機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも皆様。夕食前でお腹の減っている、藤和木 士です。

ジャンヌ「なんでかは察してください。藤和木にも色々あるそうです。アシスタントのジャンヌ・ドラニエスです」

レイ「アシスタントのレイ・オーバだよっ。さて、と。第3章遂に始まったねー」

正確には今回からスタートなので、その言葉はあとがきで言うのが正しいと思うんですがね(´・ω・`)
まぁ、ともあれ第3章が今回から始まっていきます。前回からアナウンスしていますが、今章では白いガンダムとの激闘が描かれます……が、今回はその幕間の物語、マキナス軍との戦闘が描かれます。

ジャンヌ「まさしくインターミッションってことですね」

レイ「マキナス軍との戦闘かぁ。前の章でも最後はマキナス軍との対決だったねー。どんなMSが相手になるんだろう!」

いやまぁ、そこはマキナスのMSマキナートとその派生機ですよ……(´・ω・`)あ、ただ今回から本格的に空中母艦が出てきます。後々黒の館DNでも紹介します。
ではどうぞ!


第3章 終わらぬ宿命の始まり
EPISODE30 インターミッション1


 

 

 6月の第4週、この日元はドラグディアの空中艦、ニーベルング級空中母艦の1つ「ケツァール」のMS格納ブロックにいた。この艦は2週間ほど前に結成されたばかりの新部隊「ケルツァート隊」の母艦である。隊長は6月第2週の月曜日、元と決闘を行ったあの男「アレク・ケルツァート」少佐。先の「セント・ニーベリュング市長反逆事件」での功績を受け、昇進した彼が率いる部隊だ。

 部隊員の多くも、同騒動においてアレクもといグリューネ・()()()()()()()側の味方をした若手部隊員を軸に組まれている。そんな部隊の母艦になぜ元がいるのか。それは単純に、彼がケルツァート隊に編入されたからである。元々元は総司令官グランツに軍への非常勤隊員としての採用を請願しており、騒動終結後軍への入隊が認められた。その際部隊への編制を考えられたのだが、セント・ニーベリュング市内を基地とする部隊の多くが元もとい、ガンダムの引き抜きに名乗りを挙げた。その中にはガンドが指揮する「ファーフニル隊」もあり、編成を困難にしていた。

 ではそれらの高い倍率の中で、なぜケルツァート隊へと配属されることとなったのか。それは2つの大きな要因があった。1つは、隊長と元の人間関係面。お互い一度は敵として対決した者同士であるが、死闘を演じた2人の間で確かな信頼があった。信頼という面でいうなら、ガンドは元の家主であるためそちらも候補に挙がったものの、むしろガンドでは良好よりも一歩退いた関係になるのではと懸念され外れることとなった。更に2人ともネアを挟んで関係が強く、適度な距離感と判断されたのである。

 そして、もう1つの要因。これがケルツァート隊の当時の状況と合致していた。それは部隊編成。この時点ではまだケルツァート隊はその隊員の規模を確定していなかった。一応所属人数は親衛隊の対立時に若手20人が確保され、更に新人隊員、空中艦の操縦員や艦長、整備員を入れて80人程度の目途は付いていた。しかし実力が薄い若手、新人隊員もいたので他部隊からの引き抜きを考えられていた段階であった。そんな中、元という期待の新戦力はとても魅力的な話だったのだ。ガンダムという戦力の軸が出来ることもあり、戦力の枠組みがまだ決まっていないので枠を合わせることが出来る。以上の事から元がアレクの部隊「ケルツァート隊」のB班への編入が確定したのであった。

 アレク率いるA班に続くB班は元を含めた10人のMSパイロットで構成されるチーム。その特色は元のガンダムを中心として試作兵器のテストを行う試作兵装運用部隊。元を火力の中心としてサポートする部隊だ。そんな彼らと行う、2回目の出撃前に、元はガンダムの装依を行う。

 機体出力ハンガーの前で、元の体が電子となって吸収される。ガンダムの眼に光が灯る。機体の確認をしていると、隊長のアレクから通信回線が開かれる。

 

「ハジメ、機体状況は」

 

「問題なしです。シールド搭載武装差異無し」

 

