機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、藤和木 士です。EP25、26の公開です。まずはEP25から。

グリーフィア「現実世界じゃこの章のモデルの機動戦士ガンダムSEEDDestinyがバトスピに登場してたわねぇ」

そうだね。私もSEEDDestiny組んだけど、構築がむっちゃ難しいというかインパルスが弱い。デスティニーが主体だってことを嫌でも分からされる。
とまぁその世間話はここで今やることじゃない。

ネイ「前はやっていらしたのに、ですね。話としては模擬戦が再開したってところですね」

グリーフィア「気合い入れ直しての再戦、オースセイバーに果たしてガンダムDNとオースインパルスは届くのかしらね~」

というわけでどうぞ。


EPISODE25 遠き過去の日々3

 

 

 再度の模擬戦が開始された。やや時間を置いての再戦にジャンヌは戸惑っていたものの、その後の動きを見ていくうちに何があったのかを間接的に理解する。

 元と共にその動きについて語る。

 

「さっきまでと動きが違う。ちゃんとお互いの位置を把握してる」

 

「それだけじゃない。拙いが息を合わせて攻撃を行っている」

 

 二人の指摘通り、インパルスとアーバレストは連携を行って戦うようになっていた。練度などは比べるに値しないだろうが、先程までとは大きな進歩と呼べる。

 積極的に攻めるインパルス、それを隙が生まれ次第けん制を行う。大方インパルスの進が指示を出しているのだろう。

 とはいえ正のオースセイバーの壁は厚い。簡単には落ちないだろう。勝てないかもしれない。しかし二人の思惑は別にあった。

 

「果たして、あれの起動は出来るでしょうか?」

 

「さぁな。だがそれに値するだけの戦闘が出来れば、システムが認証して次なるステージに入れる。その力を手に入れられれば、そこまで成長できたならあいつらは……」

 

 正しき力の使い方。それを見定めるアーバレスト。秘めたる力を解放してこの戦闘を終わらせることが出来るか。

 そうでなくとも彼女は願っていた。妹が死ぬ可能性が一つでも減る、あの力の覚醒、そして二人が使いこなせることを。

 戦闘は続く。どのタイミングで覚醒までに至れるか。その時が来るのを待った。

 

 

 

「はぁ!」

 

『ぐっ!っ!?』

 

 光剣をぶつかり合わせる二機。インパルスの機体がそのまま出力を上げてはじき出すと、後衛のHOWのガンダム、アーバレストが背部のライフルユニットを展開して追撃する。

 これまでとは明らかに違う攻め方に、上官である正が驚嘆を漏らす。

 

『先程までとは違う……連携している?』

 

「俺にだって、これくらいできる。それより兄貴と一緒に戦った英雄がその程度かよっ!」

 

 挑発で返して斬りかかる。オースインパルス・ルフトの両手に握ったビームサーベルとボウガンセイバー「フォロカル」で攻め立てる。攻撃の勢いに押されオースセイバーは防戦一方だった。

 仕切り直そうとしたのか、突発的にキャノンユニット「フルフル」のビームスポットガンを放つ。こちらは回避せざるを得ない。

 今までならすぐさま距離を詰めていた場面。それを今回は大回りする様に動く。反対側からアーバレストが射撃するのと同時にこちらもボウガンで狙い定めた。

 

「一斉射!」

 

『了解!』

 

『なぁっ!』

 

 両機体の同時攻撃がオースセイバーを直撃した。シールドによって機体そのものからは逸らされたが、シールドは表面が融解し危険と判断した隊長自身の手で投棄される。

 ここまででもそう言った場面は多かったが今回は訳が違った。投棄せざるを無かった場面は今までにない。そしてそこからスムーズに次の行動に移ることも。

 

「リヴァイバー、チェンジ!」

 

 空戦機動形態のルフトから、高機動格闘戦のアッシェへとバックパックを換装させる。換装で生じた隙にオースセイバーもライフルを向けた。

 しかし放たれた光弾をアーバレストが割って入って止める。肩のシールドで弾丸を防ぐ。息の合った攻防。その間にこちらも無事アッシェへと換装を完了する。が、それだけにとどまらない。進は叫ぶ。

 

「アーバレスト、右に避けろ!」

 

『了解!』

 

「いっけぇ!!」

 

 回避指示を送った直後、換装したルフトリヴァイバーをオースセイバーに向けて射出する。初日の模擬戦で彼らに対して使用したリヴァイバーの突撃攻撃。進がよく使う戦法だ。

 それは何度も見てきた正には見飽きた戦法だっただろう。()()()()上へと逃げて撃墜しない。だがここからは違う。

 上へと飛翔したオースセイバーを追撃するいくつもの光条。アーバレストの砲撃だ。それらでけん制してから本命の一撃をビームライフルから放つ。

 

