レイ「フリーダム煌臨!じゃなかった、降臨!」
ジャンヌ「どうしても作者のパソコンで打つとこっちが出ちゃうんですよね……バトスピの関係で」
ま、あっちでも煌臨は降臨、光臨を意味しているからね。まぁそんなことは今どうでもいいってことで。
EP30、本編どうぞ。
突如現れたMSは双方の注目を集めた。圧倒的な力、懐かしい姿、見る者それぞれに様々な感情を抱かせる。
宗司もまたその姿に魅せられた者の一人だった。
「な、何だ……あの機体」
同じ機動兵器とは思えない佇まい。何もないところから現れるその姿はまだMSをよく知らない宗司には衝撃的だった。
サポートのエターナも驚きながら冷静に状況を整理する。
『ステルス装甲……でも、味方?敵?』
「敵、なのか?」
『だって、姉様の機体に攻撃しようとしたし!』
言われて気付く。確かにあの機体は攻撃を行おうとしたゼロン側だけでなく、こちらのジェミニアスにまで攻撃を行った。
しかし、だからと言ってそう思えないと宗司は考えていた。やがてそれが図らずも当たっていることがオース陣営からの言葉で明らかになる。
進がその機体のパイロットの名を呼びかける。
「輝義兄さん!輝義兄さんなんだろ!?」
「輝、義兄さんって、ひょっとして……」
進の義兄である大和輝は宗司も知っている。この国、オースの英雄。だとするとあの機体が、多々聞いていた、オースフリーダムという機体。
宗司の予想。その機体のパイロットが肯定を行う。
「久しぶり、だね。進。明日那と正も」
「輝義兄さん……!」
「輝、輝なのか?」
「輝……お前。いや、助かった」
「うん。僕だけじゃないよ」
輝というパイロットの言う通り、それだけではない。空からは更に何体ものオースの主力機ムラマサが空から現れるようにステルスを解除、制圧を行ったゼロンMSを相手取っていく。
現れたその機体に、デュランザメスもまた苦い顔でコメントする。
「オースフリーダム……やはり、まだ稼働していたのか」
「デュランザメス、歌峰さん。あなた達の野望もここまでです」
「フン、大和輝さん、あなたに私が止められて?」
「―――――あなたを止めるのは彼ではありませんわ、美愛さん」
「!?その声……」
挑発を掛けようとした美愛を同じような声が否定する。声の聞こえた方を向くと、空から降りてきたMSの持ってきた箱から、一人の女性が明日那代表の横に降り立つ。
その姿を見て驚愕する。髪型の違いこそあれど、その姿は歌峰美愛に瓜二つだった。考えに至る前に、進がその人物の名を呼んだ。
「大守里奈、本物の大守里奈だ……」
『大守里奈って、あの今回の事件を結果的に引き起こすことになった、影武者の対象の?』
「みたい、だな」
現れた影武者の大元。影武者であり、自分こそが本物であると言っていた歌峰が混乱する。
「あ、あなた、いいえ、あなた様がどうして、今ここに……」
「決まっています。美愛さん、あなたが私の影武者として望まぬことを行おうとしているからです」
「わ、私はあなたの本当に望むことを遂行して……」
「私は、決して遺伝子で全てを決めることを許容しておりません」
「え、えぇ!?」
目まぐるしく状況が好転していく。現れた本物の大守里奈にデュランザメスが語りかける。
「本物が今さら出てきて何かね。既に影が逆転したはずだが?」
勝利を諦めないデュランザメスはそのように解釈を行う。
「いいえ。私は光ではありません」
「ほう?」
「影武者を使った私も、逃げた時点で同じ存在です。だけど、それが罪なら向き合います。向き合うために、あなたの前にこうして立っているのです」
影武者を使った戒めとして、今また立つ。大守里奈はここに来てようやく、その覚悟を示したということだったのだろう。
とはいえ、その突然の登場に敵だけでなく味方も混乱していた。進は衝動のままに義兄に叫んでいた。
