ジャンヌ「いや、なんでですか……アシスタントのジャンヌです」
レイ「アシスタントのレイだよっ!そう言えば今日は丁度ソードアイズの放送日にジャンヌちゃんモチーフのジャッジメント・ドラゴニスの劇中誕生の日なんだよね」
公式のエピソード欄では火山の鳴動止めたって書いてあって、火山からジャッジメントのカード作っていたから多分今日なんだよね。けどまさか今日ジャッジメント入れたデッキでショップバトル優勝できるとは……やっぱデュークモンぶっ壊れじゃないか……(;´∀`)
さて今回はEPISODE42と43の公開です。
レイ「元君の過去に何かがあったって言われてから後の話だね」
ジャンヌ「これほどまでに元さんを訓練に打ち込ませる過去……確か幼馴染が関係していたんでしたっけ」
うん、その辺の描写ちょっと悩んでネプ小説書いているときに入ったグループの人に相談してこのくらいなら大丈夫かってなったくらいだからね。最初のEPISODE42ではそれを明らかにしていくよ。
それでは本編へ!
夏の盛りが近づく街。少し前の聖トゥインクル学園での事件で多少セント・ニーベリュングの街には、警備兵など配置されていていたものの平穏であった。
だが街の人々は知らない。また学園が戦場となることを。そして元はそんな街を駆け抜けていく。日差しが強く差し込む中、全力疾走で基地へと向かっていた。先程の足止めで少しばかり時間を食ってしまった。1秒も時間を無駄にできない。後れを取り戻すべくさらに走るスピードを上げようとする元。しかし、突然視界が揺らぐ。
「っっ!?」
平衡感覚を失い、まともに受け身を取れず地面へと倒れ込む。幸い頭は打たなかったものの、まだ意識が遠のく感覚に襲われ、まともに立てない。周囲の状況も何人かがこちらを見ているのは分かるが、話し声も風貌も判別しづらい。というより思考も鈍って今どこにいるのかも分からなくなっていく。
意識が遠くなっていき、瞼が落ちていく。
(ぁ…………もう、無理……)
自分の願いと反して、徐々に体の感覚が失われていく。そして最後に元は誰かに体を起こされたのを最後に、完全に意識を失ってしまった。
眠りに落ちた世界の中で、最初に元が感じたのは冷たさだった。記憶が混濁していたため、どういうことか分からなかった。今自分がどういう状況なのか判断する為に、その瞼を開く。
徐々に開けていく視界。そこで目にしたものを見て、元はその場所を理解する。白い壁と天井。それに自身が寝かされている医療用ベッド。加えて横の席に並んだ3日前と同じ見覚えのある顔……だが、その中に本来組み合わせとはあり得ない顔も混ざっていた。
皆元が目を覚ましたのを見て、険しい顔をこちらに向けてくる。なぜ彼らが一堂に会しているのかはさっぱりだったが、そのような視線を向けられてくる理由はなんとなく心当たりがあった。しかし、彼らが元に要求してくることをそう簡単に飲む気はなかった。ドラグディア軍総司令官らとファーフニル家当主達、そしてなぜかいた元のクラスメイト兄妹2人をどうやって撒こうかと元は思考を巡らせていった。
◆
まさか、こんなことに巻き込まれるなんて……。レヴ・リヴァイはそう心の中で思っていた。たまたまリッドの買い物に付き合わされたと思っていたら、突然視線の先で人が倒れ込んだ。遠目から見てもかなりの勢いでこけたように見えた上、直ぐ起きるわけではなく立ち上がれないように見えたためすぐに2人でその人物に駆け寄った。
だが、駆け寄って起こした顔を見てぎょっとする。なぜならその人物はレヴもよく知る人物、クラスメイトのクロワ・ハジメだったのである。ここ最近は何かに憑りつかれたように教本らしいものを読み、昼食も共に取らなくなっていたため心配していたのだが、まさか休日に目の前で倒れ込むという事態に抱いていた不安が的中することとなろうとは、思いもよらぬ事態に2人道端でパニックに陥ってしまった。
しかしそこに偶然通ったローレインが加わったことでその流れは一転、彼女の普段の言動からはとても思えない迅速な処置と対応で運ばれることになった。2人もこれには一安心……だったが何を思ったのかローレインに共に来るように言われ、到着した救急車で運ばれていった先はまさかの軍病院。しかも部屋に入ってくるドラグディア軍の軍服を着た老若男女、と思いきや貴婦人や執事、おまけに自分達も知る学園の生徒会長とその妹……。あまりにも濃すぎる面子にリヴァイ兄妹は反応に追いつけない。やがてそれが元の関係者であることと、今起こっている事を深刻に見ていることを知った。
