機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、皆様。現在絶賛ビルドダイバーズリライズライブ配信中です、作者の藤和木 士です。

ネイ「アシスタントのネイです。でもライブ配信見ながらの投稿ではないんですね」

グリーフィア「アシスタントのグリーフィアよぉ~。むしろ何でファフナーのOPファ○コン音源版聴いているのかしらねぇ♪」

普通の聴くよりええやん……?(^ω^)良くない?(´・ω・`)まぁ実際の所私はあんまりライブ配信の文字見るのが好きじゃないんだからなんですけどね。あとでしっかり見ますよ。さて今回はEPISODE75の公開です。久々の1話だけ公開になります。

グリーフィア「にしても前回の投稿の後の反響が良くないみたい?まぁ感想なんてほとんどないのは承知だけど、数値が少ないわねぇ。やっぱりせっかく仲間になった星剣使いがいきなり落とされたのが原因かしらね~」

ネイ「たぶんそうだね。いきなり落とされちゃこうなりますって作者さん」

(;´・ω・)ネタバレしない程度でいうならまだ彼今章出番ありますので。安心してください。さて、それでは本編へ。


EPISODE75 激突、象徴VS象徴3

 

 

 アルスは激しい怒りを覚えた状態で、爆炎を上げる機体と共に地表へ向けて落下していた。先程までエクス・サイズと斬り合っていた彼であったが、とあることが原因で不覚を取ってしまったのだ。

 その原因とは、無論エクス・Gの顔である。ガンダムのパイロットに対面したMSが皇帝機であることを告げた後、剣戟の最中にアルスの光剣が頭部を斬り裂いた。視覚を奪ったと判断し、このまま押し切ろうとしたが正確に剣を受け止められ、更に頭部の変貌を間近で見せられる。噴射音と共に外れた頭部装甲。中から見えた好敵手と同じ顔を見て、アルスもまた絶句した。

 

「なんだと……ガンダム!?」

 

『そういやお前は知らなかったな。そうさ、俺の機体は、ガンダムだ!』

 

「ガン……ダム?なぜお前がっ!!」

 

 瞬間、アルスの怒りが爆発する。好敵手と認めた者と同じ顔を持つそれは、アルスにとって侮辱以外の何物でもなかった。許せなかった。自身が強者と認める物を紛い物で汚されることに。頭に血の上ったアルスはビームセイバーⅡを叩き付けるように振るった。

 

「づぅぅ!!」

 

『怒り心頭ってか?小さいプライドだな!』

 

「黙れ!機人族の誇りを、軍人の心を捨てた貴様に分かるか!!」

 

 挑発を仕掛けるエクスを無我夢中に攻め立てる。攻撃を受け止められても押し切ろうとするその気迫は、猪突猛進を思わせた。今になって思えば、それが最悪手だった。攻撃を止めた状態でエクス・Gは宙に体を放り出した。攻撃をパワードスーツが受け止めた状態で、装着を解除したのだ。それに気づいた時には遅かった。

 

「!何?」

 

『おせぇんだよ!フゥゥゥ!!』

 

 ビームサイズモードに切り替えたビームライフルの刃が、マキナート・シャイニングの胸部を斬り裂いた。ジェネレーターを狙った攻撃を、致命傷に近い形で受ける。ジェネレーターへの直撃は避けたが、深く刻まれた斬撃跡から爆発が起こる。機体制御が利かず、そのまま落下していったのであった。

 あのような輩に負けたと怒りが沸き上がる。だが今はこの状況を打開しなければならない。機体の制御に努めるアルス。すると下から金属音と共に持ち上げられるような感覚を覚える。

 

『大丈夫か、星剣使い』

 

「っ、無事だったのか。アレク・ケルツァート」

 

 落下中のアルスを助けたのは、ドラグディアのエース「速烈の剣士」ことアレク・ケルツァートだった。先程の落雷で落下していったとばかり思っていたが、無事ではあったらしい。

 機体制御を安定させたところで、アレクが状況を伝える。

 

『何とかな。だが戦闘は今無理だ。リリー准将も意識が戻っていないし、一度艦に戻らないと……』

 

「こちらのダメージコントロールは済んでいる。しかしこちらも戦闘機動は無理だ」

 

『そうか……歯痒いな。ハジメだけに任せることになるなんて……応援はまだか』

 

 アレクの歯ぎしりが聞こえると、通信を呼びかけていた黒いドラグーナのパイロットが首を振る。

 

