インフィニット・ストラトス タイトルなんて自分で考えなさいな 作:伊頭音
最近とあるアニメのラグビー回を見たのでその影響が出ています
施設に保護されて三日後、春斗は目を覚ました。
「知らない天井だ…」
「当たり前でしょ、少なくともアンタの寝床じゃないんだから」
呟いた独り言に返事が返ってきた。声のした方に顔を向けるとそこには椅子に座りながら日本のファッション雑誌を読んでる鈴が居た。
「アンタあれから三日間寝てたけど身体大丈夫?記憶とかちゃんと残ってる?」
鈴は雑誌を閉じ春斗に質問する。それに対し春斗は身体を起こし軽く腕などを動かし状態を確認した。
「取り敢えず川で助けてもらって倒れるまでの記憶は残ってるし、それより前の記憶もちゃんとある。身体はまだ少し痛むけどそれだけ。支え用に杖を一本貰えれば歩けそうかな?」
「そう」
返事を聞いて鈴は備え付けの固定電話でどこかに電話をかけ少しの会話をすると電話を切った。そして懐から銃を取り出し春斗に向けた。
「ごめんね。アタシこういうのは嫌いなんだけど、上の連中がアンタがもし他の国のスパイだったら面倒だから目が覚めたらこうしとけって煩くて」
「だろうな、俺だって上の人間だったらそういうと思う」
鈴の顔は申し訳無さそうな顔をしていた。そして春斗もそれをみて両手を掛布団の上に置いた状態でまたベッドに横になった。
「いくつか質問していいか?」
「答えられる範囲なら」
「まず、今日って何月何日?」
「十一月二十四日」
「俺の着てた服や身に着けていたモノは?」
「一応検査して問題はなかったから保管してあるって言ってたわ」
「サンキュ」
それだけ聞くと春斗は無言になった。質問中鈴は気を張りながら答えていたが春斗は変な素振りは見せず、本当に気になった事だけを聞いてる様で内心ホッとしていた。
そして部屋のドアが開いて室内に武装した兵が数人とこの施設の責任者が入ってきた。
「目が覚めて何より。私はここの責任者の
「ああ、ここで拒否して銃殺は嫌だからな」
「はは、随分と肝が据わってるね君は」
楊は兵の一人にアイコンタクトを取るとその兵は杖を春斗に渡した。
「どうも」
杖を受け取り楊と共に部屋を出ようとした時、ふと立ち止まり鈴の方を見た。
「助けてくれてありがとね、
そう伝えると春斗また歩き出した。残った兵が鈴の今後についてを伝えると鈴と兵達も部屋を出た。
「あれ?あたしアイツに名前教えたっけ?」
そんな疑問を抱きながら言われたよう訓練に戻った鈴だった。
—それから三日後—
鈴を含む施設の少女達が全員呼び出された。集合場所には楊と教官用の服を着た春斗がその隣に立っていた。
「おはよう諸君。突然だが今日から彼、天城春斗が諸君の教官になる」
「へ?」
楊の発言に思わず声が出た鈴。他の少女達も困惑の声を漏らしていた。
「諸君の反応ももっともだ。しかしこれはこの施設を運営する方々の決定事項だ。ではMr春斗、自己紹介を」
「えー、はい。紹介に預かった天城春斗だ。一週間くらい前に川下り(笑)してたところを保護されて昨日教官に任命された。色々言いたいことはあると思うがよろしく。それと…」
春斗は楊と何かを確認するアイコンタクトを取ると続けた。
「今日から約三ヶ月、来年の二月二十八日までに俺からこのブレスレットを奪った者に代表候補生の座と中国第三世代IS、
春斗は右手首のブレスレットを見せながら宣言した。
「「「はぁ?」」」
「これは国の上層部の連中も承諾済みだ。力尽くで奪うも良し、毒を盛るなりして無力化して奪うも良し、色仕掛けでも殺人でも寝首を搔くでも構わん。とにかく手段は問わない。全力で俺から奪い取れ。期限までに奪えなかった場合、最終日に俺の判断で渡す者を決める。以上‼」
そう言って春斗は楊を置いて部屋を出た。
室内が鎮まる中楊がワザと咳をすると補足する様に口を開いた。
「Mr春斗からの指示で八時~十三時、十四時~十八時の訓練以外の時間は基本自由となった。それと施設のDブロック、教官専用ブロックの出入りを期限まで自由とする。何か質問のある者は?」
全員がざわつく中鈴が手を挙げた。
「どうした
「アイツ何者なんですか?瀕死で川を流れてきたと思ったらいきなり教官になるなんて」
「すまない、彼の素性に関する事は口外しないのが彼との約束、いや、契約でな。知りたいのなら彼の口から直接聞いてくれ」
他に幾つかの質問がとび落ち着いた頃に午前の訓練の為一時解散になった。
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—十二月十日—