事実は小説よりも奇なりという顔合わせから聞かされた用件。だがレヴ達はそれを素直に飲み込むことが出来た。この数日の元の様子はおかしかった。それに学校の中央広場が立ち入り禁止になった時から何かあると思っていた彼らにとっては、納得がいく話だった。
そこでようやく元が目を覚ました。一体なぜ親しい友人である彼があそこまでおかしくなってしまったのか、聞くチャンスである。ところが目を覚ました元は怪訝な表情をして、その場から逃げ出そうとする。
「って、おい。早速逃げるのかよ!?」
「ハジメ軍曹、あまりそういう態度を取らない方が良いぞ?」
ハジメの上官に当たる男女が共にその行く手を遮る。2人の現役軍人を相手に、今のハジメでは逃げ切るのは無理のように思える。2人にけん制された状態で更に1人の老人……もとい最高司令官のグランツが、ハジメに言葉を投げかける。
「やぁ、ハジメ君。大分無理をしているようだね」
「……それほどでもないですよ。今のままじゃ、アイツには勝てない」
「ハジメ君……」
ハジメを気に掛ける発言も、今は届かない。ガンダムの整備担当だというヴェールさんも嘆息を漏らす。この状況は中々に難しいと思える。レヴとリッドはある程度聞いたとはいえ、何か言えるかと思えばそう言えるものではない。何を言えばいいか迷う2人を尻目に、ハジメに対し直球の質問を投げかけたのはファーフニル家の従者であるネア・ラインだった。
「ハジメさん、ガンダムの装依者だからってこんな無茶しないでください!また失うのが怖いからって、こんな……」
「失う……って?」
「失礼。どういうことだ、ネア・ライン?」
ネアの発言に疑問が浮かぶ。また、とは一体どういうことか。同じく初耳であったアレク少佐がネアへ事情の説明を要求する。
事情の説明はネアを含めた、ファーフニル家の面々も話に加わる形で行われる。
「今朝ハジメ君言ってたのよ。もう誰も、自分の前で誰かが死んでいくのを見たくないって」
「これまでの間に、ハジメの知り合いが死んだのはファーフニル家当主のガンドのみ。にも関わらずハジメは他にも誰かが死んだような言い方をした。つまり……」
「ハジメさんは前にも親しい人を失ったと思うんです。今回のような戦争じゃなくても、それに匹敵するくらい、ショックな事件で……」
「え、あ……そう、なのか?」
「ちょっとレヴ……」
話を聞いても本当にそうなのかと疑ってしまうレヴ。あまりにも情けない反応にリッドから雑にツッコミを入れられる。反対に同じく話を聞いていたグランツ司令やアレク達は、3人の話に理解の頷きで返す。
「過去に人を……」
「確かにその線はあるかもしれないね。現に私達はハジメ軍曹の過去を聞いた覚えがない」
「で、どうなんだ、ハジメ軍曹」
アレクがハジメに対し、事実なのかと尋ねる。今の状況で話してくれるかどうか、微妙なところではある。これまで聞かれなかったから話さなかったのか、それとも話したくなかったから敢えて避けていたのかにもよるが、内容的に前向きに話したがる内容ではないのは明らかだ。
ところがハジメにも思う所があったのか、話の内容に関して虚を突かれたような反応からしばしの沈黙の後それを肯定する。
「………………そうですね。よくもまぁそこに気づくとは」
予想は的中した。ハジメは確かに経験していたのだ。しかしその表情には怒りが見え隠れしている。強くなった目つきにリッドが怯えてレヴの袖を掴んでくる。
それを聞いたグランツ司令は慎重にハジメに対し、その時の状況説明を請願する。
「よかったら、話してくれないか。一体君に、何があったのか……」
「………………」
ハジメの口が堅く閉ざされる。同時にその眼光が鋭く返していた。今までの彼とは違う表情に、只ならぬものをレヴとリッドに感じさせる。話すことは出来そうにないかと思われた。
しかし、彼から発せられたのは、意外な回答だった。
「いいでしょう。ただし条件があります」
「条件?」
「はい。ここで話すには色々と不都合です。屋上で話します。もちろん、その間は拘束でも何でもされましょう」
条件付きでの全てを語るというハジメの提案。条件的にはこちらが有利なものであり、レヴだったなら素直に飲み込む内容だった。他の何人かも意外な条件に呆気に取られるも、アレクなどの警戒心が強い者達は反対に警戒を強めていた。
「意外ね。裏がある気がしないでもないけれど」