『回収チームを他艦隊から回してくれているみたいですけど、時間かかりそうだってさ。俺達も移動しないと』

 

『そうか……何にせよ、ここの留まるのも余計な負担になるか。よし残っているメンバーに後退を呼びかける。お前も来い』

 

「分かった。ただ、少し通信をさせてくれ。大丈夫、皇帝の息が掛かっていない人達だ」

 

 指示に従いながらも、とある人物へと通信を送る。それはアルスにとって最後の味方と言える人物に対してであった。通信をしながらドラグディア側の空に向かう途中で、マキナス側の空域を見る。彼らの眼にとんでもない光景が映る。それは、希望の墜落だった。

 

 

 

 

 交錯する光と刃。高出力化したガンダムと、再度大型化して迎え撃つ処刑人のMSの対決の中、ギルフォードは次なる標的を見据える。

 視線の先にいるのは、竜人族の象徴たる機械竜クリムゾン・ドラゴニアス。かつては紅に輝くドラゴンであったが、今ではマキナスの技術を用いられて作られた機械のドラゴンである。この事実を公表された直後、国内でドラグディアとマキナスの未来の姿であると言われたが、それは戯言に過ぎない。当時のドラグディアはただマキナスの技術を盗用して作り上げたものであり、そんな事は考えていない。皇帝からしてみてもその存在は邪魔でしかない。ならばどうするか。そんなものは決まっていた。

 

「DNF、使用する」

 

『DNF 皇帝の剣(エンペラー・ソード)

 

 高く掲げた錫杖「皇帝の心杖(エンペラースタッフ)」の先端、エネルギー開放炉から高純度DNによるエネルギーソードが出現した。その大きさは遠くの戦場からも光が確認できるほどであり、膨大なエネルギーであることが容易に想像できた。マギア・マキナスと戦闘を行うクリムゾン・ドラゴニアスが振り向いてこちらを確認する。クリムゾン・ドラゴニアスに対し、宣告の如くギルフォードの声が冷たく響く。

 

「消えろ、醜きドラグディアの象徴よ」

 

 力いっぱい光剣を柄となった錫杖ごと振り下ろす。当たれば象徴もただでは済まない。危険性を察知したガンダムが蒼い輝きを放って妨害しようとするが、限界機動「マキシマイズ」の光を纏ったエクスガンダムに装依する処刑人、エクス・サイズにより阻まれる。

 

『行かせねぇぜ?象徴を倒される瞬間を味わいな!』

 

 クリムゾン・ドラゴニアスが迎撃しようと試みたが、我らが象徴のマギア・マキナスがそれを妨害する。皇帝の繰り出す斬撃が、クリムゾン・ドラゴニアスの首元から胸部にかけて斬り裂いた。

 

『グガァァアアン!!?』

 

「………………」

 

 皇帝渾身の斬撃を受けて墜ちていくドラグディアの象徴。落下していく様をただ見下ろす。

 墜落していく象徴に、更に追撃をマギア・マキナスに命じる。

 

「マギア・マキナス、追撃を」

 

『了解しました。我らが象徴』

 

『あぁ。DNF……』

 

 が、まさに攻撃態勢に入ろうとその口部を開いた時だった。

 

 

 

 

『やめろぉぉぉぉぉぉ!!!!』

 

『野郎!皇帝……』

 

「っ。この声」

 

 

 

 

 皇帝が気づいた時には、既に蒼い輝きを纏ったガンダムがその鋭利な手を伸ばしていた。光を滾らせ、掴もうとして来る手をマキシマイズにより寸前に回避してケープウイングユニット前面のビーム砲で反撃する。周囲に展開していたエアクルセイド無人型も遅れてだが追い払おうとする。ところがガンダムはその軌道を分かっているかのような鋭い軌道で緊急回避、包囲を突破する。

 危機こそあれどこちらに実害はなかったと安堵する。が、続いて向かった先がマギア・マキナスであることに気づき、危機が終わっていないことを理解する。

 

「不味い、マギア・マキナス」

 

『きゃっ!こっちに、来る!』

 

『ぬっ』

 

 マギア・マキナス側でもそれを確認して迎撃態勢に入っていたが、それより前にガンダムは左手に握った剣から巨大な光剣を作り出す。作り出した光剣で周囲を一回転するとマギア・マキナスの口部装甲が両断される。攻撃は口部内部の砲門にまで及び、頭部が爆発を起こした。

