ネイ「……あの、藤和木さん」
ん、どうしました、ネイさん(´・ω・`)
ネイ「いえ……まだ私の自己紹介がまだではありますが、それ以前になんで今作読みづらい漢字の名前ばっかりなんですか。どうも、バトルスピリッツのモンスター的存在、スピリットの種族「詩姫」のネイ・ランテイルです」
グリーフィア「それはすごく思ったわ。あと、何で私達が新しくアシスタントに抜擢されたのかーとか。同じく詩姫の1人、グリーフィア・ダルクよ」
(´・ω・`)いや、まぁ……。確かに元君の名前も、「げん」じゃなくて、「はじめ」だからね。ルビ振るの忘れてたよ。今度元君が出てきた時にまた振るね。ちなみに私の名前変更は、前のが文字打つ時に難しいと言われてたので、変更しました。
で、アシスタント変更だけど、気分一新とバランス調整です。
ネイ「そ、そうですか……」
グリーフィア「まぁ、シャイニーとトワゴシ半々なら合わせやすいかもしれないわねー。……主にあなたが」
ぐふぅ(^o^)と、とりあえず、前回のガンダム襲撃からの流れです。どうぞ!
戦場に突如現れた、黒いモビルスーツ。その姿はマキナス側の兵士達にも確認されていた。後方でマキナス軍の全体指揮を執る将兵は、自身の座乗艦にてオペレーターからの報告に耳を傾ける。
「ポイント、D3にて未確認MS出現を確認。最大望遠で出します」
「…………ふむ」
ブリッジ上部のモニターにカメラで捉えたその姿に、顎のナノマシン皮膚をさすりながら唾を呑む。報告には聞いていたが、まさか救世主が本当に戦場に出ているとは。
最初にドラグディアのMSが被害に遭ったのは救いだった。こちらとしても戦力は温存したい。とはいえ、あのMSが戦場に出た時点でほぼ終わりのような気もするが。ともかく最初の犠牲が減らせたことだけは、敵側とはいえドラグディアのMSに感謝せねばなるまい。
状況を冷静に理解したのち、その将兵はすぐさま艦長として、マキナス軍の指揮官としてブリッジクルーに命令を飛ばす。
「全軍に通達。全軍後退。黒いMSは相手にするな。ただし向かってくる場合は迎撃しろと伝えろ」
「了解しました、艦長。……全軍へ通達……」
オペレーターが報告し始めると同時に、今度は別の艦から通信が入る。その人物はマキナス軍の中でも反ドラグディア思想が強く、プライドが高いことで有名な艦長であった。その人物が声を荒げてこちらに命令の撤回を要求する。
『何をやっている、リヴィル大佐!撤退命令を出すなど……!ドラグディアの殲滅ついでにあのMSを捕獲するチャンスではないか!!』
一応、あちらが上官ではあるのだが、今回の戦闘では自分の方に指揮を任される形となっていた。もっとも、軍が彼を敬遠している気持ちはよく分かる。風の噂ではもっぱら汚職に手を出しているとの話だ。軍も彼を切りたがっているのかもしれない。
しかし、自分とて現在はマキナスの連隊を預かる身だ。いたずらに兵を消耗させる気は毛頭ない。仮にあのMSを撤退させる、もしくは捕獲できたとしても、消耗具合によってはこちらがドラグディアに最悪潰されかねない。……しかしながら、現在戦っているドラグディア軍を指揮する、「轟竜騎士」なら、どうかは分からないが。
だからこそ、彼は使命に従う。
「私はこの戦闘におけるマキナス軍の指揮官です。不測の事態に対し、冷静に対応するのは当然であると思われます。特にあのモビルスーツはここ数日、幾度も我が陣営と、敵国ドラグディアのMSを見境なく殲滅した機体。相応の準備がなければ、また兵を失うことになります」
『だからこそ、今ここであの機体を撃墜し、捕獲すべきであろう!!犠牲を払ってでも、あのMSを手に入れればドラグディアなどもはやカス……。そのために費やした兵など、あのMSよりも価値などない!!』
この男、屑だ。もはや軍には不要だな。モニターに映る上官に対し、そう思う。だがここで直接言ってもこちらにしか不利益が無いのは明らかだ。そもそも指揮官以前に機人族として屑だ。リヴィルは目の前の上官に対し、怒りを隠しながらもその言葉に返す。
