レイ「元君は再び立ち上がる!ジャンヌ・Fちゃんのために!」
ジャンヌ「ここからは元さんの逆転劇。再び宿敵と戦うための道のり、どのような考えを持って、ゼロンと向き合うのでしょうか」
さぁ、ここから再び始まる、黒和元というガンダムパイロットの物語、括目せよ!ってね。それでは本編をどうぞ。
基地司令部では須藤司令と黎人司令がゼロン代表零崎との交渉を続けていた。
『こちらとしては、そろそろ決闘の日程は決めてもらいたいものだが、なぁ?』
「須藤司令も言っただろう。うちのエースは気難しいのさ」
黎人は零崎に対しそのように返す。いや、そう返すしかなかった。まだ元がこの場に現れられない以上、時間を稼ぐことしか出来ない。
元々黎人がこちらに来たのはその時間を稼ぐためでもあった。元の説得と共に、対象首が前線に出てきたことで相手の沸点を抑える為にわざわざ真正面に出てきた。今前に出るしかない。そう判断したからだ。
それにいくら名将でも歳の行った須藤司令に代表同士の交渉はストレスになりうる。一時は反目し合っていたとはいえ以降は良好な関係を築いてきた相手に負担掛けるような真似はさせたくない。
もっとも今回の作戦、現場の代表は彼だが書類上は黎人自身が発案者ともなっている。元の意見も取り入れているが、それは今回の作戦に便乗する形で提言したからにならない。黎人自身が交渉に出ることはおかしくない。
しかし交渉が変わったことで敵も状況を察したようだ。態度を崩すことなくこちらに圧を掛けてくる。
『出てこないというのならもはや大勢は決したな』
「それは早いんじゃないか」
『こちらは魔王の女を手に入れている。彼女も実にこちらに従順だ。魔王が前に出なくてはこちらには何の不自由もないが』
「言ってくれる。普段のあなた達の事を考えれば、彼女の行動は咎めるべきではない」
『考えてくれるのはありがたいが、張り合いがないのは面白くないがね』
好き勝手を言ってくれる。だが状況としてはかなり最悪だと胸の内は思っていた。本当かどうかは分からないが、ジャンヌが抵抗していないとなると事態は相当厳しいと言える。ジャンヌが救出を諦めているかもしれないからだ。
十分にあり得る話と今は言わざるを得ない。元との仲たがいは報告を受けていたが、それが続いているのだとしたら対決にも支障が出るかもしれない。しかしその心配よりも、この対決を実現できるかどうかすらも怪しい。
ゼロン側には対決する元の同意を以って対決の日時を決めると伝えていた。万全の状態で元にバトンを渡すためとはいえ、その制約を護るためにゼロンからは不信感を抱かれている。黎人が来たとはいえこれ以上の時間の伸ばしは無理な段階にあった。
『答えを聞くのは今日までだ。超えるなら、我らは諸君を神の怒りに触れたとして処罰する』
「好き勝手言ってくれる……っ」
『好き勝手言って時間を伸ばしたのはお主らだろう。今は許しても、時間を超えるのならその態度は改めてもらう』
心の中で舌打ちをする。華穂はどうなったのか。元は果たしてまた戦ってくれるのか。申し訳なさと共に頼むから来てくれという願いを込めながら何とか話し合いを引き延ばそうとする。
その時、司令室のドアが開く音が聞こえてくる。同時に覇気を取り戻したその声が黎人に呼びかけられた。
「―――――待たせたな、黎人、須藤司令」
「元!」
そこには確かに失意の中から復活を果たしたHOWのエースパイロットが、HOWの魔王が立っていた。
◆
『……ほう。ちゃんと生きてはいたようだな。戦える状態ではないとひた隠しにされておったから、死んだと思っていたぞ』
「そいつは残念だったな。だが、そんなことを言って、寝首を掻かれても知らんぞ」
零崎の言葉に対し、初めから強気な口調で張り合っていく。自身の目に見えている人物についてはちゃんと頭に入っている。ゼロン代表、零崎秀夫。新たな因縁となった男に対し、言葉を交わす。
『寝首とは、掻かれたのは驕っていた貴様の方ではないか?我らが救世主に敗北して』
「昔こんなことを聞いたことがある。慢心しない王はいない。王は余裕の風格を持つ。もっとも俺はそんなつもりもなかったし、それでこうなったのはそう言う考えがあったからだろうな」
