ネイ「アシスタントのネイです」
グリーフィア「アシスタントのグリーフィアよ~。雪は好きだけどちゃんと防寒対策はしてるわぁ。早く雪にならないかしらぁ?」
今の時期だとまだですね(;´・ω・)さて、今回もEPISODE73と74、2話同時投稿です。
グリーフィア「アルス・ゲートも加わって、更に戦いが激化するみたいねぇ」
ネイ「アルスさんの腕を信じないわけではないですが、果たしてどう戦っていくのでしょう?」
それでは本編へ。
「敵軍、前進を再開。象徴の姿を確認」
『ほほう、ガンダムが象徴を率いて向かってくるってかぁ。夢のような光景だべ。こっちとしちゃあ悪夢かもしれんがねぇ』
「そうだな。アルス大尉を落とせなかったのは不本意だが、いずれにせよ大尉は裏切り者のまま、このまま始末するのが得策だ。艦隊に通達。中央部隊は敵艦隊を相手に。ガンダムの相手は本艦のMS隊が務める」
ワルトの言葉に口惜しさを返しつつ命令を指示する。命令を聞かないという可能性もあったが、その時はマギア・マキナスの「マギア・マキナ・コントロール」を使えば一部の機人族以外のほとんどを味方に出来る。味方というよりは操り人形と言った方が正しかった。
マギア・マキナ・コントロールとは、機人族のメモリーにMSのシステムを介して洗脳、操作するシステムである。マギア・マキナスの電脳によりコントロールされ、事実上象徴を掌握する奏女官、並びに皇帝の忠実な兵士へと変える。そのシステムにおいて重要なのは、対象者の精神に左右されること。精神力が強ければ強いほどこの洗脳は効かない。アルスの場合は確固たる信念を持っていた。前もって洗脳が効かないことをデータで把握していたからこそ、ギルフォードは味方機を利用してアルスを撃墜しようと試みたのである。
(だがしかし、大尉を落とせなかったか。しかも助けたのはガンダム……恨めしいな。ガンダム)
こちらの戦力としては大きい者を敵に取られたことに苛立ちを感じる。操れればよかったのだが、出来ない以上どうしようもない。本来ならばこうならないよう慎重に行動すべきであるが、ギルフォードに妥協という考えはない。覇道のために頭を下げるなどということはあってはならない。
こうなった以上、全ての戦力を投じて障害を排除する必要がある。そのための足止めなどを要請すべく、格納庫にて待機していたエクスとランドに回線を繋いだ。
「2人共、出番だ」
『へへっ、だろうねぇ。味方援護は期待できないが、格納庫のあれでどうにかなるだろ!エクス・サイズ出るぜ!パワードスーツも出せよ』
『了解。メル、味方が襲ってきたら忌憚なくマギア・マキナスの力を使うんだぞ?……ランド・オン、偽りの救世主を討つ!』
2機とエクスの機体の後ろを4基の大型ユニットが追従して発艦する。それを見届けてギルフォードも席を立つ。
「ワルト、防衛用機の展開準備。私も「エンペラー」で出る」
『皇帝が出るだか。了解だ、既に機能は問題ない。いつでも出せるって』
ワルトのなまりのある返答を受けたのち、ギルフォードは玉座から立つ。格納庫へ向かう。後ろ姿に召使い達が勝利を祈る声を掛けてくる。負けなど許されない。勝った者が全てを得られる。
300年前以上に強敵であるドラグディアであろうと、それは変わらない。本来象徴を従えるというガンダムだろうが倒して見せる。むしろ救世主などという大げさすぎる名を冠した敵を討てば、自身の名は間違いなく世界に轟くことだろう。そうなればもう皇帝を暗殺しようなどという輩もいなくなる。自身の血筋は安泰となるだろう。MS出撃デッキへ向かうギルフォードの口からも皇帝としての欲が漏れる。
「もうすぐだ。我が一族、私の望んだ世界のために……!」
その眼に、野心と復讐を備えて戦場へと向かう。
◆
マキナス艦隊に向けて2本の光が伸びる。ビームにも似た紅と蒼の光はビームでは出来ない連続した直角カーブでマキナスの軍勢に迫る。通り過ぎる刹那、爆発が散発して発生する。武器が、あるいは機体が爆発を起こして撤退、あるいは撃墜されていく機体。光はやがて2隻の艦のエンジンに向けビームを放つ。放ったビームにエンジンが貫通され、爆発を起こして落下していく。光が停滞するとそこにいたのは2機のMSの姿であった。