「了解した。今度はしくじるなよ?といっても、前のはほぼ事故だが……ブリッジ、ドラグーナ・アレキサンドル、カタパルトに移動する」

 

 やれやれと言った具合に言葉を返す。実は元のガンダムは一度目の出撃時に窮地へと立たされていた。その時は無事帰還できたが、その際装備していた[Perseus(ペルセウス)]はほぼ全損し、素体のリペアのみの状態となっていた。

 [Perseus]とはガンダムの試作武装案の1つであり、シールドを中心とした武装構築案の総称である。名称の由来は古の創世記にて竜の魔物を打倒した英雄の名前だ。彼は手にした盾とおぞましい姿をした竜の首が髪となっていた女性の首を用いて、海の竜の魔物を倒したという。元の知る元の世界の歴史でも同じ名前の古い英雄が、似たような物語に登場していたと記憶している。その戦法にあやかり、ガンダムの装備にもそう名付けられたのである。

 しかし、そのペルセウスには問題があった。それはシールドの重さだ。シールドの中に武装を搭載するというコンセプトが、逆にスピードが取り得のガンダムでは重すぎたのだ。ガンダムの駆動部にも負担がかかり、有り余るはずの高濃度DNでも扱いきれない。

おかげで元を狙って強襲してきたマキナスのあの星剣使い率いる部隊に徹底的な攻撃を受けてしまった。兵器としては失敗とも言える装備群と言えるだろう。しかし武装を投入したガンダム整備士となったヴェール・フリードは諦めなかった。

 武装の設計から見直し、徹底的な軽量化と十分な防御力を兼ね備え、更に以前にはなかった武装群を装備したシュバルトゼロガンダムの仕様。それが[PerseusⅡ]であった。

 

「シールドユニットチェック、問題なし。ウエポンカーゴ動作確認」

 

 元の声に合わせ、シールドが動作を行う。元の体感でも以前よりシールドの軽さが分かる。以前はガンダムの火力を優先したビーム砲満載だったが故のデットウェイトが、内部武装を手持ちの兵装に変えたことでも解消されるのは驚きだ。どれだけビーム火器と運用のためのコンデンサが重いのかが分かる。

 チェック項目を進めつつ、元の機体は移動用ハンガーでカタパルトまで移動する。到着すると同時に機体が降ろされ、カタパルトに脚部を固定される。同じくカタパルトに接続されたドラグーナ系列の一機がこちらに顔を向け、通信回線を開く。

 

『よっし、接続完了。ハジメ、新装備どうだ?』

 

 通信画面に出てきたのは、髪を茶と金のメッシュにしている男性だ。元は彼の問いかけに軽く返答する。

 

「えぇ、問題ありませんよ。前みたいにエースを持ってかれることはないと思いますよ」

 

『へへっ、言ってくれんじゃねぇか。ま、前はまぐれだったとは思いたくねぇけどな』

 

 男性は元の言葉に声を嬉しそうにして返す。彼は元の所属するB班のチームメイト「カルマ・リータ」曹長だ。アレクとは永遠のライバルを自称するほどの仲で、親衛隊の元メンバーである。元と同じ部隊に配属されてからは、元もそのライバル候補らしい。しかし、ライバルと言っても競争相手と書いてのライバルらしく、以前元が危機に陥った時は彼がガンダムに代わって撃墜数を伸ばしていた。

 そんな彼をよそに、反対側のカタパルトに機体を固定した人物がカルマに静かに注意を呼びかける。

 

『カルマ曹長、鼓舞はいいですけど、間違っても当たらないからってガンダムに攻撃を当てることはやめてくださいね』

 

 物静かな佇まいを見せる青年は、少し長い水色の髪とも相まって中性的な印象を見せる。言葉もまたそれを助長しているのだろう。そんな彼は「フォウル・ヴィンド」。同じく元の所属するケルツァート隊のB班隊員だ。彼はスナイパーでもあり、前回のガンダムの撤退に関してもその正確無比な狙撃に助けられた。

 フォウルからの冗談がこもった注意にカルマはムキになって否定する。

 

『いや、流石にそんなことしねぇから!?』

 

『どうだか……まぁ、火力の要はガンダムですから、くれぐれも射線には入らないでくださいね』

 

