機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも皆様。バトスピの最新スターターの発売が待ち遠しい、藤和木 士です。

ネイ「アシスタントのネイ・ランテイルです」

グリーフィア「アシスタントのグリーフィア・ダルクよ~。そういえば、先週から第3章に入ったのよねぇ。ガンダム同士の対決がようやくってところね」

そうだね。SSRの方はプロローグからガンダム同士の対決があったけれども、こっちはちょっと遅かったって感じだね。

ネイ「とはいっても、向こうとこちらじゃスタート地点が違っているともなれば、こうなるのも自然な気はします。あちらはなぜか以前からずっと戦っていたという話でしたし」

まぁ、うん(´・ω・`)そこに至るまでのストーリーは前から考えていたからね。こっちは始まりを今描いているところだし。
というわけでEPISODE31公開です(´・ω・`)

グリーフィア「インターミッションの2つ目ね。アルス・ゲートも再び登場で激突するのは間違いない、と」

第3章へ至るための幕間の物語ではありますが、これもまた重要な戦いの1つ。それでは本編へ!


EPISODE31 インターミッション2

 

 

「くっ!」

 

 放たれたビームを回避して、元はショット・パルチザンを構えてアレクとの戦闘に突入する。距離を詰めてのビーム射撃を返し、アルスもそれを避けつつ反撃する。ビーム射撃の応酬が空に交差していく。だが、それだけではない。

 射撃を行いつつ、元がすれ違いざまにパルチザンを振り抜く。アルスもその刃に合わせてビームセイバーを振るう。ぶつかり合う刃が火花を散らす。2,3度の火花を散らせると、一度ガンダムが距離を取って射撃に切り替えた、

 やっぱり強い。元は連撃の最中そう感じ取る。以前は不意打ちで大きなダメージを与えてその後は相手をしなかった。それに先週もこちらが不調で上手く戦えなかった。だからこそ今万全の状態でぶつかり合っている状況で、相手の強さがよく分かる。伊達にネオ・エースではないのだと。

 ビームの連弾をアルスは掻い潜るように回避して、距離を詰めるマキナート・レイ。アルスがそのビームの大剣を煌めかせ、振り抜き攻撃を仕掛けてくる。

 

『ぜぇあ!!』

 

「てぇあ!!」

 

 剣の大きさに任せて振られる大振りの攻撃。ガンダムとはいえ、一撃の重い攻撃を喰らうわけには行かない。元はそれに合わせる形でショット・パルチザンの刃でいなす。長い得物が幸いして、距離を保ちつつ攻撃を受け流すことが出来ていた。

 2人は空中を動き回り、攻撃と防御を繰り返していた。元の支援に入ろうとカルマが近づこうとした。

 

『くっ、元無茶だ!俺も加勢……』

 

『ッ!カルマ曹長、迂闊だ!』

 

 フォウルの声が響くと同時にカルマのドラグーナ・コアトルの右肩のフルシールドにビームが直撃する。近づく機体は元も確認している。槍と剣による鍔迫り合いの中、スタートが機種を特定する。

 

『機種照合。以前の可変タイプだ』

 

 可変タイプ。その単語に元は以前の戦闘を思い出す。リリー准将の率いる部隊を、数で圧倒したとはいえ追い込んだ強敵だ。ガンダムもエラクスシステムが無ければやられていたあの機体の性能は驚異的だ。しかし、アルスとの戦闘はそれを相手にするには重い。元は他のメンバーに迎撃を要請する。

 

「ティットさん、シレンさん、2人の支援を」

 

『―――いや、その必要はない』

 

 元の言葉を折るように響く声。その声と共に上空から実弾の雨あられが可変タイプのマキナートに降りかかる。連弾の雨を掻い潜ろうとするマキナートの機体。しかし何発かが翼に直撃しバランスを崩す。バランスを崩した機体に上空から急降下した機体がその手に構えたランスでシールドを串刺しにする。

 急所は逸れたようで、シールドのみをパージし人型へと変形すると可変型マキナートは襲撃者と刃を交える。その襲撃者は、他ならぬ元達の隊の隊長、アレク・ケルツァートのドラグーナ・アレキサンドルであった。

 その登場に、元も呆気に取られる。

 

「な……!?隊長!?なんでこっちに……」

 

『よそ見している、場合か!!』

 

