ネイ「平成最後の投稿って、本当に平成最後の日にするんですね……アシスタントのネイ・ランテイルです」
グリーフィア「んー、その流れからして作者さんひょっとして令和初の投稿は明日にするつもり?アシスタントのグリーフィア・ダルクよ♪」
あ、例にもよって考えたんですよ。ただ明日は少し忙しいので多分ない……多分(´・ω・`)
ネイ「多分って……」
グリーフィア「曖昧ねぇ……ま、でも明日はなくても、作者さんの事だから早めに投稿しそうだけれどっ」
まぁ、令和最初の投稿はなるべく早めにはするつもり。さて、令和を締めるお話はEPISODE25です。
グリーフィア「前回は元さんがアレクと決闘に臨んだ場面だったわね。何かあっちには秘策があったみたいだけど……」
ネイ「あと、控室をレドリック親衛隊の人が襲撃したりしてたね」
さぁ、波乱がありそうなEPISODE25をどうぞ!( ゚Д゚)
「ドラグディアの本気……ですか。一応こっちも、ドラグディアの総力という意味でいえばそうだと思うんですけどね」
アレクの本気宣言に、ツッコミを入れる。元の言う通り、こちらもまたドラグディアの最先端技術を用いて改修された機体。どちらも現在のドラグディアの総力を集めている。しかし、そうではないことをアレクが語る。
「機体だけなら、そうかもしれない。だが、俺達ドラグディア軍は、ドラグディアの全国民の命を背負っている。それを、どこからか現れた英雄気取りに、簡単に超えさせはしない!心意気の問題だ!」
「なるほど、そういうことですか。でも、こっちにだって背負っているものがある。恩人の為にも、これからの明日の為にも、俺は勝つ!」
互いに背負う者。負けられない戦いが、そこにある。それを聞き、アレクは不敵に笑う。
「ふっ、いいだろう。なら、この力、見せてやろう!!」
機体に力を込めるようなポーズを取るアレク。すると、機体の各所にあった増加装甲がわずかに動く。そしてその力を、輝く粒子を放出し出す。
「何!?あれは……粉?」
元が最初に思ったのは、粉のようという感想だ。金色に輝く粉が、ドラグーナ・アレキサンドルの増加装甲から機体に噴射されていた。粉を散布され、機体は徐々に金色となっていく。更にその金粉は機体の周囲に広がり、やがて元の周囲までも覆い尽くしていく。
なんだ、これ。最初は機体を覆っていたみたいだけど、今じゃこっちの視界を……まさか?
元は今までゼントやMS戦術論の動画から、とある結論を出す。アレクが一足早く口にする。
「これはビームコーティング剤。ビームの威力を減衰させるための兵装。本来は機体にコーティングを施すためのモノだ。だが、それを今、完全に放出した。通常は拡散して、効果は一瞬だが、今この閉鎖空間ならば……!つぇい!!」
「何!?」
視界不良の中、突然襲い掛かるアレキサンドル。その手にシールドから新たに構えた二振りの実体剣を構え襲い掛かってくる。攻撃を寸前で回避する元。すぐにブレードガンをライフルモードに構えなおし、射撃を放つ。しかし……。
「んな……!?ビームが消えた!?これは……」
放たれたビームはすぐに減衰してしまう。なぜと思った矢先、その理由に気づく。アレクが撒いたビームコーティング剤、それが今、元のガンダムのビームを阻害する障害物となっているのだ。
気づいた元に、アレクがそのロジックを明かす。
「ビームコーティングは本来、機体に塗布して使用するもの。だが、こちらのコーティング剤は、更なるビーム減衰の為にDNをコーティング剤分子の中に織り込んでいる。おかげで微風程度でも辺りに留まる……はぁ!!」
「く、このっ!」
解説をしつつ、2本の実体剣を振りかざすアレク。ブレードガンをブレードモードに切り替え、元も応戦する。だが、鍔迫り合いになった直後、瞬時に身を引いたアレキサンドルが繰り出した回し蹴りが、ガンダムの手からブレードガンを弾き飛ばす。
ブレードガンには目もくれず、元は瞬時に距離を取る。距離を取ってから肩部増加アタッチメント付き装甲の収納スペースから、ビームサーベルを取り出す。ところが発振してもその刃は短く、また弱々しい物だった。
「くそっ、これもコーティング剤の影響だってか!?」
『なるほど、ビーム撹乱幕と同じ効果を得ている、ということか。しかもコーティング剤に色が付いているから、同時に視界も奪ってくる。……これは一本取られたぞ、元』