 トドメにガンダムは再度こちらに急加速して強襲する。間に割って入ろうとしたエクス・サイズを剣圧で吹き飛ばして光剣を力任せに振るってくる。対してこちらもエンペラースタッフのサーベルモードを起動させて剣が刹那の間一閃する。直後にエンペラースタッフが中程から両断される。

 

「ぐっ!?」

 

『皇帝!?大丈夫だっぺか!?』

 

 ワルトの声に答える前に振り返って追撃に備える。が、ガンダムは墜落していった象徴に向けて加速を行っており、その場には居なかった。

 機体にダメージはない。が、武器を1つ失った。ワルトに対し告げる。

 

「持っていかれたのは武装だけだ。私に実害はない」

 

『そうだってか。ならいいが……』」

 

「良くない!」

 

 通信回線に向かって怒声をぶつける。象徴を墜とし武装を破壊されただけだとしても、この不覚はあり得なかった。しかもそのガンダムは追撃を行いもせず、象徴の救援を優先した。狙いはこの皇帝だというのに、それを放り出したのだ。

 無論ギルフォードは元達ドラグディアの狙いが皇帝自身であることは知らない。勝手な想像である。だが予測したからこそ、目の前の最重要目標を放り出して既に過ぎた者に手を伸ばした行動は、彼にとっては一番の侮辱と感じたのだ。怒れる皇帝はマギア・マキナスと一度帰還した機械騎士に指示を飛ばす。

 

「マギア・マキナス、追撃するぞ!エンペラースタッフの補充!ランド・オンはまだかぁ!!」

 

『は、はい!今機体が完全にロールアウト出来ました!いつでも!!』

 

『エンペラースタッフ、ランドに持たせるっぺ』

 

『マギア・マキナス、降下します!』

 

 威圧感に怖気づくランドとメルの兄妹は慌てて反応し、マギア・マキナスが降下していく。このような屈辱をそのままにしてはおけない。すぐに粛清せねばならない。エクスにも命令して皇帝一派は落下したドラグディアの象徴への追撃を開始する。

 

 

 

 

「ハジメっ!早く象徴を助けてっ!!」

 

『分かっています!!』

 

 ジャンヌの絶叫の嘆願に、ハジメが従い落下していく象徴のもとへと向かう。ガンダムだとしても落下するのを止めたり、破損個所を直したりすることなども出来ない。だがそれでも駆けつけなければという詩巫女としての使命感から、そうさせたのだ。

 ハジメもそれに従ってクリムゾン・ドラゴニアスの近くまで機体を寄せる。そこで脳裏に響くようにクリムゾン・ドラゴニアスの声が回線から聞こえる。

 

『ジャンヌ……ハジメ……』

 

「!クリムゾン・ドラゴニアスっ!!」

 

『ダメだ、落下する!!』

 

 ガンダムが逆制動を掛ける。直後地表から地響きが鳴り、砂埃と遅れて小爆発が起こる。姿の隠されたクリムゾン・ドラゴニアスにジャンヌは呼びかける。

 

「どこっ、どこなのっ!!?」

 

 必死に呼びかける。先程の爆発で死んでしまったのではという不安が脳裏を支配する。また300年前と同じことにと嫌な想像をするジャンヌの耳に、彼女の声が届く。

 

『大丈夫だ……私はここにいる』

 

「あ…………よかった……」

 

 声を聞き一安心する。だが砂埃が晴れて見えたクリムゾン・ドラゴニアスの状態を見て、再び気持ちは底へと落下していく。

 クリムゾン・ドラゴニアスの胸部装甲は右肩にあたる部分から斜めに斬られていた。内部のメカニックまで見えており、傷口からはショートした機械部品、それから改造時に埋め込まれた本来の肉体の骨が生々しく見えていた。

 

「え……あ……あぁ」

 

『…………機動性に、問題は?』

 

『まだ飛行はでき……づぅ!……いや、それも無理か……』

 

 ハジメとクリムゾン・ドラゴニアスの間で行動できるかどうかの話が交わされるが、ジャンヌの耳には入ってこない。目の前の出来事を脳が正常に呑みこもうとしなかった。悪い夢だと。

 

『――――、ジャンヌ!』

 

「は、はいぃっ!?」

 

 ようやく耳に入ってきた呼びかけに、ジャンヌは酷く怯えてしまう。その弊害でガンダムのツインジェネレーターシステムの安定が揺らぐ。機体バランスが大幅に崩れかける。

 

『っ!機体が……!?』

 

『ジャンヌ、落ち着け!……まだ戦わなければいけない』

 

「……っ!はい……」

 

