機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

234 / 322
どうも、藤和木 士です。引き続きEP32の公開です。

レイ「零のオースカオスを間一髪撃破した進君!まさにSEEDを発動して逆転するシン君の初SEED覚醒の時みたいな感じだったね」

ジャンヌ「ルナポジションの妹さんに命令を飛ばすところとかも意識している感じでしたね」

章ごとにそれぞれのシリーズのアナザー化やるとどうしても他の所でオマージュ盛り込まないといけないからね。まぁアナザーSEEDDestinyはこの後も続けないといけないんですが。
というわけでそんな劇的な展開を見せた後の本編をどうぞ。


EPISODE32 運命を決めるもの3

 

 

 進が零に勝利したことは、宗司もすぐに知ることとなった。インパルスの回線から二人の会話を聞いて、安堵を吐く。

 

「やったのか、進」

 

『オースカオスの識別反応消滅。だけどこれ、死んだわけじゃないわよ』

 

 まだ敵が抵抗するかもしれない、と遠回しに注意を喚起するエターナ。まだこちらの敵は落ちたわけではないし、そのつもりは毛頭ない。

 が、それでもこちらの優勢に変わりはなかった。

 

「くっ、動きが……のぉ!」

 

「させない!」

 

 水無月加子の操るオースガイアに対し中距離からの飽和射撃で接近を許さない入嶋のDN・アルヴ。ここへ来る前よりも射撃が洗練されており、距離の取り方を覚えているようだった。クルスが前衛となり、ガイアの動きを制限しているのもまた大きかった。

 そして残るオースアビスも、呉川隊長と宗司とで抑え込む。お得意の砲撃距離を保てず、新沢或が舌打ちする。

 

「このッ、数で押してるからって!」

 

「っ、流石にエース機体か」

 

『ソージ、ぶっ飛ばせ!』

 

「無茶言うなって!」

 

 だがお互いがお互いに踏み込むタイミングで迎撃されるという繰り返しだった。それでも時間は引き延ばして持久戦に持ち込みつつあった。

 持久戦は流石に想定していなかったのか、あちらも焦りが窺える。デュランザメスが味方兵に対し告げる。

 

「……やむを得ないな。零、加子君、或君。後退する」

 

「ギル!……分かりました」

 

「っ、逃げるんですか!」

 

 明日那代表と里奈を守護していた輝が前へ出ようとする。撤退はこちらとしては嬉しいところだろうが、確保が任務な以上深追いもやむを得ない。

 挑発交じりの輝の言葉にデュランザメスは言う。

 

「私の目的はこの島の接収だ。しかし、それは残念ながら達成できそうにない。君達の、勝ちだろう。しかし最低限の仕事は果たさねばならないからね。そう、この島の技術、そして大切な人材をゼロン本拠地へと連れ帰るという使命がある。それで私は「勝利」出来る」

 

「まさか、機体を!」

 

「さぁ、逃げさせてもらおうか」

 

 言った瞬間、オースフリーダムが正のオースセイバーに明日那代表を任せて飛び出す。が、瞬間的に現れた機体に阻まれる。それは蒼穹島の使うタイプシリーズの1機だった。

 空間をねじ切るようにして現れた近接型のタイプシリーズはオースフリーダムの攻撃を弾いて捌くとデュランザメスに指示される。

 

「撤収だ。頼む」

 

「了解した」

 

「ま、待て!」

 

 制止を呼びかける輝だったが、向こうは待つ気はさらさらない。機体を中心に展開した球状の超次元現象がデュランザメス達を包んでいくのが見える。そしてこちらで相手をしていたガイア、アビスがこちらの相手を無視してその球体へと突っこんでいく。

 

「悪いけど、こんなところで置いてけぼりは嫌だからね」

 

「バイバーイ、また戦場で遊ぼうよっ!」

 

「逃げられる!?クルツ!」

 

「応さ!」

 

 瞬時に呉川隊長がクルツに狙撃指示を出す。クルツのソルジアスSSカスタムがスナイパーライフルで阻止に入る。が、オースガイアはその特異な能力で空を蹴って回避。オースアビスは展開したDNウォールで防いで球体へと向かう。

 並大抵の攻撃では止められない。ダメかと思われた。

 

「クソッ、ダメかっ」

 

「おおおおおぉぉぉぉぉ!!」

 

 絶叫する声、明沢正の物だった。オースセイバーは可変形態へと移行し、特攻をかける。その相手はオースアビス。接近に気づき避けようとするが遅い。攻撃を受けながらもオースアビスの機体を直撃し、オースアビスが球体を逸れて吹き飛ばされる。

