機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、今回もEPISODE99、100の公開です。

ネイ「今回、私達が先に99の担当になりましたね」

グリーフィア「まぁジャンヌにEP100の方任せたいって気持ちはあるんでしょうねぇ?」

察してくれると助かります。

グリーフィア「それはそうとして、英雄の復活か……字面で見ると心強いってなるけど、今回はねぇ」

ネイ「心配しかない、よね。元さんも乗っ取られて、どうなっちゃうんでしょうか……」

それでは本編をどうぞ。


EPISODE99 魔竜顕現・希望は暗闇の中に3

 

 

 とうとう相対する当時のマキナ・ドランディアの英雄。その一声は憎しみのこもったものであった。

 

『まったくもって、貴様には虫唾が走る。貴様のような機人族のエリート擬き程度が本当に単体であいつを倒せるとでも思っているのか?』

 

『私はやる。私だけではない。ゼロンという、奴に対する反対勢力が、奴の野望を今度こそ打ち砕く。貴様の属する集団など奴の味方ではないか』

 

『フン、品性のかけらもない、欲望だらけのならず者集団に共に世界の変革を促せるとでも?あのHOWという集団の方が、まだ使えるよ』

 

 互いに互いを批判していく。犬猿の仲、と見ている人物達には言えるだろう。しかしこれがスタートにとって当たり前の光景であった。

 創世記と呼ばれたあの時代、常にエンドは邪魔をしてきた。因縁の相手に対し、何も同感することはない。それはエンドに味方する者に対しても同じだった。

 ヴァイスインフィニットの現パイロットとされている神治が反論する。

 

「お前、なんていった!俺達が品性のかけらのない、ならず者集団だと!?」

 

『まさしくそうではないか?人質を痛めつけ、いたぶり、それを正義と疑わない。私にはどうでもいいが、俗人たちにとって、それは非道の行いと言うのではないか?』

 

「俺達は正義だ!悪をいたぶることは必然の!」

 

『それは違うな。正義と悪など戦争では混じり合う。それぞれの信じる信条こそが正義であり、敵の言うことが悪。それを利用し、平和へと導くのが我ら英雄。俗人に如きの語るそれに、絶対的な立場などありはせんよ』

 

「貴様ぁ!」

 

 神治が怒り狂う。目覚めたスタートは冷静に、敵対する相手を貶す。決して英雄という欲だけに突き動かされず、コントロールできていた。

 だがそれはエンドにとっては、スタート本来の姿を知る者にはややおかしなものであった。問いただしてくるエンド。

 

『もう少しお前は、甘い、いや、遠慮があったと思うがな』

 

『そんなものは捨てたさ。そうでなければ、あの悲劇は起こらなかった。貴様と同じだよ。私はあれがあったからこそ、同じ二の舞を繰り返さないよう善と悪の領域に分かれた。甘さは全て、表の私にある。今の私は、英雄として、必要なことをただ成すだけだよ』

 

 そう、スタートはかつての出来事故に分かれた。今の自分ではこの先どうしようもできないと、「悪」とも呼べる領域が判断して、記憶と共に分かれたのだ。

 すべては、あの時封印したあのMSを今度こそ倒すため。悪の領域にとっては今度こそ「勝つために」。ただそれだけだった。

 その為なら何だってする。人質が邪魔なら、その人質ごと敵を殺す。破壊兵器を持っているなら、それを上回る攻撃で、町ごと吹き飛ばす。それも必要なことだけやる。無益な殺傷はしない。ただ必要だからやるだけだ。

 エンドに対して、スタートは変わる必然性を説く。

 

『それに、貴様も変わっただろう。高潔さを求めていた貴様がその連中とつるんでいること自体、あの頃のマキナスを否定している。お前もまた、変わらねば変えられないと思ったのだろう?』

 

『言っておくが、彼らは必要な存在だ。世界を守るために。それでも、あの頃のマキナスでは世界は変わらないのは認めるが。今のマキナスも、大して力もないだろうしな』

 

『それには同感だ。実際、今私が使っているこの体の主が、シュバルトゼロの力を少し引き出した程度で収まったのだからな』

 

 元がシュバルトゼロガンダム・イグナイターで勝ち取った平和を、程度という言い方で表現するスタート。スタート自身にとっては、あの程度で1000年以上続いた戦争が止まるなど、馬鹿らしいと思っていた。

 1000年以上も争っていた歴史が、たった1機のMSで止まる。それ自体はいいことでも、シュバルトゼロならもっとやれたはず。それこそ、あの機械となってしまったかつての盟友を殺さずに済んだかもしれないと。