「輝義兄さん!どうして、どうして今になって……!」
「進、ごめん。本当にあの時の事は申し訳ないって思ってる。だけど、僕にはその選択を取るしかなかったんだ」
謝罪を行い、輝はこれまでの自身の状況について進に語る。
「あの戦争が終わってから、裏でずっと虚ろの零の残党が僕たちの事を狙い続けていた。あのままだったら、父さんや母さん、進や真由ちゃんに危害が及びかねない」
「義兄さん達が、虚ろの零に狙われて……?」
「うん。今思えば、それはきっとデュランザメスの手引きだったんだと思う。だから僕らは、それに対し狙いを僕らだけに絞らせるために、また迎え撃てるように進達から離れた。政府にも極秘の軍部直轄部隊「ホロオース」に所属して、今日まで戦い続けてきた」
戦い続けてきた。その言葉は本当なのだろう。けれども聞いている宗司としては、いまいち納得がいかなかった。
進がどれだけ、義兄に会いたかったか。話したかったか昨日まででよく分かっていた。兄弟姉妹のいない自分でも、言いたいことを言えなかったならそうして問い詰めたいだろう。
進が口を閉ざしている間に、大守里奈が影武者の歌峰美愛に自身の言葉を告げる。
「里奈さん。今まで影武者をしていただき、ありがとうございます。あなたの感じた疎外感、不満は私の責任でしょう。ですが、それを盾に国を売る行為は許されないことです」
「何よ、結局あなたも自分の思い通りにならなきゃ平気で排除するのね!」
「これは思い通りにという問題ではありません。影武者として動こうとして本人の意図を汲まない行動を咎めているのです。それは決して、私の代わりで言うべきことではなく、あなた自身が本来の自分で言うべきことです」
「間違っていることを指摘してそれなら、影武者のしている意味なんてないでしょうが!私はこの国の為にしているのよ!」
「それはこの国の為にならないと、私は言えます。争いを行うゼロンに与することは、許されません」
「勝手な理屈ばっかり!」
主張を譲らず、対立する本物と影武者。そうして英雄大和輝はデュランザメスに言い放った。
「デュランザメスさん。あなたが僕たちを作ったとしても、僕らには意志がある。僕たちはこの島で生きていきたいんだ。平和なこの島で、争いたくない。それは進だって!」
「義兄さん……」
「ほう。それはまた随分義弟の事を分かっているような口を利く」
進もまた同じだと言って輝はデュランザメスに反論する。進は自分の気持ちに迷っているようだったが、構わずデュランザメスと言葉を交わし続ける。
「僕たちが生まれたのは両親達が望んだからだ。命は何にだって一つ。作ったからと言って、あなた達の道具じゃない」
「だがその命の使い道を決めるのは作った者達、上に立つ者達だ。こうであってほしいと望み、作った。私も、そして計画の発案者である日本政府もその一人だ。それをどちらも否定するのかい?」
「あなたと他の人とでは、話が違う。あなたがやろうとしているのは、人類の管理だ」
「それが幸せになることもある。それを望む人がいるのも事実だ。君のエゴで苦しむ世界と、私の望む世界。どちらが幸せかな?」
「覚悟はある。僕は僕のやり方で戦う」
戦うと言ってビームライフルを向ける輝。注目を集める中、必然的に火葉零がそれを妨害する。
「何が覚悟だ!」
「くっ!君は……」
「零!」
ビームサーベルで斬りかかるオースカオスを、輝のオースフリーダムが避ける。避けられても構わず、オースカオスが背部のシールドポッドを乱射した。
連弾をオースフリーダムは回避する。だがそのまま距離を詰めてオースカオスはフリーダムと近接戦へと持ち込んでいく。
両者が激突する間に明日那代表の正面を守る位置に移動した元隊長がCROZE部隊に指示を送る。
「CROZE全部隊、体勢を立て直せ。基地に向かう敵機には俺が当たる」
『りょ、了解です!』
『了解』