 だが元の注意は自身を見ていないことに感情を逆なでられたアルスの、激高から来る強いはじき返しによって戻される。弾き飛ばすと同時にアルスがマキナート・レイのビームセイバーを振るう。何とか一撃目を回避し、続く斬り返しをシールドで受け止める。続けてショット・パルチザンを振り下ろし、マキナート・レイへの打撃を狙う。しかしそれはマキナート・レイのシールドに抑え込まれる形となる。

 攻守入れ替わる戦闘の中、可変型マキナートと戦闘するアレクはその状態で元に先程の質問を返答する。

 

『隊の穴を埋め合わせるのは隊長の役目だ。それに、このマキナート可変型はデータを取る必要がある。不利な状況や翻弄された時のデータ、それにガンダム相手の戦闘データじゃ、データの開きがあり過ぎる。まぁぶっちゃけて言うなら、こいつと戦ってみたいのが信条だけどね!』

 

 戦闘意欲むき出しでマキナート可変型との戦闘を続けるアレク。隊長であるアレクは普段は落ち着いた気品ある人物である。元と会った時も最初は敬語を使っていたり、戦闘の意志がないことを先に伝えたりと礼儀はしっかりとしている。ただし苛烈な戦闘になるほど言葉遣いが粗野になっていく節があった。これで冷静さはそのままなのだから、所謂バトルジャンキーなのではないかと思う。

 元は反応できないが、代わりにカルマとフォウルは再び向かってきたマキナートノーマル装備へ射撃攻撃を行いつつ、その変貌ぶりにため息を漏らす。

 

『相変わらず戦闘になるとあれだよな……アレクって』

 

『隊長と呼べ、隊長と……ッ!だがまぁ、お前の言いたいことは分かるけどな』

 

 2人は元よりも長く彼と付き合いのある仲だ。アレクの性格の事はよく熟知していた。だからこその、あの「またか」というような反応なのだろう。あれで隊長が務まるのがすごいと思う。

 しかし、思索にふけっている暇はない。話半分で聞きながらも元はアルスの攻撃を防御し続けていた。攻めにも転じてパルチザンを振るうが、回避され今またビームセイバーを防御する。

 続く剣戟の最中突如警告を示すアラートが響く。左側に目を向けると、その先でタイタン級が主砲をこちらに向け発射態勢を整えていた。互いにそれに気づき押し付けるように振るって弾かれる。直後ビームが放たれる。初撃は回避し続く攻撃も回避する。ここは戦場だ。いつどのようなタイミングで攻撃が来るかは分からない。

 しかし、まさかこの乱戦の最中ガンダムを狙ってくるとは思わなかった。とはいえそれで怖気づくようではこの先やってはいけない。元は回避運動を行い、アルスとの距離を開けてパルチザンを格納、代わりにブレードガン・ニューに武装を切り替える。が、直後ビームが真っすぐこちらに目がけて放たれる。

 

「まずっ!?」

 

 元が不味いと思った時には、既にそのシールドを掲げていた。慌てて防御姿勢を取るが、こちらは実体のシールド。相手は戦艦級のビーム砲だ。防御許容値を明らかに超えているだろう。

 しかし、元の意志に反応する様にシールドはその力を発揮する。

 

『DNProtection、オートドライブ』

 

 シールドからパーツが分離し、そのパーツが光の障壁をシールド前面に展開する。空中艦から放たれたビームは障壁とぶつかり合う。しかし主砲級のビームは障壁を貫通することはなく、光の障壁の前に拡散していく。

 光の障壁を発動した元も、最初は驚いたがすぐにその機能の名を頭の片隅で思い出す。DNプロテクション。かつて元がシュバルトゼロガンダムタイプ0で使用した、フェザーフィンファンネルで形成した防壁だ。[ペルセウス・ツヴァイ]のシールドには試験的にそのリアクターを搭載し、その運用も予定されていた。偶発的とはいえその発動・運用に成功した。

 流石に空中艦のビームを受け止めたことには、アルスも動揺を露わにする。

 

『ば……バカな!?空中艦の主砲を?……だが、それでこそ、俺の相手に相応しい!速烈の剣士を破ったお前は、俺が倒す!!』

 