 とはいえ、あのような姿で生かされるのは実に心苦しい。ようやく死ねたことは幸せとスタート自身は思っていた。

 その間際に生まれた新たな象徴が、まさか自分を完全に呼び戻す結果となろうとは思ってもいなかったが。これもまた時の運命とスタートは受け取っていた。今は亡きクリムゾン・ドラゴニアスの遺志が、自分を呼び戻した。あいつも俺を必要としたのだ。

 だからこそ、この醜い争いを終わらせる。異世界の英雄が争いの種となるのなら、同じ異世界の英雄が終止符を打つ。エンドも、あいつを討つのもまた今の自分なのだ。

 この世界を救うのは自分だと、エンドに言い放つ。

 

『だが、変わったところで所詮は貴様だ。組む相手を間違っている時点で、貴様は英雄とはなり得んな』

 

『勝手なことを言ってくれる。ポッと出の英雄が、今さら口を出すな。協力しないと言うのなら、今再び因縁を決着するのみ!』

 

 説得を諦め、明確に敵意を向き出すエンド。それに合わせて、ゼロンのMS二機が戦闘体勢を取る。その二人、いや、ヴァイスインフィニットの仮のパイロットから殺意に戦意に満ちた発言が飛び交う。

 

「ようやくかよ。とっとと英雄殺しを始めようぜ!」

 

「だから、倒すのは俺だ!救世主なんだ!」

 

「くだらない言い争いをしている場合か。もっとも、倒せば英雄ともてはやされなくもない、か」

 

『結局のところ、貴様らは何と言おうと英雄の邪魔をする敵役でしかない。主役たるこの私には敵うはずもない!故に!』

 

 その手を横にかざす。マルチ・スペースシステムを介して形成、転送されたかつての主兵装を構え、粛清を言い渡す。

 

『この私が、直々に粛正する。この体の主は私に人質を救ってもらうことを期待していたようだったが、甘かったな』

 

 決死の覚悟をして合体を行った元を馬鹿にして、エクスターナル・メガビームランチャーを構え、発砲する。攻撃を避け、散開するゼロンのMS。G-Arcによる統制の下、攻めてくる。

 操縦権限を委譲してもらった神治が英雄たる自身に挑んでくる。他との連携は意識していないらしい。

 

「英雄と言っても、所詮は過去の人物!今の人間にも、MSにも勝てるかよ!」

 

『生憎、私は人間とは違う。マキナ・ドランディアで生まれし、竜人族の英雄の初代当主。今のMS如きに、もう遅れはとらん!来い、エクスターナル・シュツルム・ブースター!!』

 

 掛け声と共に再びマルチ・スペースシステムを起動させる。シールド付近の空間が歪み、盾のようなブースターが出現する。それが上下で分割され、シュバルトゼロのマルチ・アサルトシールドの裏面へと接続される。

 合体を完了したシールドの底部をヴァイスインフィニットに向ける。接合したシュツルム・ブースターの底部を開いた。中から銃口が露出する。それを見てエンドが回避を促す。

 

『神治、回避だ!』

 

「見ればわかるっ!」

 

 射線を回避しようとする神治。それを見越してスタートはビームマシンキャノンを起動させ、連弾を放っていく。

 圧倒的な連射が4つの砲門から放たれる。それらを回避してなおも近づいて来るヴァイスインフィニットエアレーザー。やはりダブルエンゲージシステムの性能拡張が大分あるらしい。しかし今のスタートにはそれすらも些細な差であった。

 連弾が徐々にヴァイスインフィニットを掠めていく。そして唐突に機体の足を直撃する。バランスを崩して神治が動揺の声を上げる。

 

「なっ、この速度に当ててくる!?」

 

『くっ、ちゃんと回避しろ!』

 

「やってる!くそっ、くそっ!なんで、何で当たる!?」

 

 複雑に、いや、無秩序に回避するヴァイスインフィニット。しかしその行く先を先回りして攻撃を当てる。

 やはり、読み通りだ。ヴァイスインフィニットのパイロットは多分に甘い。DNL能力も低く、それを補う腕もない。それが自分の見立てだった。それは予想通りであり、致命的とならないのは扱うには高すぎる性能のおかげだった。

 これでは話にならないと感じると同時に、今のシュバルトゼロガンダムのパイロットの不甲斐なさを強く自覚する。この程度の相手を圧倒も出来ないようなら、やはりこのまま乗っ取るのが世界にとっても良い。