「……そうですか。では黒いMSの相手は、貴官の部隊にお任せしましょう。その間に我が軍は撤退させていただきます」
『な、何を言っている!?全軍でと言って……』
慌てる様子の上官に、リヴィルは挑発とも言える言葉を添える。
「それに、貴方の部隊だけで捕獲できれば、見栄えがよろしいのでは?」
『ぐっ!貴様……』
「では、失礼」
上官の悔しがる表情が一瞬写ったのち、すぐに回線を切る。同時にオペレーターに彼の部隊からの通信回線を繋がないようにさせ、それを他の味方部隊に徹底させる。
それらを伝え終わると、副長が心配するように声をかけてくる。
「艦長、よろしいので?」
「責任は私がとる。それ以前に私は、この戦闘での指揮官だ。どのみち私は、この戦闘の責任を取らされる。それなら、1人でも多くの兵士を生き延びさせるだけだ」
自分自身の持論を語る。それに対し副長は少し冷めた目をして返す。
「お優しいことで」
「……まぁ、少しでも印象は良くしたいからね」
いたずらをする子供のような微笑みで、発言をする。もちろん本気でそう思っているわけではないが、そうでないわけでもない。しかし、副長はいつもの事のようにため息をつくと、前に目を向け直す。
やがてオペレーターから、あの上官の部隊が前進し始めたことを伝えられると、後退する空中艦の中で、
「―――さて、では見せてもらおうか……。
自嘲気味の発言は副長以外に聞かれることなく、ブリッジに漂う緊張の中に消えていった。
◆
空中に浮遊し、静止した状態のガンダムに対し、大剣を構えるガンドヴァル。ガンドは隙を窺っていた。しかし……。
(こいつの構え……なんだ?)
相対するガンダムの構えは異様だった。両手にビームサーベルのデバイスを持っているが、ビームの発振はさせていない。しかも両腕は下方向に伸ばしているだけ。どこからでも攻撃してくださいとでも見える光景だ。
が、攻撃するという考えを、先程の急襲が阻む。一瞬で背後を取って撃墜するという動き。あの高純度DNがあるとはいえ、察知できないほどの速度で動けるという事実を示された以上、慎重に行動する必要がある。
そもそも、彼自身あの機体を本部から知らされた時、高純度ディメンションノイズが現行の機器の活動を阻害すること以前に、それが存在することなど知らなかったくらいだ。「整備長」によって、ガンドヴァルに対策はしているものの、それでも機体性能差では及ばないだろう。
しかし、総司令部から討伐命令が出された以上、ここで退くわけにもいかない。全力を以て当たるしかない。と思ったところで、アシュガリア小隊の機体が1機突撃を掛ける。フルチャージスタイルの機体だ。
『こんのぉ!!よくもゴラドを!!』
『待て!ワリィ軍曹!』
リュノ少尉の制止が飛ぶもそれを無視して突撃する。ドラグディアの量産機の中でも随一の突撃力を持つ仕様の機体だ。あっという間に距離は詰まり、その穂先がガンダムに迫る。
『ゴラドの、仇ぃぃ!!』
だが、その攻撃は見切られてしまう。ギリギリのところで攻撃を回避したガンダム。そしてその交差の内にランスを構えていた腕の下を通るようにサーベルデバイスを潜り込ませてビームを発振する。それに気づかないドラグーナ・フルチャージスタイルは発振されたビームサーベルにそのまま体を突っ込ませる。
『がぁぁぁぁぁ!?』
『ワリィ軍曹!!』
リュノ少尉の叫びも空しく、ドラグーナ・フルチャージスタイルは自身の機体速度で両断され、爆発する。背後にその爆発を受け、爆炎に照らされるガンダムの姿は、救世主ではなく、悪魔を思わせた。今も争いを続ける自分達を裁きに来たと考えれば、それも辻褄は合うのかもしれない。だがしかし、そうだったとしても彼は退くわけにはいかなかった。国の為、仲間の為に。だが生き残る。家族の為に、そして……。
しかしその対決を邪魔する形で、前方から3機を含めて その空域の敵を掃討するようにビームの光が襲い来る。ガンドはジェンドの手綱部分を引いて翻させる。リュノのドラグーナ・コマンド・ハイマニューバスタイルも我に返ったように射撃を回避する。
