機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、引き続きEPISODE99,100の公開となります。こちらは大台のEP100となります。

レイ「EP100ってことで記念する為に私達だねっ!けど前話は本当に危機一髪だよ~!危うくジャンヌ・Fちゃんとレイアちゃん殺されちゃうところだった……」

ジャンヌ「妨害したのは、きっと……目覚めてくれるんですよね……彼が!」

それでは本編を早速どうぞ。


EPISODE100 魔竜顕現・希望は暗闇の中に4

 

 

『何故だ、何故!外れたっ!?』

 

 あり得ない。その光景にスタート自身は動揺する。確実に貫くという意志の下DNLで制御されたビームの軌道は、何故かその標的となったヴァイスインフィニットのすぐ横を通り過ぎていってしまった。

 おかしい。直感でその原因が先程生じた奇妙な違和感にあると理解する。あの一瞬で、何かをされた。誰に?目の前にいるヴァイスインフィニットか、後方に置いて来た赤の機体、可能性としては金色の機体だろうか。

 いずれも確認するには時間がかかる。ヴァイスインフィニットは攻撃が外れた後咄嗟に距離を取っている。金色の機体と赤色の機体は未だに損傷から復帰しておらず、ダメージコントロールと復活に意識を向けている。それらの可能性は低い。

 ならば、一体何が邪魔をしたというのか。眼前で警戒を続けていたエンドに怒鳴り声で問いただす。

 

『貴様か、エンド!コントロールをG-Arcで奪ったのか』

 

『何の話だ。G-Arcはあの二機を扱うために使っている。貴様が単に外しただけのこと……』

 

『そんなものが方便なのは分かっている!貴様が、G-Arcをこちらに向けて使った。フン。有効な防御策だ。しかし、一度見てしまえばもう同じ手は通じん!』

 

 DNL能力を拡張する。遠隔操作中のエクスターナル・メガビームランチャーを呼び戻し機体とリンク。直後命令プログラムを流し込み、ヴァイスインフィニットの扱うG-Arcシステムの命令をカットするように調整する。

 これでもう同じことは起きないはずだ。その確信を以って再びヴァイスインフィニットに宣告する。

 

『今度こそ、貴様を葬る。同じ攻撃で、屈辱を受けるがいい』

 

『そんなにヒントを与えるなら、回避も容易い!』

 

『そう思うかな?』

 

 今度は加速を付けて構える。まずはメガビームランチャー自体の打突でヴァイスインフィニットの動きを抑制する。届かないと思われていた距離からの攻撃を咄嗟に防御するが、それに構わずメガビームランチャー自体を投げ飛ばして上へと防御を弾く。

 その直後懐へと飛び込み拳を握る。スレイヴ・ファングクローを装着している今より凶悪な質量兵器としてヴァイスインフィニットの胴体を殴り、息を吐かせる。

 

「がぁっ!?」

 

『このまま、打ち上げるっ!』

 

 宣言通りヴァイスインフィニットの機体を力づくで打ち上げる。ヴァイスインフィニットの機体は空へと上がり、そのまま逃げようと試みる。

 だがそれを思うようにさせないように、追撃の広域拡散の波動型のビームを掌から放って、動きを封じる。そこに再びDNFオルフェウス・スターフォールの発射を宣言した。

 

『DNF、オルフェウス・スターフォール!!』

 

『DNF「オルフェウス・スターフォール」』

 

 先程の帰還で既にエネルギーはリチャージしている。再度の砲撃が放たれようとする。ところが、今度は発射を指示するその腕自体に異変が生じる。

 振り下ろそうとした腕が変に邪魔されて横へずれる。その振り下ろした方向に合わせるようにしてオルフェウス・スターフォールの弾道はずれ、あらぬ方向へと撃ち落とされてしまう。

 またしても回避に成功したヴァイスインフィニットは後退しながらも困惑した様子でランチャーとシュバルトゼロを交互に見ていた。

 今度はエンドが困惑した様子で問いかける。

 

『何をやっている。遊んでいるのか?』

 

『そんなはずがないだろう!?やったのは貴様だ!?シュバルトゼロを操る能力が……ちぃ、なんなのだ』

 

 今度はシュバルトゼロを操ったのかと疑う。しかし自らの中でそれは否定された。

 かつての戦いの中でシュバルトゼロをヴァイスインフィニットが操った場面は存在しない。そもそも当時のエンド自体がそのような戦法を嫌ったというのがあったが、シュバルトゼロ側の強固なプロテクトで防護されるのが常だった。

 それを、今のエンド単体で出来るとは思えない。エンゲージシステムはダブルとはいえ不適合。こちらはエンゲージシステムを発動していない。それらが重なって、こちらがかなり性能上不利だとしても、パイロットとの相性と相乗されたDNL能力で上回るはずだった。

 実際二度もDNFを当てられる状況まで追い詰めている。反撃が間に合わないタイミングで必殺の一撃を放った。それなのになぜかそれだけは決められない。邪魔をされる。なぜ?

