レイ「何かまた間空いたよね、少しだけど」
ちょっとストックが追いついて来てビビりました。まぁ原因分かったので引き続き2話更新にしましたが。ゲームも並行してやってるからね。
ジャンヌ「まぁこちらも息抜き程度ですからね」
申し訳ないけどそう言うことだ。というわけでクローザー大活躍の本編をどうぞ。
『が、合体した!?』
『構うな、やれ!』
ゼロン、流勢力のMSが一斉にシュバルトゼロクローザーへと攻撃を開始する。手にしたライフル、腕部ウエポンアームからこちらに向けてビームを放つ。
放たれた弾雨を見て、クローザーはその中へと飛び込んだ。
本来なら自殺行為と取られてもおかしくない行動。しかし放たれる弾雨の雨あられをクローザーは苦も無く突き進む。
ビームを回避、あるいは周囲に展開したDNウォールと化した放出粒子が被弾を防ぐ。猛進してくるクローザーに敵MSが狼狽えだす。
『う、うわぁ!?』
「邪魔だッ!」
素早いジェミニナイフの一閃で前へと立ち塞がったMSを撃破する。続く一閃でもう一機、攻撃を物ともせず猛進する。
武器を槍型のセントエルモへと切り替えるとその穂先にエネルギーを集中させる。そんな光景を見せられて敵機は決死の覚悟で阻止しようと向かって来る。エネルギーをチャージした穂先を敵に向かって振るった。
『DNF、セントエルモ・ファイア』
炎のような刃が衝撃波として振るわれる。刃が敵機を切り裂く。
続けざまに放って敵機をすべて全滅させる。殲滅確認後、シュバルトゼロクローザーを先程までいた無人島へと向かわせようとする。そこで強烈な抑圧の音が脳裏に鳴り響く。
音の方角に目をやると先程ジェミニアスとライブラを捕らえていたファンネルタイプのアンチユグドラル兵装が向かって来ていた。それも二基どころの話ではない。ざっと見て十基以上はある。
尋常ではない量のその兵装を送り込んだのは艦から指揮するあの女、流未緒によるものだった。
『さぁ、これだけあればどうにもならないでしょうっ!!』
あっという間にクローザーを包囲してアンチユグドラル領域を作り出す。クローザーはピクリとも動かない。
その様子を嘲笑う流の声が聞こえてくる。
『無様ね。まさか抜けられるとは思わなかったけど数が多ければこんなものよ』
「……」
『あなたは何も出来ない。そう、今の私達の前じゃ、HOWも赤子の手を捻る程度……!これで恫喝すれば、もうHOWは』
勝てない、と言おうとした彼女の言葉を砕くように、元は言って見せる。
「勝てない、本気で、そう思ってるのか?」
『何?それは事実で……』
直後クローザーの力を解放する。先程のキャプチャー端末を破壊した以上の出力でDNL感応波を放出し、たちまちオーバーロードへと追いこむ。
キャプチャー端末の許容数値を越えた感応波で不安定になった端末を、すぐさまジェミニアームズで切り裂いていく。その様子を通信越しで唖然と言葉が出ない流。
『あ、な、何で!?』
「何でも何も、お前の大好きなアンネイムドが既にやったことだろうが」
『嘘よ!そんなこと出来るのは、限られたパイロットと機体だけのはず……』
「そのお前の中で括った適合者に、俺とこの機体がいる。それだけだろ?」
皮肉を込めた言葉を残して、無人島へと舞い戻っていく。
島へと戻るとCROZE部隊は何とか善戦していた。だがゼロンのエース機三機の圧倒的な性能と、サーガガンダムの奮戦でかなり疲弊する結果となっていた。
手始めにまず撃墜されそうになっていた沙織の支援へと割って入った。
「ふっ!」
「何っ?」
「っ、元、間に合ったか」
クローザーの姿を見てそう安堵する沙織。俺は沙織に一度後退する様に指示した。
「待たせてすまない。ここは俺が。そちらはうちの隊員とフェネクスの輸送準備を開始してくれ」
「了解した。上空待機も、来てくれ」
沙織が距離取って動けないままのフェネクスを守る千恵里、クルツ、深絵へと合流する。
白いシナンジュ、そして重装機と戦っていた進と自衛軍のソルジスタ二機へもこの場の引き継ぎを命じる。
「進、そこのソルジスタ二機、後退しろ。俺がこの場を引き受ける。フェネクスの輸送支援を」
『はぁ!?』
『そ、そんな無茶です!いくらHOWの魔王とはいえ』
『せやで、何でも出来るわけやないやろ』
不安になるのは分かる。だがそれだけの問題ではないことを元は告げる。
「奴らの目的はフェネクスだ。完全に捕らえてしまえば次の手のために撤退しかない。それにこの島がいくら無人島とはいえ国管轄の自然遺産の一つ、いたずらな環境破壊はご法度だ。少数で戦うしかない」