『俺を落とすのかよ!?』

 

 間に挟まれその話を聞く元は、肩身が狭い思いをする。しかし、戦場もすぐ近くなので、元は話を遮るように当時の礼も踏まえて、今日の出撃でもよろしくとフォウルに伝える。

 

「まぁまぁ、カルマ曹長もフォウル軍曹もその辺にして、今日も支援お願いします。いくらシールドが軽くなったからって、使い勝手もあまり分かっていないので」

 

『へっ、だとよ。フォウル、ガンダムに狙撃当てんなよ!』

 

『その言葉、そのままお返ししますよ。……了解です。くれぐれも無茶はなさらないように』

 

 元の言葉に半々ながらも了承する。このB班はガンダムの運用と支援が重用される。喧嘩するほど仲が良い状況で収まっているのは幸いだが、もしこれがかなりの確執があったとしたら、不安で背中も任せられなかっただろう。

 と、そんな元の不安を代弁する様に、B班隊長の声が通信回線に響く。

 

『おい、話し合いもその辺にして、機体出せよ。後がつっかえてんだから』

 

 ケツァール隊B班の隊長、エル・グレイ大尉。薄茶色の丸刈りが特徴的な、30代の男性である。気さくな性格で、軍に入ったばかりの元を何かと気に掛けてくれる上司だ。元々はアレクの上官の1人でもあり、今回のケルツァート隊結成においても、彼の部下としてB班の隊員をまとめている。

 彼の言う通り、既に空いていた両脇に機体観測手となる2機のドラグーナ系列機が並び、カタパルト5つが埋まっている。サイドに入っているのはティット伍長とシレン伍長。2人で漫才のようなやり取りを見せる2人が、ガンダムの武装運用状況をモニターするのである。そんな2人からも早く出るよう急かされる。

 

『おっそいぞー、3人共ー』

 

『ガンダムが出てくれなきゃ俺達も仕事がないぜ』

 

「まぁ、そうですね。……機体各部オールグリーン。ブリッジ、出撃許可を」

 

 元は機体の確認を行うと、ブリッジのオペレーターに発進許可を要請する。他の4人も、同じく出撃要請を送る。

 

『こっちは問題なし』

 

「こちらもフォウル機、問題なしです」

 

「シレン、問題なしでーす」

 

「ティット、問題なし!」

 

『了解。カタパルト電圧正常。射出タイミングを、SZG[ペルセウス・ツヴァイ]、ドラグーナ・コアトルB2番、3番、4番、5番に譲渡します』

 

 カタパルトに並んだ5機の機体の装依者からの確認に、生真面目な女性の声が返答されてくる。元達の母艦、ケツァールの出撃管制を行う女性、マリー・メヌエット曹長の声だ。彼女からの射出権限移譲を受け、元は出撃体勢を取る。

 

「了解。……黒和元、シュバルトゼロガンダム[ペルセウス・ツヴァイ]、行きます――――ッ!」

 

 コールと共に、ガンダムの射出が開始される。カタパルトの起動でGがかかり、肺の空気が押し出される。それに耐えながら、元はガンダムで艦から発艦する。

 外に出ると、重力が機体を地面へと引き下ろそうと、機体に重みがかかり始める。それに逆らう形で慣性が働く段階でガンダムのウイングスラスターを展開し、飛行姿勢を取る。機体のスラスターから蒼い高濃度DNが放出され、飛行姿勢を整える。

 スピードを調整していると、後方から既に出撃していたアレクが合流する。既に彼のA班は発艦しており、その後方を隊のメンバーが付いてきている状況だ。そのアレクから、機体の状況について視線を前方に向けた状態で、並列して飛行しながらそのまま聞いてくる。

 

『どうだ、機体の感触としては』

 

「良好ですね。前みたいなことにはならないとは思います」

 

『そうか。流石に2連続で、新人を抱えた状態で戦闘と言うのもあまりよくはない。活躍に期待する。大尉、後はお願いします』

 

 社交辞令の挨拶程度の会話を行ってから、アレクは元の更に向こう側に言うように視線を向けてから、離脱していく。その先には既に自分の班の隊長であるエルがこちらの方まで来ていた。

