機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、皆様。最近朝晩共に冷えるようになり、冬が到来してきたなぁと思う藤和木 士です。私はよく季節の移り変わりの時期に風邪とかひきやすいですが、皆様もくれぐれも体調を崩さないよう気を付けてください(T_T)

ネイ「アシスタントのネイです。北海道では既に雪が降っているということで、すごく行きたいです」

グリーフィア「アシスタントのグリーフィアよぉ。どうして作者君は北海道に住んでいないのかしらねぇ?」

(;・∀・)それを私に言わんといてください。それに私の住んでいる地域も雪は降りますから……もうちょい時期は遅いけど(´・ω・`)
さて、今回はEPISODE71と72の公開です。

グリーフィア「アルス・ゲートとの対決ねぇ。ブースター君は無事に任務を果たせるのかしらねぇ♪」

ネイ「姉さん、君付けしてるけどそれただのブースターだから。増速装置だよ。前回の作者さんも人扱いしていたけれど意志も持たないから」

グリーフィア「擬人法的なあれよ」

そうそう、擬人法擬人法(^ω^)

ネイ「絶対違うと思うなぁ……」

それでは本編をどうぞ!


EPISODE71 (レイ)(レイ)の交差2

 

 シュバルトゼロガンダム[リペアツヴァイ LBC-A『ノヴァ』]が分離させたモビルブースター「ヘッジホッグ」。アルスの部隊を振り切ったブースターはスピアブラスターをシールド代わりにして特攻し続けていた。スラスター破損でスピードは落ちていたが、それでも十分な加速力で戦線を突破する。元が行っていた突貫のおかげもあって既にマキナス皇帝ギルフォードの座乗艦にして、象徴マギア・マキナスの姿を捉える距離に至っていた。MS隊が喰い止めようと複数機が密集してシールドを構えて受け止めようと試みる。が、それを加速力と合わせてあっさり突破してしまう。

 この時元は知るよりもなかったが、この時形成したスピアブラスターがアルスの機体マキナート・シャイニングの形成するビームシールドと同等の防御性能を発揮していた。加えてブースターの加速力で止めることも撃ち落とすことも叶わない特攻兵器と化していた。プラン通りのこの攻撃法は、いかにビームシールドを開発したマキナス側でも瞬時に対応することは出来なかった。もしこれに真っ向から追いつけるマキナート・エアクルセイドが戦場にいれば、素早く仕留められただろうが既に後の祭り。

 皇帝座乗艦にして象徴マギア・マキナスに特攻兵器と化したブースターが迫る。艦内に緊張が走る中、皇帝だけが冷静だった。彼の手に合わせるかのようにマギア・マキナスが口部にあたる箇所からビームを放った。マキナスの他艦艇よりもかなり小さめの大きさから放たれるビームは、膨大な出力でブースターを飲み込んだ。数秒の間攻撃に耐えるブースターだったが、出力が違い過ぎた。マギア・マキナスの放つ超高出力ビームに焼かれ、爆発を起こす。

 マギア・マキナスを煙が覆う。煙が晴れた後にはマギア・マキナスの傷ひとつない姿だ。その姿に防衛網を築いていたマキナスのMSや艦隊の乗組員が安堵に落ち着く。中にいた皇帝の眉がやや歪んだことに気づかぬまま。

 

 

 

 

『損傷皆無。しかしまさかブースターの特攻とは……』

 

 危機を未然に防いだ艦内で、ワルトの被害報告を受ける。しかし当然だろう。マギア・マキナスがあの程度で支障が出るほどの被害が出るわけがないと自分の事ではないが自負できる。国を護り続けて来た象徴、簡単には傷つけさせはしない。国のトップとして当然のことだ。だがそれ以外は作戦の為なら可能性はあったが。そして今はそうしたいところではあった。被害報告を受けたギルフォードは奏女官のメル・オンと機械騎士のランド・オンに警戒を促す。

 

「あぁ。やはり私を狙ってきているようだ。目立つ艦を狙ってきたか……それはともかく敵は既に距離に入っている。奏女官メルはマギア・マキナスへの警戒厳重を指示、ランドは機体の準備をせよ」

 

「承知しました、カイザー」

 

「なるべく僕の機体が完成してから出たかったんですが……まぁいいか。まずは相手の技量測りです。ワルト、そっちへ向かう」

 

 各々言葉に従い行動に移す。2人の姿を見届けていると後方に控えていたエクスがこちらに聞く。

 