 

「うわぁぁぁぁ!?」

 

「或!?くっ、すまない!」

 

 加子もそれに気づいていたが、オースガイアの機体はそのまま球体へと入っていく。球体は消えていき、その場にデュランザメス達はいなくなっていた。オースアビスのみがこの場に残る形となった。

 特攻してまでオースアビスの逃走を阻んだセイバーが変形解除を行う。四つん這いの状態で頭を振る正に駆け寄る。

 

「正、大丈夫!」

 

「あ、あぁ。何とか……アビスは……」

 

「アビスは入り損ねた。お手柄だよ、正」

 

 称賛と労いの言葉を掛ける輝。だが無論、オースアビスのパイロットである、或はよろけながらもこちらを睨み付けるように恨み節を吐く。

 

「くっ、特攻してまで、僕を抑えたかった……?そんなこと」

 

「もう諦めろ。お前を国家反逆罪、並びに内乱罪で拘束する」

 

「ははっ、こんなにMSがいたら降参、

 

 

 

 

 

するわけないんだよねぇ!俺はぁ!!」

 

 一瞬諸手を上げようとしたオースアビスがシールド内のビームカノンを向けて乱照射を開始する。放たれた攻撃をGチーム、そして大和輝達がそれぞれ回避行動を行う。それらは油断していたホロオース、オース部隊を焼いた。

 側転するような形で避けるガンダムDNアーバレスト。その視界の中に、動こうとしない機影があった。進のオースインパルスだ。

 

「進?どうした」

 

「くっ、やっぱり機体が動かない!」

 

『何ですってぇ!?』

 

 先程大活躍を見せていたはずのオースインパルスが再び動けなくなってしまっていたのだ。その理由を進も理解していた。

 

「やっぱり、調整しきれてないHDBを撃ったから……くっ」

 

「シン、脱出を……」

 

「ハハッ、無様だなぁシン!!」

 

 それを或も見逃さない。背後をシールド下部の爆砕砲の弾幕に任せ、ビームランスでオースインパルスとムラマサに襲い掛かる。

月子のムラマサが立ちはだかろうとするが、オースアビスはそれを容易く押し退ける。

 

「っ、きゃぁ!?」

 

「ルナっ!」

 

「さぁ、終わり!――――」

 

 だけど、そんなことはさせない。

 

「くっ」

 

「なっ」

 

「お前ェ!」

 

 ガンダムDN・アーバレストを割り込ませ、ビームサーベルで凶悪な穂先を逸らす。その状態で或へ、そして進に対し言った。

 

「殺させはしない。運命を切り開くこいつを、この島の希望を殺させなんてしない!」

 

「なら、お前がっ!」

 

 狙いをこちらに切り替え、胸部のビーム砲を光らせる。こちらも反応して左肩シールドアームを展開しアームパンチを浴びせる。アームパンチによりアビスは体勢を崩し、ビームはシールドアームのみを焼いていった。

 両者距離を開ける。それでも或は諦めない。

 

「だったら、これでお前達だけでも!」

 

『DB、Standby「アビス・ディープ・クライシス」』

 

「あれは、不味い!」

 

 正が危険を呼びかける。その声を聞いてDBの発射を阻止しようとオースフリーダムを含めた稼働しているドーム内のMSが射撃する。が、それらは周囲に展開したDNウォールに阻まれる。

 それを見て或が嗤う。

 

「無駄無駄!発動すればこいつが放たれるのは絶対!まさに必殺技ァ!!」

 

「宗司君、進を抱えて離脱を!」

 

「宗司、回避を!」

 

「相模君!」

 

 仲間達から回避を叫ばれる。それでも動くわけにはいかない。もしあの状態で薙ぎ払うような動作をされたら?そしたら今度は逃げるように言ったみんなが危ない。

 前に立った以上、止めるしかない。ドライバ・フィールドでも止められるかどうか怪しい。

 それでも、最低な提案をパートナー、エターナへと行う。

 

「エターナ、()()()()

 

『……はっ、笑わせてくれる』

 

 一蹴するようなエターナの返答。だが彼女は既にこちらの考えを分かっていた。昨日散々練習したのだ。だからこそ、彼女は言葉を続ける。

 

『無理矢理一蓮托生にしてるのはあんたでしょうが、こっちは逃げられないんだから!』

 

「そうだなっ!行くぞ、「ドライバフォーム」ッ!!」

 

『フォームシフト!』

 

『フォームシフト。ドライバフォーム』

 