 エルと顔を合わせ、後方に全員が付いてきているのを確認すると、その視線を前方に向ける。そのはるか向こうには、うっすらと見える、マキナス軍の中規模艦隊が見えた。既にMSを発進させ、部隊もいくつか見える。

 こちらへと向かってくる敵部隊。それと相対する元達の耳に、回線で旗艦の艦長による声が響く。

 

 

 

 

『MS隊、迎撃開始!先週の侵攻土地を奪還してやる勢いで殲滅してやれ!!』

 

 

 

 

 そうして、マキナス軍との戦闘が開始された。

 

 

 

 

 今回の舞台は、ドラグディア中央部の最北端に位置する、メレト遺跡の上空だ。先週にマキナス軍がこの土地に侵攻してきたのが始まりだった。この時も元達を含めた3部隊が応戦したのだが、ガンダムの不測の事態により撤退をしてしまっていた。いわば、この戦いはその意趣返しでもあった。

 メレト旧遺跡跡は、旧マキナス領の遺跡であり、元が最初にこの世界で発見された「ジラク遺跡」の反対側に当たる遺跡だ。なぜ彼らがこの地に侵攻してきたのかは不明だが、それを防衛しようとして、撤退してしまったことはドラグディア軍に黒星を付けたことと同義だ。

 そして、今日この日、再びガンダムを引き連れ、ドラグディア軍は奪還作戦を展開するのであった。

 

 

 

 

「いけっ!!」

 

 元の声と共に放たれたブラスターガンの光弾が、マキナートの一機を落とす。マキナートの部隊はこちらを取り囲もうとするが、それをさせまいとB班のメンバーが迎撃を行う。

 

『おらおら!回ってるだけじゃ撃っちまうぜ!』

 

 カルマの威勢のいい声と共にドラグーナ・コアトルの手に握られたシューターランスが光弾を連射する。光弾の連弾をシールドで防御しつつ後退していくマキナート。

 他のB班メンバーも纏っているドラグーナ・コアトル。その機体は元々、ドラグーナ・レドルの偽装機で、本来なら親衛隊解散と共に廃棄される予定だった機体だが、元メンバーの強い要望で装甲を換装してそのまま運用されることとなった。

 その中でもB班の機体はGアシストスタイルとされており、大型のショルダーフルシールドを両肩に装備している。主にガンダムの支援を行う機体で性能は高い。

 カルマのコアトルの攻撃で後退していく敵に、元も追撃を行う。肩部の小型バインダーを前面に向けると、はめ込まれた円形のパーツが回転し、ビームが連射される。カルマの攻撃と若干ずらした連弾は後退するマキナート2機の側面を穿ち、爆発を起こす。1機を撃墜し、残る1機も右腕を失い、僚機の援護の下、後退していく。

 反撃の射撃を、元は肩部のマシン・ビームバスターを元に戻し、シールドで防御する。攻撃がシールドに弾かれ、マキナートの1機が接近戦を挑んでくる。その動きに元はシールドを構える。

 金属音と同時に、シールドの下部から槍の穂先のような物が伸びる。そのままその槍の穂先をマキナートの懐に滑り込ませる。敵のビームサーベルによる攻撃をシールドで防ぎつつ、突き出したシールドの槍の一撃がマキナートの胸部に突き刺さる。

 

『がぁ!?うわぁぁあ!!』

 

「っ!!次っ」

 

 接触回線で聞こえてくるマキナス兵の悲鳴に構わず、シールドから突き出された槍、ショット・パルチザンを抜き、敵を爆発させる。続く敵に対しても攻撃を防ぐと共にシールドから完全に抜き放った槍を構え応戦していく。

 今回の兵装群「ペルセウス・ツヴァイ」の最大の特徴であるシールドは、内部に専用のウエポンカーゴに装備された武装を切り替えて使用する兵装だ。防御力と攻撃性能を兼ね備えた万能兵装を目指し、以前よりも攻撃性能は落ちたが、十分にその威力を発揮していた。

 元はショット・パルチザンで敵機を刺し貫き、また1機を撃墜する。直後後方に迫っていたマキナートが、横合いから放たれたビームで撃墜される。狙撃により1機撃墜したフォウルが、引き続き援護をしつつ、油断しないように声を掛けてくる。

