レイ「もう裏でヒャッハーって感じに見てたもんね。アシスタントのレイだよー」
ジャンヌ「正直言ってうるさかったくらいです。アシスタントのジャンヌです」
さて、今回は久々の1話投稿。EPISODE68の公開です。
レイ「いよいよ出陣!ガンダムの装備のお披露目だね!」
ジャンヌ「ギリギリで調整が間に合ったと言っていましたが……果たして無事たどり着けるんでしょうか?」
それでは本編へ。
『格納庫、ガンダムの状況は?』
『武装全最終チェック完了!ケージに移動中です!』
ディオン艦長とヴェールの声を聞きながら、元はジャンヌと共に出撃の時を待っていた。ガンダムの手を通して握るモビルブースター「ヘッジホッグ」のアームの動きを確かめる。予定されている機能は問題なく使えそうである。現在シュバルトゼロガンダムは最終決戦仕様[Last Battle Custom-A『NOVA』]通称『ノヴァ』装備状態で、右舷格納庫から艦底部の専用カタパルトケージに移動中だ。その移動もたった今終わり、ケージのアームに接続がなされる。接続の重低音がカタパルト内に響く。
いよいよだ。出撃の時が迫り、オペレーターに対し、ガンダムのシステムチェックを口頭で行いながらジャンヌに状況を確かめる。
「シュバルトゼロガンダムLBC-A『ノヴァ』、パイロット側問題なし。お嬢様?」
『こちらもクリムゾン・ドラゴニアス含めて問題なしです。マリーさん』
「グシューン!」
ジャンヌの声とブースター上部に接続されたGワイバーン・フルアーマメントの鳴き声が返答する。それらの声を受けて、オペレーターのマリー曹長がコールの準備をドラグディア軍全通信回線に言い渡す。
『了解です。SZG側からの出撃準備完了を確認。ダンドリアス専用ハッチ解放、射出タイミングおよび作戦開始の合図をSZGのパイロットに譲渡します』
コールと共に正面のハッチが開く。ハッチの開いた先にはマキナ・ドランディアの空が広がる。蒼く広がる空の先には、展開されたマキナス軍艦艇の姿が見えた。
ケージタイプのカタパルトに宙づりの状態で発進の時を待つシュバルトゼロ。元は一息吸って一気に一声を発した。
「シュバルトゼロガンダム
その一声と共に機体が一気に加速する。だが機体固定部は解除されたものの、エネルギー供給ケーブルは外れない。加速を付けるためのサイドブレーキとなっていた。同時に後方から熱量が順次大量に接近しているのがレーダーで分かった。全ドラグディア軍艦艇から長距離ミサイルが発射されたのだ。
ミサイル群がシュバルトゼロガンダムの母艦であるダンドリアスを追い抜かす直前、ガンダムを抑え込んでいた最後のブレーキであるケーブルが外れる。シュバルトゼロガンダムはスピードをそのままに艦から出撃した。ミサイルに負けない速度で、ケージアウトする。
発艦したシュバルトゼロガンダムはまるで要塞とも言うべき様相を呈していた。2倍の大きさはあろうかというブースターを背負って……いや、搭乗していた。だが図体に反して圧倒的なスピードで鏑矢として突撃を開始する。前方からはミサイルを迎撃しようとMSの銃撃と艦砲、そして同じくミサイルが放たれていた。突如前へと出て来たシュバルトゼロガンダムに対しても、迎撃の銃火が放たれるが、シュバルトゼロガンダムは構わず突貫する。ミサイルを撃ち落とし、弾幕が展開されたシールドのDNウォールに打ち消される。スピードに翻弄された敵の中央を通過するシュバルトゼロガンダム。直後に後方からの危険警報が鳴る。ミサイルが爆発を起こして後方の空を火の海に染め上げたのだ。
爆発に巻き込まれ、マキナスのMSや艦艇がいくつか落ちていく。ただそれも少数で、爆発が収まるとすぐさまドラグディア軍および元のガンダム迎撃に移った。全方向から艦艇の対空機銃とビームの雨あられがガンダムに襲い掛かった。
それらの間隙を縫うように攻撃を回避していく元。更に敵地の奥深くへと進んでいく。だが立ち塞がる様にMSの一団が前方に展開した。ビームライフルを構えて迎撃する構えだったが、その動きが確認できた時点でこちらも既に行動を起こしていた。