攻撃元はマキナス軍のマキナート部隊だ。見ると空中艦3隻だけが前面に出て、後のマキナス軍は後退を行っていた。囮部隊のように思える。ともかく、マキナート・コマンド2機に率いられたMS部隊16機はこちらにけん制を掛けつつ、ガンダムの方に向かっていく。
マキナス軍のMSがガンダムに向かう間に、ガンドはリュノのコマンドに接触する。
「大丈夫か、リュノ少尉」
『お、俺は大丈夫です……。けど、ゴラドと、ワリィが……グッ!!』
その声には明らかに怒りがこもっていた。隊の仲間をやられたのだ、無理もない。すると、回線にアシュガリア小隊のもう1機の隊長機からの通信が入った。通信画面にはガタイの良さげなスキンヘッドの男性の顔が映る。
『ガンド中佐。こちらアシュガリア小隊隊長、シュナウダー・ダリオン大尉であります。現在そちらに向かっています。リュノ少尉、状況は』
それはアシュガリア小隊を率いる隊長であった。隊長からの問いかけに、おそらく分散させたメンバーのリーダーを任されたリュノが、苦しい表情で現状を伝える。
「……現在、黒いモビルスーツと接敵。敵からの急襲、交戦によってゴラド曹長とワリィ軍曹が撃墜……」
その報告の途中で空に爆発の火がともる。マキナートが1機墜とされたのだ。既にマキナート部隊の数は指揮官機合わせて10機にまで減っていた。もしマキナスのMSが全滅すれば、距離的にはこちらが狙われる……。
ガンドはすぐにシュナウダーにとある頼みをする。
「大尉、リュノ少尉をお貸しできるか?」
「え……」
『中佐?構いませんが……まさか、あのMSと!?』
大尉もその考えに気づき、それに頷き返すガンド。無茶かもしれないが、数が欲しいのと、リュノ少尉の腕を見込んでの事だった。あの機体の討伐、それが出来なければ、もしあの機体が無差別に市民を攻撃するようなことになれば、悲劇は避けられない。今後の為にも、ここで撃墜必要があった。
そしてリュノも先程予想外の事に驚きを示すも、はっきりとした口調で隊長に懇願する。
「シュナウダー隊長、お願いします。俺もアイツを野放しには出来ません!!」
若気の至る発想だったが、それが正しいかどうかはこの戦いで決まる。シュナウダーもその返事を聞き、苦しげな表情を見せながらも了承した。
「……分かりました。だがくれぐれも無理をするなよ、リュノ」
「……っ!はいッ!!」
返事を聞き届けると、シュナウダー大尉からの通信は途切れる。ガンドもジェンドを操ってリュノと離れると、再び黒いガンダムを見据える。増援のマキナート部隊が12機追加されていたが、残った機体と合わせても17機。隊長機を失った部隊と合流して態勢を立て直そうとしていた。
マキナス軍が全滅するまで待つのもいいが、それでもこちらの集中力が持つかどうか。時間を消耗させるくらいなら、突っ込んだ方がよい。ガンドは回線を開く。
「リュノ少尉、行くぞ」
『え……もう少し待ってからの方がいいのでは?マキナスのモビルスーツを減らさせたほうが……』
「あちらから見れば、あまり見栄えの良いものでもないからな。それに時間を潰したくないんだ」
少しトーンを低めに返す。あまりこのような手は使いたくはないが、それでも早くこの緊張感から抜け出したい気持ちに嘘は付けない。ガンドはジェンドの背から離れるとバックパックからディメンションノイズを放出して機体を飛翔、加速させる。リュノも困惑が混じりながらも、それに応えるかのように同じくDNを吹かせてガンダムに向けて飛行する。
マキナート部隊は14機となっていた。そして、今また目の前で後方に退きながらビームライフルで応戦していた機体がガンダムに接近を許し、サーベルでその胸部を貫かれる。更にその残骸を飛行していた別の機体に投げ飛ばす。その光景は、先程ガンドが取った行動と同じであった。