1機はドラグディアの救世主改め竜騎士たるMS「シュバルトゼロガンダム・イグナイト
『な、なんて動きだ……目で追うのが精一杯だ』
『あぁ……!ハジメが、俺達のガンダムが、星剣使いのアルス・ゲートとここまで息ピッタシの連携をするなんて。くぅぅ!美味しいところ持ってかれちまう!』
カルマとフォウルのやり取りに耳を傾け、空中に機体を浮遊させる。元も同じことを感じていた。初めてにしてはかなり連携が上手く行っているように思える。ジャンヌからも操縦している2人に向けて称賛の言葉を送る。
『本当、驚くほど連携が取れていますね』
「正直言って、エラクス状態のイグナイトのスピードに置いていかれるんじゃないかって思っていましたね」
『イグナイトだか何だか知らないが、こっちは最大加速で追従できている状態だ。お前の蒼い輝きを参考にしたマキシマイズがなければ、とっくに根を上げているところだぞ……』
荒い息と共に元の言葉に返すアルス。マキシマイズというのが紅い輝きの事を指しているのは分かった。それに加えて機体の性能でガンダムの動きに追従できるのは、やはり驚異的なものだ。
無理をさせるわけにもいかないのでエラクスを解除して歩調を合わせることにする。
「少し性能を落とす。皇帝にたどり着く前にエネルギー切れになりたくもないしな」
『気遣い感謝する。だが、まだ先は長い……?』
気を引き締めようとしたアルスが異変に気づく。元もすぐにその違和感に気づいた。戦場から撤退しようとしていた艦艇が再び戦線に展開、周囲のMSも不自然な痙攣の後こちらや後方の艦隊に向けて突撃を開始した。
『!ハジメ、ジャンヌ!』
「っ!これがアルスの言ってた……アレク隊長!艦長!」
すぐに回線を開いて注意を呼びかける。アルスから既にMS部隊が操られたという報告は艦隊には伝わっている。もしそんなことができるのであれば、敵は容赦ない攻めを展開してくるはずだ。その兆候を確認した象徴と元はそれぞれ動く。クリムゾン・ドラゴニアスが周囲にウォールを展開し、元とアルスはその間に一気に戦線を突破しようとする。操られたと思われるMSも、それに気づいて進撃を阻止しようとする。だがそれをアレクが率いるMS部隊が阻止する。
『こっちの相手は俺達に任せろ!』
『ハジメ少尉とアルス臨時大尉は先に行って皇帝を止めろ!』
『さぁて、操り人形にもステルスは通じるのかなぁ!』
アレクやリリー、ローレインが戦闘を開始する。彼らの言う通り先を行くべく、確認の声をアルスに飛ばして2機で先を行く。
「行くぞ」
『分かっている』
両機体は最短ルートで皇帝座乗艦マギア・マキナスを目指す。マギア・マキナス周辺は前に見た時よりも周囲の艦艇が減って、というよりほぼなくなっていた。先程の砲撃で艦を失ったか、あるいは横暴さに呆れて撤退、または皇帝に操られて前線に駆り出されたのだろう。
目視できる距離になって、アルスがこちらに心の準備を聞いてくる。
『もうすぐマギア・マキナスだ。機体の損傷は』
「問題ない。イグナイトの戦闘性能は100%発揮できる」
『ジェネレーター、粒子残量共に戦闘可能領域。いつでも行けます!』
ジャンヌからも了解の声。が、それを遮って2人の声。
『そこまでだ、救世主気取りのガンダム!』
『おうおう威勢のいいことで……これは狩り甲斐があるな……!』
『この声……あのMSは!』
前方から向かってくる機影。1機はマキナスのMSの特徴を色濃く受け継いだようなMS。対してもう1機はマキナスどころか他のMSとは違う、4機のユニットを従えるかのように飛来した機体。立ち塞がる様に現れた2機と4つのユニットはガンダムと相対した。
機体の該当データはない。また新型だった。マキナスのMSの総決算とも呼べる機体のパイロットが、こちらにライフルを向けてオープン回線で名乗り出る。
『俺はランド・オン!マキナスの象徴、マギア・マキナスの騎士こと
名乗ると同時にバックパックから実体剣を抜いてこちらに斬りかかってくる。アルスが迎撃しようとしたが、そちらには目もくれず一直線にガンダムを狙ってきた。元もブレードガン・ニューCを左手に構えてその刃を受け止める。
『ガンダム!』
「大丈夫。そっちは任せた!」