「ビームマシンキャノン、ツイン・ヴァリアブル・キャノン照準。キャノンアーム、モードスピアブラスター……シュート!」
肩部シールドを前面に向け、ビームマシンキャノン、バックパックのツイン・ヴァリアブル・キャノンに出力を回す。更に両腕部が掴むブースターのウエポンアーム「キャノンアーム」を前方でドッキングさせる。ダブルビームライフルから4門の砲身となった武器腕に光が収束する。
前方の部隊が発砲する、それと同時にこちらも砲門から大火力を正面に放った。連弾と高収束ビーム、更に圧縮ビームが空を薙ぎ払う。迎撃に放たれたビームはそれに溶け込むように消失、正面部隊は1機残らずビームに呑みこまれた。ビームの中でいくつもの爆発が響く。シュバルトゼロガンダムが通り過ぎるころには既にそこにMSが存在していた形跡が消えてなくなっていた。
正面から障害を打ち破り、空を翔けるシュバルトゼロガンダム[リペアツヴァイ LBC-A『ノヴァ』]。寄り道するような戦闘参加をすることなく、ただひたすらに前へと進み敵軍第1波を突破する。敵軍を突破した頃には、既にダンドリアスを含めた象徴防衛部隊が象徴の援護を受けてドラグディア軍と交戦状態に入っていた。ジャンヌから回線の内容を伝えられる。
『ダンドリアスから通達です。戦闘状態に突入。本機は引き続き敵軍突破と任務遂行をとのことです。それから……』
だが報告の途中で、再び弾幕がガンダムを襲う。脅威を感知した勘のいい部隊が既にこちらに向けてMSを展開していた。スピードはそのままに回避行動優先で突破を試みる。ところがジャンヌの大声で方針は変わる。
『……!ハジメ、斜め上に緊急回避!!』
「っ!了解っ。……っぐ!!」
ジャンヌの声に瞬時に反応し、機首を上へと向ける元。ガンダムとモビルブースターの推力を以って上への緊急回避を行う。すると、先程までいた場所を横薙ぎに超高出力ビームが放たれた。空を抉る様に放たれたそれは前方に展開しつつあった部隊の半数以上を壊滅させる。それだけに留まらない。その先の第3波、4波と呼べる部隊にまで伸び、一直線で障害を文字通り薙ぎ払ったのである。
ガンダムのDNF以上の高出力砲撃。思い当たるのは1つしかない。続く通信回線からその正体が放った本人から明かされる。
『ハジメ、ジャンヌ。オールギガブラスターで道を切り開いた。先を行け!』
「助かる。そちらは任せた!」
クリムゾン・ドラゴニアスからの大きな援護を受け、シュバルトゼロガンダム[リペアツヴァイ ノヴァ]は更に先へと突き進む。
ここまでの道のりはかなり順調だ。DNウォールもシールドから展開し、機体本体への被弾は見受けられない。まだ本隊よりそれほど離れていないことも攻略を優しくしていた。このままの調子ならいける。
だが、そう簡単には上手くはいかないのが戦いと言うものだ。撃沈寸前となった艦のカタパルトから出撃した白の狂鳥が、シュバルトゼロガンダムを狙って接近しつつあったのである。
◆
元達がサークノ・レ・ファイ大陸中央にて戦闘を開始した頃、大陸北部と南部でも戦闘の火蓋が切って落とされていた。中央と同じく開戦と同時にミサイルの応酬と、砲撃、そしてMSによる白兵戦……協力する両国の友好国も戦火を交えていた。
北部を指揮する三竜将のバァン、南部を指揮するシン・アーミーズのシンは座乗艦にて戦局をしっかり押さえて、部隊1つ1つに指示を出していく。両軍協力国の戦力も用いて積極的に対峙しているように見えた。だが実際の所、その様相は中央よりやや控えめだった。正確には、マキナス側の戦線がやや押され気味であると言った方が近いだろうか。マキナス本隊の攻撃は苛烈だが、それに加勢するドロス、アヴァル両国はあまり積極的な攻めを展開していなかったのである。
なぜそのようなことが起きているのか。それはグランツ・フリード、並びに臨時大統領のダン・クロスの用意した「策」が理由にあった。彼らは既に、ドロス、アヴァル両国と交渉していた。