スタートが感心したように状況を読み取る。今思えば確かにこの散布された状態、すっかり視界は金色一色、金色となった相手の機体も相まって姿が非常に見えづらい状況だ。先程の攻撃も姿に気づくのが遅れてしまっていた。まだ戦闘に慣れていない元にとって、この状況は非常にやりづらかった。
おそらくビーム兵器は軒並み使えない。使えるとしたら、背部のハイブラスターくらい。けど、あれだけの威力でもかなりビームが減衰するだろう。それを見越してあの兵装とは、相手は既にこの状況を予測してたってことか……。
こちらにも実体兵装はある。だがミサイルは先程の戦闘で既に撃ち尽くしていた。残るブレードガン・ニューも左右にそれぞれ1本ずつ。シールドのブレードはまだ使用していないが、若干取り回しは辛いところがある。対抗できないわけではないが、それでも元としては、ミサイルは欲しかったというのが本音だ。
しかし、相手も今まで使用していた実弾兵装はほぼすべて落としたか使わせた。黄金の粉の中で身を潜める中、射撃攻撃が飛んでこないのが何よりも証拠だ。だからこそ、突然飛んできた実体弾がその安心を吹き飛ばす。
慌てて前に転ぶ形で弾丸を回避する。襲い掛かって来たアレクの機体の手には、先程落としたランスが握られている。
「この瞬間に拾ったか!」
そう叫びつつ、元は両手にブレードガン・ニューを構える。そしてその一撃を交差させた二本の銃剣で防ぐ。火花が散る中、アレクが叫ぶ。
「ダメだなぁ。こういう展開で、落とした武器に注意しないとは!」
ある意味ブーメランとなる発言を掛け、再び退くアレキサンドル。その機体は再び黄金の粒子の中に姿を消す。元は周囲に気を配る。そしてわずかな音のした右方向に剣を構えると、その方向から再びアレクのドラグーナ・アレキサンドルが襲撃を掛けてくる。
その急襲を再びブレードガンで防ぎながら、元は指摘する。
「よく言う!さっきこっちの武器でダメージを受けたくせに!」
「それを言われると、こっちも立つ瀬がないな。しかし!」
元の指摘に肯定するアレク。だが言い切ると同時に槍でガンダムを弾き飛ばす。元のガンダムの左手から3本目のブレードガンがこぼれ落ちる。間一髪で逆手の形で握り直すが、右側から強襲してきたアレクのランスが、咄嗟に構えたシールドに火花を散らせる。
その戦法は完全にヒット&アウェイだった。しかも風景に同化していて、機体のカメラもその姿を正しく捉えきれていない。これほどの戦法を有していたのは、元達にとっても予想外だ。それでも元は必死に食らいつく。
「っ!せぇやぁ!!」
「なっ!?」
後方から攻め入ったアレクに左手のブレードガン・ニューを弾き飛ばされる。だが、それと引き換えにランスの根元付近にブレードガンを突き立て、破壊する。爆発と同時に両者が共に距離を取る。
(まずは槍を潰した。けど……)
距離を取ってから元は周囲を見渡す。若干濃度が低くなってきた気もするが、それでも機体の姿を完全に捉えるに至らない。今度は真正面から片手剣の神速の突きが襲ってくる。
正確無比な攻撃を、機体スラスターを駆使して回避する元。だが徐々に攻撃はガンダムの機体を掠めてくる。しかも攻撃も機体関節部近くを狙っており、なかなかいやらしい。実体剣とはいえ、狙う場所が狙う場所。回避に徹しなければ危険なのは明らかだ。
何度目かの回避で元は反撃を行う。振り切った瞬間に、一気に振り抜く。ブレードガンと相手の実体剣が切り結ぶ。だが、その刹那。
「遅い!!」
「ぐあっ!?しまった」
払いのけるように振った実体剣が、ガンダムの手首を打つ。若干のスパークと共に、最後のブレードガンが地面へと落下する。
すぐに拾おうとしたが、続く連撃から回避するのに精一杯で、ブレードガンはその場に放置される。放置されたブレードガンに実体剣を突き立て、使い物にならなくするアレク。
「これで、残る兵装はそのシールドだな」
「ち……やってくれますね」
アレクの言葉は的を射ている。シールドのブレードが現状相手から使える兵装の1つであるのは間違いない。だが、元のガンダムにはまだ、得意とする肉弾戦、そして一発逆転のDNFがある。とはいえ、相手にはまだ得物があるうえ、DNFより威力が低いものの、威力の桁違いなDNAがあるはずだ。油断は出来ない。むしろ、不利なのはこちらだ。