『圧縮率、84パー!』

 

『撃つ』

 

 DBによる圧縮弾が放たれた。シールドのないセイバーには避ける以外の選択肢はない。それも考慮してのDBは避ける寸前で破裂、散弾となって正隊長のオースセイバーに降り注ぐ。

 

『ぬぉっ!?』

 

 避けきれなかったビームライフルが破裂を起こす。だがその前にオースセイバーは変形し急速離脱を行う。

 それを追撃するこちらの両機体。だがそれらを巧みな変則機動で避けられていった。あまりにも圧倒的な機動にHOWの女子が困惑していた。

 

『何よあの機動力!変形のシールドが無いのにあの速度……』

 

 もちろんなぜそれが出来ているのか進は知っていた。オースセイバーにはインパルスのSEEDシステムの亜流と言うべきシステム、疑似SEEDシステムが搭載されている。今までも使われていたかもしれないが、それを今度ははっきりと話す。

 

「疑似SEEDシステムの機動だ。シールド無しであれだけの機動力はあり得ない。追いかけるぞ」

 

『分かった』

 

 アッシェ装備で高速で逃げるオースセイバーを追跡する。近接戦のアッシェに換装したものの、このままでは追いつけないかもしれない。ビームライフルを放ちながら装備変更を再び要請する。

 

「ミネルヴァ、シュトラールを……!?」

 

 言いかけた時、正が動いた。機体を翻し、ビームサーベルを両手に構えて突撃してきたのだ。

 反応しきれなかったのをカバーすべく寸前でアーバレストが割り込んだ。ビームライフルが斬られるがその後ろにあったシールドが機能して攻撃を防ぐ。

 

『ぐっ!』

 

『ぼーっとしてんじゃないわよ!?』

 

「わ、悪い」

 

 あの女から突っ込まれる。紛れもない事実だ。動揺しながらもそう返す。すると対面の正から回線越しに指摘を受ける。

 

『進。お前の悪い癖、出ているぞ。換装指示を送るときに射撃武装でけん制をするパターン』

 

「っ!そんなところ、今突いてくるのかよ!?」

 

 以前にも指摘されていたことのある進の癖だった。進としてはなるべく近づかれないための防衛策のつもりだったのだが、正からは狙いが適当すぎることからパターンを読まれてやられかねないと言われていたものだ。

 実際零や或には読まれることもあって最近では意識しているのだが、時たまこういうことを無意識にやっていた。

 歯噛みしながらも敵の足が止まっている好機。逃す手はないと死角からビームブーメランを放つ。

 両脇から迫るビームブーメラン。競り合っている今なら防御することも出来ない。そう思った。

 

『フン!』

 

『ぐっ!?』

 

 しかし勢いを込めてアーバレストを突き飛ばすと頭部のバルカンを乱射。ビームブーメランの実体部分に直撃させると、速度の落ちたそれらを実体部分のみを狙って蹴り技で次々に弾き飛ばしていった。

 

『ブーメランを蹴り飛ばした!?』

 

『これが、オースの両雄の一人』

 

「こんな力を隠してたのかよ……っ!」

 

 現実離れした実力に恐れを抱く。敵でなくて心から良かった。そんな彼らに時間を与えることなく、再びこちらに格闘戦を仕掛けてきた。

 もちろん迎撃はする。ところがその動きは先程までとは別物で、まるで捉えることが出来ない。それどころか次々とこちらの武装が潰されていった。

 エースの力を見せつけられて追い詰められていく此方。そのタイミングでようやくシュトラールリヴァイバーが接近してくる。

 

『あんたの装備が飛んでくるのを確認!』

 

「よし、シュトラールなら!」

 

 早速換装体制に入る。が、それを正隊長もそれを完全に読み切っていた。

 

『させない』

 

『!避けろ進!!』

 

 急速方向転換したオースセイバーが防衛行動に入ろうとしたアーバレストを抜けてキャノンユニットで狙撃を敢行した。宗司の声で気づいた進は間一髪機体を捻らせて避ける。だが無論自動操縦のシュトラールはビームに直撃し爆散した。

 換装に失敗し、更に劣勢に立たされる。カゲヌイで攻撃を凌ぎながら対抗策を練る。

 

(あっちがSEEDなら、こっちもSEEDでやるしかない。本流の力、見せてやる!)