 しかし、それがむしろ対抗心に火をつけた。アレクの異名を口にし、元のガンダムに恐れを抱くことなく肉薄する。上段振り下ろしからのビームセイバーの攻撃が元の横薙ぎに振るったブレードガン・ニューとぶつかり合う。

 2人の機動の軌跡が戦場を移動しながらぶつかり合う。ビームセイバーとブレードガン・ニューが交差しては離れ、再び鍔迫り合いに持ち込まれる。途中途中元も距離を保つべくガンモードに切り替えビームを撃つ。アルスはそれを避け、マキナート・コマンド用のビームアサルトライフルを撃って近接格闘の為のけん制を仕掛けていく。

 激闘に介入しようと、移動する戦場の中でマキナートやドラグーナが攻撃しようとするが、放ったビームは彼らを掠めることなく、更にガンダムに目がけて放たれた空中艦の主砲は再びDNプロテクションの前に防がれる。反撃と言わんばかりに、元はハイブラスターをアルスの攻撃を回避した直後上下反対の状態でタイタン級中型空中母艦に目がけて放つ。

 

「っ!!」

 

 放たれた2つの高出力ビームの光は戦場を貫く。射線上に運悪く入ってしまったマキナスのMSを2機巻き込んだ一撃は、タイタン級の正面主砲を貫き、爆発を引き起こす。武装を損傷した空中艦が後退の動きを見せる。

 砲撃を放ったガンダムに、更に距離を詰めるマキナート・レイ。ペルセウス・ツヴァイもハイブラスターを収納し、再びウイングをはためかせるように蒼い高純度DNを放出してぶつかり合いを再開する。

 巡りめく戦闘だったが、その中で元は確かな感覚を感じ取っていた。まだ足りないと。ガンダムはその機体の性能を引き出してはいるが、ガンダムはもっとそれ以上の力を発揮できると思っていた。それこそ、先週に使用した[ペルセウス]も武装の火力だけで言うなら合格、いや、それでも足りないかもしれない。

 そんな物足りなさから、元は勝負に出る。シールドから展開したショットガンを一発だけ放ち、ブレードガン・ニューをサイドアーマーに戻すと再びショット・パルチザンを構え叫ぶ。

 

「エラクスッ!!」

 

『ELACSSystem、ドライブ!』

 

 ガンダムが蒼炎の輝きを身に纏う。そして圧倒的なスピードを得てアルスへと強襲する。そのスピードに翻弄されるアルスはシールドで攻撃を防御するも、衝突時の衝撃でシールドを落とす。全機能の向上したガンダムにアルスは燻っていたものが燃焼し始めたようにその興奮を口にする。

 

『この速さ……我が軍の最新機を圧倒したあの光か!!面白い!』

 

 アルスはすぐに光の残像を残して飛行するガンダムを追撃する。ビームアサルトライフルの弾丸がガンダムを襲うが、元のガンダムはそれを躱す。躱し続け、更に弾丸を撃ち込まれているにも関わらず接近を試みる。近づいているにも関わらず、マキナート・レイの放つ弾丸はガンダムを掠めもしない。

マキナート・レイの目の前にまで現れたシュバルトゼロガンダムはショット・パルチザンを振り下ろす。ビームセイバーでその一撃を受け止めるアルスだが、元は受け止められた直後、機体を急加速させその場から消えるように彼の背後を取る。そして死角からショット・パルチザンの突きを喰らわせる。決まった。そう元は確信する。

しかし、その突きは背部のバックパックスラスターから放たれた光の刃で、ショット・パルチザンの持ち手を分断されたことで防がれる。破壊されたパルチザンから手を放し、爆発から身を護る。いきなりの攻撃に元は戸惑う。

 

「なんだ、今の……」

 

『……元、どうやらあいつも隠していた能力があるようだ』

 

 スタートは指摘する。パルチザンの爆発を突っ切ってアルスがビームセイバーを構えて向かってくる。

 

『俺が星剣使いと呼ばれる所以、見せてくれる!』

 

 理屈は不明だが、あの攻撃はあちらの異名の語源ともなっているようだ。その機能を顕示するように攻めるアルスに元もビームサーベルを抜き放ち、蒼く輝く機体で迎え撃つ。ビームセイバーとビームサーベルが交差すると、エラクスの加速力と再びアルスが機体スラスターから展開した光の刃の発生で周囲の空気が震える。

