機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、藤和木 士です。引き続きEP36の更新です。

ネイ「宗司さんの周り、本当に仲のいい女性さんがいますね。入嶋さんとエターナさん、それに前回からは友直さんですか」

グリーフィア「んー宗司君が誰を選ぶのか見どころねぇ♪」

第2主人公のヒロイン枠争奪戦も気になるところだけど、まぁそんな空気を邪魔する輩が登場ですよ。

グリーフィア「このタイミング、ってことは、フェネクス関連よねぇ!」

ネイ「ま、まだ分からないよ……姉さん」

グリーフィアの予想は当たるのか、というわけで本編をどうぞ。


EPISODE36 出会うマイ・フェイト・ガール2

 

 

 いきなり前からこちらを毒づいた赤毛の髪にコート姿の男、そいつは続けてこちらに向けて言う。

 

「呑気に学校なんて通ってるなら、戦場に出てくるなって言うんだ」

 

「……あの、失礼ですけど、あなたは?」

 

 何者か名乗るように告げる。クルスと紗彩は既に身構えており、宗司と友直も状況を理解して生身での臨戦態勢・エターナや信也達の護衛に入る。

 対して男はこちらの話など聞く気のない発言をする。

 

「聞こえなかったか?学校に通ってるなら、俺の相手なんてする暇ないだろ、HOWなんてクソッたれな組織の飼い犬、いやワンコが」

 

「っ!ゼロンだっていうの!?」

 

「千恵里ちゃん!」

 

 その言い方にカチンと来た私はカバンに仕込んでいた特殊警棒を取り出し飛び掛かる。危険なのは承知だったが、こんなところで銃なんか使えやしない。

 クルスは拳銃を構えてカバーに入った。が、男はそれをひらりと躱す。瞬間周囲が妙に歪む。

 

「きゃっ!?」

 

「千恵里ちゃん!?……これ、実体じゃない?」

 

「フン。血気盛んな奴だ。こんなのだからあの時だって……」

 

 クルスが男の正体を看破する。それにも気にせず何やらぶつくさとつぶやく男。その頃には既に周りの生徒達も異変に気づいていた。

好き勝手されるのは気に喰わない。だが取ってつけで構えていた竹刀を構えなおした友直の発言に、男が反応した。

 

「確かに、私達は組織に所属しているからと言っても、まだ未熟です。でもこれは分かりますです。こうしてカチコミに来てるあなたもその血気盛んな人ではないですか?」

 

「ちっ、生意気だな、お前。HOWの連中の癖に」

 

「私は自衛軍所属ですっ!」

 

「なんだ、元同僚か」

 

「えっ」

 

 耳を疑った。同僚という言葉に思わずクルスの方に視線を送った。クルスも同じことを思っていたようでこちらに視線を返してくる。

 つまり、この立体映像の男は元々自衛軍に所属していたということ。ところがその男は目の前に元同僚がいるにも関わらず、達観に似た言葉を吐く。

 

「けど、自衛軍も結局HOWと同じだった。お前達のせいで、「リア」は……フェネクスは渡さない。お前達HOWも自衛軍もゼロンと同じ、くだらない理想の追求者でしかない。そんなお前達に、もう邪魔はさせない」

 

「リア……?くだらない理想の追求って、あなたは一体、何を知って」

 

「フン、お前が知る必要は、ないっ」

 

 言った直後、男の立体像が友直に向かっていく。足を動かさずに動くその姿はまるで幽霊だった。直後男の映像が光を放ち始める。まるで危険を知らせるように。

 気づいた時には既に千恵里は叫んでいた。

 

「まさか、自爆っ!?みんな逃げて!」

 

「距離を取って!」

 

「ちょっ、マジぃ!?」

 

 放課後のひと時が一瞬で緊迫としたものに変わる。ほとんどの人間は声に従って離れた。が、友直は迎撃をしようとしたのか、それとも緊張したのかじっと睨みつけて動かない。

 

「……っ!」

 

「友直!」

 

