機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも……引き続きEP91、92の更新です。今回はEP92です。

ネイ「事情はもう聞きました。……ショッキングって言うか、まぁあんまり目に入れたくない写真だなぁというのは分かりました」

グリーフィア「まー耐性ない子だと卒倒しそうよね。サムネイルに表示するのも人呼び込むための技とはいえ悪質というか……不特定多数に見られるんだからねー。作者も耐えきれてるかどうかあやしいけど。と、本編の方も元君に冷や冷やさせられるというか……」

ネイ「作者さんガクブルですけどこっちはこっちでガクブルな展開、どうなることか」

それでは、どうぞ……うぅ……。

ネイ「あ、ジャンヌお嬢様ところに逃げ帰った」

グリーフィア「今回はもうこれで行きましょ~」


EPISODE92 十数年の因縁2

 

「なん、だ。何でMSの装依をっ!?」

 

「言っただろう。語らないか、と。MSを装依したままより、こっちの方が顔も見れる。お前とは、一度顔を見て話をしなければならないと思っていた」

 

 動揺を隠せないでいる神治に対し、落ち着いた口調でそう話す。だがその胸中は決して穏やかなものではない。

 むしろ冷や汗をかいていた。相手にとっては絶好の機会。ゼロン相手に無抵抗を示すことはリスクが大半だ。

 それでもこの選択を取ったのは話すべきだと思ったのと、彼だからこそ話が出来る状況もあると踏んでのことだ。

 このことは一切黎人達には相談していない。スタートには無理を承知で頼んだこの選択が本当に受け入れられるのか。

 神治からの答えは、当然と言えるものであった。

 

「何がだ!お前と話すことなんて何もない!ただ死ねばいい!」

 

「っ!」

 

 言葉を否定し、ライフルを向ける。会話すら無理かと諦め、スターターの装依ボタンに手を伸ばす。しかし相手の方が早い。射撃態勢に入る。

 

「俺の勝ちだぁぁ!!」

 

『―――待て、神治』

 

 だがその行動を制止する者がいた。その声は飛び回るドローンから発せられたが、耳元にも届いていたのか神治が大層驚いた様子で聞き返していた。

 

「なぜ、止めるんですか!こいつは父さんと母さんを殺した!あなたも罪を犯した者には裁きをと……」

 

『確かに言った。だが、言い分があるのなら、決闘ならば、そう言った演出も超えてこそドラマがある物。それこそ、真なる英雄の物語。そう私は思う』

 

「そん、なの……」

 

 神治は零崎の言葉を否定しようとしていたが、やがて思い悩んで口を閉ざす。零崎の声がこちらに問う。

 

『もっとも、お主がどう思っているかは、知らんが。命乞い、とも取れるわけだ』

 

「命乞いするならもっとましなことを言うさ。こんな危険も犯さない」

 

『ならば、なんの為に?』

 

 零崎の問いかけを受け、そのままの気持ちを、理由を話す。

 

「こいつには話さなければならない。話しておかなければ。俺がどうして父さん達を撃ったのか。何を以って、こいつの前に立ち塞がるのかを。それが、戦う者としての礼儀だ」

 

『礼儀、か。残念だよ。君が我が組織にいたならと、思わせる。情など掛けたくないが』

 

「っ!……」

 

 突然そんな事を言う零崎。元には全く影響は与えなかったが、わずかに神治が何か言おうとする。だが先程までのやり取りを思い出し、出そうになる口出しを抑えた。

 何を言うのかと思えば、とだけ思ってその誘いに断りを入れる。

 

「例えそうでも、お前達に肩入れするつもりはない。ただ倒すのみだ。だが、この言葉でお前達を絆すつもりもない。ただ覚悟している。これが最後の戦いになるかもしれないから」

 

