レイ「アシスタントのレイだよ。このやり取りなんか前にも似たようなことなかった?」
ジャンヌ「アシスタントのジャンヌです。あれですよ、前もアンジュだったか艦これ始めた時に風紀委員か提督と言ったあれ」
レイ「あー、旧作の時のね。既視感はそこからかー」
そんなこともあったね(´・ω・`)今回のアリスギアはこっちの方でも武装とか参考にしたいなぁってのも出てきているので、少し考えていますね。さて、今回はEPISODE62の公開です。
ジャンヌ「前回は元さんがかなり押されている展開でしたね」
レイ「そうそう、それにフォーンさんが何かを話そうともしてたよね」
ジャンヌ「確か……約束と過去の決闘の事でしたか?」
20年前の決闘、フォーンはどのような心持で臨んだのか?そして元はどんな答えを導き出すのか、逆転できるのか!?そんなEPISODE62をどうぞ。
「23年前、俺とガンドはジャンヌの母クリエを掛けて決闘を行った。ファーフニル家を代々護るための当主を決めるために」
ハジメへと語るフォーンの脳裏に、当時の情景が思い浮かぶ。23年前のフォーンはフリード家の者として恥じぬ振る舞いを心掛けていた男だった。実力も申し分なく、一番上の兄だったシン・フリードと共にフリード家の次代を担う人物として注目を浴びていた。史上最年少での三竜将任命も噂されていたが、フォーンからしてみればそんなものに収まるつもりはなかった。
彼が目指していたものはただ1つ。彼の家が代々受け継いできた使命、ファーフニル家を守護するという使命。それを直接的に行うことのできる地位であるファーフニル家当主を目指していた。代々ファーフニル家の当主は候補にフリード家の血筋の者がいたものの、その一切がなることなく他の候補者に座を取られてしまっていた。それはフリード家側の候補はあくまでもストッパーとしての役割が強く、他の候補者の審判を務めるためであることが多かったからであるが、当時のフォーンはそんなことなど知らなかった。ただひたすらに、自分の妹分とも呼べたクリエと結ばれ、永遠に守り続けたいと夢を見ていた。その想いも強さの1つであった。
だが、それを阻む者がいた。戦争で家を失い、グランツに助けられ家に引き取られた当時16歳のガンドだ。彼は自分がまだ10歳になるかという辺りで家へと迎え入れられた。当時はまだ幼く何とも思わなかったが、クリエと話をしていたところに入ってきたガンドに何度も邪魔をされて、嫌なやつと思い始めた。しかもその同時期に父のグランツからの話で、ガンドがクリエの婿候補として教養を受けることを知ると、それに対し怒りを覚えるようになった。クリエの相手は自分が相応しいんだと、フォーンは無理を言って直後から両親や兄に頼み込んで様々な勉強や指導を受けた。おかげで中等部の頃から成績優秀・スポーツ万能と当時の聖トゥインクル学園でも話題になった。それでも彼はクリエ一筋だった。
ところがそうして目立つようになっていてもクリエが目を向けていたのはガンドだった。彼はフォーンが勉強や指導を受けている間に、グランツに同行してファーフニル家に赴き、クリエと交流していたのだ。どれだけ話しても寂しい笑みしか見せなかったクリエが、ガンドと交流するたびに笑顔になっていったのを見て、次第に妬み始めた。なぜ後から入ってきたみすぼらしいやつにクリエが惹かれるんだ、育ちも才能もある自分の方が優れているのに!クリエの興味を奪われていくにつれてフォーンにますます嫉妬の気持ちが体を巡り、余計に訓練へと打ち込んだ。それがむしろクリエとの距離を離すことになるのにも知らずに。
そうして訪れた決闘の日。当時のフォーンの階級は大尉。しかしわずか1年で参加した戦線は100を超え、主要な戦線で確実に味方を勝利へと導く様から「導きの英雄」、次代の三竜将も噂されたエースとなっていた。一方ガンドは平凡な成績ながら安定した活躍を見せており、MSの扱いぶりから試作MS兵装を操る部隊に所属していた。
一目瞭然とも呼べる2人の実力。だが既にクリエの気持ちはこの時決まっていた。迎えた決闘の日に、父グランツが決闘場でクリエに問いかけた。