 何とかエネルギーの乱れを収める。だがその眼には大粒の涙が浮かび、感情の揺れは明らかだと言える。それでも自分なりに必死に感情を抑えようとした。そこに通信が入ってくる。通信相手はジャンヌ達の母艦ダンドリアスからだ。

 

『シュバルトゼロガンダム、応答してください!状況は!』

 

『こちらシュバルトゼロ、俺達はイグナイトに換装して無事だ。だけど象徴が移動不可のダメージを……』

 

「お願いマリーさん、艦長でも総司令にでもいい。クリムゾン・ドラゴニアスを護って!」

 

『……いや、それは少し難しそうだ……』

 

 クリムゾン・ドラゴニアスの達観したような声がジャンヌの要請を下げる。それはすぐに分かった。

 

「え…………」

 

『………………』

 

 空から降りて来た皇帝達の機影。更にマギア・マキナスが咆哮と共に背中のビーム砲を一斉射し、その射線上にいた艦隊を撃墜する。ダンドリアスの回線からも悲鳴が響く。

 皇帝の戦列にはガンダムが更に加わっていた。皇帝機に似たマントパーツを纏う白と金のガンダムからは、先程戦列を離脱したランドの声が聞こえてくる。

 

『ここまでだな、ガンダム。ドラグディアの醜悪な象徴と共に、この俺のマキナガンダムで終わらせてやる!』

 

 向けられる銃口。クリムゾン・ドラゴニアスが痛みを抑えて迎撃の構えを取ろうとする。その光景にジャンヌは回線をオープンにして嘆願を口にした。

 

「――――やめてよ!もう、これ以上象徴を……クリムゾン・ドラゴニアスを傷つけないで!!」

 

『ジャンヌ!?』

 

『………………』

 

 ジャンヌの発現に、クリムゾン・ドラゴニアスは絶句する。言うなればこれは命乞いとも呼べる行動だ。動揺するのは当然だ。しかし制止できるもう1人のハジメは何も言わずただその言葉を聞いていた。

 

「なんで種族の象徴が、戦争なんてものに協力しなきゃいけないのよ!創世記で救世主が象徴をそれぞれの種族で誕生させたのは戦争をするためなの!?違うでしょう!もう戦争をしないためのシンボルとして作った。それが象徴なのに、どうして戦争に使うのよ!」

 

 やりきれない怒り。象徴と心を通わしたからこそのジャンヌなりの考えだった。最初は恐れ多いと思っていたが、そんなことはない。クリムゾン・ドラゴニアスはいつだって自分の、詩巫女の事を考えていたというのを感じ取れた。戦う力は本当に危機に陥った時の為であり、決してそれで争い合うための力ではないと。

 一度グランツにも自身の考えを伝えたことがある。グランツは難しい顔をした。しかし彼も象徴が戦うことはないはずだと答えた。それでも今回の戦いはと言うことで纏まった。象徴を失えば、竜人族はどれだけの悲しみ、怒りを持つか。そしてそれがまた戦争となるに違いない。その繰り返しを、見たくなかった。

 相手に通じるとは思っていない。それでも叫ばずにはいられなかった。自身の気持ちを。だがジャンヌの言葉は、想像していたものが生易しいほどの冷たい言葉で拒絶された。

 

『馬鹿が。象徴は種族の象徴。ならば、その発展の為に力を振るうべきだ。力があるのにそれを振るわないなど、宝の持ち腐れであろう?』

 

『そうだ。負けそうだからって、綺麗事で逃げようとするな!!卑怯者!』

 

 卑怯者、宝の持ち腐れという言葉で貶されていく。仕舞いにはもう1機のガンダムのパイロットからも心を砕く発言をされる。

 

『あーあー、理想ってのは本当にクソくらえだねぇ……。そういうの持ってるやつが、一番先に戦場で死んでいくんだよ!兵士は敵を殺して英雄になる。それ以外のやつは出しゃばんな!』

 

「っ……う……」

 

 受け入れられないことに苦悩する。どうあっても象徴を護ることはもう出来ない。自分の無力さを思い知った。

 そんな中、1人が口を開いた。

 

『そうだな。今ジャンヌが言ったことは理想で綺麗事、宝の持ち腐れかもしれない』

 

『ん?』

 

「ハジメ……」

 

 先程の発現に肯定するような口ぶりを見せるハジメに、不安を抱く。ハジメも自分の事を笑うのだろうかと、もしそんなことをされたらこの場で死んでしまいたい。しかし彼はそうではなかった。

 