 最後の戦い。勝てる見込みのない戦いに挑む。だからこそ言うべきことは言う。古の武士が語った決戦前の言葉のように、後悔が残らないように。

 負けるつもりはないが、それでも言いたい。対峙する者として覚悟、信念を残すために。我ながら古臭い、馬鹿らしい行いだと思う。

 だがそんな思いを示したからなのか、話を嫌がっていた神治のヴァイスインフィニットエアレーザーが光に包まれ、その装依を解除した。現れる神治の姿。

 年相応に育っている。十何年前の自分のように、学生としての標準的な体つきだ。11年も経てばこうもなると納得する。

 遠目で見たきりの彼の姿にふと感想を呟く。

 

「11年前、お前の姿をスコープ越しに見た。あの忌々しいガキが身体はこうも立派に育って」

 

「気持ち悪いんだよ、その感想。11年前の俺の馬鹿にする気か!今は勝てないからって!」

 

「そんなつもりは最初からない。だが俺が話すのはその時から想い続けた俺の感情だ。お前と、俺との因縁の」

 

 喋る口をその言葉と視線で塞いでいく。睨み付けられた神治は睨み返しながらもその話を聞く姿勢を取る。

 それを確認して、過去を語り出す。

 

「11年前、俺は次元覇院の大規模作戦阻止の後、三枝の親父達の下を訪れた。家族として救うために。だがその時には、お前がいた。お前が次元覇院から押し付けられていた」

 

「違う。俺は幸せに暮らし直せるように旧教団に、……あの女の情けで新しい父さんと母さん達に育てられようとした!それをお前が壊した!」

 

「経緯はどうでもいい。俺や華穂から両親を奪ったのは事実だ。変え様のない、真実」

 

「黙れ!お前の勝手な言い分だ!」

 

 苛立ちを露わにして地団太を踏む神治。感情を露わにして騒ぐ姿。まるで騒げば思い通りになるかのような振る舞いだ。

 あの女、叔母である山神麻衣もそうだった。ずる賢く、時にヒステリックになって弱者を演じていた。それを受け継いでいるようだった。もっとも彼女に子供がいるはずもない。だからこそ、神治に自分の共通点を見出したのかもしれないが、そこまで行けばDNLと大差なくなってしまう。DNLはエスパーや、あの女が掲げる目覚めた人ではない。

 そんな神治をまともに相手はせず、ただこちらの感情を、思っていることを淡々と告げていく。

 

「お前にとっては、な。お前には、うちの寝取った両親は神から与えてもらったチャンスだっただろう、それを奪われたことに対して、怒りも復讐も芽生えるだろう。だが俺は知っている。父はお前を嫌ってはいても、守るべき命だと思っていたことを」

 

「どういう、ことだ?」

 

 こちらの言葉に聞き返す神治。明らかに動揺している。単に嫌っていると言うならここまで反応しない。ただ否定するだけに留まっていたに違いない。その言葉の根拠を語る。

 

「覚えているか、お前は。父を殺したとき、殺された時、お前の前に立ったことを」

 

「……確かに、父さんは立ってお前の銃撃の真正面に立った。それの何処が嫌っていると!」

 

「ならなぜ、お前を抱いて逃げなかった?」

 

「それ、は……」

 

 言葉に詰まる神治。あの時の受け取り方は人それぞれだ。もちろん、元は知っている。父は撃たれる為にああして前へと歩み出たことを。目立つように前へと出たのだ。こちらが分かりやすいように。

 もし知らなかったのなら慌てて前に出るような事はしない。知っていても神治が大事なら逃がすなりしていた、撃たれる覚悟があっても物陰に避難させるか、他の人に任せていたはずだ。しかしそれもせずに前へと出た。冷静に状況を見るなら、元の考えが正しいはずである。

 突きつけられた紛れもない事実を必死に返そうとする神治。しかしその受け答えはたどたどしい。

 

「違う……それは、その……父さんは、そんな、こと!」

 

「何が違う、どんなことを思っていたと」

 

「そ、そもそも、お前と父さんの間に、そんな取り決めなんてなかった!あれはたまたまだったんだ!だから、そんなことを考える暇もなく、守らなくちゃって、思って!」

 