「俺はいいのかい?ガンダム相手にあの坊ちゃんの機体だけだと無謀だろ。子守りくらいは少しはやってやるぜ?ガンダムと戦わせろよ。そのための俺、だろ?」

 

 やや謙虚な言い方ではあったが、所々でガンダムとの戦いを求めていた。戦いへの貪欲さは既にギルフォードも知るところだ。呆れたようにエクスに決定を言い渡す。

 

「既に君にはこの艦のMS部隊の隊長を命じている。もっとも命じるモビルスーツは彼と例の機体達だけだが……出たいなら君自身の判断で出てくれ。もちろん君の仕事は」

 

「わーってるよ。アンタを護ること、それとガンダムを殺ること、だろ?仕事はやるさ。皇帝の護衛なんていう大層な仕事と地位をもらったんだからな。じゃ、いくぜ」

 

 任された仕事はするとエクスはギルフォードに返答し格納庫へと向かう。そしてギルフォードは艦の微調整を行う召使い達、メルに指示を送る。

 

「敵がこちらを狙っているのは明らかだ。反撃に出る。マギア・マキナスDNF「マキナ・ビフロスト」を使用する。照準はガンダム!しかし気取られてはならない。味方への勧告なしで砲撃を開始する」

 

「っ!正気ですか?味方の不評を買いますよ?」

 

 メルが驚いた様子で聞き返した。確かにメルの言う通り、味方からの抗議が飛んでくるのは明らかだ。しかしギルフォードの考えに二言はない。

 

「承知している。それにこれは味方への鼓舞でもある。恐怖による鼓舞だがね」

 

「……了解」

 

 一瞬躊躇いを見せたメル。しかし平静を装い了解する。その彼女に象徴への照準位置を伝える。狙う箇所は敵右翼艦隊方面。こちらの左翼に被害が出るものの、それでもかまわなかった。ガンダムを撃破出来るのであれば上場、それに討てなかったとしても敵の右翼に損害を与えられる。こちらの被害もすぐに後方に配置した艦隊を前に出して戦線を再構築できる。もとから相手の方が不利なのだ。こちらの最小の犠牲で大勢を決してしまえば、相手は撤退するしかない。逃げられたとしても圧倒的優位がこちらにはある。

 とはいえガンダムに当てることを最重要としなければならない。ギルフォードは艦の通信機能をサポートする召使いに命じ、ガンダムと戦っているアルス・ゲート中尉に味方を巻き込むことを伏せつつ攻撃の詳細を伝える。アルスからの返答が返る。

 

『了解っ』

 

 ガンダムとの戦闘に集中せざるを得ないためか、短く言葉を吐いて通信を切られる。彼のような人物に余計な詮索をされない分、ガンダムが手ごわいことに感謝しなくてはならない。それでも容赦なくその対象を落とすつもりではあった。

 照準を固定した報告を受けるとジッと戦場を移すカメラの映像を見つめる。敵右翼艦隊が移る照準の先に、横から2機の機体が紅と蒼の光を放出して激しくぶつかり合って向かってくる。自軍のアルスが駆るマキナート・シャイニングと、ドラグディアのガンダムだ。周囲にはガンダムを支援する竜型の機体とガンダムを追い込む形でアルスの部隊が展開していた。アルスと周囲の部隊は着実にガンダムを追い込んでいる。まもなく射線軸に乗ろうとしていた。

 これならいける。発射後の動きも予測してギルフォードはメルを通してマギア・マキナスに命じた。

 

「今だ」

 

『DNF、マキナ・ビフロスト照射』

 

 口部にチャージした高純度DNを圧縮した砲撃が、正面に展開する敵軍右翼に向けて放たれる。左翼に配置されていた味方を巻き込んだ砲撃は爆発を伴いながらガンダムへと延びていく。接近する砲撃に、先にマキナート・シャイニングが鍔迫り合いからガンダムを蹴りつけつつ回避する。いつの間にか支援機と合体していたガンダムはバランスを崩したと思ったが、ガンダムもまた機体を蒼く光らせ、その暴力的なまでのエネルギーを誇る攻撃から逃げ去っていた。

 やがて必殺の砲撃は敵軍左翼の艦隊を斜め一直線に飲み込み、その射線上にいた艦隊を壊滅させる。残った艦隊はダメージコントロールか艦隊の救援活動を開始する。直後艦内に味方からの多数の通信コールが響く。大方味方への「誤射」に関しての事だろう。味方艦隊を総大将の艦艇によって後ろから撃たれれば怒りと動揺で確認が入るのは分かっていた。だからこそ召使い達に速やかな「対応」をさせた。