ようやく出た反撃の命令にCROZE部隊が歓喜に沸く。Gチームもそれぞれの敵と激突する。
宗司達もムラマサ、ゼロンのシトと対峙しようとする。だがエターナと繋がって感じた悪寒が気づく。
「フリーダム!」
「うっ、進!」
攻撃を回避したオースフリーダムに向けられたオースカオスの弾丸。それらがオースインパルスに向かって伸びていく。攻撃に対し反応しきれない進。
「……えっ」
「シンーーー!!」
パートナーである月子の叫びが響く。だがそれを間一髪宗司がガンダムDN・アーバレストで反応して肩のシールドで受け止める。
攻撃を防御した宗司に、進が呆然とする。
「お前……」
「進、大丈夫っ」
輝がこちらに合流し、進に状態を聞く。それを見て零に守られる位置に立つデュランザメスが含み笑いを見せる。
「フフッ、やはりまだ迷っているようだ。進君は君の言葉を信じ切れていない。英雄の妄言を信じすぎてはいけないからね」
「あなたと言う人は!進を惑わせないで!」
「どっちも違うさ」
その言い合いに入ったのは、元隊長だ。その位置を保ちながら否定する。
「大和進の意見を、どっちも引っ張ろうとして本質を見ていないのはお互い様だ。デュランザメス、そして大和輝、お前達どっちも、違う側から自分の意見を押し付けている」
「ほぅ」
「元さん、今そんなことを言って」
「今だからこそだ。デュランザメス、お前は言った。遺伝子で全てが統制された世界を求めていると。そして大和輝、お前は平和なこの島で生きていきたいと言っていた。だが、その二つとも、お前達は大和進の口から望んだことを聞いたのか?」
味方であるはずの大和輝にも高圧的に話す元隊長。こちらも周囲の敵を追い払いながら聞いているが、必要以上に気が抜けなかった。
続けて元隊長は進に問い掛ける。
「大和進、お前の理想は何だ。いや、こう言おう。お前の願いは何だ」
「お、俺の理想、願い……こ、この島が平和で……」
「それはお前の兄の理想だろう!部外者に威張り散らしてまで兄を嫌っていた、いや恨んでいたお前の気持ちとは違うだろう」
「元さん!」
止めようとする大和輝。構わず元隊長は問う。
「今お前が言うべきこと、一番に言わなければいけないことを、願いを、果たせ!」
「元さん!!」
怒りを込めてビームライフルを向けようとする輝。宗司も何をやっているんだと焦りを覚えた。同士討ちにデュランザメスが微笑もうとしようとしたその時である。進の声が木魂する。
「俺は!」
その声に一瞬静かになる。すぐに戦闘の音は再開されるが、周囲は静かになっていた。そして進は「願い」を言った。
「俺は、義兄さんの事情なんかこれっぽっちも知らなかった。今聞いて、隠さなきゃいけなかったことだって言うのは分かった。今でも義兄さんの事は尊敬してる。でも、でも結局里奈さんと一緒に逃げて俺の前から消えていたのは同じだ!」
「進、君……」
「それなのに、軍に入ってからずっと離れていたってのに、俺の事を簡単に分かってるなんて言うなよ!」
進もずっとそれが言いたかったんだろう。昨日も言っていた。兄に見せ付けてやりたいと。だがそれだけではなかったのだ。進は続ける。
「けどそれだけじゃない。零は俺の、軍で最初の友達だったんだ」
「っ……それも、ギルの命令だ」
「それでもいい。良くないけど、でも、だからこそ零をこんなふざけたやつの考えのままになんて、出来ない。俺が戦い続ける理由をくれた零と戦うのは、俺だ!決着は、俺が付ける!」
零のオースカオスの前に、立ちはだかる進。オースインパルスの右手にビームサーベルを構えた。零も同じくビームサーベルを構える。
それらをすべて予測していたように、元隊長は全回線で響き渡らせる。
『デュランザメス、お前の語った理想、遺伝子で役割を決め、全てを統制する。それは一つの平和を作ることに関してはある意味正しい選択の側面だろう』
「なんと、よもや君からそのような同意が得られるとはね」