 苦し紛れに考え付いた言い訳を主張する神治。だがそれでは拙すぎる。完全な妄想に、対応する反論を告げる。

 

「ならなぜ、俺と接触した次の日にお前や母さんを連れて永島スパランドに行ったんだ?悪人である俺に無理矢理さらわれて、その次の日にホイホイと家族連れでレジャー施設へと行くのか?仲間の護衛無しに」

 

「なんで、そんなことを知ってるんだ。そうだと分かる?」

 

「単なる推測だよ。事実、次の日は一切妨害もなく、狙撃には成功している。その後出てきたMSも、スパランドからではなく、周辺の隠れ家からの緊急発進がほとんどだった。とすれば、そう考えるのが妥当だ」

 

「そ、そんなの、ただの妄想だ!そんなお前に都合のいい状況が!」

 

 否定する神治の声が震えている。指摘された点をとにかく否定することしか考えられていなさそうだ。

 それはまさしくゼロンに属する大半の主張と同じ。未熟で幼い、一方通行の会話。それでも良かった。それを突きつけるために、真っ向からその言葉を聴聞することを告げていく。

 

「ならなんだ、お前の答えは。憶測でも、妄想でもない、実際に見て、知っていることを話せ。事実を、真実だけを。そのうえで、お前の全てを否定する」

 

「くっ!う、う……」

 

 放つ威圧感と言葉の圧にたじろいでいく神治。情けない。ちょっと都合の悪い質問を問いただされたところでこうも脆く崩れるものか。MSという武器で脅さなければまともに言い合いも出来ないと見える。

 いつもなら武器の攻撃と共に飛んでくるはずの反論の勢いはすっかりなくなっている。先程の的外れな反論はお断りだが、それすらもないのは歯ごたえがないと言える。

 悔しさをしばらくの間噛みしめたのち、神治の口が開く。その口から出たのは、予想通りの場違いな反論だった。

 

「お前、人質がいるのを忘れたか!」

 

 人質。レイアとジャンヌの事に違いない。その二人の命が掛かっていることを示してきた。自分が満足させられるだけの反証を用意できないから、相手が一番気にしているであろう存在を盾にその発言を取り消させようとしていた。

 本来ならその一手は強烈なものとなっただろう。非道とされても相手はただふんぞり返るだけで良い、楽な一手。しかしそれは本来時を考えなければならない一手でもある。今の元に、それは動じるほどではなかった。

 神治に対し、軽い言い回しで言った。

 

「ならやれよ」

 

「……何?お前何言って……」

 

 本来聞こえてくるはずの言葉とは、反応の違う回答に困惑する神治。そんな奴に構わず、言葉を続けた。

 

「言っただろ、覚悟している、と。俺の死だけじゃない。レイアが、そして、ジャンヌが死ぬことも、可能性としてはありうる。その全てを、考慮して、そのうえでここにいる。あの時と、父さんと母さんを殺したときと同じように」

 

 そんな事は考えたくはなかった。それでも避けては通れない。それらを全て覚悟しなければ、この決闘に立つことは出来ない。引いてはいけない。彼らにこの国が蹂躙されないために戦士としての覚悟だ。

 その覚悟をしたという上で決意は変わらない。怯む神治に宣告した。

 

「だが、それでも彼女達は死なせない。助け出す。助け出せなかったとしても迷わない。止まらない。それが俺の、魔王という道だ」

 

「っ……何だよ、それっ」

 

「お前に、救世主という覚悟が、国の反逆者として処刑されるとしても後悔しない、零崎秀夫が捕らえられたとしても動じない覚悟が、やり遂げる決意があるのか?反論もまとも出来ない、お前如きに」

 

「う、うぅぅぅぅぅ!!お前、本当に!」

 

 殺すぞ、と言おうとした神治。それを再び零崎の言葉が止めた。

 

『そこまでだ。二人とも』

 

「零崎代表!」

 

「いいだろう、聞こうか」

 

 出された助け舟に神治が縋る。元の方も神治の過度な行いを抑制させるいい機会として聞く姿勢を持つ。

 零崎は両者に向け語りかける。

 