 あのタイミングで自身の気が緩んでいるとでもいうのか。タイミングよくどうして邪魔が、殺させようとしないのか。と、そこで気づく。

 

『……まさか?』

 

『?』

 

 そう言ったところで、異変を実感した。乗っ取ったはずの意識に波が立つ。支配の感覚が揺れ始める。苦しむ声が上がった。

 

『がああっ!?何だ、この気持ち悪さは……!?やはり、そういう、ことか……っ!?』

 

 言いようのない苦しさ。自分の中から「何か」が上がってくるような。胃液が上がってくるような感覚が頭の、思考の中から出てくるような感覚を覚える。言ってみればその感覚は、本来自分がやっていることに近かった。

 だからこそ気づく。何が上がってきているのか。何が起こっているのか。それを必死に食い止めようとするが、遅かった。

 

『ぐ、おぉぉぉ!?これは……』

 

『スタート!?これは、チャンスか?』

 

 エンドが攻撃の姿勢を取る。そのタイミングで、不意に声が響く。ヴァイスインフィニットの現パイロット、神治にとって目障りとも言えるあの声が。

 

「―――――ようやく、たどり着けたっ!」

 

「なっ、その声は、お前は!?」

 

 それは紛れもなく、真のスタートが取り込んだはずのパイロット、黒和元の声だったのである。

 

 

 

 

 黒和元は、飲み込まれたはずだった。真のスタートによって、シュバルトゼロの隔離領域に。以前にも緊急離脱的に飲み込まれた領域。そこでは抵抗すら出来ないはずだった。

 しかし、以前とは状況が違った。以前元はここに意識が薄くなった状態、消耗した状態で飲み込まれていた。だから抵抗が満足にできなかった。しかし、今は違う。

 消耗してるとはいえ、まだ気力で耐えられている状況。まだ生きている。DNL能力を十分に使える。だからこそ、抵抗した。完全に領域に閉じ込められる前に外へ、身体へと戻れる道を見つけ出し、外へと出た。

 領域から外に出て、身体に戻るまでには時間がかかった。しかしあらかじめ作戦を伝えていたクリムゾン・ファフニールの導きのおかげで、今こうして、スタートの意識に割り込む形で、再び制御を取り戻した。

 戻ってきたという事実にスタートが拮抗しながらもあり得ないと口にする。

 

『馬鹿な、あり得ない。確かに飲み込んだはず!?もうこの体は、私のものなのだぞ!?』

 

「ふざけるな。お前はもう死んでる。過去の人間が、竜人族が、未練たらたらしく今を生きてる俺達の邪魔をするなよ。ジャンヌは、レイアはお前と同じ竜人族の末裔なんだぞ」

 

『そんなこと知れている!人質になった者など、足かせにすぎんよ。それに感けていられるほど英雄は暇ではない』

 

「そうかよ!」

 

 スタートの言葉を一蹴し、未だ攻撃態勢だったエクスターナル・メガビームランチャーを手元に強制的に呼び戻す。攻撃態勢の解けた状態を見てエンドが状況を整理した。

 

『まさか……我ら英雄の意志を、跳ね除けたというのか。黒和元』

 

「楽じゃなかったさ。けど、クリムゾン・ファフニールのおかげで取り返せた。お前を殺してしまったら、意味がないからな」

 

 もちろんヴァイスインフィニットが撃墜されるのを防いだのは俺自身だ。撃墜しようとしたスタートの攻撃に割り込んで制御し、攻撃を外させた。

 撃墜するしかないなら撃墜もやむを得なしだったが、まだその段階ではない。だからスタートの邪魔をした。それだけだ。

 その邪魔をされたスタートからは不評が飛んでくる。

 

『何をやっている!?敵を殺すことこそ、魔王と名乗った貴様の役目ではないか。それをやってやろうというのに、貴様は!』

 

「黙れ。俺は、敵を滅ぼすだけだ。その為に、人質を無意味に殺すことはしない。お前みたいに、効率よくなんて言葉で片付けない!」

 

『お人よしが……!私のその結果が、あの機竜創世記の結果でもあるのだぞ!それが間違っていたからこそ、今の私がある!そんな考え!』

 