『だが同時にそれは最大の悪手だ』
「ふむ?」
『そこには、夢がない。日を跨いでも今日と同じ日を繰り返すだけだ。夢は平和を壊す不確定要素の一つだ。しかし夢がなければ、明日も作られない。未来を作るのは、遺伝子でも、ましてや大和輝の言った争いの拒絶でもない。運命を決めるんじゃない、裏切られて、失意に落ちて行っても、争いの中で足掻いて作っていくのが運命なんだ。大和進はそれを選んだ。奴が未来を創る、運命そのものだ』
「そんな不安定なもの、何の意味が」
『不安定で結構。それが未来だ。未だ来るか分からないもの。オースのそれを作っていくのが、こいつだ!お前が決める必要なんて、ない!』
「魔王め、未来を黒く塗りつぶすか」
『あぁ、俺は魔王だ。神を信じ、あまつさえ自分が神と思い上がってるやつを滅ぼす、魔王だ!お前の未来が明るいと言うのなら、俺が証明してやる、その未来は既に真っ黒だとな』
あまりに壮大すぎる物を背負わせてしまっているような気もした。ところがそれは進にだけ向けられているものでもなかった。
『Gチーム、ここは任せる。回線で再三こっちに来てほしいって言われているんでな。あのイグジストとディナイアルが来るみたいでな』
『気づいていましたか。早く行ってください隊長』
『あぁ。相模、入嶋、クルーシア、お前達も目の前の困難を突破して、突き進め!』
『わ、私達もっ!?』
『い、今言わなくてもっ、きゃっ!?』
重いものは俺達にも背負わされた。だがいつまでもそんな事を気にしている場合じゃない。向かってきた敵機を切り裂いて、応答した。
「あんまり任せられるのは好きじゃないけど、しっかり頼むぞエターナ」
『私をアイツのテンションに巻き込ませるんじゃなぁいッ!!』
そんなことを言いつつも機体の制御をしっかりと行ってくれる。相当巻き込まれるのが嫌なご様子だった。
そして最後にオースフリーダム、大和輝たちに告げる。
『この場の指揮は任せたぞ、大和進。今まで表舞台から退いていた分、ここでしっかり役目を果たせ、それはお前の罪だろう?』
「……はい、分かりました」
「行かせるか!っ!!」
ドームの上方向、晴天の空へと向けて飛び立つシュバルトゼロガンダム・ジェミニアスを行かせまいとする零。だがしかしそれを暴露した通りに進が遮る。
「どけっ、進!」
「どかない!お前がクローンだったとしても、お前は俺達の仲間だ。絶望したお前だけは俺が止める!お前が正しいって言うんなら、俺を倒して見せろっ!」
オースカオスにオースインパルスが相対する。その様子をただ一人、わずかな苛立ちと共に、デュランザメスが見ていた。
NEXT EPISODE
EP30はここまでです。
レイ「元君の発言、雰囲気がどっかの通りすがりと似ている件」
そらそこからリスペクトよ。結構文章考えるの大変だったんだから。
ジャンヌ「包み隠さず言いましたね……しかも輝さんの発言も原作からのパク……引用でしょうし」
まぁリ・イマジネーションって表題しているし、原作元の雰囲気を壊さない様にってやるとこうなるわけです。もっとも今回の元君はシン・アスカの苦悩に寄り添う形でイメージしているんですけどね。
レイ「あぁ、だから零君と戦う時、漫画版の台詞が掛けられているんだね」
ジャンヌ「ある意味あの発言ってテレビ版と明確に違うシンさんの決断をイメージしているみたいですし、そこはよかったかもしれませんね」
まぁそこに力入れすぎたせいで視点切り替え入れるの忘れたんですけどね。もうこの体で後の話書いちゃったから修正難しいし。
レイ「うわぁぶっちゃけ」
ま、そんなことはどうでもいいんだ。作者の問題。
ジャンヌ「どうでもいいのか気にしているのか」
というわけで、雰囲気からも分かるけど、アナザーSEEDDestiny編、クライマックス近いです。あとストックも残りわずかです。ではまた次回。