 戦いが終わった時の事を考えながらヴァイスインフィニットを攻め続けようとする。だが散開した他の二機が遅れてカバーする動きに入る。

 

「神治だけが相手だと思ってんなよ!」

 

「それでは隙だらけだ」

 

『フン。よもや私が注意散漫とでも?』

 

 ビームライフルとガンランスからの挟撃を容易く回避する。シールドに追加されたブースターで大幅な速度上昇を果たしたシュバルトゼロは回避したと同時に攻撃の姿勢を取る。

 

『行け、エリミネイタービット』

 

 シールドから刃状のビットを飛ばす。最新世代のシュバルトゼロの兵器を操り、迫ってくる二機に向けて迎撃に充てる。

 すぐさま二機はまとわりついて来る端末に対し反撃を行う。だがそれらの攻撃は掠めることなく、端末が攻撃しては素早く翻すヒット&アウェイを繰り返す。

 翻弄される二機のパイロットがその精度に驚く。

 

「ちっ!ちょろちょろうぜぇ!!」

 

「こちらのパイロットは、最新型のシュバルトゼロの武器は把握できていないと聞いていたが……くっ!」

 

『その情報は古かったな。既に最初の接触で武器情報は把握している。二度目となれば、このくらいはやって見せるさ、英雄ならばな!』

 

 そう語るとエクスターナル・メガビームランチャーの銃口にビームサーベルを展開させる。ビットによる一斉攻撃の後、怯んだ二機を薙ぎ払うようにして巨大ビームサーベルで一閃する。

 間一髪両機共に展開したフィールドで直接攻撃されるのは防いだ。だがそれに構わず薙ぎ払い、更に追撃の反転させたシールドからのメガビームキャノンで防御フィールドを貫き、装甲に破片を飛び散らせる程度のダメージを与える。

 防いだ二機に対し、まだ攻撃が終わりでないことを告げる。

 

『この程度で終わりではないぞ』

 

「なにっ!?ぐっ!!」

 

「いつの間に、ちぃ……!」

 

 接近し、素早く駆け抜け様にシールドからのビームサーベルで斬りつける。金色に対しては斬り上げで左腕を肩から吹き飛ばし、赤色の方は肩部の増加アームユニットと思われるパーツを斬り飛ばす。

 切り抜けた直後、後ろから更にメガビームキャノンを喰らわせる。不意打ちの一撃で推進機関を損壊させ、足を奪う。これで片方はそう簡単には邪魔出来まい。金色の方は既に再生態勢に入っている。

 邪魔者を一時的に減らしたところで態勢を立て直して突撃の準備を図ろうとしていたエンドとヴァイスインフィニットの仮パイロットに向けて、言明する。

 

『さぁ、貴様らを殺すときが来たぞ!盾を喪い、英雄に無様に負けるがいい!』

 

『盾ならばいくらでもある。だが、貴様如きに盾を使い潰すつもりはない!』

 

『そうか。ならば潔くその偽りの気高さごと、魂を散らすがいい!!』

 

「ほざけよ!」

 

 神治の一声と共にヴァイスインフィニットエアレーザーがシュバルトゼロを撃墜しようと攻撃を掛けてくる。三つのランチャーによる同時射撃が襲う。

 それを突撃姿勢で回避すると、そのままの姿勢でこちらもビームランチャーを放つ。一発目を回避されるが、続けてビームを連射、誘導の二発目を回避したところへ、本命となる三発目の曲射ビームで狙い撃ちにする。

 攻撃をシールドと疑似エレメントの合わせでダメージをゼロに限りなく抑えるエンド達。だがそこにランチャーとシュツルム・ブースターの分まで加速した機体で、蹴りを浴びせて吹き飛ばしていく。

 

「がぁぁぁぁっ!?」

 

『ひ、ぐぅっ!』

 

『人質の事は既にお構いなしか。それでも、ドラグディアの詩巫女守りの英雄と呼ばれた貴様か!』

 

『そんな名前!貴様に言われるほどではないなぁ!!』

 

 エンドの声にも耳を貸さず、吹き飛ばしたヴァイスインフィニットに向けてビームマシンキャノンの弾丸を飛ばす。雨あられの如く降り注ぐそれを回避しようにも体勢が体勢で、ヴァイスインフィニットは疑似エレメントでダメージを軽減するしかない。そこを狙ってシールドカノンを放ってダメージを与えながら更に後退させた。

