していった。大好きだった人が、どんどん疎ましくなっていった」

 

 憧れから妬み。いきなり何かと思ったが、好意が消えていく様への鬱屈さを口にしたエターナは近くの車両に背中を預け、戦うに至った本音を語る。

 

「昨日、姉様と話した。でも言えなかった。怖かった。姉様はレイアさんを助け出そうと戦い続けている。頑張っている大切な人の邪魔なんて出来ない、出来るわけない。未完成の転送システムまで使って、やってきたのに、もし姉様にまで邪魔なんて言われたらって思ったら……もう居場所なんて……」

 

 役立たずであることを怖がるエターナ。正直に言って、その気持ちは分からない。今まで親戚や尊敬した人物に嫉妬したことなんてなかったから。それだけ思い入れもなかったからなのも影響しているのかもしれない。

 それもきっと、あの事件が影響しているのだろう。親交を深めれば、裏切られ牙をむかれた時にもっと傷つく。それを無意識に避けていた。だから小野寺達とも適度な距離で「クラスメイト」として接してきた。無関心でいるために。

 宗司に、彼女の「愛」は分からなかった。「信愛」に怯え、「親愛」を忘れた。ただそんな彼にも、共感できるものがあった。

 宗司はその口を開く。

 

 

「俺は、人を信じられなくなった」

 

「えっ」

 

「信じたら、また裏切られるんじゃないかって。そうしてまた失う位なら最初から信じなければいい。けど、だからって信じることが悪じゃない。愛することだって、同じだ」

 

 

 あくまでもこれは自分の問題。他人の誰かへの信頼まで否定なんて出来ない。そんなことをしたら、俺は彼女と同じになってしまう。愛で愛を潰すなんて、したくない。

 だからこそ、彼女に自分の言える限りの言葉を述べる。

 

「だから、お前は信じろよ。俺なんかとは違う。お前はまだ信じられる。信じるものがあれば、戦えるだろう?」

 

 その言葉に沈黙するエターナ。答えに悩んでいるのか。ところが、すぐに顔を向ける。彼女の口が動いた。

 

「なら、あんたはどうするのよ。これからも、ずっと信じないの?信じないから、戦わないの?」

 

 まっとうな指摘だ。人に信じろと言っておきながら、自分は信じない。今までのやり取りなら、そうなるだろう。

 楽が出来るなら、それがしたかった。そのつもりで返答しようと思った。背中を、ましてや命を仲間に預けたり預かったりなんて自分には出来ないと思っていた。はずなのに。

 

「―――――なら、君を信じさせてくれ」

 

 自分の中に生まれた感情。忘れたはずの感情で、彼女に提案した。

 

「俺はまだ、知りもしない誰かに背中を預けるなんて、難しい。でも、あの時、初めて装依した君なら……俺の記憶を見たのなら、俺は君の信じるモノを信じる」

 

 エンゲージシステム、その作動時に起こる記憶共有は次元博士から聞いていた。それを思い返したとき、最初は吐き気を覚えた。自分の気持ちを知られたことに。が、考え直した。それはエターナも同じだと。

 先程の話で、それを確認した。だから、俺は彼女から逃げることは出来ない。逃げるなんて出来ない。知った者同士、向き合わなければ。そう思ったから。

 

「………………」

 

 エターナは閉口する。その視線がきつくなる。彼女もまた理解をしたのだ。そして彼女も言った。

 

「なら、信じなさいよ。「私」が見る世界を、私の信じる世界を、見ていて」

 

「あぁ」

 

 二人の意志が重なった時、状況は一変していた。人質を取るゼロンのMSがモールの中から現れる。ハロが飛び上がり知らせた。

 

『テキ、テキ!』

 

 人質となっている人物に見覚えがあった。自身のクラスメイトの少女。飛び交う声。

どうすればいいのか、少しだけ戸惑う。けれども少女の怯えた表情を見て、決意する。

 

「行こう」

 

「無茶言ってくれるわね」

 

 悪態を吐かれながらも、揃ってそちらへと向かっていく。何かできる、根拠は分からないが、そう信じて。

 

 

NEXT EPISODE

 




今回もお読みいただきありがとうございます。

グリーフィア「覚悟、決めたわね」

ネイ「だね」

けど確証ないままなんですよねぇ(´・ω・`)一体どうやって人質救う気なんでしょうか……。

ネイ「それは無論考えているんでしょう?」

メタいけど、まぁそうだね(;・∀・)

グリーフィア「じゃあそこら辺は大丈夫ね」

大丈夫じゃないが( ;∀;)

グリーフィア「それよりか、エターナも色々大変だったみたいねぇ。重責だっけ?」

ネイ「英雄の姉がいたからこそ、妹に過度な期待がかかる。そう言う物語って割とありますよね」

ガンダムとかでもAGEのフリット・アセム親子とか、ちょっと違うかもだけどダイバーズのオーガ、ドージ兄弟とかいたね。あとアルジェ兄弟も?

グリーフィア「別作品でここに関係あるとしたら、ウルトラマンタロウとかかしら?親としてのタロウに対するタイガ、それと友人としてのタロウに対する黒幕トレギアとか」

とはいえその発想に至ったのはもっと別の何かだったような気がする(;´・ω・)今思い出せないから仕方がないんだけど、まぁそういう身内と比較されての劣等感って割とダークサイド落ちる要因ですよね(´-ω-`)

ネイ「いつかそれが逆流してしまうんでしょうか?」

それは無いとは言い切れないね。

グリーフィア「それと、これにも触れておいた方がいいかしらね。新型のワンとそれを操るチーム、そしてシュバルトゼロガンダム・ジェミニアスの登場っ」

ネイ「ワンの方は随分とシト、シシャと外見が違うようですね。しかもチームでの行動を意識していますし」

ワンはそのモデルから本当にチーム戦重視の機体です。しかもガンダムおなじみのあの機能も持っていますよ。

ネイ「ガンダムおなじみの機能?」

グリーフィア「んー……マグネットコーティング?もしくは学習型コンピューター……あっ、コアファイターとか?」

正解は次回に分かるけど、そのやり取り見てればなんとなくゼロンに味方するこの勢力のモチーフが分かると思います。

ネイ「そうですか……そして満を持してシュバルトゼロガンダムの最新型、ジェミニアス、ですか」

その通り!( ゚Д゚)ふたご座っていう旧作SSRの要素に関わりのある要素なんだけどね、エンゲージシステムと親和性よさそうだから、あえてこの名前を用いさせていただきました!

グリーフィア「旧作とふたご座、関係性については明かしていないけど、割と推測はしやすいやつなのよねー。そこら辺の設定明かすときは?」

多分ない( ゚Д゚)(断言)

ネイ「前は旧作の総まとめで設定予定資料集みたいなの作るって言っていたのに」

うぐっ(T_T)……まぁ次回で宗司君達の現状打破の方法と、シュバルトゼロガンダム・ジェミニアスの性能の一端をお見せしますよ。とりあえず今回はここまで!

グリーフィア「次回もよろしく~。ちなみに現在作者君次章に向けた設定で忙しくて少し遅くなるかもらしいわ~」

遅くならなかったら順調or巻き返したと思ってください(´・ω・`)今回もタイミングずれたのそれが理由なんですわ……それでは。
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