「それでも、俺はあいつの、お前達の戦いまで間違っていたなんて、まだ思いたくない。理由があって戦ったお前達の戦いを否定しない!」

 

 今までのスタートに向けての言葉を、真のスタートにも告げる。説得できる相手でないのは分かっている。それでも告げる。

 それを聞いていたもう一人の英雄であるエンドも真のスタートと同じようにその考えを嗤う。

 

『敵に対して塩を送るか。貴様は何処までも、理想論を語る。あいつと同じだ』

 

「エンド……」

 

『その状態で戦うのなら勝手にしろ。だがそれは、弱さの強まった姿。今までと同じではない。その余裕を、この状態でも言えるか?』

 

 エンドの言葉が示すように後方から結晶の音が響く。後方カメラで確認するとそこには串刺しの状態だったタイプ[リズン]が復活していた。

 突き刺さっていたブレードガンⅡは手負いのシナンジュ・ゼロン・ハルが抜いていた。完全に戦闘態勢を立て直していたタイプ[リズン]もまた戦線に復帰する。

 更に機体、身体自体も未だ真のスタートは制御を取り返そうとして来ていた。それを阻害しながら、戦闘しなければいけない。考えただけで気が遠くなりそうだ。それでも元は戦う姿勢を崩さない。

 もっと苦しんでいる奴が、あそこにいる。その想いに、応えてやることは出来なくても、報いてやるために、エンド達に向けて布告する。

 

「来るなら、とっとと来い。それでも俺は、戦う!」

 

「なら、殺してやるよぉ!」

 

「今までの分を受けてみろっ!」

 

 気性の荒いジョセフと神治の声と共に、リズンとヴァイスインフィニットエアレーザーの同時攻撃が襲い掛かる。その攻撃を元は機体の各部スラスターと右手に構えたメガビームランチャーを上下反転させて起動させたスラスターで緊急離脱を図った。

 大きく飛び上がって攻撃のを避ける。そこにリズンが急加速して迫ってくる。ビームシールドを媒介にしてはなってきた超次元現象の輪。それを咄嗟にシールドカノンで迎撃しようとする。

 ところがそこを、再び真のスタートに主導権を握られる。

 

「ぐっ!?」

 

『貴様の操縦で殺されてたまるか!全弾薙ぎ払う!』

 

 銃口を前へと構えなおしたメガビームランチャーを構えて照射で薙ぎ払う。薙ぎ払いの攻撃はリズンへと迫るがそれをジョセフは避ける。だが照射は続けられ、それがヴァイスインフィニットを狙う。

 神治もそれに気づいてすぐさま退避する。その照射の間にリズンに迫られる。攻撃を停止してスタートは掴みかかってきたリズンにビームランチャーを投げ捨てて展開したビームクローで受け止める。

 両者の超次元現象と高純度DNによる激突の火花が散る。その間にヴァイスインフィニット、更にシナンジュ・ゼロン・ハルから機体のビットが飛ばされ、こちらを包囲する様に迫ってくる。

 さすがに包囲されれば不利と判断し、完全に囲まれる前にスタートは素早くリズンをあしらい、蹴り飛ばす。機体がビットとなった両刃剣と衝突する。

 

「ぐっ!邪魔だぞ、このビット!」

 

「お前が突っこんできたんだろ!」

 

 敵が言い合う中、真のスタートはクリムゾン・ファフニールのノイズウイングを大きく広げる。飛ばす態勢を取りながら言い放つ。

 

『薙ぎ払う!』

 

 光翼を伸ばしたまま、シュバルトゼロクローザーが一回転する。その間に翼から光の針が放たれながら周囲を攻撃する。一度回転してから、更に反対にもう一回転。文字通り薙ぎ払う形で周囲のビットごと、リズンをもう一度撃破近くまで追い詰める。

 注意を向けようと攻撃してきていたシナンジュ・ゼロン・ハルを無視して、真のスタートはヴァイスインフィニットエアレーザーへと詰める。ビームマシンキャノンをばら撒きながらその手のメガビームランチャーで精確に狙い撃つ。

 

「クソッ、しつこい!これで!」

 

 弾幕をうっとおしく思った神治がランチャーを三本一斉射で打ち消しにかかる。しかしそれを見切っていたスタートは攻撃を躱し、素早くシールド上部のメガビームキャノンで狙撃、疑似エレメントで防御しながらも態勢を崩したそこにメガビームランチャーを向けた。

 

『消えろ、次元の塵と成れ!』

 

 再び撃墜しようとビームを放つ。しかし今度は間一髪で元が主導権を握り返し、再びビームは照準がそれてヴァイスインフィニットのシールドを直撃するにとどまる。

 奪い返されたことにスタートが抗議する。

 