 瞬間事態が動く。一瞬で友直の振った竹刀が映像を映し出していたドローンを弾く。同時に相模が友直に飛び掛かり緊急回避を行う。竹刀の直撃で制御を失ったドローンが突撃ルートを逸れ、回転していく。

 そして点滅が加速し、最終的に自爆する。幸い自爆は誰も傷つけることはなかった。その騒ぎで学園の教師陣、警備がようやく駆けつける。

 

「おいなんだこれは!?」

 

「遅いですよ!先生方も警備の人も!侵入者、ていうか侵入ドローン!」

 

 身を乗り出すようにいの一番に光巴が状況を知らせる。千恵里達もその状況報告に協力する。

 そのせいで帰途の時間が大幅に遅れてしまうことになった。しかしそれは意味のあるものであったと私たちは知る。よもやこの出来事が次の任務と繋がるなど、思いもしなかった。

 

 

 

 

 ゼロン本部にて、再び集まりが再び行われていた。議題について代表零崎秀夫が唱える。

 

「では、真紅の流星の再現、ハル・ハリヴァー君が追っているアンネイムド・フェネクスの捕獲作戦に、あの魔王が参加する予兆があると?」

 

「はい。とある組織からのリーク、と言っておきましょうか」

 

 零崎へと言葉を返す銀髪オールバックの男性。その後ろには目元を仮面で押さえた、同じ銀色の髪にカールを掛けた派手な男性を従えている。

 派手な格好、如何にもパフォーマンスと見ていた青年は思っていた。特に言及のあった仮面の男ハル・ハリヴァー。今話している真紅の流星のクローン、再現と言うだけあってそれだけ自慢したいらしい。もっとも失敗作もいくつもいるのだが。それが代表の進める計画の為に必要などと、思いたくはなかったが、今はうさん臭くとも力を使うしかない。

 しかしそれも今回で終わりになるかもしれない。その時を青年はずっと待つ。

 

「組織……か。裏ルートではないということは、本当にそんな組織があるとは」

 

「はい。ですが、その組織もまた妙なものを感じさせます。おそらく、こちらを利用しようとしているのかと」

 

「ふむ……?それでは、どうするのかな?」

 

「あえて、その作戦に乗ろう、というのが私の考えです」

 

「っ!あんた正気か!?」

 

 青年は思わず叫んだ。目立つのがすぐに分かる。しかしそれも気に留めず言葉を続ける。

 

「そんな奴ら、すぐにでも滅ぼせばいい。俺達を利用しようだなんて甘い考えをしている奴なんて!」

 

「落ち着け、まだ話は終わっていない」

 

「ですが!」

 

 代表の声にも反発しようとする。が銀髪の男性、「真紅の流星」本人が彼の言葉に答えた。

 

「私にもその考えはある。だからこそ、彼らに思い知らせるつもりだ。同時に彼らの目的を白日の下に晒す。何を以って行動しているのか。もしかすると協力者になるかもしれないからね」

 

「フン、そんなことで協力者になっても信じるに値するものか。ギルボードの所に入ったあの新人も、ギルボード個人に心酔しているだけではないか」

 

 青年はこれ以上よそ者が入ることを由としなかった。もちろん信者が増えることは嬉しい。しかし彼の基準ではその人物達は味方に値していない。恩人たる代表零崎の身を守る者として、見極めなければ。

 そんな青年に真紅の流星は諭す。

 

「ふむ、確かに代表の懐刀である君の不安はもっともだ。しかし、時には豪胆に突撃するのも必要なこと。君が一番嫌うHOWの魔王ですら、自身の身を表に晒しながらも我々と戦っているのだから」

 

「っ!知ったような口を!」

 

 例えゼロンのエースの一人であっても、青年は構わず反発しようとした。その時、代表の言葉が制止を告げた。

 

「彼の言う通りだ。冷静に、感情は爆発させるべき時を見る。いつも教えていることだ。そしてそれを学ぶ時が来たのだ」

 

「その時……?まさか」

 

 零崎代表の言葉に目を見開く。そしてその予感は的中する。

 

「あぁ、君のゼロン領域外での実戦活動を許可する。ハル・ハリヴァーの行う作戦に、同行してもらいたい」

 