両国家は機人族主体の国ではあるものの、竜人族との交流を由とする機人族穏健派の国家である。しかしこれまで同盟国であるマキナスからの要請で交流に制限が掛けられていた。皇帝の復活によりさらに圧力が高まったことを諜報部からの情報で知ったグランツ達はすぐさま両国のトップと秘密裏に会談。その結果両国家の竜人族国家との交流補助を条件にマキナスへの戦力加勢を最小限にしてもらうこととなったのだ。
このままでは絶対的に戦力が足りないのは明らかだった。しかし、マキナスが味方に付けた国家にはマキナスとの不和があった。だからこそドラグディアはそこを突く形で戦略に組み込んだのであった。これにより戦力差は大きく逆転。さらに布陣の関係で相手の背後をいつでも取れる状態へと置き換えたのであった。
とはいえここまで持ってくるのには時間が掛かってしまった。友好国のセントリルとギルンの仲介がなければ難しかっただろう。それにマキナス側が途中で気づき、何らかの策を打ってくる可能性もあった。いかにマキナス側に同盟を思わせないようにして戦力を削るか、それが前線で戦うすべてのドラグディア側MSパイロットに託されたのである。既にドラグディア側の部隊には、最終ブリーフィングにてこの事は伝えられている。しかしそれでも味方同士の撃墜が生まれる可能性があった。例えドラグディアの兵士がドロス、アヴァルの国の兵士に撃墜されても恨みは言わない。既に艦の配置はお互いに周知。後はそれを受け入れられるMSパイロットがこの戦闘に参加している。抜けた兵士の数はざっと100人。それでも押し切れる。
戦場で兵士達の声が木魂する。
「勝利の為に!ジーク・マキナス!!」
「マキナスめ……勢いだけはある……!」
「うわぁあぁぁ!来るなっ、竜人族!!」
「このっ!ど、どれが敵だ!?」
「落ち着け、それは……ちぃ!!」
「乱戦だな……各機慎重に行動せよ」
いくら作戦を知っているからとはいえ、必ずしも作戦通りというわけではない。寧ろ混乱が増してしまっていた。北部南部それぞれの指揮官であるバァンとシンはまとまった部隊配置で行動する様に呼びかける。入り乱れる戦場を数多のMSが激突し、爆散していく。
大陸南北での激闘。当然中央の本隊の戦闘はそれ以上に苛烈なものであった。
◆
『姿が見えない……グァッ!?』
「ちっ……数だけは本当に多いぜ……っと!!」
マキナスのMSの弾幕を潜り抜け、ビームの刃を突き立てて撃墜する漆黒のステルスMS。だが直後に僚機の異変で隠れている機体に気づいたのか、放たれた弾幕に回避を選択する。漆黒のMSドラグーナ・ラプターで応戦するローレインは、叩いても叩いても減らないMSの数に苦戦を強いられていた。
ローレインが戦っているのはマキナス艦隊の第1波。「母艦」であるダンドリアスやそれを援護するナイツ・ヴィーナスのMS部隊と共に、象徴クリムゾン・ドラゴニアスを防衛しながら進軍を行っていた。なぜ情報部所属のローレインが前線で戦っているのか。簡単に言えば「穴埋め」であった。
本来ダンドリアスを母艦とするケルツァート隊は、チームBにハジメのシュバルトゼロガンダムを中核としたチームを有していた。だが今回シュバルトゼロガンダムは単機突撃という部隊運用から外れた運用を行うこととなっていた。必然的に作戦展開上チームBには1つの空きが生まれることとなる。その枠を埋めるためにローレインが選ばれたのであった。
彼女が受領したドラグーナ・ラプターは元々旧政府の負の遺産である。だが性能は本来ガンダムと対等に張り合える程のものであり、戦力として活用しない訳がなかった。更に前線からの情報伝達は非常に重要である。そこでドラグディア軍の参謀達は彼女を前線情報員としての派遣という形でケルツァート隊に増員。戦力の増強と刻々と変わる戦況の把握要員として使うことに決めたのだ。ケルツァート隊側もハジメとの関係性と合わせて異論なく受け入れた。戦時中の取り決めであるため終結後はケルツァート隊から外される予定だ。しかしかつてはドラグディア軍の機体として登録されるはずだった機体。ある意味ではこれが初の実践投入となるわけだ。実戦データ取りとしてもこれ以上申し分ない舞台。ガンダムの試験部隊が、ラプターの試験部隊として丸々変わったのだ。