『それは……』
『クソッ、どうなっても知らないからな!行くぞ、そこ二機!』
進がどうにでもなれと言った感じでソルジスタ二機を誘導して後退していく。進のインパルスも右腕を失う結果となっていた。継戦するにもパーツ換装が必要だった。故に下げたのだ。
出来れば宗司も下げておきたかったが、方向が違うので断念する。一機で挑んでくるこちらの姿を見て集結したゼロンの3機のパイロット達が言葉をこぼす。
『よもや、我らの相手をたった一機でどうにか出来ると思われるとはな』
『いいじゃないかハル。その自慢の鼻っ柱を叩き折るいい機会じゃないか?』
『ゾルダーさんに同意です。僕らゼロンを甘く見る奴は、魔王でも痛い目に遭ってもらうしかないでしょう』
『ゾルダーだけでなく君も、か。出来れば君には後方支援を頼みたいのだがね』
聞き手としてはとても好戦的な一派と思う。真紅の流星だけはやや落ち着くようにと重装機のパイロットに言っているが、止めきらないところから言ってやや思うところはあるらしい。
そんな彼等だからこそ、こちらとしてもやりやすいものはない。わざと彼らを煽り立てるように挑発した。
「悪いが実戦テスト運用もまだやっていないんだ。これをその成果とさせてもらう」
『テスト相手……残党狩りのつもりかよッ!』
『後悔させてくれるっ』
『待て、二人とも!……仕方ないか』
先行する二機を追うようにハリヴァーのシナンジュ・ゼロンが展開する。こちらも応じるように踏み込んでいく。
まず血気盛んなゾルダーと呼ばれた男がビームライフルを乱射しながら格闘戦を仕掛けてくる。
乱射、と言っても狙いはそれなりに精確で、外れていく弾も後方の回収班に向けて放たれている。
それらを可能な限り受け止めつつ突撃する。が、それを阻むように重装機型がビームライフルで追加の弾丸を浴びせてくる。
このままでも構わないが、如何せん高純度DNの消費が激しくなる。これ以上に最適に防御可能なモードが存在するのだ。
そのモードへとシュバルトゼロクローザーを移行させる。
「シフトアレスマグナ!」
『轟熱激覇!アレスマグナ!』
機体本来のシステム音声が読み上げる。アレスのようにフレームが紅く染め上げられるが、それだけではない。
各部のパーツが形状変化を引き起こし、炎を模したようなパーツへと変化していく。エレメント粒子がビームを弾いていく。
『ビームを弾く!ならば接近戦だ!』
ゾルダーが瞬時に格闘戦へと移行する。シールドのビームアックス端末を展開し、ハサミのようにしてこちらに振るって来る。
こちらはそれを右腕の拳で打ち込むように受け止める。攻撃を止めていて隙だらけの機体に重装機が背後へと回って攻撃を行った。
『甘いっ!』
自信に満ちた声だ。背後を取れば倒せる、その考えは間違いではないだろう。
しかし今の立ち位置なら本来狙うべきではない。もし外せば味方に被弾しかねないからだ。その点ハル・ハリヴァーは冷静に中距離からライフルを構えて状況を見ていた。
重装機からビームが放たれる。ライフルとシールドのカノンを連射し、弾雨を降らせる。だが予想通り、クローザーには届かず、むしろ隙間からゾルダーの機体に注いで被弾の爆発を起こす。
『クソッ、避けろよ!』
『貴様の攻め方が下手なのだろうが!』
「ごちゃごちゃ言っている暇があるなら!」
被弾したゾルダーの機体に目がけて蹴りを浴びせる。その接触面から敵機の装甲を焼く音が鳴る。蹴りを喰らった機体の装甲がビームに焼かれたように融解する。
アレスよりも攻撃的に強化されたアレスマグナは、まさに炎の化身。触れるもの全てを焼き尽くす。
止まることなく続いて白い重装型に打ち込みを行う。重装機がシールドで受け止める。その時妙な感覚を覚えた。
「……?」
一度戦ったことがあるような感覚。しかしそれが何なのか分かる前にシナンジュ・ゼロンがその機体からの弾き飛ばしを受けた。
『はぁっ!』
「っち」
こちらもすぐに離れる。今は目の前の敵、シナンジュ・ゼロンに集中しなければならない。
離れたタイミングで背後から攻撃が放たれる。回避すると先程蹴り飛ばしたゾルダーのプロトゼロンがこちらに向かって来る。
『この野郎っ!』
手首装甲内からビームサーベルを取り出して斬りかかってくる。それに対抗し、こちらも動く。
「アズールハルピュイアっ」
『蒼穹連理!アズールハルピュイア!』