アルスが叫ぶ。が元は問題ないと伝えてもう1人の相手を頼む。鍔迫り合いで固まる2機。接触回線から機械騎士と名乗るランドの殺意を込めた発言が吐かれる。
『ガンダム!その名前で星剣使いを魅了したようだが……ならば裏切り者諸共、ここでマキナス繁栄の犠牲に変えてやる!』
『魅了って……そっちがそうなるような攻撃をしたからでしょう!』
ジャンヌの言葉に元も心の中で同じことを考える。アルスは皇帝の船が放った攻撃に対し反論を行って、皇帝が裏切り者と判断した。最高指導者に歯向かったとはいえ、犠牲を生みだして戦果を勝ち取ろうとした皇帝側に非がある。
元も剣を交わらせた状態でそれを指摘する。だが相手の言い分は極端なものであった。
「あんた達の自業自得だろ。味方殺しが」
『味方殺しだと?違う!皇帝の采配は常に完璧だ!皇帝のやっていることは全て国の為になる……つまり、俺達は正しい!!』
無茶苦茶な自己中心的考えを展開するランド。切り払いから距離を取ってライフルからビームの連弾をばら撒いてくる。シュバルトゼロガンダム・イグナイトFAのスラスターを噴かせ、上方向に向けて回避する。上へと逃げるガンダムを、ランドが追撃に向かってくる。
その考えは非常に危険だ。皇帝が自己中心的な考えを持ち、下に付く者は盲信となってそれに従う。典型的な洗脳である。そんなもので国が、人が動かされていいわけがない。味方を巻き込むことに違和感を持たないランドに、元は怒る。
「そこに、皇帝の正しさがどこにある!」
『何を……っ!!』
容易に追撃してきたランドに振り下ろしによるカウンターを行う。剣を構えて防御されるが、元の怒りを含めた振りが勝って弾き返す。空中で姿勢制御を行うランドの機体に間髪入れずメガ・ビームライフル・ゼロとビームマシンキャノンによる飽和砲撃を行う。手を抜いてはいけない。味方だけではない、敵であるマキナス軍の兵士の命をも弄ぶ彼らを1人たりとも逃してはいけない。ガンダムの出力が自然と上がっていった。
◆
ガンダムが機械騎士ランドとぶつあり合う頃、アルス・ゲートもまたもう1人の皇帝座乗艦直属の騎士と対峙していた。ガンダムに気を取られた直後に攻撃を仕掛けてくるという、正々堂々としたイメージを持つ騎士には程遠い相手。アルスはこれまで顔を何度か会わせても戦い合うことのなかった処刑人の二つ名を持つ男性と、刃を交えながら言葉を発する。
「相変わらず、こういう手は得意とする男だなエクス・サイズ。今は大佐か」
『へっ、お前も大尉になって正直さが増したんじゃないか?えぇ、アルス君!』
「俺を君付けするな、気持ち悪い!」
互いに切り払って距離を取ってから、再度激突する。ビームセイバーⅡの光刃が、ビームライフルから形成された鎌状の刃と競り合う中、再び2人の会話が起こる。
「正直さのどこがおかしい?異常さを指摘できなければ、世界は変わらない!」
『分かってないねぇ。正直さが味方を殺していく一番の原因だよ!安心して背中を任せられると思ったやつらが、さっきの砲撃で巻き込まれた』
「屁理屈を!」
『だが正しい物の見方だっ』
言葉を交わし合うごとに攻撃は激しさを増す。近接戦闘での有利はこちらがあるはずにも関わらず、エクスはその剣戟をすべて受け止め、捌いていた。ビームライフルにビームサイズを取り付けるという、若干扱いづらそうな構成でこちらの攻撃に対応される様にアルスも決めに行けない。
そこに側面から接近警報が鳴り響く。素早くその場を避けると、横からビームがいくつも通過していく。マシンガンのような連弾と、レーザーの一斉照射に近い砲撃。エクスの機体を周回する4基のユニットの内2基から放たれたものだ。支援機の様に展開するそれらの3基がこちらに射撃と放ってけん制する。
「くっ!」
マキシマイズを作動させて、攻撃を回避するアルス。だが問題はそれだけではない。ユニットの1基がエクスの下部に移動する。阻止しようと試みるが他の攻撃が激しく、逆に妨害されてしまう。
アルスは知っていた。エクス・サイズの機体がどういった特性を持っているのか。マギア・マキナスの技術主任のワルトから、戦術を聞いたのだ。エクス・
『さぁ、こいつの力お前にも見せてやるよ。フェイズ・チェンジ!「ヨルムンガンド」!』