 すぐに光の刃は消えたが、その攻撃でこちらの衝突力はやや抑えられアルスはエラクス中の元の刃を抑える。その現象にスタートが気づく。

 

『なるほど。スラスター噴射時に生じる余剰出力がビームサーベルとなっているようだな。おそらくスラスターの内部形状が特殊なのだろう。……だが、まさかDNウォールの発展途中技術を応用してこのような使い方をするとは』

 

 何を言っているのかは分からないが、要するにそれは機体の特殊能力と言うことだと理解すると、元は再び距離を取り、機体スピードを上げながら出方を窺う。アルスも機体の加速度を維持したまま突撃の構えを維持する。そして、2機はまた激突する。

 お互い攻撃をぶつけ合い、更にスピードを上げてまた激突する。シュバルトゼロガンダムとマキナート・レイは高速機と近接格闘機という立場に似合う激しい戦闘を展開する。シュバルトゼロガンダム[ペルセウス・ツヴァイ]のショットガンの弾丸が切れ、それを捨てる形で武装を切り替える。アルスもレイ・ゴーストのプロペラントタンクをパージし、軽量化を図る。

 2人の交差と共に、アルスが胸部を向ける。光が灯り、元は距離を取ると拡散ビームが襲い掛かる。回避した射線上にいたドラグーナ数機が巻き込まれる。1機の撃墜の爆発を背に、元も両手のブレードガン・ニューを合体させ、高出力バスターライフルモードに切り替えて応戦する。ブレードユニットで収束された高純度DNがスパークを帯びるほどの出力でビームに変換され空を高出力ビームが突っ切る。大出力のビームはマキナート・レイの機体を掠める。掠めた脚部側面が爆発を起こし、バランスを崩す。更にマキナートの機体をいくつか中破および大破させ、先程のとは別の空中艦の副砲をえぐり取る威力を見せる。

 

『ぐぉっ!?』

 

「今っ!ブレードガン!!」

 

 バランスを崩したアルスの機体に、元もすぐ追撃を行う。武装の名を叫び、合体させたままの剣を今度は剣の持ち手に切り替える。するとブレードを動かすレールユニットが回転し、ドリルの様に剣が回転する。ドリル剣を手に元はそれをアルスへとぶつける。

 

「はぁっ!!」

 

『くっ、出鱈目な武装を!つぁ!!』

 

 回転しながら振るわれたそれを、最大出力へと昇華させたビームセイバーで受け止めるアルス。光満ちたる光剣をドリルとなった銃剣の刃が獣の様に喰らい、削り取っていく。熾烈を極める激突だ。どちらも最大出力を込め相手の剣を折ろうとする。

 しかしどちらも折り斬ることは叶わず、DNの反発もあり弾き飛ばされる。両者共に空中での姿勢制御に徹する。直後ガンダムの背後から蒸気音が鳴り覆っていた蒼い光が消失する。エラクスの制限時間だ。

 

「くっ……エラクスの制限時間か……」

 

 元は再びブレードガン・ニューを二刀流で構えなおす。一方的な優位性を失ったのを見て、アルスが得意げに剣を振る。

 

『どうやらその光の力はもうないようだな……ならば、まだっ!!』

 

 再びビームセイバーを構えて突撃しようとするアルス。しかし、直後空を3発の花火がマキナス側の戦艦から放たれる。その音に気付いたアルスは突撃姿勢から堪え、その花火の意味を悟る。

 

『ちっ、撤退か……これからだって言うのに……。けどこっちもこれ以上ガンダムとやり合うのは得策じゃないな……』

 

 こちらに警戒をしつつアルスはエネルギーの残量を確認する。元もいつ不意打ちが来るかもしれないとその動きに注視する。

 やがて、周囲の戦闘の光が消え、マキナスのMSが後退し始めたのを見てビームセイバーの発振を止める。そしてアルスは捨て台詞の様に元にオープン回線で宣告する。

 

『ガンダム、勝負は預ける。今度会った時は俺が勝つ!』

 

 勝負を預ける、勝つと言った戦争ではナンセンスな発言を最後に、アルスは他の機体と共に後退していく。元はその言葉に返答することなく、ただ見つめてその撤退する様子を観察する。

 その後遅れてこちら側の艦隊からも撤退信号が発せられる。加えて通信回線からは艦隊指揮官から勝利の凱歌が発せられる。

 

 