「そうだね、グリューネ。あまりにも良すぎて、油断させたところで逃げ出す寸法か?」
「やれやれ、そんな人たちの為にわざわざ捕まろうと言っているのにこれですか。信頼無かったんですね」
警戒を強める者達に対し、呆れを軽く口にするハジメ。自嘲のようにも聞こえる。そんな彼らの不和にグランツが乏しめ、最終的にまとめる。
「アレク、グリューネ君。少しは信用しようではないか。ハジメ君もそう自虐的になるんじゃない。いいね?」
グランツの言葉に、お互いに一瞥してから頷いて見せる。ハジメの両手を手錠で拘束して、病院の人にも確認を取ってから、一同は屋上へと向かった。
◆
屋上の扉が開かれると、熱気が一気に肌に伝わってくる。夏服とはいえ、軍服のシャツには既に汗が染みこんでいた。こんな暑さの中でなぜハジメが屋上を指定したのか。有事の事も考えて、病院側には他の患者等の屋上への立ち入りを制限してもらっている。何かあっても、自分達がすぐに対処できる。
屋上へ着いたところで、ハジメの拘束が外される。といっても、手錠をした程度で特に体の方に不自由がなかったわけではない。足だけでも逃げようと思えば走って逃げられる。ただハジメがそうしようとしなかったのは、足だけ動いてもどうにもならないと判断したのか、それとも本当に話す気しかなかったのか。拘束を解かれたハジメは数歩前に出て立ち止まる。空を仰ぐようにして見上げる姿は、どこか喪失感を感じさせる。歳不相応の姿勢をして、ハジメは独り言のように語り始める。
「……そういえばあの時もそうだった……こんな夏の始まりの時、俺の誕生日から1か月たった頃か」
ハジメの誕生日。それはこの世界でも既に1度迎えている。その時当人はあまり気乗りしていなかったが、入隊祝いと同時に祝っていた。あれがハジメと自分の指揮するケツァール隊の、いやケツァール隊の結束を高める重要なイベントとなったといえよう。
だが、もしかするとそれはハジメにとって重い物だったのかもしれない。誕生日の事を話題にした以上、そこに現状を産む原因があったはずだから。
ファーフニル家執事のフォーンが、問いかける。何があったのかと。
「……何があった?」
それに対し、ハジメは返答する。
「殺されたんだよ、俺の幼馴染が。クソ腹の立つ殺され方で」
その時背中を冷たい風が通ったような気がした。風が自然と強くなったのか、それともわざとか。ありもしないことを感じさせるほどに、先程のハジメの言葉には憎悪とも呼べるものを感じた。
口調が変わったことにも驚きだが、それ以上に亡くなったのが幼馴染だということだった。男か女かにもよるが、それが分かれば少し増悪の根源に繋がると直感する。
気になる性別をその名前と共にハジメはその口から紡ぐ。
「
哀愁漂う元の言葉。女ということが分かり、その情報でアレクを含めた数名がその関係に気づく。それを分かってかハジメも自嘲する。
「大体は気づくだろうけど、それは本当に気づくのが遅かったよ。そう、遅すぎたんだ」
遅すぎたという発言を重ねて吐く。後悔の募るその言葉は、まさにその通りの現実であることを知らしめていくのであった。
◆
その少女は普通の少女だった。何かに秀でているというわけではなく、年齢相応の少女だった。敢えて言うなら、とても自分の面倒を見たがる少女であったのをよく覚えている。
小学校に入学した時も、少女は母親に連れられながらも同じく母親に連れられた元を見て、元の母親に言っていた。
『だいじょうぶ!はじめはわたしがめんどうをみます!』
その少女、間宮柚羽の言葉に最初のうちは元も本気で張り合っていた。自分はそんなに子どもじゃないと。しかしその幼馴染はそんなことなどお構いなしに、元を弟のように扱った。母親たちも仲がいいと笑っていた。
そんな流れは小学校の間ずっと続く。クラスが別でも休み時間になると積極的に元の下に来ていた。鬱陶しく思っていたそれは歳を取るにつれて頻度は少なくなっていったものの、ずっと続いた。しかし小学校の最後の年、変化が訪れる。
クラブが終わった後、元は偶然にも柚羽がいじめられていた現場に遭遇する。何でも柚羽の容姿を妬んだらしく、彼女をクラスののけ者にしようとしたという。入りに行くのも億劫だったが、放置することも出来なかった。元は教室を締めに来ていた先生に事情を話し、対応してもらった。所謂チクリだ。
当然その後元は陰でこそこそと言われる様になった。しかし、いじめから助けた帰り道。柚羽は元に質問した。