『貴様!また!』

 

「っ!攻撃、来るっ!」

 

 スタートの喧騒に耐えながら攻撃に転じてきたヴァイスインフィニットの対処に入る。腰のカッター兵装を振りかぶってこちらを切り裂こうとして来ていた。

 神治のこちらの弄びに対する怒りが爆発する。

 

「一々癪に障る!どっちも消えちまえ!!」

 

「ふっ!このッ!!」

 

 それを今度は元が一回転して避ける。そのまま回転により勢いの付いたメガビームランチャーの砲身でヴァイスインフィニットを左から強打して吹き飛ばす。

 無茶苦茶な迎撃ではあったものの効果はあり、ヴァイスインフィニットを素早く後退させることに成功する。シュバルトゼロも体勢を整える。

 もっとも戦い方に対してスタートから非難が集中する。

 

『凡人如きが戦うな!そのような戦い方で、英雄が務まるとでも思っているのか!』

 

「生憎、英雄なんて俺には相応しくないんでね」

 

『魔王を名乗っているのだろう!これはただの素人の戦い、場当たり的な対応にすぎん!』

 

 言って再び制御を奪って来ようとする。それを何とか抑え込み、直後復活したリズンの攻撃を避けて一度距離を取る。

 ヴァイスインフィニットにリズン、シナンジュ・ゼロンが合流する。激しく拮抗するスタートは準備を整えた彼らを指して叱責する。

 

『今頃ならば、既にここにいる三機の内、一機は消しているのだ!それを貴様は人質などに気を取られて!』

 

「人質を救えないやつの、どこが英雄だよっ。そんなの人殺しの英雄だ」

 

『物の見方だ。一人二人を犠牲にしても、それで数百万の人間を救えばそれは英雄なのだ!』

 

「そんな理屈!」

 

 スタートの物言いを否定する。しかし敵対するエンドもスタートの考え方を聞いてある意味正しいと説く。

 

『スタートの言い分は間違ってはいない。そういう世界にいたのが我らでもあった。だがかつてのスタートは、それでも甘い理想を掲げてはいたがな。今の貴様は、飢えた狼だ』

 

『貴様とて、今はその道を選んだだろうに。気高さを求めていたお前が、今は愚鈍な悪人と手を組んでいる』

 

『散々言うが、彼らは必要な存在。愚鈍な悪人ではない。革命に熱意ある者達。それを導くのが今の私の英雄像だ』

 

 自身の英雄像を熱く語るエンド。ゼロンによってこの日本を変える、あるいは黒幕を討つという姿勢を崩さない。

 そして神治達も変わらず元達を葬ることだけをただ考え、殺してやると口にし続ける。

 

「無駄なあがきをするな!俺の贄になれ!」

 

「贄とかどうでもいいから、とっとと英雄を殺させてくれよ!」

 

「君は危険だ。ゼロンというものを受け止める器として、ここで討つ。次で終わりしたいものだ」

 

 そんな血気盛んな彼らと、同等と言えるスタート、エンドに対して俺は文句を言った。

 

「負ける気はないし、お前達の思い通りにもさせるつもりもない。まだこれで終わりじゃない」

 

「何だと?」

 

『ほう。ならばその奥の手見せてみろ。その足手まといの英雄で、何が出来る』

 

 スタートは確かに今、足手まといと言える。強さは確かだが、考え方が極端すぎる。このままでは制御しきれない。

 ならばどうするか。その答えを既に元は見つけていた。クリムゾン・ファフニールと表側のスタート、そして勇人の証言で、既に回答は見つけていた。

 真のスタート、いや、裏のスタートに向けて話す。

 

「スタート、お前は、俺の知ってるスタートの、持っていない記憶も持っているやつだったよな」

 

『散々言っているだろう。私は、要らぬ記憶をすべて捨てた完璧たる英雄。甘さなどない、全ての戦いに勝利し、終止符を打つ存在!』

 

 仰々しく自らの存在を誇示するスタート。本当に自分達の知るスタートとは根本的なところが違う。しかし、これまでも似たところはあり、それがスタートなのだと分からせていた。

 しかしそう尋ねたのは別の意味があった。実際に裏のスタートからその言葉をもう一度聞いておきたかった。確かめたかった。こいつが本当に、スタートの裏の存在なのか。欠けたもう一人なのか。

 それが分かった時、ようやくこの段階に行ける。クリムゾン・ファフニールに提案し、荒唐無稽とまで言われた夢理想。けれどもそれは今実現できる可能性を秘めている。心配すれば終わり。だが、あいつなら、俺達のスタートなら出来ると信じる。