 その名を叫ぶと機体のシステムが認証する。同時アーバレストの機体が変貌していく。

 腕部アームガードがパーツ分離を起こし、ナックルガードのように展開する。ふくらはぎのスラスターも展開し、足底部がかかとを起こして身長を上げ、重心をずらしていく。バックパックもその大きさを一回り大きく各部をスライド展開、拡張させる。

 最後に頭部マスクパーツが左右にずらされる。マスクを解放したような排熱機構を露出させたガンダムは怒りを表すように排熱機構から熱気を吐く。そして周囲のドライバ・フィールドが一段と強くなる。

 変化を起こしたアーバレストに怖気づくことなく、オースアビスは最大の攻撃を放つ。

 

「消えなぁ、ガンダムッ!!」

 

「止めて見せるッ!!」

 

『ドライバ・フィールド、限界出力!!』

 

 放たれる全砲門射撃を束ねた超強化ビームが、限界まで展開したドライバ・フィールドと激突する。光の奔流がドライバ・フィールドを焼いていく。

 

「グッ!く、くぅぅぅぅぅ……!」

 

 イメージした防壁が焼かれていくような感覚を覚える。今まで以上に攻撃を受け止めた時の負荷の痛みが伝わっていく。それは無論、エターナも同じだった。

 

『あ、ぁぁぁあぁあああっ!!』

 

 エターナの気持ちが流れ込んでくる。痛い、苦しい。より高いレベルで繋がる必要があるからこそのこのフォーム。二人の無理に進と月子が心配の声を上げる。

 

「む、無理よっ!オースアビスの砲撃を受け止めるなんて!」

 

「民間人が死ぬ必要なんてない!お前達は逃げろ!」

 

「……そんなの、出来るかっ!」

 

 宗司は強く否定する。

 

「俺だって、成り行きでもCROZEのメンバーだっ。俺はもう、自分の都合で見捨てたりなんかしたくない!」

 

 繰り返さない。かつて怖くて逃げだしてしまった彼女の時のように、仕方ないということで見捨てたりはしたくない。だからこそ、前に立つ。大和進は、それに値する人間だと思うから。

 エターナもまた矜持で立っていることを叫ぶ。

 

『私だって、姉様が悲しむ顔なんて、見たくないんだからぁ!!』

 

 彼女らしい言葉だ。そして、それを支えるのが自分であると再認識させられる。行く道を示すと言ってくれた彼女を、こんなところで終わらせない。

 二人の思いが、言葉が重なる。

 

「『こんなところで、終われないっ!!』」

 

 その言葉に、意志に呼応して崩れかけていたドライバ・フィールドが再度持ち直す。放たれるビームの出力が落ちていくのを感じる。そこに全てを掛ける。

 

「何だ、この防御力!?」

 

「『はああああぁぁぁぁ!!』」

 

 やがてビーム全てが放出され切る。最後のビームをフィールドで包み込むと、それらを二つに割って後方へと投げ捨てる。フィールドが解除されたビームはエネルギーへと還って爆発を起こす。

 完全防御を果たしたことに見ていた輝が驚きの声を上げる。

 

「攻撃を止めた!?」

 

「馬鹿な!?オースアビス、いや、オースの機体の中でも最大を誇るDBなんだぞ!?」

 

「これが、相模君とエターナちゃんの力……?」

 

「相模、エターナ、まだっ」

 

 攻撃をすべて止められ、新沢或もまた動揺を隠せずにいる。機体を必死に動かそうと試みる。

 

「クソッ、今ならまだもう一発……グッ、オーバーロード!?」

 

 満足に動かない機体。その機体に最後の一撃を、絶対の一撃を行うべく動く。

 

「エラクス!」

 

『ELACS,Standby!』

 

 シュバルトゼロガンダムから受け継がれた蒼き閃光が機体を包み込む。ようやく使えるようになった兄弟機であるアルヴと同じ光を纏って更に力を上乗せする。

 それは次元を破壊すると言っても過言ではない技。それを機体が読み上げる。

 

 

 

 

『Authorize!DNF「ストライクドライバ」』

 

 

 

 

 DBを越えたHDBと同等以上の技、DNF。ドライバフォームへと至ったからこそ使えるこの力。

 ドライバ・フィールド全開によって切れかけていた出力を補うエラクス。二段階でブーストされたDNが右手に込められる。拳を構え、その足で地面を蹴ってオースアビスへと向けて跳んだ。

 

「HDB……いやDNFだって!?」

 

「ひっ!来るなっ!!」

 

 DNFに対し驚きの声を出す進、急速接近する敵に怯える或。その怯えに迷うことなく、拳を振るった。

 