「やった!遂に……!」

 

 待ちに待った時だった。これまで青年はゼロン領域内でしか活動することが出来なかった。それは年齢的にも未熟だったためであったから、代表からの言いつけであった。

 そのせいで青年は何度も魔王に対して苦虫を潰す気持ちを味わっていた。もうそんな想いをしなくてもいいと思うと、高まる気持ちを抑えられない。

 しかし、だからと言ってその条件には納得できないこともあったが。しかも先程まで黙っていたハル・ハリヴァーが青年の参戦に難色を示す。

 

「ふむ、よもやよもや、この私が御守りをさせられることになろうとは思っていませんでしたね」

 

「ほう」

 

「っ、ならお前が来なければいいだけのことだろう!」

 

 ハルに対し来なくていいと吐き捨てる。が、ハルは苦笑と共に現実を告げる。

 

「おやおや、これは元々我々の任務だ。それを君に決める権利があるのかな?同行させると言われて付いて来る君に」

 

「ぐっ、生意気な!クローンの癖に!」

 

「落ち着きたまえ、神治君」

 

 ぶつかり合いを制したのは真紅の流星その人だった。二人を咎め、共同で任務を遂行することを強く言った。

 

「クローンだからと、差別するのは良くない。望まぬ形であっても生まれた者に罪はない。罪があるのは作った者。だが今はそんな清濁も飲んでいかなければならない。代表がそうしているようにね」

 

「くぅ……!」

 

「ハルも、あまり彼に余計なちょっかいを掛けるのは止めてもらおうか。彼の機体が、本当の力を発揮した時、君が勝てると思っているのかな?」

 

「その力をちゃんと出してもらわなければ困るのはこちらだ。「救世主」などと言うからには、こちらを助けるだけの力、見せてもらう。無論それを見るまでは御守りはさせてもらう。だが頼るなよ、こちらも本気で挑まねばならないからね」

 

 青年、神治は言葉に詰まり、ハルは発破をかけるように言い訳を行った。これがこの11年の間戦い続けてきた男の貫禄か。その手腕に周りも評価する。

 

「流石だね真紅の流星。こちらの者達のフォローもしてくれて、次期代表と噂されることだけはある」

 

「私としては戦士として戦い続けたさはあるがねギルボード研究神官。貴官も最低限の仕事は果たしたとはいえ、前回の不始末、必ずつけろよ」

 

「分かっている」

 

 ギルボードへ釘を刺す真紅の流星。ギルボードは種命島制圧に失敗した。が、種命島のMSをこちらに持ち込むという「立案当初の目的」は達したため、不問となっていたのだ。

 こざかしい言い訳だったが、それでも文句の言える者は少なかった。もちろん、自分は文句を言った者の一人だ。

 それらを見て代表はここにいる者達に向けて言う。

 

「今回の作戦、一筋縄ではいかないと思う。だがかつてシュバルトゼロガンダムを倒したこともあるハル・ハリヴァーだからこそ、私は今回の作戦と、救世主神治の事を任せたい。真紅の流星、その再現の力、存分に発揮してほしい」

 

「……お任せを、代表」

 

 ゼロンの進撃は止まらない。救世主の活躍は間もなくだ。

 

 

 

 

「まったく……災難と言うか……」

 

 教師陣からの事情聴取から解放され、ようやくHOW本部へと帰宅を果たしたエターナ達。

 すぐにでもシャワーを浴びて一息着きたい、アイスでも食べたい気分だ。しかしその願いは叶えられそうになかった。本部の建物に入ると姉と部隊長のクソ男、そしてススムが集まっていた。

 こちらに気づくと、こちらに向かって来る。ススムが妹に駆け寄っていく。

 

「真由!大丈夫だったか?」

 

「あ、お兄ちゃん。まぁね、あたしの凄腕の友達と宗司君の活躍のおかげ」

 

「まぁどっちかって言うとその友達、俺の後輩のおかげって部分が大きいけど」

 

「そうか。ともかく良かったよお前達も無事で」

 