『全機一時帰投!そのまま地上の再制圧を行う。我々は勝利したのである!』

 

 

 指揮官の声に生き残った兵士達の歓声が響く。元もその様子を聞きながら空中でホバリングしていると、機体の外部観察を行っていたティットとシレンが労いの言葉を送る。

 

『お疲れー、ハジメ』

 

『一番の功労者って感じだな。空中艦2隻に手負いのダメージ与えたのが撤退を速めさせたみたいだし』

 

「2人も機体経過チェックお疲れ様です。確かに何回かハイブラスターとライフルのフル射撃で空中艦を攻撃しましたし……けど、元々アレク隊長の率いる隊も遠距離からの砲撃戦を行っていたようですから、そちらも含めての敵軍の戦力減少もあるでしょう」

 

 元は謙遜する。実際艦、および味方部隊への掩護射撃を行う射撃部隊の砲撃を見ているので、それらの影響は少なからずあった。しかし、その中でも限りなく元の挙げた功績は大きかった。それを戻ってきたカルマとフォウルも指摘する。

 

『それは謙遜しすぎだぜ。前と比べたら、ガンダムがちゃんと機能した分大分攻勢だったぜ?』

 

『作戦資料にもガンダムの不調を見越しての戦力配分がされていました。予定よりも作戦終了時間が早いですし、限りなくガンダムの力のおかげですよ』

 

「そ、そうですか……。まぁ、それならいいかな」

 

 やや恥ずかし気になる。元はそういった自分の成果を、あまり自身を持って評価するのが苦手な人物であった。そしてそれはこの短い間でも共に過ごすメンバーにも理解されていた。だからこそアレクは彼らの班へと元をあてがったのである。

 カルマが肩を組んで喜びを分かち合う。

 

『まっ、今日はあの蒼い光まで見せてエースをもぎ取っていったんだ。今日はパーッと行こうぜ!』

 

『カルマ曹長、はしゃぐのが早いぞ。とりあえず帰投しましょう。データの受け渡しも必要ですし』

 

「まぁたまには悪くなさそうですけど、そうですね。ヴェールさんも楽しみにしてそうですし」

 

『あー、確かにヴェール整備長なら得物が届くのを待つ主婦って感じで待ってそうっすねー』

 

『渡すのは得物じゃなくて成果だけどな』

 

 そうして5人は語らいながら彼らの旗艦へと帰投していくのであった。

 

 

 

 

 『経過報告書 メレト遺跡におけるマキナス軍との戦闘経過、ガンダムの装備テスト結果および遺跡における追加報告書

 

6月中旬某日水曜日、マキナス軍が1週間前に襲撃・制圧したメレト遺跡の再制圧作戦を実施。参加艦艇はニーベルング級2、ミドガルズ級3。旗艦はニーベルング級「ブルースケイル」。指揮官「バイル・ブルーアイ」少将。参加MSは全138機。帰投数は96機。

 我が隊ケルツァート隊はA班20人、B班20人、C班19人、D班18人帰投、3人が戦死。

 

・成果

敵空中艦6隻の内マキュラ級1隻、タイタン級2隻の武装にダメージ。うちタイタン級2隻は本作戦で新たに投入したガンダムの新装備仕様がダメージを与える。本作戦の迅速な終結に貢献。

 MSに関してもおよそ130機前後を80機程度まで減らしたと計算。ガンダムが内10機前後を撃墜。更にアレク・ケルツァート少佐が敵新型と交戦。腕部を斬りおとし確保。そのデータから新型機が「マキナート・エアレイダー」と判明する。

 

・ガンダムの新兵装のテスト結果

 この戦闘にてガンダムは試験兵装群α[PerseusⅡ]の運用を実施。[Perseus]で問題になった重量関係をクリアし、更に肩部武装のテストを実施。

 結果として今回はそのすべての武装を使用し、10機のMSの撃破に成功する。またプロテクションリアクターも使用され、中型空中艦の主砲を2度受け止めることに成功する。これらによりDNプロテクションの技術は問題なく我が軍に取り込むことが出来たと推測する。

 

 なお、特筆事項としてパイロットであるクロワ・ハジメ軍曹からは武装出力を上げてもガンダムならば問題ないのではとの意見を受ける。重量に注意しつつも次の試験兵装群β[Hercules]ではその火力面の限界を検討する。