「いっけぇぇぇぇぇ!!」

 

 拳がわずかにオースアビスの機体を押した。何もないかのような攻撃。一瞬の沈黙が流れる。

 ところがそれはまさに一瞬だけ、だった。

 

「え……ぐぉあばぁ!?」

 

 瞬間オースアビスの機体は遅れて飛んだ衝撃波、ソニックブームと共に胸部をひしゃげさせる。更に頭部、腕部、腰から下の脚部すべてがそれらによって胴体と繋がる根元から丸ごと吹き飛ばす。

 残った胸部は見えない何かで貫かれたような穴が一つ、ぽっかりと空いていた。オースアビスは火花を発しながら地面を転がっていく。小爆発が起こっていき、味方機体が合わせて距離を取っていく。

 そして、オースアビスの機体が爆発を起こした。

 爆発から離れるアーバレスト。敵を倒したと同時に、エラクスシステムが自動解除され、ドライバフォームが排熱すると同時に展開したすべての装備を収納、もとのガンダムDN・アーバレストへと戻っていく。

 終わらせた宗司達のもとにチームメンバー達が集まってくる。

 

「宗司ー宗司!やったな!」

 

「あっ、クルツ先輩」

 

「相模君凄い、昨日練習したばっかりのドライバフォーム、使いこなしてたよ!」

 

「エターナちゃんも頑張ってた。後でジャンヌ副隊長に報告しないとね」

 

「入嶋と模擬戦した甲斐があったよ」

 

『こいつが無茶するんだから、当然褒めてもらわなきゃ報われないっての!』

 

 クルツや入嶋、クルスが二人に労いの言葉を掛けてくる。それに返答しながら、遅れてきた呉川隊長に謝罪する。

 

「すみません呉川隊長。勝手な判断して」

 

「まったく、懲罰ものだぞ。しかし、そうでなければ彼らを救うことは出来なかった」

 

 呉川の視線が指すその先、大和輝と明沢正の機体に支えられたオースインパルス、大和進とムラマサの鷹宮月子の姿があった。

 こちらに気づいて、進は歩行もままならないながらも月子のムラマサと共に歩み寄ってくる。

 

「宗司。その……ありがとう。助けてくれて」

 

「進。よかったよ。お前がお兄さんにまた会えて」

 

「あぁ。お前が守ってくれなかったら兄さんに言いたいこと言えなくなってた。まだ言いたいことがあったから。思えば二回も助けられたな」

 

 進の言葉で気づく。確かにこの戦いで宗司は二度、進の危機を救っていた。

 気恥ずかしさからか黙って進は手を差し出す。それに宗司も頷き、手を合わせる。それは和解だった。今まで無礼を働いたことと、感謝の気持ちの表れだ。

 それらを見て隊長クラスもまた小さく安堵を浮かべていた。それが終わったところで、呉川隊長が残る戦地で戦う隊長について言及する。

 

「後は、元隊長だけか」

 

「あの人なら勝ちますよ。間違いなく」

 

 大和輝は既に勝ちを確信していた。空を見上げる。戦闘の音が、まだ終わらない。

 

 

NEXT EPISODE

 




EP32はここまでです。

レイ「えっと……前から触れられてた新機構って、ドライバフォームってことで良いんだよね?」

そうです。

ジャンヌ「能力はドライバ・フィールドの拡大……とDNFの使用可能って感じです?」

大まかに言えばそうだけど実際の所は細かいところで違う。そこら辺はまた解説の方で言ってくよ。

ジャンヌ「そうですか。けれど、逃げられこそしましたが、宗司さん達は無事生き残りましたね」

レイ「そうだね!とりあえず味方陣営誰も死ななくて一安心って感じだね!」

まぁでもガンダムらしくないかなとは思ってたりしますけどね。

レイ「ちょっと!それはどうなの!?」

まぁそこは色んな人の意見あると思われますが、今までの時点でもそれなりに部ごとに戦死者出てはいるので多分考え過ぎなんでしょうね。とりあえずその話は私の中で煮詰めておきます。

ジャンヌ「そうですか……それで、後は元さんの戦闘だけになる感じでしょうかね」

せやな。因縁深い相手の一人と再会って感じです。その戦闘と今章のエピローグ的な話を挟んで今章終了の予定です。

ジャンヌ「そう考えると今回の第2章は長いですね」

レイ「今の時点で20話以上もあるもんね」

この長さが平均的になるとまた削る部分あるかな考え始めますね。オマージュを入れ込み過ぎると長くなったりするのかなと思い始めたり。
と今回はここまでです。

レイ「次回もお楽しみにっ!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。