 

 SEEDシステムの使用を決心し、相方である宗司達に知らせる。

 

「俺がSEEDシステムで押さえる。止まったところを行け!」

 

『分かった』

 

『あんたに任せるしかないかっ。行け!』

 

 直後SEEDシステムを発動させた。コンピューターの駆動音と共に頭の中が冴えわたる。

 集中力の高まった状態で、俺はオースインパルス・アッシェで格闘戦を仕掛ける。先程までは速度で圧倒されていたこの形態だが、今はSEEDシステムで機体も、俺自身も出力・思考速度共に上がっている。

 距離を詰めたオースインパルスでそのままオースセイバーに対艦刀を振り下ろす。回避されるも、即座に反対側を振るう。それもまた避けられた。返しと言わんばかりに反撃の一太刀が繰り出されるが、こちらも避けて反撃の対艦刀を振り回し鍔競り合う。

 鍔競り合いの後、両者は再び高速機動を行いつつ近寄っては離れてを繰り返す。劇の踊りのような激しくも精密さのあるそれに、見惚れた様子のアーバレスト。

 

『っ、割り込めない……』

 

「ついて来れないのか。なら俺が決めてやる!」

 

 そう吐いて両手の対艦刀を横薙ぎに振るった。攻撃は回避されるが、続けて片方の対艦刀を一振りそのままオースセイバーへと投げつけた。

 突発的な攻撃とも取りがたい行動に、反射的に光剣を振るった正隊長。精確な斬撃で投げ放ったハルファスを実体部分のみを斬ってしまう。

 

「くっ、英雄の力、ここまでなんて!」

 

『悪いが一旦終わらせるぞ!』

 

 死刑宣告をする正。このまま長引けば不利と判断して勝負を決めるつもりなのだ。

武装の減ったこちらへと狙いを絞って突撃を掛ける。進も討たれるわけにいくかとビームライフルを乱射する。とはいえ疑似とついていてもSEEDシステム、こちらの攻撃は避けられ、見る見るうちに迫られた。

 

「クッ!」

 

 ようやく、ここまで追い詰めたのに。そんな悔しさを感じてしまう。もっと力があれば、と諦めかけたその時。

 

『こっちを、向けぇ!!』

 

「!!?」

 

『何だと……』

 

 それを助けたのは、長大な銃剣を構えたアーバレストであった。

 

 

 

 

 間一髪だった。SEEDシステム同士の激闘に注視せざるを得なかった宗司達は機を伺って介入するタイミングを見計らっていた。

 両者共に隙の攻防で、入る余地がないと思いかけ本当に進に任せようとした矢先、急襲を掛けたオースセイバーの姿にすぐさま機体を動かしていた。

 爆発的な出力を得られるガンダムDN・アーバレスト。だがその初速段階で間に合わないということをエターナが見抜いていた。

 

「速い!」

 

『このままだとアイツ落とされるわよ?そうなったらここまでやった意味が!』

 

 ようやくここにきて勝てるかもしれない展開が生まれた。それを逃したくないというエターナの言葉には強く同感する。

 どうにか出来るのは自分自身。スラスター全開で間に入り込もうとする。しかし感覚で分かる。普通の武器では間に合わないと。

 

(間に入りきれない……ならっ)

 

 咄嗟に考え付いたのは武装の変更。腰部のブレードザッパー・ガンザッパーをコンバートセイバーへと換装させて、その刃を伸ばす。

 そうして間一髪で、オースインパルスへと伸びた光刃を受け止めることに成功したわけである。防がれたことに正が動揺を浮かべる。

 

『何……』

 

『お前ら……』

 

 助けられた進もまた唖然としている。だがそれに構うことなく機体出力を上げて押し返す。

 背を向けた状態でまだ戦えるのかと進に問う。

 

「まだ、やれるのか?」

 

『……もちろん!』

 

 確認して、再びオースセイバーへと向かっていく。今度は宗司達が前衛だ。コンバートセイバーを手に近接戦を開始する。

 もちろん相手はまだSEEDシステムの稼働中だ。攻撃は容易く回避され、どちらかと言えば後手に回る展開。防戦一方である。だがこれでいい。

 エターナに進の状況を伝えさせる。

 

「エターナ、進さんの方は」

 

『今換装体制に入った。空戦タイプに換装する!』

 

 これは武装の多くを失ったオースインパルスの戦力補充を狙ってのことだった。前に出て注意を引く。それによりオースインパルスは換装の時間が得られる。

 それまでの間にこちらは落ちない様にかつ引きつける。何とかオースセイバーはこちらを狙ってくれていた。

 空振りの後鍔迫り合いに持ち込んで正が通信越しに話しかける。

 