『クリエ、君は今、どちらと一緒になりたい?』
決闘直前の事だった。自身の経歴に自信満々のフォーンからしてみれば、先にガンドを絶望させられると、彼女の心を掴んでいると思っていた。しかし、クリエの口から語られたのは、残酷な現実だった。
『強さだけで見れば、フォーンの方が強い。でも、家を護ってくれて、私や家族の事をしっかり見てくれるのはガンドさん。だから、私としては一緒になりたいのは、ガンドさん』
クリエの発言に、決闘前にも関わらず激高する。自分は彼女を護りたい一心で強くなったというのにこの仕打ち。許さない、許せるはずがなかった。いつの間にか抱いてしまっていたクリエへの憎悪を胸にしたまま、ガンドとの決闘に臨んだ。クリエが否定したとしても自分が勝ってしまえばいい。勝者が全てを手に入れればいいと怒涛の攻めを展開した。怒りのままに自身のMSの出力を全開にして戦う。フォーン自身の腕も合わさってガンドを追い込んでいた。
このままいけば勝てる。ところがトドメの一撃を掛けようとしたところで機体が機能不全を起こす。DNの生産量が追いつかずにエネルギー切れとなってしまったのである。急激に機能が落ちたフォーンの機体に、プロト・マキナ・ブレイカーで攻撃を防御し続けたガンドが反撃の一太刀を浴びせた。その一太刀を受けてフォーンのMSは機能停止し、敗北した。
敗北したフォーンは理解できなかった。なぜ負けたのか、なぜトドメを刺せなかったのか。叫ぶフォーンに父は言った。敗因はただ1つ、焦りだと。クリエの言葉を聞いて冷静さを欠いたフォーンでは、実力が劣っていても堅実な戦いを展開したガンドに勝てる可能性はなかったと。フォーンはあの時の言葉さえなかったらとグランツ、そしてクリエにあたる。だが、それをガンドが胸倉を掴み上げ、フォーンの顔を殴って止める。そして言った。
『自分の失態を父親や婚約者に擦り付けるな!』
大きな衝撃だった。物理的にも、精神的にもフォーンのプライドを打ち砕いた発言だった。言われてフォーンは膝から崩れ落ちた。それは紛れもない事実だったのだ。自分の失敗を父親や婚約相手にぶつける自分が醜く見えた。もはや自分は相手に相応しくない。それを痛感させられる。
それに気づいてどうすればいいのか分からなくなってしまった。だが、ガンドは言った。もしよければ、フォーンをファーフニル家のボディーガード、あるいは使用人として雇いたい、と。フォーンの強さは確かであり、またフォーンのクリエを護りたいという気持ちはよく分かったとクリエ本人も認めていた。責任転嫁をしようとした自分に対し、そのように言ってくれる2人に戸惑うが、グランツからの勧めもありフォーンはそれを承諾した。これが、23年前の決闘の事実だった。
「……こうして俺は軍人を辞めてファーフニル家の執事となった。丁度当時の執事長が引退を間近に控えていた頃だったから、引き継ぎのために多くを教わった。今でもあの人が居なければ、途中で投げ出していたかもしれない」
「………………」
話に聞き入る様子のハジメ。とはいえビームサーベルをいつでも発振できるように構えている。その対応に心の中でそれでいいとしつつ、フォーンは件の約束の件について話す。
「そうして20年、ファーフニル家の執事として勤め続けて来た。ガンドのいない間のファーフニル家を護るために、クリエを護るために。そんな俺に、あいつは死の間際俺に2つの頼みごとをした」
「2つの頼み事……?」
「1つは、あいつが死んだ後のファールニル家を護り続けること。これは言うまでもない。何を考えたか、あいつはクリエと俺とを結び直そうとしていたみたいだが、断固拒否した。そしてもう1つ。それはハジメ、お前がもしもお嬢様と共に何かの危機に立ち向かう時、その覚悟を確かめることだ」
「っ!そうか……これは」