 このまま押していく。そう思ったのもつかの間、後方から警報が鳴る。向くと、機体を再生させて万全の状態で襲い掛かってくる金色の機体と、損傷を嫌って距離を取って遠距離攻撃を放ってくる赤色の機体があった。どうやらまだ戦えるらしい。

 金色の方は厄介だ。そこでまずは金色の機体へと踵を返す如く翻り相手をする。

 

「こっちを向いたな!魔王!」

 

『君はしつこそうだ。故に、動きは止めさせてもらう』

 

 言って金色の機体と鍔迫り合いを演じる。左手に持ったブレードガンⅡビームサーベルモードが敵の銃剣とぶつかり合う。

 出力は互角に思える。当然だ。今のシュバルトゼロはエンゲージシステムを発揮できていない。しかしそれだけで圧し返せない敵ではなかった。右手に構えていたエクスターナル・メガビームランチャーで唐突に敵を叩きあげる。鍔迫り合いが解除され、敵の姿勢が崩れる。

 

「ぐっ!?小癪な」

 

『そう言っている場合かな?』

 

 その間にスタートはエクスターナル・メガビームランチャーを捨てブレードガンⅡ二丁で金色の機体の肩部を差し貫く。

 一度距離を取ってマルチ・スペースから取り出したブレードガンⅡで腹部を狙い撃つ。しかし急速に侵食を加速させた機体がブレードガンⅡを飲みこみ無へと還すと、ビームシールドを肩部ユニットから展開し防御する。

 なるほどと思いつつ、それを見てすぐさまもう一度突貫を仕掛ける。変わらずビームシールドで防ぐカウンターを狙ってくる金色の機体。

 

「このまま来るか!飲み込んでくれる!」

 

『悪いが、君の思うようにはならん』

 

 その言葉を掛けると、ビームサーベルを出現させたブレードガンⅡを突き立てにかかる。敵の支援攻撃を避けながら、接近する。シールドとの接触直後、結晶がビームサーベルごと武器を飲みこもうとする。しかしそれをビームの圧で吹き飛ばす。

 増したビーム圧でシールドを貫通させる。と同時にビームを切って実体刃を再び機体へと突き刺す。先程と同じ流れ。しかし先程と違い、突き刺してから押し込むように、しっかり突き立てる動作を行う。

 それに対し、ほくそ笑むパイロットが叫ぶ。

 

「ぐっ……そんな近づいてんなら、飲み込んでやるっ!」

 

 発生する結晶がブレードガンⅡにまとわりついていく。ところがガンダムのツインアイが光ると、結晶の侵食が止まり、砕け散る。その様子を見て絶句するパイロット。

 

「なっ!?何が……ぐっ!?この不快感は」

 

『悪いが、そんなものは必要ない』

 

 ブレードガンⅡから手を放し、テールストライカーで金色の機体を貫く。構造的に弱そうな腰パーツを貫き、分離する動きを見せていた腰背部にあったユニットごと貫き、そのユニットを爆散させる。

 それでもまだ機体は爆発を免れており、地面へと落下していく。だがその機体は再生が鈍っていた。

 種としては簡単なもの。ブレードガンⅡを介してDNLの阻害波、言うなればコンピューターウイルスを流し込んだに過ぎない。再生を阻害するそれを流し込み、その動きを止めさせたのだ。

 金色の動きを止め、エクスターナル・メガビームランチャーを再度その手に取る。と同時に流れる動きで狙撃してきた赤色の機体の攻撃を躱し、流れる動きでメガビームランチャーを発砲、着弾で武器と装甲の一部を爆発させる。

 そうしてようやくヴァイスインフィニットとの相手に戻る。丁度ヴァイスインフィニットも急接近してこちらを落とそうとして来ていた。

 

「お前を、落とす!」

 

『来ると良い。だが、お前を待っているのは、大嫌いな敗北と死だ!もう一度死んでいろ、エンド!』

 

『強がりを!這いつくばるのは貴様だ!』

 

 殺意のこもった罵り合いと共にヴァイスインフィニットエアレーザーとの対決に突入する。既に展開していた両刃剣のファンネルがこちらを襲う。だがそれを容易く回避、スレイヴ・ファングクローで迎撃していく。

 その回避を狙って本体も攻めてくる。ところがその精度も甘く、防御してすぐさま反撃へと転じ、逆に斬撃を喰らわせる。カウンターを受けた胸部を庇いながらパイロットはその差に困惑する。

 

「何で、何でだよ!俺は、勝つんだ!」

 