 

 

 

・メレト遺跡について【極秘事項】

 

 

 

 マキナスの襲撃前後、遺跡の駐留部隊が謎のMSの襲撃を受けたとの報告。直後にマキナス軍が襲ってきたためその後の襲撃MSに関しての行方は不明。

 ただし、再制圧したメレト遺跡周辺仮設小屋にて拘束されていた生き残りの我が国研究者(足を切断される重傷のため、聴取後すぐに病院へ搬送)から話を伺うことに成功。それによると襲撃したのは「白いMS」であるとのこと。更に遺跡にいたマキナス軍捕虜によるとマキナス軍はこの白いMSを追跡していたという。

 

 更にこの白いMSは、先日マキナス基地を壊滅させた、我が軍が保有するガンダムに匹敵する存在である可能性が非常に高い。詳しくは同封の「メレト・ジラク両遺跡の5月某日に観測された超次元的現象の共通性」についても確認を。

 

報告者 ヴェール・フリード』

 

 

「……ふう。書類仕事も楽じゃないなぁ……」

 

 そう呟きつつヴェールはパソコンを打つ手を止める。手元に置いていた野菜ジュースのストローに口を付けると、それらをまとめた文章ファイルをメールで転送する。転送先はグランツ・フリード大元帥。ドラグディア軍総司令であり、彼女の父親だ。

 流石にヴェールでも、父親のグランツに「パパ」などとは仕事でも使わない。そういったものはハッキングされた際には命取りとなる可能性もある。それ以上にヴェールはグランツをそのように軽く言おうとする気はなかったのだが。

 しかし、とメールを送ってからヴェールは考え込む。次のガンダムの武装案がパソコンの画面に表示されているが、彼女の思考は別の事にあった。

 

(白いMS……マキナス軍が追うほどの機体。この戦闘を見るだけでもマキナス軍はやけに動きが活発すぎる。これもあの日の事が原因なの……?)

 

 ヴェールが視線を落としたのは、マキナスのニュースが乗った電子新聞記事。軍が入手したもので、内容は「マキナス軍基地、数時間で壊滅」。その日マキナス軍の保有する基地が、たった数時間で何者かに壊滅させられたのだ。

 ドラグディアにとっては手放しで喜ぶべきニュースだったが、問題はその時期。その日は元達がアレクと決闘を行った日。しかもその基地は、決闘後ドラグディアの国境線を超え、ガンダムによって撤退させられた部隊の収容先だったというのだ。

 良いことかどうかはさておき、その新聞では更に驚くべきことが書かれている。監視カメラに映っていた襲撃犯は、たった1機のMS。しかも純白の機体から()()D()N()を放出していたというのだ。

 蒼いDN。それはガンダムのDNジェネレーターのみが生み出せる高純度のDN。もしこれが本当だとしたら……。そこでヴェールは考えるのを止める。

 落ち着け、私。今大事なのはハジメ君のガンダムの装備。私がそのMSを倒そうとするわけじゃない。私が出来るのは戦いに出るパイロットたちの生還度を上げるための機体の調整。だったら私がするのはガンダム―――シュバルトゼロガンダムの装備を完璧に仕上げること。アレク少佐やマキナスの星剣使いを退けたハジメ君なら、この白いMSにだって……。そうだ、DNプロテクションを技術的に完全に使用可能になったのなら……。

 ヴェールは白いMSの正体に明言せず、ただ自身の仕事を再認識する。そして彼女はガンダムの強化プランについて修正を加えていくのであった。

 

 

NEXT EPISODE

 




今回もお読みいただきありがとうございます。次回はまた黒の館DNを挟んでから、いよいよ第3章の本筋へと入っていきます。

ネイ「今回のお話はそもそも白いMSの襲撃された後に制圧したマキナス軍を追い払うための戦闘だった、ということですね」

グリーフィア「んーそうっぽい?正しく言うなら、白いガンダムを追ってたマキナス軍がそのままガンダムの荒らした遺跡をちゃっかり頂いたーみたいな感じかしらね」

そこのところははてさてどうなっているのやら(´Д`)ともあれシュバルトゼロガンダムも再度登場する時にはまた新たな武装に換装しています(*´ω`)お楽しみに!では今回はここまで。

ネイ「それでは次回黒の館DNもよろしくお願いいたします」
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