受け止める形となったのは遠距離仕様のマキナートだった。しかし、もう既に受け止められた機体のパイロットは死んでいる。すぐにどかそうとした砲戦仕様のマキナートであるが、その前に機体は光の矢に貫かれ共に爆散する。それを見下ろすように撃った張本人の黒いガンダムは、その右手に先に撃破したマキナートのビームライフルを持っていた。だが、すぐに放棄しすぐさま別の機体に狙いを定めようとする。
こいつは危険だ。助けるつもりはあまりないが、ガンドは一気にスピードを上げ、黒いガンダムの前に機体を滑り込ませる。機体が突然現れたことで、一瞬ガンダムが戸惑ったような様子を見せるが、構わずこちらは左手を突き出す。すぐに手を交差させるガンダムだが、そのまま殴りつける。腕に装備する防御用のガントレットに備えられたブースターの加速力も合わせ、防御したガンダムを一気にはじき返す。
しかし、状況は更にややこしくなる。突如後方からビーム射撃を受ける。幸い背部に収められた大型バスターソードが防いだものの、撃ったのは襲われていたマキナスのモビルスーツであった。邪魔をするなら容赦しない、まさにその状況下であり、舌打ちをする。
「ちぃ……?」
だがしかし、その状況は好転する。取り囲むマキナス軍を攻撃するようにビーム射撃が包囲の外から放たれる。それはこちらに救援にやってきたアシュガリア小隊の攻撃であった。予想外の攻撃に加え、態勢を立て直し再度襲撃するガンダムに陣形はずたずたにされてしまうマキナート部隊。それを見ていると、救援にやって来たシュナウダーから通信が入る。
『大丈夫ですか、ガンド中佐殿』
「悪い、助かっ……く!!」
救援に駆け付けたシュナウダーに感謝の言葉を贈ろうとしたところで、咄嗟に左後ろに武器を構える。その時点で黒いガンダムの攻撃範囲まで接近され、大剣の面でギリギリビームサーベルを受け止める。
「ぬぅ……はぁ!」
圧倒的なまでの強襲速度だった。死角からの急接近とはいえ、アラートの鳴った直後に視認できる距離など。これもまた、高純度DNのなせる業だとでもいうのだろうか。しかし、致命傷をもらわなければ問題ない。再び機体を弾き飛ばすと右腕にマウントしたダブルビームライフルを放つ。バレルを短縮している上に本来この機体の得意分野ではない。だがこれは繋ぎの役割だ。踊るように避け続ける機体を、上空からリュノ少尉のドラグーナ・コマンド・ハイマニューバスタイルが急襲する。
「はぁぁぁぁぁ!!」
右手にビームサーベルを構え、一気に振り下ろす。その斬撃が空を切る。寸前のところで黒いガンダムは上体を逸らして斬撃から逃れたのだ。それにより隙を晒したリュノを今度はガンダムが左手のビームサーベルで突きにいく。
しかし、リュノはそれをさせない。
「甘いんだよぉ!!」
機体の右膝側面のジェットブースターを全開にし、各部のスラスターをOSに制御させる。その状態から機体を回転させた。更に攻撃を避けると同時に右足でガンダムの左手を思い切り蹴り上げる。ハイマニューバスタイルの加速状態から放たれた蹴りはガンダムの左手からビームサーベルを叩き落す。
体勢を立て直したリュノは、ハイマニューバの左手にもビームサーベルを抜かせる。そして、一気に攻めていく。対するガンダムは左ウイングのカバーの方に手を伸ばすがその前にリュノのハイマニューバスタイルによる怒涛の攻めにさらされる。
そこでようやく分かる。あのガンダムは機体性能差による不意打ちをメインに戦っていると。量産機体があっという間にやられていく姿や、鍔迫り合いの際機体が押し込まれていくこともあって強いと感じていたが、パイロットの方はそれほど戦闘に慣れていないように思える。現に機体性能で追いつけないとはいえ、同じ機動戦タイプのハイマニューバスタイルに格闘戦を仕掛けられたガンダムは防戦一方だ。しかし、油断は禁物である。
「……よし」
ガンドは先程の激突で小破した「マキナ・ブレイカー」を投棄し、もう1本の「マキナ・ブレイカー」に得物を切り替える。そして鍔迫り合いを行うリュノに後退を指示する。
「リュノ、下がれ!!」
「!はいっ!!」