 マユの無事を確かめた後、事件に巻き込まれたソージ達にも声を掛けるススム。やはり身内が一番大事なのだろう。ちなみにその友人かつ後輩のユナ達は既に別れている。その直前までソージとユナが謝罪し合っていたのはらしいと思った。

もっともそれはエターナにも言えること、姉はこちらにも安否を確かめる。

 

「エターナも大丈夫でしたか?」

 

「うん、大丈夫です、姉様」

 

「そう。千恵里さんもクルスさんも光巴さんも災難でしたね。きゃっ」

 

「あ、元お兄ちゃ……って、どうしたの!?」

 

 女性陣の無事を確かめたジャンヌを押し退けて、黒和元が光巴に駆け寄る。姉の扱いの雑さに怒る。

 

「ちょっとあんた!姉様の扱いが雑じゃ」

 

 しかしこちらの言葉を聞かず、ミツハのことを凝視するハジメ。その様子にジャンヌがやれやれと言った具合に肩を竦めた。

 

「もう、元ったら光巴さんの事になると親みたいに見るんですから」

 

「当り前だ。総司令の娘を預かっている。それに今回はHOWの失態でもあるんだ。ドローンにいともたやすく侵入を許した時点でテロと監視対策を見直さないとな」

 

「あはは……それはあるかもね元お兄ちゃん。でも私は問題ないよ」

 

 ミツハ本人も心配しなくていいとその手を引かせた。無事を確認したハジメ達は戻ってきた私達に用件を言い渡す。

 

「お前達、次の任務のブリーフィングをこの後行う。すぐ支度しろ」

 

「はぁ!?今から!?」

 

「任務なら仕方ないですけど……でも急すぎませんか?」

 

 エターナは声を裏返らせて反発し、クルスも了解しつつもその理由を尋ねる。するとそれが今必要である理由を告げる。

 

「お前達が接触した男、そいつが次に予定していた任務に関連性があると思われる。作戦に参加させないために、今回戦力を削ろうとしたかもしれない」

 

「えっ、あいつが?」

 

 チエリの驚きはエターナも同じだった。他のメンバーも顔を見合わせる。驚きを隠せない私達にハジメはするべきことを示す。

 

「詳しい話をするためにも、まずは制服を着替えて来い。お前達が来ないと状況説明が出来ないからな」

 

「疲れているでしょうし、続けて同じ話をするのも億劫でしょうが頼みますね、みなさん」

 

『了解』

 

 疲労を残しながらもそう返す。本当にそうだが、また同じ話をするのは面倒だ。どうせ同じ管轄なら学園側から話を聞いてもいいだろうに。もっと言えば聴取に姉様やクソハジメが来てくれれば良かったのに。

 そのエターナの考えは残念ながら作戦の立案を行っていたために不可能であった。しかしそのおかげでスムーズにこの流れを作れていたことを彼らは知る余地もない。

 その言葉に従い、別れたのち宿舎で服を着替える。集まってブリーフィングルームへと向かった。そこで彼らは今回の作戦と男の関係性について知ることとなる。

 

 

NEXT EPISODE

 




今回はここまでです。

ネイ「元さんも関係あると言っていた立体映像の男の方……姉さんの読みが当たりそうだね」

グリーフィア「そうねぇ♪目的も元ネタ的には分かるかもだけど、言わないでおこうかしら」

そうしてくれ。とはいえ今回注視すべきは間に挟まるゼロン、というべきかな。

ネイ「と、言いますと?」

グリーフィア「あ、分かった。あの妙に突っかかってた子でしょ!」

ご名答すぎるんですわ。あのキャラもいよいよ大筋に関わってきます。

ネイ「確かに気になりますよね。元さんとのつながりは、一体何なんでしょう……」

グリーフィア「復讐とは分かるけど、いつのことになるのやら……誰の関係者か。いずれにせよ、元君もまた命を狙われるわねぇ」

というわけで始まった第3章、割りをストック作れたので更新は前より気持ち少し早いかもです。三日に一回投稿したいところ。

グリーフィア「それも今後の書くペース次第かしらねぇ」

ネイ「気長にお待ちしていてください」

というわけでまた次回。
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