 それを期待して、元は言った。

 

「そんなに自信があるんだな。お前が完璧な英雄だって。なら、示してもらおうじゃないか。実際に、どっちが強いのか」

 

『……何だ?』

 

 訝しむスタート。空いていた左拳を掲げる。拳にDNが集中する。DNFほどではない、だが明らかに破壊力を込めた攻撃をしようとする行いだ。

 それを見て身構えるエンド達。攻撃が来ると思ったのだろう。そしてその拳が振るわれる。

 

「俺の答えは、表のスタートが勝つ!それだけだ!」

 

『!?ぐっ!?何をッ』

 

 衝撃が機体を襲う。左拳がシュバルトゼロの噛み付かれた頭部、その牙の部分に叩き付けられた。破片とスパークが飛び散る。

 自傷行為に戸惑いを見せるエンド。神治達も動揺する。

 

『何だ!?何をしている!?』

 

「自分自身を殴った!?馬鹿かこいつ!」

 

 理解できないであろう行為。自棄を起こしたのかと思うだろう。しかしこれは自棄ではない。賭けだった。

 痛みをリンクしていたスタートがいきなり行われた行為に腹を立て問いただす。

 

『何をやっている!私を殴ったのと同等の行為だぞ、これは!』

 

「ははっ、普通なら不利になる行為だ。カメラが少し壊れちまった。けど、すぐに分かるさ」

 

 すぐに分かる。その元の言葉通り、変化がすぐ現れた。スタートが呻き出す。

 

『ぐっ!?ぐうううぅうぅぅくっ!!なんだ、私の、意識が……あぁぁっ!!』

 

『っ、スタート!?何が』

 

 エンドが思わず声を上げる。やがて周囲に発していたスタートのプレッシャーの圧が消えていく。スタートの声が断末魔のように叫んで小さくなっていく。

 

『黒和元、貴様何をおおおぉぉぉぉぉぉ………――――』

 

 完全に裏のスタートの声が途切れる。すると元の方にも変化が訪れる。

 軽い負荷となった機体操縦。先程までのスタートによる圧もない。完全にどこかへと消え去ったように自由に動ける。

 楽になった機体でヴァイスインフィニット達と相対する。まだ何が起こったか分からずにいるエンド達に対し、元は言った。

 

「さぁ、ここからは時間の勝負だ」

 

 

 英雄が帰ってくるその時までに、自分が倒れないようにする勝負の始まりだった。

 

 

NEXT EPISODE

 




EPISODE100はここまでです。

レイ「元君来たー!!裏スタートをどっかに閉じ込めちゃったよ。これでシュバルトゼロを心置きなく動かせる!」

ジャンヌ「それは確かに良いこと、なんですが……勝てるんですか、これ」

無理でしょうね(;´Д`)

レイ「ダメじゃん!?どどどどうするの?」

ジャンヌ「落ち着いてください、レイさん。最後の方に答えが書いてあります。英雄が帰ってくるその時までって」

レイ「本当だ。もしかして、スタートが帰ってくるってこと?」

ジャンヌ「どうなんです?藤和木」

そこは次回以降のお楽しみ。どういう形でスタートが帰ってくるのかも含めてね。

レイ「うう~。でもでも、元君も裏スタートと負けず劣らずの戦闘を展開したね。邪魔されながらも攻撃を繰り出してたし」

ジャンヌ「何度か殺そうとした裏スタートの動きを邪魔してなおかつ直撃しないように立ち回る。やはり元さんはちゃんとジャンヌ・Fさんとレイアさんを救うつもりがあったんですね。ちょっと心配していたんですが、その心配は無用だったみたいですねっ」

まぁ……多少危ない賭けなんですけどね(;´・ω・)間に合わなかったら死んでいたわけですし。

ジャンヌ「やめてください、言ってから思いましたよそれ……間に合わなかったらすべて無駄になるって」

レイ「あーでも間に合って良かったねってことで!で、確か次の更新も私達後の方なんだよね?」

そうそう。それに合わせたいのもあって今回二人には後半に来てもらったんだよね。

レイ「うーんでもなんで?」

ジャンヌ「わざわざ見てもらいたいものがある、とか?」

その通りでございます。二人にコメント欲しかったってのはあるから、次はね。

レイ「そっかぁ。じゃあちゃんとコメント出さないとね」

ジャンヌ「台本決まっているところはあるんですけど、たまにアドリブ入れたりしてますからね。こういうのみたいに」

とまぁ今回はここまでです。

レイ「次回、どうなるかな~?」
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