蒼の力、ハルピュイアの強化モードへと変化する。通常のハルピュイアモードとは違い、換装された尾部は大きく拡張され、例えるならキジやクジャクを思わせるほどに展開していた。
尾部のスラスター口とフレームからエレメント・アイスに似た蒼い粒子が放出される。しかし違う点として粒子はまるで雪から結晶のようなエフェクトへと変化していた。
エレメントがゼロンMS達へと到達する。すると三機のMSが途端に調子を悪くした。
『ぐっ、機体が、重い……?』
『あぁ?どうなってる!整備班めまた!』
先発する二機のパイロットは機体の重さに疑惑を口にする。思い通りにいっている証拠だ。その間にクローザーは白い重装機を落としにかかる。
白い重装機はエレメント効果範囲内ながら、何とかこちらのビームサーベルと切り結び合う。余程素の機体性能が良いらしく、このエレメント範囲内で良く動ける。他の支援に入ろうとしたゼロン量産機はエレメントの接触で一気に調子を悪くしていくというのに。
切り結び合いながらも敵も腹部のビームキャノンを突発的に放ってこちらをけん制する。
二機が戦い合う中で、慎重に事を構えていた真紅の流星の再現がその動作不良の断片についてかぎ取っていた。
『違う……これは機体から……っ、騎士官、奴から距離を取れ。今のままではまずい』
『何っ!?』
『機体が、凍っている!』
凍っている、という表現に些か疑問はあるだろうが、機能の予測としては間違いないものだった。
エレメント・フリージア、その真の性質は「エレメント粒子展開領域内の機体の凍結化」。関節部に作用してエース機のようなまともな機体以外は戦闘すらも行えない程に凍らせてしまう。
先程のアレスマグナのビームが直撃したかのような溶解も、同じような現象。あちらは炎熱である。
MSにはあまり馴染みのないような攻撃だ。それを実現できるのはひとえにシュバルトゼロのユグドラシルフレームとツインジェネレーターシステム、そして自身のDNLがあればこそ。
限りなく正解にたどり着いたハリヴァーに対し告げる。
「ご名答。お前がかつて破壊したジェミニアス1号機にはなかったか」
『あの機体の事か。あのパイロットもよく頑張ったと言える。こんな無茶苦茶な機体を任せられて、憐れだ』
「なら、今度はその完成形のクローザーの前に散るがいい!」
悪役とも取れる言葉を放ってビームライフルを構える。ジェミニアス元来の物ではない。肘部分でホールドされた、フェニックスから分離されたライフルを手元まで持ってきてトリガーを握る。
ゼロ・ビームライフルⅡとは違う機体供給式のライフルからの射撃がシナンジュ・ゼロンに放たれた。
シナンジュ・ゼロンはその異名通り、流星のように攻撃を回避する。だが姿勢を若干崩し、続けて放たれた二射目はシールドで防御していた。
予想通り、おそらく一射目の射撃で付近のスラスターが凍ったのだろう。このままならたちまち動けない様になる。それを感知してか否か、ゾルダーが勢いよく突撃してきた。
『こっちもいるぞガンダム!』
『ゾルダー、不用意な接近は……』
『そんなもの、ユグドラルフィールドで何とかするっ!』
言ってゾルダーは機体に埋め込まれているであろうユグドラルフレームからフィールドを発生させる。
フィールドの表面がたちまち凍っていく。が、内部の機体は問題なくスラスターを噴かせる。瞬時にエレメントへの対応を見せていた。
あのパイロット、雑だが勘で対処法を出してきた。それなりにやれるようだ。だが。
称賛しつつもビームライフルの大出力でユグドラルフィールドへ向けて放った。直撃したユグドラルフィールドが凍結し、そのまま破壊されていく。
『何っ!?』
「脆い!」
そう、防ぐならもう少し強度を高く持たなければならなかっただろう。アズールハルピュイアの速度を以って、距離を詰めるとビームサーベルで一気にシールドごと腕部を切り裂いた。
切り裂いた直後ゾルダーの機体が距離を取る。と、対処法を身に着けたハリヴァーがシナンジュ・ゼロンを前衛に展開した。
『騎士官、私が前に出る』
『俺もこれを外せばっ!』
『今はその時ではない!』
装甲を外して前に出ようとする僚機を止め、高機動からのビームライフル連射がこちらを襲う。
こちらもアズールハルピュイアの高機動でその射撃を避ける。ファンネルも交えた射撃戦を展開する。
だが敵もまた同じ手を取ってくる。
『ファンネルなら、こちらも!』
「っ、同系、ビットか」
ウイングの内面から放出した板状のビットがこちらを包囲し射撃する。