 

『ハジメ軍曹、油断禁物ですよ。いくら以前より機体も動けているとはいえ、試作兵装群ですから』

 

「すみません、フォウル軍曹。けど、ガンダムの方も前に動かせなかった分……っと!!」

 

フォウルに返答しつつ、腰部を捻り攻撃を回避するとショット・パルチザンの代わりに取り出したショットガンを構え、銃撃する。機体のカメラを割り、視界を失ったマキナートの1機が、続けざまに放たれたハイブラスターの砲撃に貫かれ爆散する。更にショットガンのポンプアクションを行って2発連射する。散弾が機体を襲い、動きが鈍ったところに、カルマとフォウルの射撃が刺さる。

 目の前の状況は比較的良好だった。戦線としては未だ硬直状態にあるとオペレーターのマリーからも入ってくるが、それでも元達のB班は戦況としては良いと思われた。しかしこの部隊の悩みの種は、1つではなかった……。

 

『来たッ!……わわわっ、当たんねぇ!』

 

『ラルフッ!って、うわぁぁぁ!?』

 

『リーオン!何してるのッ!』

 

『くそ、一度退くんだ!俺が援護を……って!来んな、こっちに来んな!!』

 

『えぇい、ひよっこ共全員後退!俺がやる!!』

 

 騒がしくなる通信回線。最後のエル隊長の言葉が響いたのち、元は機体を翻しつつ、回線に呟く。

 

「……どうやら、新兵たちてこずっているみたいですね」

 

『お前が言えるのかよ……でもまぁ、そんな事より、助けに行かねぇと』

 

『カルマにしてはまともなことを言う。それにガンダムも前に出過ぎだと思います』

 

 カルマとフォウルの指摘に、元も頷く。このB班に限った事ではないが、ケツァール隊は新興部隊の1つである。よって、新兵がMSパイロットの4割ほどを占めており、その戦力についてはほぼ隊長のアレクや、小隊長のエルなどが補う有様となっていた。

 その中でもB班は小隊長であるエルが1人で隊員4人を見ることとなっていた。以前は漫才チーム2人が新人の枠だったのだが、前回の出撃後に現在の編成となったのだ。

 図らずも原因の1つである元は肩身が狭い気持ちになりながらも、2人の指摘にやや落ち気味のテンションで賛同する。

 

「ですね……支援、向かいますか?」

 

『だな。漫才チーム2人もいいか?』

 

 元の言葉にカルマは頷き返し、観測手となる2人にも意見を求める。2人も通信回線から賛成の声が出る。

 

『問題ナーシ。かっちょいいとこ、見せないとなー』

 

『それ以前に新兵でも命落とさせるなって話だ。俺も異論なし!』

 

 そうして5人は進行方向を左へ向け、B班のもう1つのグループに支援に向かう。

 

 

 

 

『う、うわぁぁぁ!右腕が、俺の右腕がぁ!!』

 

「落ち着け、お前の右手が斬られたわけじゃない!下がれ、こいつらの相手は俺がする」

 

 そう言ってエルは3機編成の部隊を迎撃する。マキナートのノーマル装備2機とコマンダー仕様特別仕様に対し、右手で保持するビームライフルを連射する。3機のマキナスの機体は散開してその連撃を避ける。右側に逃げた2機にエルは腕部のマシンガンを連射する。

 通常型のマキナート2機はその連射に怯む。しかしその連撃を止めさせるべく、特別仕様のその機体が、近接戦を仕掛けてくる。特注のシールドから取り出した柄から大出力のビームソードで斬りかかってくる。

 

「ぐぅっ!」

 

 すぐに左手に引き抜いた逆手持ちのビームサーベルで受け止める。ギリギリのところで切り結ぶ機体。接触回線で、敵の声が伝わってくる。

 

『少しはやるみたいだな……しかし、ガンダム程ではない!!』

 

「ちぃ……っ!?」

 

 ガンダムに対する圧倒的な戦意を込めた言葉と共に、エルの機体が振るった剣圧に吹き飛ばされる。近接戦に強いドラグディア機が、近接戦を軽視するマキナスの機体に押されるという不思議な状況だった。エルもすぐに機体のバランスを取ろうとするが、そこに警告音が鳴り響く。