『魔王を求める者がそうでないと自ら否定するとは、滑稽な』
「俺は俺の道を行く。それだけだ」
関係のないような話でも二人は態度を崩さない。それを見ながら黎人は耳打ちする様に具合を尋ねてくる。
「元、もう大丈夫なのか」
「大丈夫じゃないさ。ただ俺は戦うしかない。俺は戦って破壊することしか出来ない。それでも助け出すと誓った」
「……本当に、大丈夫かね黎人君」
須藤司令の心配の声が聞こえてくる。心配するのは当然だろう。戦うしか出来ないと人の命を護る者として最低な言い訳だろう。
だが今の元にはそう言うしかない。そう自分を卑下することでしか冷静に戦うことは出来なかった。
それは黎人も承知していたようで、沈黙の後返答していく。
「私は彼に一任している。これしかない、と思う」
本当に、黎人には申し訳なく思う。自身の勝手に付き合ってもらっている。きっと政府の方にも何とか話を付けてきてここにいるのだろう。
それにいち早く報いるべく、ゼロンが望む日程の指定を手短に行う。
「再度の決闘、明日夕刻、イチナナゼロゼロでどうだ」
『明日の……いいだろう。元より早く決着をと言っていたのだからな。覚悟するといい』
「望むところだ。だがその前に個人的な話がある」
『話、か』
日程の決定はすんなりを決まった。だが個人的な話をするために通信を呼び止める。黎人達も全くの想定外で、下手なことを言い出さないか緊張を張り詰めさせている。
臆することなく零崎に問いかける。
「なぜ、黒和神治を戦わせる」
聞いた途端虚を突かれたような顔を見せる零崎。黎人達も何を言っているのかと言ったような表情になる。
しかし零崎はすぐに平静を取り戻し、笑みを浮かべると問いに応える。
『そんなもの、知れたこと。彼が望んだからだ』
「戦いを、か」
『少し違うな。戦いを求めたのは間違いではないが、戦いに至った理由がある。彼は復讐を望んだ。貴様らによって両親を殺された。二度もだ』
二度殺したという零崎の言葉。一度目もHOW、いや、MSオーダーズの攻撃によって殺されたという意味だろう。
二度目は言わずもがな。黒和家の両親の殺害だ。それをやったのは自身なのだと自覚はある。
子どもの両親を殺したという罪を感じることはもちろんある。黒和神治をそれだけの感情に浸した自覚も持ち合わせている。だが、それでもやらなくてはいけなかったことなのだ。
零崎の発言にそれは自然なことであるとしながら、行動を否定する。
「それなら、奴の怒りは当然なのだろう。同じ組織の人間として、恨まれることも必然だ」
『そうだ。君達は神の怒りを、裁きを受けるべき業を侵している』
「そうかもな。だが俺達がやっていることは、人を護るために必然だ」
『いいや、お主らのやっていることは人を傷つけ、不幸にする。我らを拒絶している時点でそれは明確だ』
零崎は自分達が被害を被っていることが、その言葉を護っていない証拠だと突きつける。同じ人としての扱いを求める。人としては必然で、当り前の価値観なのだろう。
だがしかし、それは詭弁である。彼らは自分達だけは裁きを受けないと、裁きを与える側だと勘違いしている。人と違う立場だと自負しながら、人が受ける権利を自分達も受ける権利があると厚かましく主張しているのだ。
自分達は悪しき人でないと言いながら、ひとたび傷つけられれば同じ人間であると主張する。それがこれまでの歴史にも存在した、醜い主義者達と同じ身勝手な考えであるのは明白だ。
そんな人間まで守らないといけないのが正義の味方というやつなのだろう。かつては憧れた存在。だがそれではいけないのだと、そんな理想では救うべきものを救えないと分かっていた。だからこそその言葉を明確に否定する。
「護るべき人間を選択する。それは俺達に与えられた権利だ。お前達は、同じ人を傷つけた。主張が通らないからと暴力を正当な権利だとして、それを名目に人を襲う。差別と偏見を植え付けるお前達は、それに値しない」
『……それもまた、偏見よ。ならば、自らの両親を殺したお前は、両親が守るべきものではなかったと主張するか』