 

「味方に伝えよ。これは象徴の国を護るための意志であるとな。小の犠牲が大の結果を生み出す。これは勝利のための、哀しい犠牲なのだ。これに反する意思を持つ者は裏切り者と見なす」

 

「はっ」

 

 召使い達はなんの疑いもなくその命令を忠実に従う。彼らの願いはただ一つ、マキナスの繁栄。しかし130年前から続く皇帝一族の復讐の過程で、ギルフォードも含めた者達の考え方は歪んでいた。かつての皇帝が反逆を察知できずに死んだことを教訓に、国民は皇帝の駒に過ぎないという考えを代々教え続けられた。駒を最大限生かすために、味方を後ろから撃つのも作戦の1つであること、それに対する理由づけまでみっちりと叩き込まれている。

 健全な人から見れば矛盾だらけの思想も、集団で思想を刷り込まれた者達同士の同意でねじ伏せられる。洗脳教育の典型的な例と言える。自分達だけの憶測による根拠を打ち立て、それを他人に強制的に浸透させる。今回の場合は恐怖で兵士達を洗脳しようとしていた。もっともギルフォード達は洗脳している自覚などない。国民に言うことを聞かせるための最適な方策を取って行動しているだけに過ぎないのである。メルやライドはまだ良心が残っているためかやや抵抗気味で命令を理解し、その行動に彼ら以外ではエクスがクレイジーと称していた。

 そんなギルフォードの席の回線へ強制的に割り込みが入る。ギルフォードへの直通となる回線はほとんどの機人族に知らせていない。この艦内の機人族、あるいは先程ガンダムを追い込んでくれていたあの男くらいのものだ。そして、それは的中した。回線からあの男の怒声が響き渡る。

 

 

『何をやっているんだ、あんたは!正気か!?』

 

星剣使いが、礼節を捨て去るほどの口調で訴えて来た。

 

 

 

 

 それは奇跡に等しかった。アルス・ゲートの機体と彼の部隊に包囲されながら、戦闘を行っていたシュバルトゼロガンダム。既に兵装仕様はブースターを外した[LBC-B『Dragknight』]へと移行し、機動戦を行う。ビームライフル・ゼロの上からカバーを付けて大型・大出力化を果たしたメガ・ビームライフル・ゼロの射撃が敵を翻弄し、孤立したところにブレードガン・ニューCで斬りかかる。単機で部隊を相手にするのは無謀だが、現状では仕方ない。相手に背後を取らせないようにしつつ激しく動き回った。

 それにしびれを切らしたアルスが飛び出してきた。機体を紅い残像が残るような動きで距離を詰めると、ビームソードでこちらに斬りかかる。一瞬反応が遅れたが、メガ・ビームライフル・ゼロを斬られる前に回避する。一度止まった敵機はもとの白・青・赤のトリコロールカラーへと戻るが、続く機動で再度赤く染め上げられる。まるでエラクスと見紛うその機動に機体側の照準器が残像をロックしてしまう。当然放っても攻撃は当たらない。迫る攻撃を蹴りで腕ごと叩いて防いだ元。

 このままでは押し切られる。まだ見ぬ未知の能力に警戒した元は高速機動を行いつつGワイバーンとの合体を開始した。フェザー・フィンファンネルによるけん制を挟み、分離したGワイバーンのパーツに向かっていくようにドッキングを完了させる元。合体を完了させてビームライフルを構えた状態でアルスの機体に拳でぶつかり合う。ビームと拳に停滞する高純度DNがぶつかり火花を散らす。ほぼ互角の出力。しかし唐突に相手が動いた。

 

「っ!!」

 

「ぐっ!?」

 

『きゃあ!?』

 

 切り払いと放たれた蹴り込み。それにより大きく吹き飛ばされる。体勢を立て直そうとした瞬間、ノイズが響いた。ノイズの方向の先で煌めく光。危機を察知した時には既に機体に命令が行き届いていた。

 

『ELACSSystem、Stand by GO』

 

 蒼い光を纏うシュバルトゼロガンダム・イグナイト。通常時でさえも圧倒的な機動性能を誇る機体が、更なる機動性を得てその場を急速回避する。直後光がマキナス陣営側から戦場を貫く。