『インパルスの換装時間を稼ぐ。もっとも大事なことだ。だが……!』

 

 機体を弾かれると共に衝撃が襲う。脇の下から振り上げたキャノン砲本体がこちらを打ち上げた。吹き飛ばされる機体。

 

『きゃん!?』

 

「っ!なりふり構わずかっ!?」

 

 文句を放つが、直後アラートが鳴り響く。攻撃態勢に入っていることを知らせている。機体のカメラで姿を捉えきれない。避けようがない。

 一か八か、左右のどちらかに避けようとした宗司。だがそこで言いようのない感覚を感じる。

 

『させないっ』

 

「!?」

 

 左右から圧迫されるような感覚。精神的な疲労ではない。だがそれに類するような気がする。何を示すのか。短い時間で至ることは出来ない。エターナの声からそれを起こしているのは分かった。動かなければいけないことを思い出す。

 直感に従い、圧迫を感じた左右を除いた下方向への回避を選択する。機体を垂直きりもみ回転させながら動くと、その上方を四本の光の線が抜けていった。攻撃を回避できたことに驚きが漏れる。

 

「どうして……」

 

 そこでようやく、その理由が分かる。

 

『っ、あまりやりたくなかったんだけどね……脳波感覚共有』

 

「脳波感覚共有……」

 

『私の感じた敵の動きを、あんたでも感じられるようにする。さっき攻撃が来るの分かったでしょ?あれがDNLの感覚』

 

「あ、あぁ。あれが……っ」

 

 話を聞きながら回避を続ける。頭の中に次の攻撃の矛先が分かる。それは何とも言えない不気味さを感じる。先程までのように攻撃を当てられないことを正が憤る。

 

『クッ、動きが違う……これは』

 

「っ!これなら」

 

 だが今はそれもありがたい。感覚を信じて攻撃に転じる。防御の姿勢を崩して、連撃を浴びせる。

 DNLの力を体感しながらの攻防、間借りしたエターナのDNLの感応能力で優位に進めていく。そこに進も加わる。

 

『なんだか知らないけど、こっちが優勢だ!』

 

『この状態で二機は……!』

 

 同時攻撃でようやくSEED状態のオースセイバーを吹き飛ばす。逃げようとする機体に、宗司達も追いかける姿勢を取る。

 

「エターナ、距離を詰める!」

 

『もちろん!』

 

 二人でアーバレストの出力を上げるイメージを行った。もっと速く、逃がさない。そんな気持ちと共に出力を上昇させる。

 イメージの中で力を求める宗司達。だからこそだろう。勢いのまま「それ」を解除したのは必然だった。それに気づいたのは横を飛ぶ進だった。

 

『?おいお前ら……』

 

『おおおぉぉぉ!!!』

 

 が、それに気づくことなく見る見るうちに逃げる機体に距離を詰める。逃げきれないと判断したオースセイバーが機体を反転して急襲する。それでも止まらず沸き立つ勢いのまま切り裂こうと振り下ろす。

 

「これで、どうだ……っ!?」

 

 そこで唐突に視界がブラックアウトする。否、システムが落ち、もとのコントロールポッドの景色に戻ったのだった。

 

「シミュレーターが止まった!?」

 

 最初に出たその考え。何があったのか聞くため、すぐさま外へと出る宗司。見ると同じく慌ててポッドから出て状況を確かめに来たエターナと進、それに正隊長が担当技術者と元隊長達に確認を行っていた。

 

「ちょっと!システム落ちたんだけど!?」

 

「何だよ、せっかくもう少しで勝てたってのに!」

 

「そうだよな……もう少しだったのに」

 

 エターナ達の憤慨は無論宗司も感じていた。あの流れ、絶対ではないにしても惜しいところまで行ったのだ。

 そんな彼らの気持ちを尊重してか対戦相手であった正も原因究明を命じる。

 

「何があった?システムのハッキングか?」

 

「―――いや、それは違う」

 

 それを話したのは、他でもない自分達の隊長、黒和元であった。

 

 

NEXT EPISODE

 




EP25はここまでです。

ネイ「シミュレーター止まったんですが、あの」

グリーフィア「止まったわねぇ。けどこれ元君が噛んでるみたいよねぇ?」

元君が何を考えてこの事態を予測していたのかを次話で明らかにしますよ。まぁこの模擬戦はあくまでステップの一つって捉えている感じです。

ネイ「ステップ、ですか」

グリーフィア「よく分かんないけど、まぁこれは昇れたってこと?」

今はそう形容することは出来る。というわけで次話へ。
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