それを聞いてハジメも気付く。そう、これはガンドの遺志によるものだった。軍の復帰は父であるグランツからの要請で受けるつもりだった。だが父からの話で2人が非常に危険な役目を背負うことを知り、確かめるのは今だと事情を話し、決闘を打診した。自分の復帰条件に盛り込めば、比較的通りやすいと思った提案だったが、グランツは二つ返事でOKを出す。ガンドからの最後の願いと言うのもあったためだろうが、要求を呑んだ後で父は「この時でなくともいいというのに……お前は真面目なやつだ」と言われた。
ハジメの気づきを肯定する。そして告げる。
「そうだ。だがお前は動きに迷いを持っていた。今もこうして押されている。この程度の困難も押し退ける力がなければ、ジャンヌを前線に出すことなど!」
声高々に宣言して右のガントレット、左のシールドからそれぞれダブルビームライフル、ソードを展開する。初めて触れた機体だが、武装の傾向はかつてフォーンが乗っていたドラグーナ・νと似通っていたのもあって何とか使える。ただ元々が新たなガンド専用機として作られていたのもあって使いづらいところも存在する。特に左腕のソードはマキナ・ブレイカーをベースとした兵装であり、フォーンには扱いの難しい兵装であった。だがフォーンはそれを積極的に使っていた。ガンドに代わり、2人の覚悟を確かめるために、その剣を振るっていた。
フォーンからの叱責を受けて声を静めていたハジメ。まるで意気消沈したかのように視線を落としている。何を考え、どうしようとしているのか。いずれにせよ、動かないことが答えならフォーンは決めなくてはならない。この戦いの結末を。マキナスとの決戦までもう時間はない。何も彼が決断し、動くつもりがないのならここで潰すだけだ。
加速体勢入る。そのタイミングで、ハジメが口を開く。
「……なら、逆に聞きますけど、フォーン大佐は覚悟出来ているんですか?負けた時のショックを受ける覚悟が」
負けた時のショックを受ける覚悟と言う言葉に、フォーンは違和感を覚える。負ける覚悟など、軍人ならば想定できる、だが考えるべきではない状況だ。ショックという言葉もついていて言葉の指す意味を分かりかねたフォーンは苛立ちを以って返答する。
「負けた時の覚悟だと!?負けた時の事を考えてどうする!?そんなものを抱えているから負けるんだ!戦うことを考えなければ、護ることは出来ない。それを理解していたのではないのか、お前は!」
激高するフォーン。ハジメの返答はそれとは対照的に冷静、いや、無味なものであった。
「―――――圧倒的な差を見せられたらどうするんですという意味で聞いたんですが……けど、そうですか……なら、もう迷いはしない。どうなっても知らないぞ?」
どうなっても知らない。苛立ちを込めたハジメの言葉が響くと、ハジメもまたこちらへと飛び掛かる姿勢へと移行する。だが先に動いていたのはこちら。スラスターからDNを噴射してハジメに向かって加速する。一拍遅れてガンダムが飛ぶ。
速度的に有利を取ったフォーンはシールドのソードをハジメに向けて振り下ろす。この加速度で振り下ろせば、突っ込んできている敵に対し大きくダメージを与えられる。例えガンダムでも、避けることは不可能だと思っていた。避けるためにはそれこそ未来予知レベルの戦術眼が必要だ。先程までのハジメの動きでそれはないだろうとフォーンは予想した。
ところが、だ。想定外の事が起こる。このままなら確実にガンダムを葬れる、はずだった。だがその剣はシュバルトゼロガンダムの横を滑る様に通り過ぎた。
「何っ!?」
あり得ない。あの速度で攻撃すれば、並大抵のMSでは避けられないはずだ。ガンダムでもエラクスを使って初めて避けられると思える攻撃。しかしハジメは機体を一切輝かせることなく、漆黒の装甲のままで剣の軌道ギリギリを通り過ぎたのである。
まだ攻撃は終わっていない。切り返す形で反転するとシールドのソードを横薙ぎに振るう。上手く行けば反転する途中でウイングを斬り裂ける攻撃、そうでなくてもビームサーベルと打ち合う攻撃になる、はずだった。振り向いたハジメは右手のビームサーベルを発振させていない。このまま斬り裂けると思ったのもつかの間、振り向きながら一気に上空へ跳び上がり、錐もみバク宙を決めて攻撃を回避したのである。