エクスの声に反応してエクス・Gと黒・赤に塗装された機体が変形する。頭のない人型の支援ユニットは、胸部にスペースを作り出す。その中に収まる様にエクス・Gは脚部から入っていく。エクス・Gの脚部はリアスカート部に抜けるように挿入される。腕部は胸部の装甲側面に隠れるように固定されて、胸部が機体を固定する様にロックが掛かる。たちまちエクスの機体はその姿を変えた。先程よりも大きな身体を得て、背後にマントと剣を携えたようなシルエットを作り出す機体。エクスが機体名を示しつける。
『エクス・G ヨルムンガンド・フェイズ、換装完了ォ!』
「ぐっ!」
背面のマントパーツから引き抜いた柄に、幅広いビームソードを出現させて斬りかかってくる。あっという間に距離を詰められ、振り抜かれた剣を何とか防御する。しかし加速の乗った剣を押し留めることは出来ず、後方に弾かれる。弾かれた衝撃を利用して後方に加速して強襲に利用しようとするが、相手も倍増したスラスターで距離を瞬時に詰めてくる。
人格的に腐ってもネオ・エース。同じネオ・エースであるアルスでも苦戦は必至だった。その上ネオ・エースのキャリアとしてはあちらの方に分がある。勇敢でも1年そこらの経験値のアルスが技量で勝てる見込みはほぼないと言ってもいいだろう。しかし、それで諦めるアルスではなかった。攻撃を受けつつも敵の動きを冷静に分析する。巨体とスピードにおる猛攻を繰り出すエクスの機体だが、動きは直線的だ。攻撃を受け止め、剣を滑らせて腹部に切っ先を向ける。
「っえい!」
『っと!』
不意を突いた一撃。マキシマイズの使用により間一髪避けられてしまうが、若干ながら装甲に火花が散る。マキシマイズの機動を終了したエクスの機体の腹部に、浅い切り傷が生まれていた。
『へぇ、やるねぇ』
「っ!浅いか……」
次はもっと深く切り込む。そこにドラグディアの回線からようやく合流を果たしてきたアレク・ケルツァートの声が耳に入る。
『アルス、援護する』
「助かる」
短く言葉を交わす。支援がやって来たことにエクスが一言。
『おっと、援軍か?数押しとは実に卑怯だ。けど、それは否定しないぜ』
「なんとでも言えばいい。お前がそうでなくても、皇帝がそれに値するのならば、容赦はしない」
『言ってくれるね。だけど、増援はお前達だけじゃないぜぇ!』
挑発的に叫んだエクスの言葉通り、アラートが鳴る。周囲に目を向けて、瞬時に回避する。アルスのいた箇所と、援護に向かってきていたアレク達を迎撃する様にビームが放たれる。アレクの部隊の何機かが攻撃を受けて爆散、あるいは墜落していった。何が起こったのか、回線で困惑が生まれる。
『なんだ?何処から……』
『っ!高速飛翔体、周囲に展開している!』
「あれは……!」
リリー・バレナーの言葉通り、空を高速移動する物体が何機もいるのがわずかながらに感じられる。レーダーには反応しない、レーダーステルスの機影。それらがエクスの周囲に展開し、一斉に銃を構えた。
手持ちのキャノン砲を構えるその姿。それはハジメが遭遇した高速重砲撃可変機、マキナート・エアクルセイド。その姿が10機、確かにこちらに交戦する構えを見せていた。エースクラスの機体の増殖に、ドラグディア、そしてアルスも動揺せざるを得なかった。彼らに、エクスの余裕にも似た嘲笑が向けられる。
『皇帝防衛のための無人型マキナート・エアクルセイド、その力をたっぷりと受け取りな!』
『ちっ、こんなものを隠していたのか』
『全機構え!ガンダムを苦戦させた相手だ。心して掛かれ』
「支援は期待できない……なら俺がぶった切る!エクス・サイズ!」
エアクルセイドの相手をアレク達に任せ、再度エクスとの斬り合いを開始した。
マギア・マキナスから遅れて発進した、皇帝の操るMSに気づかぬまま。
NEXT EPISODE
EPISODE73はここまでとなります。引き続きEPISODE74もよろしくお願いします。
ネイ「最後、不穏な終わりですね」
グリーフィア「まぁそれも続けて投稿するEPISODE74ですぐに分かりそうだけどね。こうして楽しみな部分をすぐにみられると結構いいわねぇ」
ちなみにEPISODE75は1話投稿になります(´・ω・`)では続くEPISODE74もお楽しみください。