『ねぇ、どうして助けてくれたの?』
どうして助けたのか。今度は元も巻き込まれるかもという彼女の問いに、元は顔を背けながらも言った。
『……今までの仕返し』
『えっ……』
『今まで、ずっと俺のこと下に見てたから。だから今度は俺が下に見たんだ。あーあ、クラスのやつにまたなんか言われる……』
『元……うん、ありがとう!』
恥を承知で言ったそれは、2人の仲を縮めるきっかけとなった。意地を見せた結果、そうなったのである。元はそれを嫌そうにしながらもドラグディアの面々に呟く。
「小学生の頃からずっと付きまとってて鬱陶しいって思ってた。けど、小学6年の頃、アイツが傷ついてた時、俺は助けずにいられなかった。それが俺と柚羽が一緒にいるようになったきっかけだった」
中学校も2人は一緒だった。そもそも元達の住む範囲では通学する学校の第1候補はその学校が上がるためほぼ必然的であった。2人は同じクラスとなり、よく話す仲となった。それは前の学校から続くいじめも影響していた。しかし妬みはいつの間にか、仲の良さを羨み、再び2人の間に人が集まるようになっていった。
さらに丁度この頃、2人に新たな交友が生まれた。蒼梨深絵との出会いである。2人は美術室で1人絵を描いていた深絵にちょっかいをかける上級生に立ち向かった。恐かったものの、最終的にいつもその上級生たちを注意する教師が間に入ったことで上級生たちはちり紙のように退散していった。教師に元達も事情を話し、理解してもらった。そしていつもいじめられていることを知った柚羽は深絵に対し言った。
『ねぇ、私達も一緒にいていい?絵を描く間でも、他の人がいればそうそう手も出ないだろうし、何だったら一緒にお昼も食べない?』
『え……あ、うん……』
あまりにも突飛な提案だったが、深絵もおどおどとしながらも了承した。この後知ったことだが、深絵は小学校から友達を中々作れず、初めての友達にとても喜んでいたという。それ以来元と柚羽は深絵と共に中学生活を過ごすようになった。
それからは3人で行動することが多くなった。2人も友人達と都合を調整しながらも、深絵と一緒に居られるようにした。深絵も自然と柚羽の友人達と少しながら会話するようにもなった。柚羽の友人の中には光姫もいた。そして中学2年では3人同じクラスとなり、その輪は広がっていった。
「中学でもアイツは姉っぽく振る舞っていた。時々からかいもした。けどそれは誰か個人にだけじゃない。困っている人に向けて目を向けられるようになった。からかいもすごくいやらしく、的確だった。俺もいつの間にか、その輪に取り込まれてたよ」
「元……」
「だけど、理想は崩れていった。あの日、突然に」
元はアレクの声を遮るように言った。そう。あの日、元の誕生日から1か月が経ったあの日、それは起こってしまった。
「7月の中頃、学校からの帰り道、突然柚羽は俺に言ってきたんだ。彼女の母さんが再婚したって。良かったなって俺は言った。でもアイツは悲しそうに顔を俯けて言った。『もし私が助けを呼んだら、真っ先に助けに来てくれる?』って。最初はまた何かのからかいだと思ってた。けど、その時のアイツの顔はとてもからかっているようには思えなかった」
何かとても重要な、相当気を病んでいるように沈んだ表情を一瞬見せられた。半端な覚悟では到底受け止めきれない。元はそう感じた。
言葉に詰まってしまった。何か返さなくては、と元は思った。しかし、一体何を?生半可な言葉でいいのだろうかと不安が巡る。だがその時の柚羽の悲しそうな顔に、半信半疑のまま元の口は動く。
「言葉に迷っていた俺は、心配させまいと『当たり前だ。俺が真っ先に行ってやる』って言った。無責任な言葉だった。でもその時、アイツはすごく喜んでいた。俺の心配なんかよそに、言ってもらえたことに感謝していた。俺の方が申し訳なくなっちまった。それから他愛無い会話の後、その日は別れたんだ。その日は変な高揚感で眠れなかった。初恋だったんだろうな、今思えば」
今までも何度も感じた恥ずかしさ。しかし今回は状況が特殊だった。彼女の顔に思った以上に当てられてしまったのだろう。これまでになく沈んだ彼女の顔に、本気で心配したために。
だからこそ、翌日の事が元の全てを変えてしまった。
「そんな気持ちのまま、翌日俺はアイツを迎えに行った。柄にもなく一緒に登校しようとしたんだ。けど、柚羽の住んでたアパートには人だかりが出来ていた。警察まで来ていて、騒々しいったらありゃしない。けど俺の中に確信とも呼べる不安が強まっていった。それで近所で良くしてもらっていたおばさんが教えてくれた。…………柚羽が、死んだって。再婚相手の男による性的暴行のせいで、な」