思わぬ行動で攻撃を回避されたことに動揺を隠せない。しかしまだ戦闘は続いていると着地地点を確認しようとしたフォーン。だが向けた先の地面にシュバルトゼロガンダムの
姿は見当たらない。
「どこに……何っ!?」
どこにもいない。しかしアラート音がけたたましく上からの接近を知らせていることに気づき上を向くと、そこにはこちらに向けて急速落下するシュバルトゼロガンダム[リペアツヴァイ]の姿があった。ビームサーベルを発振させて両手による振り下ろしが襲い掛かる。
咄嗟にシールドで防御するが、勢いの付いた落下切りを止めるのは難しい。攻撃を受け止めた途端に後ろへと弾かれる。地面へと着地を決めるガンダムの姿が映る。先程までの動きとは全く違って見えた。
(この動き……先程までとは違う。キレが出ている)
バク宙からの切り下ろしというかなり姿勢制御の難しい攻撃を受けて、フォーンの中に危機感が生まれる。負けるつもりはなくとも、負けるのではという感覚だ。先程ハジメに負けを考えるなと言っておきながらあれだが、危機感は感じるものだ。変貌したハジメに恐れを抱いていた。
しかし同時にこうも感じていた。ようやく本気になったと。本気になったハジメを見極めるのが本来の自分の仕事。待ちに待っていた展開にフォーンも負けじと反撃を仕掛ける。
「そうだ、それを待っていた!」
「っ!!」
シールドソードとビームサーベルが交わる。切り結んだ状態でダブルビームライフルの狙いを定めるが、構えるワンテンポ前に切り結びを避け、姿勢を落とす。本来見据えていたはずの位置に向かってライフルのビームが放たれる。放たれた弾丸はガンダムの頭上をすり抜けていく。そして姿勢を落とした状態から、ハジメが踏み込んでビームサーベルを振るう。振るったビームサーベルは一歩引いたフォーンのバルムンクの胸部、そして左腕の装甲の一部を切り裂いた。
斬撃を受けた箇所が火花を散らす。まだ左腕は動く。だが油断できない。ファンネルが追撃する形で襲い掛かる。数の減ったファンネルを避けることは造作ないとダブルビームライフルでけん制、狙い撃ちをしていく。しかし、けん制しているにも関わらず、ファンネルは一切乱れることなく弾幕を潜り抜け、狙い澄ました一撃も掠めることはない。寧ろ反撃のビーム弾が機体に被弾し始める。シールドを構えて防御するが、脚部のスパイク・キャノンや肩部装甲が破壊されていく。
先程とはまるで攻防の精度が違う。別人とも取れる動きにフォーンは苦戦を強いられていく。それでも本気となったハジメと競り合っていた。その顔に笑みを浮かべて。
◆
先程の劣勢が嘘のように制圧してく元。その理由は無論スタートが感じ取れるようにしたあのノイズの力のおかげだ。相手の動きをノイズで把握し、それに対し一手早く行動する。これまでのMS運用を覆す戦法だった。
本当に使っていいのか迷ったものの、フォーンからの叱咤を受けてその迷いは吹っ飛んだ。それに加え、ガンド、そしてそのガンドの遺志を受けたフォーンの言葉に動かされたのも事実だ。力を見せる必要があるのなら、迷っている暇はない。全力でぶつかり、そして見せつけなければならない。自分の覚悟を、そして自分の力を。
迷いを振り払った元の動きは完全にフォーンを圧倒していた。大剣による攻撃を回避、更に先程のバク宙での翻弄。ファンネルの動きも先程とは違い弾幕をすり抜け、狙撃に対しても的確に回避して反撃を行っていく。確実にダメージは与えられていた。
動きが見える。一言に言ってそれだった。しかし感覚的なものを正しく表現するなら、動く先がノイズで分かる、だ。耳、正確には脳内に響くノイズが相手の動く方向から聞こえてくる。それが敵なのか味方なのかが心とでもいうべき感覚で判断する。今のフォーンからは敵意のこもった音が聞こえてくる。それを察知して攻撃を回避、そして行く先に攻撃を向けていた。
「はぁぁ!!」
「ぐっ!!」