機体を通してビットにもフィールドを張っているようで、凍結が効かないようだった。また白の重装型も肩部シールドからDNウォールを展開して対抗しているようだった。
対処法を取られてもそれだけでシュバルトゼロクローザーを止められるものではない。空中でどの三機に対してもけん制と本命の攻撃を織り交ぜて撃墜を図る。
『ぐっ!こんな不利な状況で……!』
『下がれ、君の機体では今はもう無理だ』
『まだやれる!おわぁ!?』
撃墜寸前となるシナンジュ・プロトゼロン。確かに直感の発想などは良いが、腕はハリヴァーよりも劣るだろうと感じていた。
だからこそ、優先して落とす。ビームライフルで狙いを定める。
「墜ちろ」
殺意を込めた一射がプロトゼロンのバックパックを撃ち抜く。完全に戦闘能力を失ったプロトゼロンは撤退を始めた。
それを支援すべく艦艇から砲撃が放たれる。ハルピュイアのまま避けたいところだが、連携する様にシナンジュ・ゼロンと白の重装機の攻撃が同時に迫る。
『逃れられまい』
『逝けよ!』
「シフトスカルキング!」
『鎧主一極!スカルキング!』
雷撃と共にシュバルトゼロクローザーがキングモードの発展形へと変貌する。いつもの重装甲が合着後に雷を纏って大型化する。
続けて装備したガン・グニールとキングビットシールドも、各部がクリア素材へと変質していたり装飾が追加されたりと強化された見た目となる。
その機体にビームが直撃する、がこれまでのキングモードと同じくそれらビームは反射して敵へと帰っていく。それは艦船のビームも例外ではない。
敵が反射したビームに対処する間にスカルキングとなったクローザーはシールドを四つへと分割させる。
シールドは円を描くようにランスの周りを周回し出す。周回するシールドの内側、ランスの先端部にビームが集中していく。明らかな大出力攻撃の構えにゼロン側が危機感を覚える。
『っ!撃たせたらまずい!』
『待て騎士官!不用意な接近は……』
ハリヴァーの制止の前にクローザーの砲撃を放った。大出力の砲撃、雷の砲撃のようだった。
砲撃は発射と同時にいくつものビームに拡散していく。貫通より面での攻撃を重視した攻撃だ。それらが動こうとする敵機を横、あるいは背後から機体へ被弾させていく。
『あぐっ!?痺れる……電気属性!?』
『電撃攻撃……いや、電気を伴ったビームと言うべきか。しかし、船にも……』
ハル・ハリヴァーの発言通り、それら電撃砲撃は撤退中だったゼロンMSを始め、遠くにいたゼロン艦艇と護衛MS群をも攻撃した。
艦艇はダメージコントロールを行いながら被弾したMSの回収を始める。撤退行動にも移りつつあるだろうか。
続く雷撃砲撃を回避しながら戦っていたハリヴァーが部隊の撤退を命じた。
『全機後退。作戦を放棄!』
『っ、またあなた達は、宗主様の為の作戦を無下にすると!』
『そんなもの今は何の価値もない。退くんだ、奴がまだ慣れ切っていない前に!それとも彼の言葉を忘れて裏切るとでも?』
『……くっ!』
渋々と言った様子で撤退していく。これでゼロン陣営の邪魔は排除できそうだった。
しかしまだ障害はある。未だに宗司と戦う流勢力のサーガガンダム、及川陽太の確保へと向かった。
NEXT EPISODE
EP43はここまでです。
レイ「クローザー冗談抜きで強すぎるよ……」
ジャンヌ「属性攻撃って時点でもうMSの枠を超えている気がします」
元々は付ける予定なかったんだけどね。ただ前に入ってたグループでそんな感じになって、もうそれでいっかってなった。おかげで特殊能力の表現がしやすくなったんでいいんですけどね。
レイ「でもゼロンをこんなにも簡単に退けてると……こう、チート過ぎない?」
ジャンヌ「主人公の影が薄れる、といいますか……」
まぁ今回みたいにアクシデントそれなりに起こして強さは最終盤辺りまでそれなりに抑え込むつもりだよ。今回はジャンヌが意識失っているし。
レイ「そう言えばそうだね。つまりその上があると……」
ジャンヌ「なんかそんな感じで上手いこと能力出せなかったって展開、ありますよね」
マジェ○リのレッ○1とか1期と劇場版のファ○ナーのザ○ンとかね。最近だと○イダーの最終フォームとかもそういう制約が掛けられたりするよね。そういうの好き。特に最終話でそれを全部無視して全力で立ち向かうのとか。
レイ「実は作者、○イダーの暴走フォーム好きとか?」
ハザードとかプトティラとか大好物だが?
ジャンヌ「そこらへんの作品みたく、能力に振り回されないような作品作りお願いしますよ」
善処します。というわけで次に続きます。