春斗が教官に着任してから約半月。施設の屋内訓練室では春斗を中心に少女達が息切れしながら倒れていた。
「ほらほらどうした?そんなんじゃ何時まで経ってもこれを奪えないぞ?」
ブレスレットを指でクルクルと回しながら欠伸を掻いていた。
「ま、まだまだぁ‼」
一人の少女が起き上がり春斗目掛け突っ込んだ。それを見た春斗はブレスレットを手首に戻し、落ち着いた様子で首袖を片手で掴み下へ押した。少女がバランスを崩すと透かさず春斗は少女の足を払い空中で一回転させ後方にあるマット目掛け放り投げた。
「時間切れだ。今日の訓練はこれで終了。俺はこの後事務仕事をして夕食を取り、屋外に造った簡易浴槽で入浴してから就寝に着く。以上」
人数分の水分とタオルを入れた籠を用意してから春斗は訓練室を出た。
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事務仕事を終わらせ事務所を出ると、正面にかなり際どい水着グラビアの等身大パネルが置かれていた。その一瞬の動揺を逃さず二人の少女が両手に一つずつ手錠をかけた。
「教官殿も年頃の男子でありますなぁ?」
「ブレスレット、貰ったら、このパネル、あげるから、許してぇ」
互いの腕には掛けられた手錠の反対側が付けられていた。そして二人は春斗を抑える為に空いた方の腕を素早く伸ばし拘束しようとした。しかし
「お前達、相手を間違えてるぞ」
手錠に捕まってたのは
「「え?」」
「不意を突こうとするのは良いが対象を瞬時に判断しないとこうなるぞ」
楊の後ろから春斗が顔を出した。
「Mr春斗、珍しく茶会に誘ってきたのはこれの為か?」
「さぁ?どうでしょうねぇ?」
そう言いながらも春斗はどこから取り出したのか『ドッキリ大成功!』と書かれたボードを出しながら「テッテレー」と呟いた。
「はぁ、取り敢えず二人はこのパネルの事で説教だ。このまま連れて行くが問題ないな?」
「え、ちょっと待ってください!?」
「私達、まだ、晩御飯、食べてない…!」
「人は一食抜いたくらいじゃ倒れないからゆっくりお説教受けてきな(笑)」
「「教官の鬼ー‼」」
こうして二人は楊に連れていかれた。
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夕飯時、春斗は麻婆定食を注文していた。開いてた席で静かに食事をしていると正面に一人、断りを入れてから座った。
「教官は麻婆定食っすかー。自分の餃子一個あげるんで一口貰っていいっすか?」
「関節キスを気にしないならご自由にどうぞ?」
「自分弟いるんでそういうの気にしないっす」
そう言って少女は餃子を一つ春斗の空き皿に乗せ、レンゲで麻婆豆腐を一杯すくい口に運んだ。それと同時に顔を真っ赤にして悶絶しだした。
「あと俺超絶に辛口だから気を付けて…って食べた後に言ってみたり」
そして春斗は貰った餃子を戻し別の餃子を取り口に頬張った。
「薬を使うならもう少し薬事態の臭いを消す事、ご馳走様でした」
食器を受付に戻し食堂を出た。
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「はあ”ぁ”~~~、日本人はやっぱ風呂だよな~」
春斗は頭にタオルを乗せながら親父臭い声を出しながら浴槽でのんびりしていた。
「親父臭い声出してんじゃないわよ~。こっちもそういう声出したくなるじゃな~い」
「別に出してもいいんだよ~?一夏だって絶対ってレベルでだしてんだから~」
「アイツは元から精神が親父臭いからノーカン~」
鈴も一緒に。尚二人は水着を着ている。
「しかしアンタが一夏と知り合いだったとはね~。アタシの事知ってて納得したわ~。今度アイツの隠し撮り写真何枚か売ってよ~」
「隠し撮りなんて失礼な~、盗撮だよ~。残念ながら~、ストックは本当に全部鈴ちゃんに売っちゃったからもう無い~」
「一緒じゃな~い。あとついでにその縁に免じてブレスレットちょうだ~い」
「それはダ~メ~。自分で奪いなさ~い」
「アンタ強すぎるから面倒臭~い」
「そうか~」
そんな会話をしながら二人は最後に牛乳一瓶を一気飲みして別れた。
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深夜。春斗はベッドに横になっていると部屋に入ってきた人の気配で目が覚めた。悟られない様呼吸はそのまま、侵入者の気配を感じながら様子を窺った。
「おい教官、貴様起きてるんだろ?」
春斗は反応せずそのまま寝たふりを続けた。
「狸寝入りするならそれでもいい。私は貴様が眠るまでこのまま待つ」
(ほぅ?)