ファンネルの包囲網を抜けたフォーンに対し、再び突撃を掛ける元。ビームサーベルの斬り下ろしがシールドに受け止められるが、直後前に突き出していた側の膝からビームスパイカーを発振させる。発振したビームスパイカーの杭がフォーンの懐に飛び込み胸部を傷つける。スパイカーを発振させそのまま一気にこちら側に引き込む。シールドを裏側から腕ごと切り裂くと思われたが、間一髪意図に気づいたフォーンが腕を開いて避ける。
フォーンを蹴り込んだようなポーズを見せる元。フォーンは残った膝のビームキャノンを展開してその状態の元に放つ。カウンターとも呼べる速射だったが、その一撃は掠めることなく空に消える。機体を蒼く輝かせたガンダムは、残像と共に斜め上に飛んで回避したのだ。すかさず斜め下上空に見えるフォーンの機体の胸部に向けて蹴りを入れると、追い打ちのビームマシンキャノンを両シールドから連射し追撃を入れる。
雨のように降り注ぐビーム弾をフォーンは回避する。だが一部が左ウイングに直撃し、爆発を起こして損壊した。ウイングに接続されたジェネレーターも爆発を起こして振り撒かれたDNと共にフォーンの姿を隠す。元はそこで追撃をやめ、エラクスを解いて煙が退くのを待つ。
まだ収まらない敵意のノイズ音。それが示す通り、フォーンにまだ降参の意は見えなかった。地面へ着地したフォーンのバルムンクはバックパックの片側を損壊しながらも、そこに存在していた。ダブルビームライフルを展開し、シールドを構えている。元の猛攻撃に対し、フォーンが予想を上回るというような称賛の言葉を向けた。
「意外だな。まさか、こんな力を残していたとはな」
「……なるべく、この力は使いたくなかったんですけどね」
フォーンの言葉に、しまりのない言葉で返答する。やはり使うべきではなかったのかもしれない力。しかし、使わなければ勝てない。元の言葉に疑問を持ったフォーンも何をして力を使いたくなかったのかを訊く。
「なぜ使わなかった。その力はお前のものではないのか?スタートが何か細工したのか?」
「……したといえば、そうなります」
『そうだな。だがこれは俺の確かめでもある』
元の言葉を回線に介入したスタートが肯定する。スタートは自身のしたことについて端的に話す。
『もしお前が力に目覚めていないのなら、それは感じ取れない。だが、お前は今その力を確かに感じ取っている。……それは他の者が持たない、まぎれもないお前の力さ。だから……』
「………………あぁ、分かってる。俺はもう、迷わない」
スタートに返答して、光の刃を再度展開する。静かな構えでフォーンへの戦いの姿勢を見せると、フォーンも話に一応の納得をしてそれに1つの形で応じた。
「―――――そうか。その力で戦うのなら、俺も本気で応じる。バルムンク、DNA!」
『DNA バルムンク・フルバースト』
空に向けて構えたダブルビームライフルの銃口からビームが放出される。放出されたビームは巨大な光剣へと姿を変えた。高エネルギーによるスパークが光剣、そして機体から散る。ジェネレーターからは大きな駆動音が響き、破損状態の部分からもオーバーフロー状態のDNが電撃を帯びて放出される。まるで翼の様に動くそれは、勝ちへの執念を感じさせる。
ガンダムと言えど触れたら確実にアウトなDNA。元も警戒したが、警戒が甘いことを思い知らされる。フォーンはその剣の範囲外の状態で、剣を振り下ろした。
「バルムンク・フルバーストォォ!!」
渾身の叫びと共に振りかざされた光剣。その光剣から光の束が分裂し、こちらへカクカクした軌道を描いて襲い掛かってきたのである。唐突なホーミング弾に、元は機体のスラスターを全力で噴射、回避行動を取る。
ノイズが周囲を離れない。何とか攻撃を回避しながら接近を試みるが、行く手を次々と光条が塞ぐ。バレルロールなども織り交ぜた回避運動で攻撃を巧みに避けていくが、その動きが止まる。周囲を完全に包囲される。
「っ!?くっ!!」
エラクスを起動させる。だが間に合わない。シールドを構えて前面防御、後方ががら空きだ。その状態で元は光の束に押しつぶされる。ガンダムに着弾すると同時に爆発を引き起こした。