『本当にな……まったくハジメの野郎、エースの仲間入りじゃねぇか!』
『馬鹿が!カルマ、そんな事を言っている暇があったら撃墜する手を止めるな!』
新たにラプターの試験部隊となったことで、単独で任務をこなすハジメに憧れを抱くカルマに敵を迎撃しながらフォウルが一喝する。いつの間にかカルマの方にマキナスのマキナート3機ほどが編隊を組んで襲撃を行っていた。
一番前の機体がシールドを構えて突撃、時間差で後ろの2機が斜めに飛んでビームライフルとレールキャノンでカルマのドラグーナ・コアトルを攻撃する。カルマは機体のシールドで防御するも、動きを縛られる。そこに先頭の1機がビームサーベルで隙間を狙って突き出していく。喰らえば危険、だが間一髪の所でシールドを思い切り開いてカルマが反撃を行った。残る2機に対しローレインはけん制の射撃を放って追い払う。窮地に陥っていたことに冷や汗をかくローレイン。
『あっぶねぇ……』
「大丈夫か、カルマ曹長?」
『だから言ったんだ……それにいくら象徴が援護を送ったとはいえ、ハジメ軍曹……いや、今は少尉か。彼の行く先の方が危険な任務だ。俺達の働きが重要になってもくる。軽口を叩いて負担を増やすんじゃない……っ!』
スナイパーライフルと大型レールライフルを同時に撃って2機を沈黙させるフォウル。フォウルの言う通り、ハジメの作戦の成功は意外にも自分達に掛かっている。戦力を公邸付近から引き離す。場合によってはマキナス軍を挟み込む形で現在配置しているドロス、アヴァル軍による誘導も考えられる。幸いそれらは象徴の放った一撃で果たし、現在こちらに戦力が集中していた。だからこそ油断は出来ない。ローレインも現状を呟く。
「……そうだな。フォウル軍曹の言う通り。なら、こっちも全力で行くッ!」
ステルスシステムを最大起動させ、敵を翻弄しながら急接近してジェネレーターを一突きにする。1機を相手にしたらすかさず次の1機へ攻撃を仕掛ける。連続した動きで一気に3機を落とし、有言実行を果たしていく。その動きを見て、カルマも刺激を受ける。
『動きが見えねぇけど、すげぇ!俺もやってやるぜ!』
『っておい!待てって!』
張り切って突撃していくカルマを、遅れてフォウルが追従する。なかなか破天荒なコンビだが、カルマが突撃してかき回し、フォウルが援護と追撃をするという悪くない組み合わせで敵を翻弄していく。
それに負けられないと、即席チームメイトのティットとシレンに声を掛けて2人を追いかけることを伝える。
「さぁて、こっちもあの2人に追いつくぜ?ティット、シレン」
『了解~』
『オーライ。というか、フォウルもカルマの支援に集中しているから言えないけど、俺らでBチームだかんな?忘れてんだろ!』
象徴に近づけさせないようにしつつ、敵を殲滅していくケルツァート隊の者達。大空を翔る兵士達は、空に爆発と言う名の花火をいくつも咲かせて戦線を押し上げて行った。だが、それは敵のものだけではない。ケルツァート隊だけでも既に3人が撃破されていた。前線で戦いながら指揮するアレクのつぶやきが回線に漏れてくる。
『……すまない、リーヴォル、ガシュラ、トーリ……っ!』
「…………っ。その中に入んねぇようにしないとな」
返事の形でローレインも呟いて、更に目の前のMSを撃破した。
NEXT EPISODE
今回もお読みいただきありがとうございます。ちなみにいつもより投稿が遅れた理由は先述のサーガブレイヴの視聴の他に土日が忙しくて、投稿する気が起きなかったからです(;・∀・)
レイ「サボってるー」
ジャンヌ「しっかりしてください。前日に投稿するとか……」
ごめんなさい(´・ω・`)まぁ少し執筆速度も遅くなっていたので、今回は1話の投稿になりました。
レイ「次回の時は2話更新になっているのかな?」
それはまだ何とも……。では今回はここまでです。
ジャンヌ「次回もよろしくお願いします」