元の言葉にお前が言うなと言うように返答する零崎。その言葉は確かにこちらの心に突き刺さる。
その言い分は正しい。護るべきはずの両親を殺したということは普通に考えれば護るべきではなかったと言えるのだ。普通ならどれだけ言い訳を並べても苦しい答えになる。
それでも零崎の言葉に真正面から返した。自身の決意、覚悟を。
「俺は親父に頼まれた。自分達を殺してくれと。親父は俺や妹の足手まといにならないことを望んだ。俺はそれを、ただ遂行した」
『詭弁だ。親を殺したことに変わりはない。貴様は親不孝者なのだ』
零崎が取るに足らない言葉、勝手に言っている言い訳だと指摘する。それを認めて言葉を続ける。
「そうだろうな」
『何?』
「俺は最低の息子だよ。だけどな、それでもやらなきゃいけないと思った。あの人の覚悟を受け止めないといけない。実の子どもの事を何より優先してくれたあの人の覚悟を、俺は受け継いだ。だからこそ、俺がお前達と戦う。親を殺した俺だからこそ、その悲しみを、繰り返させないために」
言い切った後、それぞれが沈黙を貫く。通信相手の周りからざわつく人の声がする。その言葉は余程衝撃的だったらしい。こちらサイドからは「本気か」という声も漏れてくる。
だが生憎ながらそれは紛れもない本心だ。あの時からずっと変わらない気持ち。悲しみを連鎖させ続ける彼らを許さない理由がそこにあった。
未だ沈黙は破られない。元と零崎はただただお互いを通信越しに見返し続ける。そんな沈黙を騒々しく破ったのはその話題に深くかかわる、騒々しい奴の声だった。
『―――何が悲しみを繰り返させないだ!お前はいたずらに悲しみを増やしている!』
『神治、会話に入るなと……』
「やはり、聞いていたか」
黒和家の両親を掠めとり、自分こそが救世主だと信じて疑わない子ども、そして自身が敗北した因縁の相手、黒和神治が元の言葉を否定して乱入してくる。
通信回線からは他にもいるであろう幹部のざわつきが響いている。しかしそれを周知することなく神治は大層怒り狂った様子で元の言葉を否定する。
『父さんと母さんはお前に殺された!それだけに飽き足らず零崎様の同志を次々と殺している!そもそも、父さんが言うはずないだろうそんな事!そんな無責任なことを!』
神治は父の行ったことを嘘だと批判する。神治の言うことはもっともだ。普段の父なら言うはずのない言葉だと、あの当時も思っていた。嘘であってほしいとさえ思う。神治もまた両親の事を尊敬していたようだ。
だが例えそうだとしても元は主張を変えるつもりはなかった。何よりも奪った自覚のない神治に苛立ちを覚える。神治に受け入れがたい事実を告げる。
「普通だったら、言わなかっただろうな。だがお前達は普通じゃなかった。神を本当にいると思い込んだ異常者。そんな奴らの前ではたとえ子供相手でも容赦することはない。親父もそれを分かっていた」
『そんなの詭弁だ!都合のいいように解釈するな!母さん達の裏切り者が!』
『神治、冷静になれ』
元の言葉を聞いてますますヒートアップする神治を零崎が抑える。一々感情を爆発させられるのはこちらとしても話しづらい。もっともそういう性格の人間とはまともに話が通じるとは思っていないが。
だからこそ、元は零崎に問うたのだ。代表という立場の人間に、部下をどう思っているのかを。改めて零崎に質問する。
「それで、こんなやつをまだ戦わせるのか」
『なっ……貴様!』
まだ突っかかってこようとする神治。しかし裏の方で取り押さえられる。零崎は元の言葉の意味をその間に問う。
『こんなやつ?彼の怒りがその程度の物だと?』
「怒りだけで戦うやつに救世主なんて務まらない。それはただの狂人だ。奴は自分の為に戦い過ぎている。エゴの塊だ」
『お主もそうではないか?魔王を名乗る狂人だろう』
零崎は質問をまともに取り合う様子はなく、逆に問いかける。彼の言葉はまさしく的を射ていた。こんな自分がまともな人間であるはずがない。元自身もそう思っていた。
親まで殺した人間がまともな人間であるはずがない。そう言った意味でははっきりと指摘してくれる彼らは逆にありがたかった。罪から逃れようとする必要もない。全力で、その役目を遂行し潰せる。その相手に感謝の言葉の代わりに頷き返す。ここまで陥った根本を語りながら。