『神治、冷静になれ。それでは魔王の思うがままだ。優位を自ら崩している』

 

「そんな、こと!人質がいるなら、こいつだって」

 

『それを彼は既にしている。まだ意味はあれど、それを盾にしているようでは負ける。己の未熟さに押し殺される。魔王はお前より、遥かに強い。それはパートナーのあるなしに関わらない』

 

『そうだな。黒和元は俺と戦った時よりも格段に強くなっている。技術も、精神も』

 

「エンドまで……俺は、弱くなんて……」

 

 こちらの強さを頑なに認めようとしない神治。自分の弱さを否定しようとする。だがそれに根拠を示すモノは、具体的にはなかった。逃げ道を塞ぐようにエンドが言い聞かせる。

 

『お前は確かに、黒和元に勝った。だが、その姿は英雄には程遠い。信者にすら振り回されるお前が、たとえ味方でも危ういのは見るに耐える』

 

「けど、勝利したのには変わりない!」

 

『そうだ。勝利したのなら、その威厳を見せてみろ。今のお前は、変わらない、駄々をこねる子どもだ』

 

「っ、お前なんかに……零崎代表は!」

 

 味方であるエンドにすら酷く言われて後退る神治は零崎へと助けを求める。親代わりとも呼べる存在、ゼロンという教団の教祖、代表に救いを求めた。しかしその言葉も今の神治にとっては苦しいものだった。

 

『私は、お前に英雄になってもらいたい。この教団を導く救世主になってもらいたい。勝利したことに私は満足している』

 

「零崎代表……!そうだ、零崎代表の判断がゼロンの全て!ゼロンは零崎代表の為に戦うんだ!それでいい!」

 

 神治は零崎の言葉をかみ砕いて早口にまくしたてる。ゼロンは零崎の言葉が全てと決めつけた言い分。ところがそれを零崎は良しとしなかった。

 

『良くない』

 

「えっ……零崎、代表?」

 

『今の神治は組織を預かる物として危うい。成長を期して黒和元、君と戦わせたが、勝つという目的だけを追い求めるようでは、ゼロンの未来に暗い影を落とす』

 

 零崎もまた今の神治の立ち振る舞いを良くないとしていた。神治に突きつけ、変わるようにと宣告する。

 流石に組織の代表。信者がああなっているのは代表のおざなりさが原因とも思われたが、代表は理知的のようだ。いや、理知的だからこそ、ああも人を狂わせることが出来るか。狂わせながらも冷静さを求める。無茶ぶりさはカルト教団の代表と言うべきか。

 現実を突きつけられた神治は激しく苦悩する。

 

「そんな……俺は、どう、すれば……」

 

『……それで、黒和元。君も随分と大層な覚悟を決めている。人質の安否よりも、国の平和か?』

 

 失意の中の神治をそのままにして零崎はそう尋ねてくる。その言葉の意味を聞き返す。

 

「どういう意味だ」

 

『そのままの意味だ。君もまた、あの愚かな首相達の礎となることを厭わぬ人材なのかね?』

 

 零崎の言葉にその意味を知る。どうやら彼には自分が所謂上流階級とか世間的に風潮される存在の為に尽くしていると考えているらしい。

 そう思われるのは心外だ。なのではっきりと否定する。

 

「笑わせる。権力に尻尾振っているつもりはない」

 

『ほう、では、なんの為に』

 

「国の平和、は望むところだ。だが、その国はあの首相達だけが作っているわけじゃない。平和を求める者達の為、静かに日常を過ごす人たちの為に戦う」

 

 黒和元が望むのは、平和。争いをいたずらに広げないこと。平和の為に戦うということだった。それを矛盾していると零崎は正そうとして来る。

 

『それは、我らも同じはず。寧ろ君達の方がそれを壊す』

 

「お前達の平和は壊すさ。お前達は、平和を求めているんじゃない、ただ自分達の理想を求めている。その為に気に入らない人間を悪だと断じて殺す。それは争いそのもの。無用な争いを起こす者は、人々にとって迷惑だ」