それを示すように、アレクの攻めが再び始まる。何とかシールドで防御しつつ、反撃の機会をうかがう。だが、その一撃一撃は徐々にガンダムを追い詰めていく。連続した攻撃にガンダムの肩部上部のバーニアが貫かれ、爆散する。
「ぐぅ!!」
爆散直前に分離させ、致命的な被害は免れる。だが姿勢が崩れたところに、アレキサンドルの蹴りが頭部に直撃する。
「どうしたぁ!?その程度か!!」
「くっ!まだだ、まだ!」
反撃の拳を繰り出すも、それを回避し、アレクは胴の装甲の隙間に実体剣を突き立てる。若干のスパークが散る。元はすぐにそれを弾き飛ばす。小爆発が起き、ガンダムの姿勢が崩れる。
決定的な隙が生まれた。それをアレクは逃さない。一歩下がってから高速の切り抜けを繰り出す。
「これで!!」
「ぐぁっ!!?」
シールドで防御しようとするが、その前に機体の胸部に斬撃跡が残る。それと同時に爆発が起こった。
何とか付いて行こうとする元だが、どうしてもリーチの差があった。こちらの攻撃が通る前に相手の攻撃が届いてしまう。シールドも防御に回しているため、攻撃には使えなかった。もしコーティング剤が散布されていなければ、という言葉が元の中で何度も何度も駆け巡る。
やがて、アレクが攻撃の手を止め元に語り掛ける。
「お前の機体は確かに強い。だが、武器を封じてしまえば、この程度!素人が簡単に超えられるとは思わないことだ!」
ガンダムの性能に頼る元の姿を乏しめる言葉だった。しかし元はそれを否定する。
「まだだ、まだ勝負は付いちゃいない!!」
その拳を固く握り、周囲に溶け込むアレクに対しそう叫ぶ。一撃、一撃だけでいい。アレクの機体を捕らえることが出来れば、手はあるのだ。
しかし、現実は甘くない。アレクはため息を漏らす。
「そうか。その覚悟だけは一人前だ。もっとも、勝負は俺の勝ちだ!!」
先刻と同じように突きを繰り出す元。元はシールドのブレードを振りかざす。振りかざした一撃が偶然にもアレクの実体剣を弾いた。だが、隙を作るまいと繰り出した回し蹴りを機体に受け、後方に退く。そして繰り出された斬撃が、機体のブレードアンテナと胸部ダクトに直撃する。ブレードアンテナが両断され、ダクトも裂傷からスパークが散る。
とうとう片膝を着くガンダム。未だに押される状況で、アレクが宣言する。
「さぁ、そろそろ幕を引こうか」
宣言を口にすると、アレクは実体剣を構えなおし、再び攻め入ってくる。元も覚悟を決めてシールドを構えるのであった。
◆
時を同じくして、場所は待機スペースではバァン陣営がレドリック親衛隊とリリー・
バレナー率いるナイツ・ヴィーナスに包囲されていた。小銃を構える親衛隊に、ジャンヌ達は怯える。
何!?どういうこと!?どうしてこんなことに……?何で待機スペースに銃を持った人達がなだれ込んでくるのよ!しかも、証拠を渡せって……わけが分からない……。今ハジメがその証拠の意味を賭けた戦いをしているっていうのに、なんで証拠を渡せって!
困惑に染まるジャンヌの心の声に、答えを口にしたのはグリューネだった。前に出て庇う立ち位置であった兵士達の手を退け、前に出るとその親衛隊隊長に問いかける。
「あらあら、随分と強引ね。貴方も、そしてお父様も。まさか力ずくで証拠を押さえようだなんて」
「力ずくって……まさか、勝負に関係なしに奪おうっていうの!?」
グリューネの言葉でそれに気づく。勝敗に関係なしに彼らは証拠を奪おうとしていたのだ。だが、その認識を隊長の男は咎める。
「奪おうとは人聞きの悪い。最初から勝敗など付いた戦い、やるだけ無駄だ!我らはその後に起こる混乱を取り除くために、証拠を頂くのだ。人道的に、ね」
汚い。ジャンヌは強くそう思った。混乱を取り除くと言っておきながら、結局は勝負に負けるのが怖くてルール違反をしているだけ。彼女の眼には、少なくともそう思えた。
しかし、少し視線を逸らして見たモニターには、徐々に押されるハジメの姿があった。武器を落とし、装甲を切り裂かれる。その姿にはジャンヌも目を逸らしたくなる。しかし、ジャンヌは強い眼差しをもって目の前の危機にその目を向ける。
負けない。ハジメも、わたくし達も。こんなやつらに、ルールすらも破る無法者に、わたくし達は負けたりなんかしない。わたくしにはまだ見なくちゃいけない結果があるから、だから……!