「私は昔から体質なのか、眠れる時間が他と比べて異様に少なくて済む。昨日までで貴様の睡眠のリズムは大体わかった。これからは毎晩こうして隣に立ってやる」
そう告げ少女は適当な椅子をベッドの横に移動させ座ると腰に下げてたナイフを手に取った。
「貴様はいつまで睡魔に耐えられるかな?」
(成程、そうやって眠れず精神が摩耗したところをバッサリって事か…)
そうして春斗の眠れない夜が始まった。
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—一月一日—
「午前零時。諸君、新年あけましておめでとう。年が明けたが今後も気を抜かず…」
「楊さん、挨拶は良いけど誰も聞いてないと思うよ?」
春斗の言う通り、誰一人
「…偶にはハメを外すのも悪く無いか。最近君が強すぎると愚痴っているのを聞いたからな。ストレス発散に丁度いいだろ」
「けど彼女達確実に強くなってますよ?中には拳で壁壊す娘や突然死角からナイフで襲ってくる娘だっているんですから」
「君は特殊部隊でも造る気かね?」
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—一月二十八日—
「期限まであと約一か月。最近では俺も危うくブレスレットを取られそうになる。お前達は着実に強くなっている。しかし‼、この言葉を聞いたからと言って油断をするな。油断していると他の者がブレスレットを先に獲るかもしれない。そうなる前に、己の手で奪い取れ‼奪うために己を鍛えろ‼いいか‼」
「サーイエッサー‼」
「声が小さい‼」
「「サーイエッサー‼」」
「良い返事だ‼それでは今から施設周辺をランニングだ‼十五分以内に五周してこい‼間に合わなかった者は一秒に付きスクワット三回だ‼それでは三分後施設出入口に集合だ‼」
「「「サーイエッサー‼」」」
「楊管理官、訓練メニューはともかく、このテンションに着いて行けないアタシは間違ってるのかしら?」
「いや凰、これは私にもわからん。が、今言えるのは最終日にはこの施設が特殊部隊の育成施設になっているかもしれないという事だ」
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—二月二十八日—
「それでは甲龍は凰に渡すものとする。一同、異存は無いな?」
春斗の問いに反対する者はおらず、ブレスレットもとい甲龍は鈴の手に渡った。
「ねぇ、貰っといてこういう事言うのはアレなんだけどホントにアタシでいいの?」
「というと?」
「だって他の娘の方があきらかにアタシよりつよ…」
「貴様ァ‼せっかくの教官殿からの行為を無下にする気か‼」
「貴様が選ばれたのは我々には無い何かを持ってるからだ‼」
「選ばれなかったからと言って我々に悔いは無い‼」
「今日まで教官殿と訓練を詰めた事こそが一番の報酬だ‼」
「そ、そう…。じゃあ遠慮なく貰うわよ…」
そう言いながら鈴はブレスレットを右手に付けた。
「Mr春斗、凰君の登録手続きと今後の彼女等の事で話があるのでご移動をお願いできるかな?」
「分かりました」
そう言って三人は部屋を出た。
「楊管理官。あの娘達ってこの後特殊部隊に配属でもされるの?」
「そうなる可能性もあるが、彼女達がMr春斗以外のいう事を聞くのかも怪しい。それとこの間、Mr春斗の為の隠密部隊を自分達で作ろうとしている会話を聞いた。そうなると私にもわからん」
「どうしたんですか二人とも。置いてきますよ?」
二人の会話を聞いてない春斗は呑気な顔で廊下の奥で二人を呼んでいた。
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「ていう経緯でアタシは代表候補生になったって訳」
「もうどこを突っ込めばいいかわからねぇ…」
「よくお前は無事だったな」
「思わず途中で考えるのを止めてしまいました」
三人は思い思いの事を口にしていた。当の春斗は途中、虚からの
「それで実際、残った施設の娘達は今施設に残って警備隊してるって噂」
そこで昼休み終了のチャイムが響いた。
「とにかくアタシもアイツについての情報は持ってないからその辺は期待しないで。それじゃおっ先ー」
「やばい、次千冬姉ぇの授業だ」
数分後、心地の良い鈍い音が響いたとか…
それではまた次回