『無様だな。まだ終わりではないぞ!少年!』

 

 言葉通り攻撃を続ける。回避しようとするヴァイスインフィニットだが、新たに握った合体可変兵装「ジェミニアームズ」の一つ、ナイフとソードを合体させた「ディオスクロイ」で剣を捌き、弾いて本体を傷つけていく。

 上がる悲鳴に人質の声が聞こえようとも止めることはない。

 

『あぐっ、いぐっ!』

 

『あぅ……ぐぅ……』

 

『人質を、ここまで、無視するか……』

 

『たとえ本来の私だったとしても、人質がいる状態でも攻撃しただろうさ。ただ、救うか救わないか。効率を優先するかしないかだっ。私は、最短で未来を切り開く!』

 

 その言葉を、武器を捨てた左拳と共に見舞う。投げ捨てられた武器に気を取られて弾いた直後のヴァイスインフィニットの顔面を直撃して殴り飛ばす。悲鳴が響く。

 

「があああぁぁぁぁ!?」

 

『神治、体勢を』

 

『遅いな!!』

 

 体勢を整える前に追撃のメガビームランチャーを砲撃、着弾と同時に空へと投げ捨ててシールド上部先端を向けてメガビームキャノンの連弾を浴びせる。

 容赦ない砲撃が疑似エレメントの防御を突破する。脚部の一部が半壊し、機体全体にスパークを散らせ出す。動けはするもダメージを負った機体が、仮のパイロット達の苦痛の声が漏れてくる。

 

「くぅ……まだ、だ……!負け、な……」

 

『ぐっ……!?神治、上――――』

 

 エンドがそれに気づく。しかし、全ては遅かった。フィンガースナップと同時に宣告を行う。

 

『もう遅い!そこだ!DNF「オルフェウス・スターフォール」ッ!!』

 

『DNF「オルフェウス・スターフォール」』

 

 上空に待機していたビット状態のエクスターナル・メガビームランチャー。既にDNF用のエネルギーをチャージしていたそれの銃口から直下のヴァイスインフィニット目がけてビームが放たれた。

 高純度DNを用いた超高出力DNF。完全にとどめを刺すための攻撃である。放たれた一撃は狂いなくヴァイスインフィニットを狙い撃とうと放たれている。

 これで終わる。この下らない戦いも。放ったビームはランチャーの曲射機能を制御して狂いなく奴ら、ヴァイスインフィニットの胸部を貫く。どう逃げようと必ず貫いてくれる。

 その自信を抱え、撃った一撃。油断することなく、直撃の瞬間まで目を見張る。もうあと数舜で届く。世界が、跪く時だ。

 

 

 

 

 そのDNFは、ヴァイスインフィニットを避けてすぐ近くを抜けて地面へと着弾する。すべてのビジョンが、覆る。それは、その領域に届いた瞬間でもあったのだ。

 

 

NEXT EPISODE

 




EP99はここまでです。

グリーフィア「最後……何だ?」

ネイ「攻撃が、外れたみたいですけど……スタートが外した?」

グリーフィア「いや、絶対これそういうことじゃないの~。繋がったわぁ~」

ネイ「姉さん、凄い盛り上がってる……」

まぁそれに関しては次話で分かることです。なぜこうなったのかも含めてね。

グリーフィア「でしょうね。じゃあそれに至るまでの話だけど、裏スタートは大分尖ってる思想よねぇ」

ネイ「そう思う。人質を救わずに、最短でなんて。しかもそれが失敗からって、つまり、助けたから救えなかったものがあったってことかな」

グリーフィア「それよりかは目の前のことを救うより、もっと大きなものを救うことに目を向けちゃったってところかしらぁ。いずれにせよ、裏スタートは任せるべきじゃないってことははっきりしたわね」

ネイ「そういう意味ではエンドと似通っているのかもね。エンドも世界を救うために平和を壊す側を味方にしているから……」

そう言った意味では似た者同士と言うねこの英雄たち。やたら自分の考えに自信満々なところとか、英雄って誇ってたり。もっとも会話から分かるだろうけどスタートに関しては本来の性格は違うってことは留意しておく必要がある。

ネイ「きっと表スタート主軸だと願ってます」

グリーフィア「だけどそれだと今の裏スタートの性格が証明できないから、多分理性でそう言った黒い気持ち抑えてた人間だって思っておくわ。もしくはタガが外れて過激になってるか」

それではこちらはここまでにしておきますか。

ネイ「では、次話に続きます」
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