すぐさまジェットスラスターを吹かせて距離を取るリュノ。ビームサーベルが空を切ったのち、ガンダムは左手に再度ビームサーベルを構える。左ウイングの付け根から取り出したビームサーベルは右の物よりも大振りの刃を煌めかせている。しかし、その蒼い光も既に恐怖の光ではなく、自分達の物と同じ武器に見えていた。
急接近するガンドヴァルに対し、ガンダムはサーベルを構えて待機する。どうやら先程と同じ手は喰わないつもりのようだ。しかし、それはこちらの思うつぼであった。
「残念だが、同じ手は使わない……ッ!!」
機体が攻撃可能範囲に入る。その直前で機体の前面スラスターを吹かせて急減速する。そのタイミングでガンダムはサーベルを振るが、攻撃は空振りとなる。
だが当然こちらも機体は上体が後ろに反り、隙を晒す。その決定的な隙にガンダムはそのまま距離を詰め、
「甘いッ!!」
瞬間、光が両者の間に迸る。のけ反ったドラグーナ・ガンドヴァルの胸部が展開して、そこから光が放射されたのだ。視界を光で奪われたガンダムは光剣を同時に横に振る。しかし、それはガンドヴァルを捕らえることは叶わなかった。
そして、ガンダムの左背後に回っていたガンドは、その大剣を上段で構えて言い放つ。
「さっきの……お返し、だッ!!」
同時に、一気に大剣を振り下ろす。ガントレットブースターに加え、剣自体の増速ユニットを全開にしての攻撃。外せば終わりだが、この機体に逃げられる前に当てるには、それしかない。
位置を察知したのか、それとも予測したのか、機体のウイング部から粒子が噴き出す速度が上がり始める。しかしもう遅かった。
機械殺しとも称される大剣は、ガンダムの左の翼を真ん中から両断した。抵抗はあったものの、まさに叩き切ったことでガンダムは若干バランスを崩す。
直後、切れた翼の先と根元、両方が爆発を起こす。爆煙により、こちらの視界が奪われる。ガンダムを見失ってしまった。すぐにガンドは機体を煙から離す。幸いにもガンダムをすぐに視界に捉える。
その機体はじっくりとこちらを睨め付けているようだった。しかし、斬られたところだけだったスパークがウイング全体にまで走り、バックパック本体からも小爆発が起こり始めると、背を向け、一気にその場から離れていく。
その先で味方機体が止めようとビームライフルを放つも、機体は構わず突破していく。やがてその姿は最大望遠でも確認できなくなったところで、ガンドは大きくため息を吐く。
「……ふぅ。何とかなったか……」
撃破、とまではいかなかったが、十分収穫はあった。あれならレーダーの対策や戦術フォーメーションの組み立てで他の優秀なパイロットで何とかなるだろう。それこそ「速烈の剣士」アレク・ケルツァート少尉や「竜絶の乙女」リリー・バレナー大佐ならば、おそらくガンダムを討ち取れるのではないだろうか。
そう思っていると、今回の功労者の1人であるリュノ少尉が機体を近づけてくる。
『ガンド中佐、お見事ですっ!!中佐と共に戦えて、おまけに仇も討てて……この経験を活かして、もっと強くなりますっ!!』
「それほどでもないさ。むしろ貴官の活躍があってこそだ。おかげで、対抗策も見つかった」
『ほ、本当ですか!?これで、俺もエースの仲間入りに……』
少し先の事を夢見るあたり、まだまだ新兵のようだ。だが、戦闘技能は悪くない。シュナウダー大尉が如何に育てるかだろうが、この先楽しみな人材であることに変わりない。彼の言葉通り、本当にエースになれるかもしれない。
攻撃もなくマキナス軍も撤退していく、はずだった。
「……!グワァウ!!」
「な、ジェンド、何を」
愛竜がガンドヴァルの腕を噛んで引っ張る。唐突なことにガンドもリュノも動揺する。が、その理由を、身をもって知ることとなる。突如ガンドヴァルの目の前を、光の奔流が通過する。同時にガンドヴァルの脚部が飲み込まれ、ハイマニューバスタイルの姿が機体ごと光の中に覆われる。
『あ――――』
「リュノ少尉!?くっ」