ジャンヌは知らずの内に未来を望んだ。それは、既に自分が捨てたはずのものだった。だが、ジャンヌは今、いつからか怖くなっていた明日を求めていた。そしてネアの手を、無意識に強く握っていた。
そして、それは訪れた。
「さぁ、どうする?」
「決まっているわ。私達は彼の、ガンダムの勝利を願っている。それを邪魔するなんて、私達はしないわ!」
親衛隊の隊長格の男に、キッパリと断るグリューネ。その様は勇ましかったが、男のため息と共に振り上げられた手に合わせ、親衛隊の男達が銃を構える。ジャンヌ達が身構える。喉を鳴らす音がかすかに響く。隊長格の男が全てを終わらせる号令を掛ける。
「やれやれ……ならば、少々痛い目に遭ってもらいましょうか!」
「っ!!」
「ネア、ジャンヌ!!」
ガンドの声が飛ぶ。そして彼女らは銃弾の雨あられに……。
「な!?何だ、何がどうなっている!?」
なることはなく、銃声の代わりに聞こえてきたのは親衛隊達の困惑に満ちた言葉の数々だった。
「く、くそっ!撃てない!」
「ま、まさか
「なんだよ、全員のやつが、同時に起こったっていうのか!?」
慌てふためく親衛隊員達。それらの光景に、ジャンヌとネアは困惑した様子を見せる。そしていつの間にかガンドとゼント、他の隊員数名が彼らに向かって制圧、もしくはジャンヌ達やバァンらを護衛する方に回る。
親衛隊と呼ばれた彼らだったが、他の事に気を取られていればその実力はとても信じがたいものだ。すぐに殴り飛ばされ、ドミノ倒しに倒れていく。だがナイツ・ヴィーナスの面々はただそれを静観しているだけ。共に来たにも関わらず、協力する素振りすら見せない。その動向に、拳を殴り返して護衛の1人を倒した隊長が怒りの言葉を向けた。
「えぇい!何をしているリリー准将!早くこいつらを抑えぬか!!いや、それよりもなぜ貴様らが渡した銃が……」
が、その言葉は鋭い視線を向けた彼女自身の言葉と、振り抜いた剣の一閃で断ち切られる。
「おやおや、私は貴様らの主の言う通りにしただけだ。弾詰まり起こした銃を用意しろ、と。まぁ、そちらからのオーダーは、弾詰まりを起こした「ように見せかけた使用可能な」銃、だったが。卑劣な手はあまり良くないな。―――それと……私も准将だぞ?階級の差を覚えておけ、腰抜け!!」
「っあ!?ぐぁぁぁぁ!?」
振り抜いた細身の剣が、隊長の手の甲を切り裂く。手首にまで達したその斬撃に隊長の男は傷口を抑えて悶える。その上から護衛の男達が抑え込む。既に他の親衛隊は既にガンド達護衛人、ナイツ・ヴィーナスの隊員達、そして一部の親衛隊達によって捕縛されていた。
目まぐるしく変わった状況をジャンヌは全て理解することは出来なかった。ジャンヌだけではない。互いに手を握るネア、それに整備士の人達もこの状況に困惑していた。彼女達以外は、その状況に混乱の様子を見せていない。
ジャンヌ達の不安が未だ残る中、バァンがこの状況のいきさつを語り出す。
「やれやれ……分かっていたとはいえ、銃を向けられるのは緊張するね」
肩を竦めて緊張状態を解く。バァンの姿を見て、リリーは謝罪の言葉を口にした。
「それは申し訳ありませんでした、バァン准将。とはいえ、グリューネ嬢からの指示もありましたから。……それで、証拠は?」
「もうバッチリ!そこの馬鹿隊長の言葉も全部録音させてもらったわ♪証拠を自ら提供してくれるだなんて、ねぇ?」
リリーの確認の言葉に、グリューネはそう答えた。彼女の手にはレコーダーが握られており、先程の会話は全て録音されていたようだ。しかし、ジャンヌは理解に苦しむまま、グリューネに状況の説明を要求する。
「え……何?どういうこと?」
「まさか、これは……グリューネさん?」
ネアは何かに気づいた様子だった。すると、ジャンヌとネアに状況の説明をグリューネが行う。
「安心して、リリーさんと、親衛隊の一部は味方よ。銃をすり替えてもらうようにお願いしたの」
「つ、つまり……グリューネは知っていたっていうの?こうなることを……」
「そういうことね♪ガンドさんも咄嗟に合わせてくれたおかげで、被害ゼロですし」
グリューネは兵士達を捕縛しているガンドにウインクをする。ジャンヌの父親は頭を掻きつつも、苦笑いを漏らす。