「まともであるはずがないさ。俺は狂い続ける。ただお前達をひたすらに葬るため、人間を救うために」
『救うために、狂う、か。言い訳だな』
「そうだ。言い訳だろう。だがそうしなきゃいけない。そいつの幸せの為に俺達の家族を奪ったのは事実。それをやったのは他でもない。神治自身とかつてのカルト、次元覇院、それをやったのは宗教にどっぷりとつかった母方の叔母、あの詐欺師の山神 麻衣だ」
初めて出す名前。しかし零崎の顔が歪んだ。その人物はかつてゼロンの立ち上げのために資金調達した人物であり、同時に各地で巨額の詐欺・暴行・洗脳事件を引き起こした極悪人の名前。資金調達を受けたゼロンですら嫌う名前だったのだ。
そんな女は自身の母の妹だった。その名前を出すことは元にとって諸刃の剣であると同時に敵である神治にも効く発言だった。神治が静かに怒る。
『その名前を出すな……奴は、俺の為と言いながら零崎様にすべての泥を塗り、責任を押し付けて死んでいった女。俺とは何の関係も……ない!』
「殺したのはお前達だろ。それに、母の妹を認めないのはどうなんだ。お前は奴の導きで両親に導かれたのだろう?」
『それを言うな!ならお前はどうなんだ!あんな奴を身内と認めるのか!』
図星を突いた発言に神治が矛盾をはらんだ発言をする。いくら養子縁組の橋渡しとなったとはいえ、行った行為を全肯定するわけではない。それだけあの女のやった行いは双方に被害を与えていた。だからこそゼロンも自らの手であの女を葬っていた。
今さらあんなろくでなしに感傷は抱かない。ただ自分はどうなんだという問いに対してはその答えを口にする。
「身内としては認めるさ。ただし、身内の恥だがな」
『なっ』
『あのような者を、血のつながったものとして認めるのか?』
零崎もまた問いかけてくる。身内の恥、正直言って血のつながった人間として見るのすら憚る相手。それでもその事実だけは認める。簡単に言及し、話を流す。
「認識せざるを得ないさ。人は時を変えられない。起こった事象に干渉することなど出来ないんだからな。変えようのない事実だ」
『変えようのない事実、か』
「それでも、縁を切るくらいは出来るだろうけど。それよりも、話が脱線したな」
言って話題を本来の話の軸、黒和神治をなぜ戦わせるのかという話題へと戻す。釘をさすようにして零崎と神治に宣告する。
「お前達は俺の言葉を言い訳と言った。それは認めるよ。だけどな。お前達の戦う理由も、言い訳だろ」
『何だとっ!?』
『……ほう』
戦う理由を言い訳だと称したこちらに各々の反応が返ってくる。納得のいかない様子、神妙な面持ちでその先を聞こうとする姿を見て、その根拠を突きつけた。
「お前は、神治が望むから戦わせると言った。その理由が復讐だったとしても、それを咎める気はない。だが、人を戦いに駆り立てているんだ。それが言い訳でない訳、ないだろ」
人を戦いに駆り立てる行為。それは紛れもなく咎められる行為であり、それに対する理由は言い訳に成り下がる。それを聖戦とする彼らの言葉は言い訳なのだ。
それを聞いて零崎が問いただしてくる。
『ならば、平和のためと言って戦うお主らの言葉も、言い訳ではないか?』
流石はゼロンの代表、姑息な反論を仕掛けてくる。その答えは決まり切っているというのに。元は変わらぬ口調で答えた。
「当り前だろ。既に言っている。戦う人間に、言い訳がないわけないさ。それでも戦うと、矛盾していても存在する、そう俺達は決めているんだからな」
『……フン。言い覚悟だ。では、明日の夕刻、海上に出現した旧ポート基地にて会おう。座標については後程……』
『れ、零崎様……』
神治の声をバッサリと切られて通信が終了する。終了したのを見て黎人がどっとため息を吐く。
「まったく、相変わらず無茶苦茶な交渉だ」
「君の意志は変わらんな。危うく、達観している」
その二人の言葉には同感だ。しかし、これが俺だと自分自身分かっている。真っ向から間違っていることに反論する。それが黒和元という人間のやり方だ。