視界が一切見えることのない煙の世界。外界からも一切詳細が見えない状況。シミュレーターポッドの外ではジャンヌが負けたと思い崩れ落ちていた。総合ブリーフィングルームでもフォーンがやったと歓声とどよめきが生まれた。
しかしフォーンは緊張を切らさない。シミュレーターポッドの技師も終了の合図を知らせないことを理由に動かない。まだ終わっていない。そう―――――
「――――――まだだ!!」
響く元の声。同時に煙が光の物体で振り払われる。姿を現したのは、ウイング、そしてサイドアーマーから光の翼を放出し、両手に構えたブレードガン・ニューCとビームサーベルに大きな光剣を形成した蒼く輝くガンダムの姿だ。
既にその機体にシールドとファンネルはない。両兵装をDNウォール、そしてDNプロテクションで防御に回して攻撃を防いだのである。もっとも両兵装出力全開でも、もとの武装そのものは全損してしまったが。最大の一撃を防いだ元に、フォーンが吠える。
「ハジメェェェェェェ!!」
「フォォォォォーン!!!」
元もそれに応え、突撃する。フォーンの方は再びバルムンク・フルバーストを発動させ光剣をライフル、そしてシールドソードに纏わせて形成していた。元の発動させたDNF「ディメンションブレイド」状態のビームサーベルとブレードガンとぶつかり合う。衝撃が電脳空間を揺らす。通常よりリーチの伸びた武器による斬り合い。幾度も剣を交える呼応坊の中、攻撃を避けた元の回転切りが上からDNAバルムンク・フルバーストの剣を打ち破った。
「ぬぁっ!?」
「今っ!!」
素早くビームサーベルに残りのマキナ・ブレイカーⅡAを接続してバルムンクに投擲する。その一刀をフォーンは素早く展開したシールドソードで突いて正面から防ぐ。マキナ・ブレイカー側面スラスターから放出されるDNが前に進もうとする。完全にフォーンはその勢いを受け止めていた。勢いが弱まったところで弾かれるだろう。だが、その前に元は終の一撃を放つ。
「何っ!?」
「こいつも、持っていけ!!」
『Ready set GO! DNF、ディメンションスパイク・フルブースト!!』
エラクス状態で蹴り出した脚部が、そのまま剣の柄尻に押し付けられる。剣のスラスターに加え、機体の推力も合わせた剣の蹴撃。受け止めていた実体剣からひび割れの音が鳴り始める。
フォーンが退こうとする動きをしたがもう遅い。勢いの付いたマキナ・ブレイカーはそのままバルムンクの剣を砕く。剣が砕けると前に突き出していた腕が後方に下がり、その身に実体剣が突き刺さる。蹴りの衝撃がバルムンクを震えさせる。腕が地面に向けて落ち、そのツインアイから光が落ちた。
勝負は決まった。奇しくも決めたのはガンドがかつての決闘で決着を付けた武器と同じ種類の武装。シミュレーターポッドの音声が元を勝者として称え挙げる。
『Battle Ended Winner Hajime』
決闘終了と共に、スピーカーから歓声が響き渡る。ジャンヌやレヴ、リッド達の喜ぶ声が聞こえる。勝ったのだという実感を強く感じ、ため息をつく。フォーンはとても強かった。そして自分の力は使わなくていいわけじゃないことを理解した。全力で立ち向かう。それが一番大事なことなのだ。元はフォーン、そしてガンドへの感謝の意を呟いた。
「ありがとうございます、フォーン大佐、ガンド様」
NEXT EPISODE
今回もお読みいただきありがとうございます。力を使うという選択をした元君、見事勝利です(´ω`*)
ジャンヌ「無事勝てて本当に良かったです」
レイ「ほんとだよー!負けてたらジャンヌ・Fちゃんと離れて支障出たかもしれないし」
支障というか、スランプに陥っていたというか……まぁそこら辺は話すもんじゃないですね(´・ω・`)
レイ「うんうん。でも、フォーンさんも暴走しがちだったんだねぇ」
ジャンヌ「というか、元さんが暴走していた時と心境が似ていたように思えますね」
まぁ、似ちゃったね。でももしかすると、元君暴走時にフォーンさんが気に掛けたのはそれが影響していたのかも?(゚∀゚)
さて、今回はここまで。
レイ「次回もお楽しみにー!」