「まぁ、全員銃が同時に弾詰まりなんて、普通あり得ないからな。流石にリリー准将が姿を現したときには終わりかと思ったが、合点がいったよ」
本人もジャンヌと同じく知らされていなかったようだが、軍人としての瞬時の判断力が迅速な制圧につながったようだ。加えて、先程まで怯えていた整備員の人達もピースサインを向ける。
「私達は知らされていたけど、戦場に出向かない人が怖がらないっていうのもあれだから、敢えて演技していたよ。なかなか迫真の演技ではあったと思うんだけど、どうだった?」
「えぇ、ばれないかちょっと怖かったですけど、杞憂でした。ありがとうございます、ヴェールさん」
自身と一部の面々に知らされていなかったこの騒動に、ジャンヌはネアの手を掴んだまま、へなへなとその場にへたり込んでしまう。
「あ、あぁ……」
「お、お嬢様っ!?気を確かに!」
ネアがすぐにその体を支える。自身の身の心配はいずこかへ、すぐにジャンヌを労わる。そんな姿に、ジャンヌは返事と共にその様子をカラカラ笑う。
「大丈夫……。もう……分かってる?貴女が今一番緊張感を持たなくちゃいけないのに、わたくしの心配なんかして……。わたくしより大丈夫みたいだし、強くなりましたね」
「それは、その……お嬢様を支えるのが仕事ですから。それを強い、って言っていいのか……。けど、本当におかしいですね。ふふっ」
「おかしいわね。笑いがこみ上げてくるだなんて……うふふ」
2人が平静を取り戻したところで、リリーがジャンヌの前にやってくる。そしてまだ終わりではないことを告げる。
「お取込み中の所、申し訳ありませんジャンヌ嬢。まだ、彼の戦いは終わっていませんよ」
「っ!そうだった、ハジメっ!」
慌てて試合を映すモニターに視線を顔ごと向ける。ジャンヌの眼に、未だ窮地から脱することの出来ないハジメのガンダムが、黄金の粉の中にうっすらと浮かび上がっていた。
心配そうに見つめるジャンヌに、リリーは問いかける。
「彼の元に行きたいですか?」
「え……」
「フィールドの端には決闘者に声を届ける待機スペースがあります。そこからなら、彼に声を届けることも出来ますが」
ジャンヌに対し、そう説明するリリー。手を貸すことや、完全な状態にするために何かを行うことは出来ない。だが、言葉だけなら届けることが出来る。かつての自分ならそんなこと微塵も思わなかったであろう提案を、ジャンヌは静かに頷き、頼んだ。
「お願いします、准将さん」
「かしこまりました。ガンド少佐、ご息女をお借りします」
ジャンヌの言葉を受け取り、リリーは立ちあがる。その手を取り、ガンドへと断りを入れる。連れていかれる側のガンドも、二つ返事でそれを了承した。
「はい、よろこんで。娘をお願いします、リリー准将」
「ナイツ・ヴィーナス、後は任せた。……では、行こうか」
自身の隊に指示を飛ばすと、リリーはジャンヌの手を引き、フィールドへと足を急いだ。決闘の決着は、近い。
NEXT EPISODE
今回もお読みいただきありがとうございます。平成最後は逆転の兆しを得て終わりとさせていただきます。
ネイ「……作者さん。一応リリーさんは中立の立場なんですよね?」
ん?そだよ。
ネイ「……なら、レドリックに協力すると見せかけてグリューネさんのサイドに協力するって、中立じゃないんじゃ……」
レドリックが協力()を要請した時点で中立を脅かしていたから、それを元に振り切った結果だよ(゚∀゚)
グリーフィア「そうね。ルール違反をした相手へのペナルティね♪」
ネイ「あ、姉さんもそっち側なんだ……」
グリーフィア「とはいえ、なかなか役者ねー。油断しきってる親衛隊が間抜けすぎるだけかもだけど」
だから反乱が起こってるんだよ( ˘ω˘ )
グリーフィア「納得だわ~」
さて、今回はここまで。次回は令和後初の投稿だぁ。あと、ジャンヌさん5位だよ、やったー!( ゚Д゚)
グリーフィア「あらぁ、バトスピ公式の詩姫総選挙の結果ねぇ。だけどネイだってベスト10入りよぉ?」
ネイ「ね、姉さん恥ずかしいよ///」
というわけでネイさん、〆をお願いします!(´っ・ω・)っ
ネイ「あ、じ、次回もよろしくお願いしますね!」