リュノの機体は光の奔流に飲み込まれ、更に大きな爆発を引き起こす。光の正体は大出力ビームであった。方角からして間違いなくマキナス側だ。その方角を向くとマキナスの空中母艦が3隻、こちらに連続してビームを放っている。
その攻撃を咄嗟に救ってくれたジェンドは、背にガンドを乗せてから攻撃をすり抜けていく。だが、このままは流石に辛い。いずれ直撃して……。
しかし、その時は来なかった。あり得ない方向から光の矢が3本、砲撃する空中艦のエンジン部を貫き爆発を起こす。更に同じ方向から左右にいた艦のブリッジを正確に射貫き、撃沈させる。
「な、何……?」
なぜマキナスの空中艦が、マキナス軍側の空から放たれるビームに撃たれるのか。可能性としてはただ一つ、裏切りだ。しかし、それが果たして今撃ちこんでいる者がしているのか、それとも撃ちこまれている方が裏切ったため、その後始末なのか。
状況を確認すべく、ガンドはビームが放たれた空を見る。そこに見えたのは、蒼と白のカラーリングをした、1機のマキナートタイプのMSの姿。そして最後の1射を残っていた中央に陣取る艦のブリッジ付近に直撃させたのち、離脱する。マキナスの空中艦は爆炎を上げ、最後に大きな爆発を引き起こして散る。
ガンドはその様子をチラリと見たのち、マキナス軍の方を見る。助けられた形となったが、ガンダムを撤退させたことを考えれば、これでお相子だろう。しかしリュノ少尉を、これから育ち甲斐のありそうな兵士を失ったことは痛い。アシュガリア小隊の通信回線からも生き残った隊員達の涙声が響く。
そんな中、隊長のシュナウダーから通信が入る。
『ガンド大尉、ご無事でしょうか』
「……私は大丈夫だ。しかし……」
『……気になさらないでください。非があるとすれば、それは自分の方にあると考えます。自分が行けば……あるいは』
「いや、彼でなければガンダムに一撃入れることは叶わなかった。それを近くにいたのにも関わらず、私は」
謝罪合戦になりつつあった状況だが、その流れを断ち切るようにフリート・ガウルから通信が入る。
『中佐、帰投していただいてもよろしいでしょうか。報告や機体の修復がありますので……』
「分かった。……すまない、これにて失礼する」
『いえ、では』
互いに敬礼をして、ガンドはその場から離れる。ジェンドの背中の上で座るように搭乗する中、ふと視線をガンダムが消えた空へと向けていた。その方角は、ちょうどドラグディアの首都方面である。胸騒ぎがするが、今はともかく帰らねば。
機体の電子空間の中で、ガンドのワインレッドの長髪が揺れる。彼の脳裏には既に愛する家族の姿が思い浮かぶ。特に妻との間に出来た3人娘の内、昔の妻によく似た面影を持つ次女の姿が印象強く映る。
「……昨日は言い過ぎてしまったな……よしっ」
昨夜のお詫びに、ケーキでも買って帰ろうと思う父なのであった。
NEXT EPISODE
今回もお読みいただきありがとうございます。さて、MS戦は一旦終了。ですが、出会い、の一節はまだまだ続きますよー。
ネイ「タイトルをいちいち考えるのが面倒だって、前にもお嬢様の前で言っていましたが、まさしくそうですね」
(´・ω・`)
グリーフィア「けれど、ドラゴンの軍事運用って、他の兵士もやってそうだけどどうなの?」
あ、それについてですが、ドラゴンの扱いが難しくてかなり熟練の兵士のサブフライトシステムとしての活躍に留まるんですよ(´・ω・`)だから、戦場でそれを見かける割合は少なくて、ガンドさんに異名が付いているのもそれが関わっています。
グリーフィア「なるほど、レアなのね」
そういうことです
ネア「けど、それならマキナスではサブフライトシステムが結構活躍してそうだと思うんですが……」
それも理由があるんだけど……それはもう少し後かな。じゃあ、今回はここまでです。
グリーフィア「現在作者君は第3話を書き終えそうみたいよ」
ネイ「でも、相変わらずのストック式ですね」
ごめん、悪癖になってしまってる(´・ω・`)あと、蒼かな攻略中なのよ。ではまた次回!