 バランスを崩した機体を、先程エルに攻撃を受けていたノーマル装備のマキナート2機がこちらにライフルの銃口を定めていた。仕返しと言わんばかりの光景に、エルも危機感を覚える。新兵を護るためとはいえ、流石に度が過ぎたかと考えてしまう。回避も難しい。だが回避しなければならない。

 そう思ったのもつかの間、突如として2機のマキナートを爆発が襲う。爆風で我に返ったエルはすぐにその場から動く。ビームの光弾を連続して受けたマキナート達はすぐにその方角に目を向けた。エルもその方角を確認すると、視線の先から自身の隊のエースの1人であるガンダムが射撃を行いつつ支援に入ってきていた。

 

『エル大尉も退いてください。ここは、俺達が』

 

「っ……仮にも俺が班のリーダーだぞ。まぁ、援護はありがたい。どうやら相手はガンダムが所望のようなのでな」

 

 シールドから短剣を取り出し、斬り下ろしを仕掛けるシュバルトゼロガンダムに苦笑を交えつつも感謝を述べる。先週の戦闘での懸念材料だったガンダムの支援に、自分が情けなく思ったのだ。

 しかしエルが続けて言ったように、敵のリーダー機もまたガンダムに虜にされた者。察知させるように元へと忠告する。元は敵機の胸部にショートソードをねじ込みつつ、疑問をぶつける。

 

『所望?』

 

 すると、そんな元に自らの存在を自負する様にオープン回線で敵パイロットの声が響いた。

 

 

 

 

『そうだ、ガンダム。先週の侮辱、ここで晴らさせてもらう!!』

 

 

 

 

 若い男性の声と共に、ガンダムの至近距離をビーム射撃が過ぎる。咄嗟に剣の回収を止め、蹴り飛ばす形で回避するガンダム。遅れてマキナスの機体が助けを求めるように手を伸ばす形で爆散する。その先に居ながら、その手に応えなかったのは白い機体に赤い十字を交差させるカラーリングが特徴のマキナートのカスタム機。

 繋がる回線から、元の息を飲む音が響く。

 

『お前……あの時の』

 

 シールドから新たに銃と槍の機能を備えるショット・パルチザンを取り出し、構える元。エルも先程まで戦っていたその機体の存在を知っている。マキナスの誇るネオ・エースの1人。かつて元と国境付近のヴールーン基地で相対した剣士。彼は先週もガンダムに一直線で向かい、不完全と知ると興味をなくしたように迎撃から離脱していった。

 そんな彼―――「星剣使い」のアルス・ゲートはその右手のビームアサルトライフルを突きつけ、再戦を叫ぶ。

 

 

 

 

「さぁ、今度こそ決着を付けようか、ガンダム!」

 

 

 

 

 ビームアサルトライフルの銃口が光る。

 

 

NEXT EPISODE

 




今回もお読みいただきありがとうございます。何気に空中艦の設定考えるのが今回の話を作る上で一番大変でした\(^o^)/

ジャンヌ「まぁよくよく振り返ってみると、藤和木今までMSとかの人型の兵器しか設定に起こしていませんでしたからね……」

レイ「一応は考えていたみたいだけど、結局SSRにも空中艦とか出てこなかったもんね。出てもせいぜいアプサラスっぽいのくらいだし」

最初は完全オリジナルで行こうとしましたけど、私の想像力では全くいい案が浮かばなかったので、ガンダムシリーズとかの艦を前後とで組み合わせて、それでドラグディア、マキナスの特色を入れた感じです。そこら辺は続くインターミッション2の次に投稿する黒の館DNで明らかになります。艦艇を考えるのって思った以上に難しいです、はい。

ジャンヌ「でもまさか因縁があるとはいえ、アルス・ゲートと再び激突することになろうとは……思っていませんでしたね」

彼は元君のライバル枠的な存在で設定したからね。ここでまた激突するのも必然かな。

レイ「その割にはどっかのガンダム少年追っかけまわす武士道のフラッグファイターに近い気もするけど」

それは……うん、騎士道も武士道も通じるってことで(;・∀・)
では今回はここまで。

レイ「次回もよろしくねー♪」
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