『だけど、世界には理想も綺麗事も言えずに、宝の持ち腐れか判断されずに消えたやつだっている。その分ジャンヌはこんな戦争の場でそういうことが言えた。そんなことが許されないような中でも、自分だけが出来ることをやって生きている。それを、お前達みたいな理想も綺麗事もない、宝の持ち腐れか判断もされないようなやつらに言われる筋合いはない!』

 

「ハジメ……っ!」 

 

 ハジメが言ったのは、それを言えたことの誉れだった。かつて自身が失った想い人の事と照らし合わせて、励ました。それが自身にとっても辛いことであるにも関わらずに。心がすっと軽くなる。

 一方皇帝達はその言葉に苛立ちを返す。ハジメもそれに対抗する。

 

『理想がないだと!?我らには竜人族を滅ぼし、機人族を繁栄させるという大義がある!それは理想と同じで……』

 

『味方を巻き込んで繁栄もあったものじゃねぇだろ。犠牲の上に成り立つ繁栄なんて、大義じゃない。狭義だ』

 

『なんだよ、お前!』

 

 言い負かされたランドに代わるように、もう1人のガンダムパイロットが質問を投げかける。

 

『それが綺麗事なんだよ。戦争で戦って殺すこと以外考える奴はノロマだ。戦わなきゃ自分が死ぬんだよ』

 

『兵士は戦って殺すのが仕事じゃない。国を護るために戦うんだろ。目的と行動をはき違えるな』

 

『へっ、心がけはいいけどねぇ!だけど人は死にたかないんだよ!』

 

 正論を受けつつも冷静に斬りかかる赤と黒のガンダムのパイロット。それをハジメも的確にブレードガンで受け止め、蹴りをボディに入れて帰す冷静な対応で返した。再び突っかかろうとするが、皇帝が制す。

 

『愚かな……理想を……いや覇道を目指す者に、そんな有象無象が通じるとでも』

 

『だったら周りを見てみろよ。降りて来たお前達に追従した他の部隊のやつはいるのかよ。寧ろ単独行動するお前らが、他人にとっての有象無象だろ』

 

 ハジメの言葉通り、地上へ向かってマギア・マキナスに砲撃する者も、皇帝にわざわざついて来た別部隊もいなかった。完全に皇帝だけがマキナスの領土の地表近くまで来ているだけだ。それに対して首を振って呆れるように振る舞う皇帝。

 

『それは周りの者が愚かだからだ。愚かなものは頂きに立つ者が指示せねば動かん』

 

『少なくとも相手にしてきた俺からは、そんな馬鹿なやつばかりじゃないと思うけどな』

 

『もういい。おしゃべりはここまでだ。潰せ!』

 

 皇帝の一声で武装を構える皇帝一派。それに対してハジメも臨戦態勢を取る。ジャンヌにも声が掛けられる。

 

『ジャンヌ、象徴を護るぞ』

 

「はいっ!」

 

 その声に既に迷いはない。護ると決めたのだ。絶対に護り切る。ガンダムのエラクスシステムを起動させ、ガンダムは象徴を護るバリアをファンネルから形成して突撃した。例え無謀でも、やるしかない。護らなければいけないものがあるから。

 そして2人の姿に、象徴もまた奮起していた。闘志を漲らせ光球を生みだして自衛する準備を整えていた。希望はまだ、潰えていない。

 

 

NEXT EPISODE

 




今回もお読みいただきありがとうございます。次回は黒の館DNの投稿になります。

ネイ「象徴が……でも元さん達は負けじと応戦するようですね」

グリーフィア「けど皇帝も皇帝ねぇ。国のトップなのに目先の敵に目が行っちゃダメね。それ以上にジャンヌが素直すぎるのも問題かしらね」

指揮官はいかに戦場を見る目を持っているか、が重要になりますからね。スポーツとかでも優れたコーチ、リーダーが勝利に導くという。ジャンヌのあれは状況によるんじゃないかな。昔の戦争じゃ敵対する国の前線の兵士がクリスマスにみんなでパーティーしたこともあるって聞くし(´-ω-`)

ネイ「特に今回のビルドダイバーズリライズなんて、そういうリーダーシップが求められる回みたいでしたよね」

グリーフィア「すぐに長を務める大事さが分かりそうねぇ。丁度今頃がリライズのライブ配信終わったから、作者君も見に行くんでしょ?」

どうなんのかなっ(゚∀゚)さて、今回はここまでです。

グリーフィア「次回もよろしくねぇ~♪」

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