 

『必要な争いだ。正すために、あるべき姿の為に』

 

「その争いは、本当に必要か?」

 

『それはのちの歴史が示す。ゼロンに利する民たちの歓声がその証だ』

 

 のちの歴史とは、如何にもらしい言葉を使う。DNLとしての直感が不快な音と共に心に隠す闇を告げてくる。

 王道とも呼べる反論に、こちらもよく言われる言葉で返す。それと共に感想も投げつけた。

 

「そう言って示せた例なんてほとんどなかったと思うがな。けど、あんたは神治ほど無茶苦茶ではないらしい」

 

『当り前だ。私はゼロン代表なのだぞ』

 

「なら、教え方は下手糞ってことか」

 

『言ってくれる。そう言われてしまうからこそ、神治には落ち着きを期待しているのだがな』

 

 そう愚痴を吐いて来た零崎の言葉の後。ようやく神治が怒りに震えながらも救世主としての心構えを宣誓してくる。

 

「俺は、父さんと母さんの優しさを受けた。それを無下にしたお前を、許さない!」

 

 優しさを受けて育とうとしたと訴える神治。その目には明らかな恨みがこもっている。そんな神治に対し、元もまた両親について言いたかった事を口にする。

 

「優しさ、か。寵愛、とでもいうべきか。生憎そんなロマンチックなことを少なくとも父さんは思ってないだろうが」

 

「勝手な事言うな!父さんは!」

 

「俺の父さんは、寵愛なんて似合わねぇ。人が馬鹿やらかしたら凄まじい剣幕で怒ってくるような人だったよ」

 

「っ、そんなの……お前が愛されていなかっただけだろ!」

 

 父への悪口に対し、神治から悪態をつかれる。心の中で確かに、と思ってしまう。正直言ってしまって元達の父親は最後の時のように背中を押すタイプの父親であるが、行けないことをしたときは家から本当に追い出すような父親であった。流石に華穂にはそこまでしなかったが、元に対してはそれもあった。

 何度恨んだだろうか。死んでしまえと思ったこともある。だが、今思えばそれも理解できる、かもしれなかった。

 自分なりの今の考え、父の考えを述べる。

 

「かもしれないな。けれど今思うと、父さんなりの心配から来るものだった、優しさだったのかもと思うよ」

 

「怒るのが、優しさ……?そんなの!」

 

 あるわけがない、と言ってくる神治。その神治にそれを告げた。

 

「お前は優しさを受けたと言った。だが、俺は違うものを受けている。父さん、親父からは厳しさ、母さん、あの馬鹿なお袋からは甘さ。それがあって、今の俺や、華穂がいる。事実、親父は怒りこそするが、他人に迷惑を掛けさせることはしなかった。俺らが他人に迷惑を掛けた時は矢面に立って謝り、その分俺達を叱った。親としては当たり前の義務を、果たしてくれていた」

 

 優しさだけが愛ではない。それを父は教えてくれた。だからこそ俺はこの選択をしている。そしてあの時感じた気持ちを神治にぶつける。

 

「そう思うから、あの時、お前を庇うように死んだ親父に怒りを覚えた。お前に嫉妬した」

 

「嫉妬……」

 

「そうだ。偽りの息子でも、そういうことをした親父を許せなかった。こっちには分かりづらい愛情表現をするくせに、お前には分かりやすく守ろうとした姿勢を取ったと思った。もちろん、撃ちやすくなるようにああしたんだろうが、それでも誤解はするさ」

 

 もちろん、それが本意でないことは思っている。結果的にああなってしまったのだと納得させている。親父はそういうところがある。お袋との関係も愛が深いが故に間違って道へ行こうとするときも必要以上に過保護になってしまう。だがお袋には却ってそれが良かった。そうでなければもっと早いうちに次元覇院、いや、かつて存在した母方の実家が取り込まれていたカルトに家族が滅茶苦茶にされていたかもしれないのだから。