『っ!』
一気に話を聞いていた者達の声が詰まる。あまりにも突飛すぎる話の内容で、女性陣の嫌悪感も見て取れる。だが、それは紛れもない事実だった。
おばさんもあまりにショッキングな内容の為、元にはぼかして伝えていた。しかしそれでも元の表情からは一気に血の気が引き、野次馬を退けてアパートの方に向かおうとした。だが途中で警察に止められ、それでも行きたい一心で突き飛ばそうとした。必死に柚羽の名前も呼んだ。それで騒ぎに気づいた責任者の警察官の中年男性が事情を聞いた。柚羽の幼馴染だと言うと、警察官の中年男性は事情を察したのか現場となったアパートの脇で話を聞かせてくれた。包み隠さず事情を教えてもくれた。けれど、遺体には会わせられないと断られた。
「警察官の人は何か分かったのか俺の話を親身になって聞いてくれた。けど、仕事の関係上いくら幼馴染でも会わせられない。葬式まで彼女の遺体に顔を会せるのは待ってくれって言った。その分、警察官のその人は自分に出来る限りの状況を教えてくれたよ。柚羽は少し前からお母さんの紹介で連れてこられていた再婚相手の男性に、この半年性的被害を受けていたらしい。軽いものがほとんどで、柚羽もお母さんに迷惑になると思って警察には言えなかったって、日記に書いてあったらしい。でも、それがここ最近は度が過ぎ初めてて体には火傷、打ち身の跡が残っていたっていう。そしてあの日、あいつは再婚相手の男に……いいように……っ!」
元はその先を言えなかった。いくらその事を話せと言われても、それをすべて明かすことなど出来なかった。それでも元の話を聞いていた者のほとんどが、その事情を察することが出来ていた。あまりにも無残な仕打ち、先程のそれは、助けだったのだと気づく。
そして元は葬式場での事を話す。
「それからすぐに葬式が行われたよ。柚羽の母さんは自分のせいで娘を死なせたってふさぎ込んでて、柚羽の前のお父さんの所にいたっていうお兄さんも来てた。俺は父さんと母さん、妹と一緒に棺桶に入った柚羽の顔を見たんだ。綺麗だった。本当に、眠っているだけだと思った。けどその頬はとても冷たかった。もう届かない、彼女が伸ばしていた手を、俺は掴めなかった……!泣くしかなかった!俺のせいだ、俺が気づけなかったからだって、叫んだ!」
元の声が感極まる。それだけ元にとって、強く残る後悔だったからだ。グランツやレヴ、クリエらはそんな元の声に言葉を挟みはしない。ここからが、元の決意だった。あの日からずっと、これから先後悔しないために決めた決意。元の行動指針とも呼べる、これまでの行動をも裏付ける言葉。元は口を開く。
「だから決めたんだ。俺はもう、誰も失わせないって。その手を伸ばして、離さない。救わないとまた手遅れになってしまう。今もなってしまった……だから俺は失わせたやつを、許さない!」
届かなかった絶望を経験した元の決意。害する者全てを滅ぼすという確固たる意志。更に救うためにその手を伸ばして護る。それが黒和元の「歪み」なのである。
NEXT EPISODE
今回もお読みいただきありがとうございます。元君の歪みは「困っている人を護りたい、救いたい。だけど失ったら絶対にそうした奴を復讐してやる」という感じです。
レイ「……藤和木が言いたいことってこと?」
うん(´・ω・`)いや、ちょっと元君の言葉でだと少しずれてしまった感が出てね……ここで補足(;・∀・)
ジャンヌ「それ思うならちゃんと収まるように調整し直しましょうよ……」
いや、でもそうなっているつもりだと思ってる(´・ω・`)けど毎回描写関係変になってないか心配になるのよね……。まぁでも反射的に周り見ずにやり返そうとしている元君はダメなわけだけど。
さてEP43では遂にそんな元君に、驚きの人物が制裁に掛かる……?
レイ「驚きの人物って……誰?」
ジャンヌ「まさか……あの人物!?」
ごめん、誰思い浮かべているのかなジャンヌさん?(´・ω・`)
ジャンヌ「主人公を居候させている実は黒幕の喫茶店のマスターさん」
そんなわけないしそもそもそんな人物いないよ(゚Д゚;)てかそれエ○ルトだろ!?
レイ「いやーわかんないよ?」
流石にそんな突拍子はない(´・ω・`)それではEP43も引き続きよろしくお願いします。