とはいえ心配を掛けてしまったことに代わりはない。今までの失態をすべてまとめてこのタイミングで謝罪する。
「それより、すまないな黎人、須藤司令。交渉を続けてもらって。それに黎人は政府の説得もしてもらっただろうし。その上、あんなことを言った」
「問題ない。どのみち、私はそれしか出来ないのだからな。戦いたくとも出来ない。ならば、現場の無茶を通すために動く。もっとも、それをうちの娘がやったことには冷や汗だがな。さっきの君の言葉も、私達まで巻き込まないでくれよ」
「はは、同感だ。しかし私も良い対案を出せなかった。寄る年波には敵わん」
それぞれ二人の言葉を聞き、すまないと呟く。どうやら黎人のおかげで政府の方には堪えてもらったようだ。再戦の機会ももう一度与えてもらった。なら今度こそ自分は勝たねばならない。いや、やるべきことは一つ。
その決意を口にする。
「二人の、いや、支えてくれている仲間達の為にも、もう一度戦う。勝って、いや、あいつらを取り戻す」
「それについてだが、勝てるのか、あのガンダムに」
黎人が心配の声を漏らす。その意見はもっともだ。ジャンヌもいない中、どうやって戦うのか心配にもなるだろう。
正直に言って今当てがないわけではない。二つほど策があった。しかしそれはいずれも自分への負担を大いにかけ、最悪の場合……。
もし根拠を話せばきっと黎人達は止めるだろう。だからこそ情報は最小限に止めて彼らに伝える。
「方法はある。それより、問題はまだあるはずだ」
「……そうだな。君の指揮するCROZE部隊、彼らに、君の顔を見せて来てやれ」
彼らという言葉が指す意味を元は感じ取る。きっと自身があの状態で思う所があったであろう者達の顔が思い浮かぶ。
彼らには、申し訳ないことをした。その自覚がある。特に進には謝罪しても許されないであろうことは分かっていた。また、彼女が今までの自分に失望していたことも分かる。
なら、だからこそ会わねばならない。そんな彼らにまた力を貸してもらうべく、今度は彼らを再び立たせるべく。その時、先程の自身の言葉が蘇る。
『だが、人を戦いに駆り立てているんだ。それが言い訳でない訳、ないだろ』
これもまた戦いに人を駆り立てる行為だった。彼らと同じ穴の狢。それを分かっていて元は彼らを立たせるつもりだった。それが、今の彼らにとっては乗り越えるために重要なことなのだ。
黎人達に彼等との面会を希望する。
「宗司達、Gチームに会う」
「それを決めるのは君だ。任せる」
黎人は面会を許可する。その言葉を受けて元は機材の使用を願い出て基地内の放送機能の準備をしてもらう。
恨んでくれて構わない。そんな気持ちで使用可能になった放送のマイクに向けて呼びかける。
「CROZE部隊隊長、黒和元だ。CROZE部隊Gチーム一同、至急第2会議室に集まられたし」
NEXT EPISODE
EP86はここまでです。
レイ「元君は元君、変わんないねぇ」
ジャンヌ「真正面から物を言う。否定意見でも隠さず言いますからね、元さん。でもここ最近はそれが落ち着いていたようにも思えたのですが……」
そここそ、再び変わった、いえ、変わってしまった元君の姿かもしれませんね。
レイ「昔みたいに……ジャンヌ・Fちゃんのためにって暴走するってこと?」
前回の会話も含めるとそれも言える。とは思わないかい?
ジャンヌ「全然あり得るんですよね、それ。深絵さんにああ言っているわけですし……」
それでも元君は進むのだろうね。果たしてその想いは届くのか?それは、どこに?
レイ「どこにって……どこ?ジャンヌ・Fちゃんにだよね?」
ジャンヌ「言い回しが遠回しなんですよ作者……」
そらぁ……まぁ。けどそれが本当にジャンヌ・Fに届いているのかという問いかけでもあるわけでして。
レイ「ん~?」
ジャンヌ「……あぁなんとなく分かりました。それ本当にジャンヌ・Fさんの思ってる事?ですか」
そゆこと。すれ違った彼らの心は通じ合えるのか?それが早くも次回、分かるかも?というわけで今回はここまでです。
レイ「次回もよろしく~!」
ジャンヌ「次回の最初もまた、私達担当ですね」