 父には様々な気持ちを思っていた。けれど最後まで残っていたのは、感謝だ。本当に辛い時、柚羽を喪った時には気に掛けてくれつつも敢えて触れないでくれていた。いつもなら無理矢理にでも発破をかけてこようとする父がだ。それもあって大分立ち直るのが遅かった気もするが、それでもありがたかった。

 その時、どういう想いであれ気に掛けてくれたという事実だけで、ちゃんと見てくれていたのだと思える。それを踏まえて神治に言い放つ。

 

「なのにお前は、守ってくれた恩義も忘れて、仲間にすら牙をむくお前が、救世主と名乗れるのか?」

 

「勝手な事!」

 

「思いたければ思うがいい。お前が行くのは、救世主ではない、それと全く同義の存在、魔王と同じ、破壊者だ」

 

「違う!俺はお前とは違う!」

 

 その突きつけを神治は全力で否定する。破壊者であると認めようとしない。普通ならそうだろう。

 だが元は気づいていた。有史以来、救世主と呼ばれた者が何なのか。マキナ・ドランディアの歴史にも触れたことで得た答えを、話す。

 

「いいや、事実さ。救世主も、魔王も等しく世界の枠組みを破壊する。破壊からしか、創造が生まれないのと同じように。お前と俺は同じだ」

 

「そんなの、お前だけが!」

 

「いいや。俺はもう、その役割を受け入れた。だからこそ、破壊する。この歪な世界を作り出す根源であるお前達を。エンド、お前もだ」

 

『フン。言うようになった。ならば、後は力で示すのみ』

 

 エンドは完全に臨戦態勢に入る。その言葉につられて神治も強気の威勢を取り戻して戦闘開始を要求する。

 

「俺は勝つさ。魔王を今度こそ討伐し、HOWや日本政府を殲滅する!救世主が世界を変える!」

 

 そう意気込む神治。元自身もそろそろ始めるべきだと思っていた。だからこそ、最後にそれを零崎らへと告げる。

 

「なら、最後に言わせてもらう」

 

『ほう』

 

 これから望む決戦への想いと、ゼロンに対しての問いかけ、そして愛しき少女達への宣誓。それらを明かす。

 

 

NEXT EPISODE

 




今回はここまで、です。

ネイ「元さんなりの、両親の想い、がこれですか」

グリーフィア「なんていうか、両方とも不器用って言う感じね。元君の父親と元君は」

ネイ「そうだよね。もっと言葉を交わしていたら、こんなことには®ならなかったって気がする」

グリーフィア「それゆえに今の元君がいる厳しさを無理に遂行し、甘さに苦しむ。与えられたもので足を引っ張ってるっていうのは、何というか本当に心配になるわー」

ネイ「そんな元さんから、次に何が語られるのか、気になるね」

グリーフィア「そうねっ。元君が答えを見つけ出したうえで、救出できるといいわね。ってことでここ辺りが限界?」

はい……お願いします(´Д⊂ヽ

グリーフィア「分かった分かった。っていうか聞くんだけど、あ直接的じゃないんだけど元々何調べてたの?」

ゲームの……もうすぐ発売されるらしい、やつ。エ○ゲーなんだけど

グリーフィア「おいおい」

ネイ「18禁だからそういうの表示されたのでは……」

けど、ゲームの内容的にはまだそういうの表示されるとは思わないやつよ。ギャング系なんだけどさぁ。

グリーフィア「ふーん。ちなみにそれを選んだ理由は?」

あ、好みの声優さんがヒロインの一人です(´-ω-`)

ネイ「あーひょっとして最近やってたカステラの?」

ナツメさんの中の人です(;´∀`)ちょっとスリーブも探したくなる。

グリーフィア「あーそーですか。まぁ買うかどうかは任せるわ。って言ってもうちだと多分中古よね~」

ネイ「積まないようにお願いしますよ」

分かってます。というわけで、今回はここまで。最後に、他人のおすすめなんていらねーんですよ(T_T)(怨嗟)

ネイ「で、ではまた次回です」
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