 マキュラ級のスパイラルキャノンではない。しかしそれ以上と断定できる砲撃がこちらの中央戦力の右翼を飲み込んで過ぎ去る。飲み込まれた右翼艦隊は爆発の煙だけを残して消失する。シュバルトゼロガンダムは何とかその攻撃から避けられたものの、知らず知らずのうちにその射線上に追い込まれていたのである。

 

『今の射撃……普通とは違いますよね?』

 

「えぇ。おそらく皇帝の……」

 

 先程確認した亀のような形をした戦艦。あれくらいしか今の攻撃を放てそうなものはいない。しかしあのサイズでマキュラ級以上の砲撃をするとは一体何なのか。正体を知らない2人は警戒を強める。

 が、敵軍の様子がおかしい。アルスはこちらに再度積極的な攻撃を仕掛けることなく、ビームマシンガンをばら撒き後退していく。アルスの部隊員もアルスを護る様に弾幕を形成してこちらの接近を避けているようだった。不審な動きを見てジャンヌも違和感に気づく。

 

『敵が退いていく……?進むなら今ですよ!』

 

「え、えぇ……」

 

 ジャンヌの言う通り、相手の射撃は狙いが付いていない。気になりはするが目的はアルスと戦うことではなく、敵指揮官の拘束。隙が出来たのなら突破すべき。シュバルトゼロガンダム・イグナイトはELACSシステムを解除して、通常稼働状態になってからその弾幕から逃れて離脱する。

 再び前を見据えて皇帝座乗艦へ進路を取るシュバルトゼロガンダム。後方のカメラ映像で後方の追撃を確認する。が、アルスはこちらを追いかけてこなかった。追いかけてこずに、先程まで味方のはずだったマキナスのMS部隊の攻撃を、受けていた。

 思わぬ光景が後方に広がる。しかもアルスと味方だったはずのMSが激突しているにも関わらず、周囲のMSは射撃を集中させる。アルスは回避するが、周囲のMSの弾撃を受けて鍔迫り合いを行っていた機体は大破・撃墜されていく。単なる裏切りとは思えない行動には流石に元も機体を振り返って状況を理解しようとする。

 

「なんだ……何をやっている?」

 

『え……同士討ち、なのではないんですか?』

 

 ジャンヌはそのように指摘する。だがそれなら先程の巻き込み攻撃はやや不整合だった。スタートも元と同じことを感じたと伝えてくる。

 

『単なる同士討ち、とは言えないな。それにしては攻撃が過剰すぎる。いや、なりふり構わずという所か。いずれにしろ普通じゃない』

 

 普通ではない。裏切り者を始末するのに戦っている最中の味方ごと葬ろうとする戦い方は、先程までの彼らの動き方ではなかった。元とアルスが鍔迫り合いをしている時には、彼らは武器だけを構えてけん制。離れたところで発砲を行っていた。決して味方を巻き込むような攻撃をするようには見えない。明らかに今の状況が異常であった。

 元は思索する。今取るべき行動を。得られるもの、失うもの、様々なものを加味して考えた。自身の判断を信じ、行動した。元が取った選択は―――――

 

 

 

 

「はぁ!」

 

『グァッ!?』

 

『………………何!?』

 

 

 

 

 シュバルトゼロガンダム・イグナイトのブレードガン・ニューCが、敵を貫いた。首と頭部を分断する様に放たれた一撃。頭部を失った機体が斬られた衝撃で後退する。突き出す構えをしたままのシュバルトゼロガンダムに、アルスの声が困惑を呟く。

 元の選んだ答えは、アルスの救援を優先したのであった。

 

 

NEXT EPISODE

 




EPISODE71はここまでとなります。

ネイ「元さん、まさかアルスさんを助けることになるなんて、ですね」

グリーフィア「なんでそうなったのかは次のEPISODE72で分かる感じかしら?けど味方諸共撃つって皇帝さんも過激ねぇ」

今絶賛限定配信中の蒼穹のファフナーEXODUSでもそうだけど、味方撃つやつに禄なのはいないから( ゚Д゚)おのれ人類軍!アルゴス小隊ぜってぇ許さねぇ!交戦規定αをぶっ潰す!

ネイ「残り2話まで来てますからね、蒼穹のファフナー限定配信。けどネタは一つに絞りましょう」

グリーフィア「思いっきりその作品も同胞殺ししているからねぇ。ところで作者君はBEYOND見るのかしら?」

いや……そもそもうちの近くの映画館あんまりそれ関連をやらないから……( ;∀;)見たいんだけどね。それではEPISODE72に続きます。
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