「どりゃあああ!」
次々と瓦礫をぶん投げる皐月。
その背中にはオネストの翼が展開されており、精霊力を全力で使っているのがわかる。
「英明君!どこ!」
がれきを投げてはいるが、実際、まだどこにいるのかはわかっていない。
建造物を五つもぶち抜いたため、がれきの量が多いのだ。
「速くしないと、英明君が……」
表情に焦りが出てくる皐月。
とはいえ、焦ったところで見つかるわけではない。
「……ん?」
視界のなかで何かが動いた。
見ると、とある瓦礫の上で、『スケープ・ゴースト』がこちらを見ている。
「そこに英明君が……」
そこまで飛んで行って、次々と瓦礫を投げる皐月。
あまりにも強烈な威力を持っていそうな速度で投げるので、怖くなったスケープ・ゴーストは退散することにした。
おそらく正しいと思われる。
「あ!」
英明のデュエルディスクが見えた。
そのまま周りのがれきを取り除くと……全身がボロボロになった英明がいた。
「英明君!」
抱きしめる皐月。
英明は息もしているし、心臓もしっかり動いている。
まだしっかりと生きているが、危険な状態であることに変わりはない。
「速く病院に連れて行かないと……」
皐月は自分のデュエルディスクの緊急コール機能を立ち上げる。
が……。
「通信不可?」
通信ができない状態になっている。
「緊急用のアンテナがたくさんあるはずなのに……え?」
見渡して思った。
思っていたよりも、周辺が暗い。
「こ、こんな雲があるはずが……」
皐月が上を見ると、そこには視界に広がるほどの雷雲があった。
「今日は快晴だったはずなのに……!」
皐月は、『自分の真上』が光ったのがわかった。
『あぶねえ!』
聞きなれた声とともに、自分の上で何かがはじける。
見ると、『グローアップ・ブルーム』が根っこを伸ばして膜を作っていた。
「ぶ……ブルーム君」
『いきなり雷雲なんて怪しすぎるから来てみれば、大変なことになってるな』
ブルームは根っこを引っ込めた。
その膜の向こうにいたのは、悪霊瘴気を放出する『オシリスの天空竜』だった。
「そんな……三幻神がこんなに、悪霊になって出てくるわけが……」
『ん?まだあんなのがいるの?』
「うん。遊月君がオベリスクの巨神兵と戦ってる」
『マスターがオベリスクと?……ああ、本気でやってるわけか』
いくら遊月とはいえ、さすがに本気を出さずにオベリスクと渡り合えるとは思っていないブルーム。
なんだかいずれできそうで怖いが。
「それよりも、英明君が……」
『電波が通じなくなってるみたいだね。まあ、あんな雲があればそりゃそうなるか』
「え、あの雲が電波を妨害してるの?」
『というより……あの雲、『悪霊瘴気』でできてるみたいだしね』
「え!?雲が、悪霊瘴気でできてる!?」
『まあ、電波を妨害するかどうかとなると種類によるけど……』
ライフラインに影響が出る場合があることもある。
今回は電波妨害のようだ。
「う……ぐっ……」
英明が気絶から目覚めたようだ。
「英明君!」
「皐月か……いま、どうなってる」
「オベリスクは遊月君が戦ってるよ。でも……まだ、三幻神が……」
「ま、まじかよ……」
声にまったく張りがない英明。
全身打撲なのだからそりゃそうだろう。
『やっと起きたか……ん?』
ブルームが上を見ると、オシリスが口の中に雷を充填していた。
『ああもう、ボク、あそこまで攻撃届かないってのに』
再び根っこを伸ばして、降らされてくる雷を防いでいく。
「ぶ、ブルーム君」
『早いところ逃げたほうがいいよ。マスターはオベリスクと遊んでるみたいだし、たぶんすぐにはこれないからね』
「でも、あんなに大きな悪霊瘴気の雲があるんだよ?ただ耐えるだけじゃ……」
『まあ、ほかにも影響があったり、後遺症が残ったりすることもあるけど……』
「だったら、ここでどうにかしないと……」
『出来るの?ボクはできないよ。もともとこういうリアルファイトは専門じゃないし。攻撃防いでるボクが強いんじゃなくて、マスターが書いた護身術のマニュアルがすごいだけだからね?』
実際のところ、ブルームにオシリスを倒す手段はない。
精霊としての格が足りているので耐えているだけであり、レッドアイズやドーハスーラのように直接的な戦闘力が大きいわけではないのだ。もともとステータスは攻守0だし。
「……なら、しかたないか」
『ん?』
皐月は自分のデュエルディスクから、『オネスト』のカードを取り出す。
それを、英明の胸に当てると、自分は翼を展開した。
『いったい何を……んなっ!?』
ブルームは驚いた。
皐月の翼が煌めいたと思ったら、何か大きなエネルギーが英明の中に流れ込んでいく。
それと同時に、傷が次々とふさがっていった。
『(オネストとしての力を与える能力か。でも、治癒能力じゃなくて純粋に力を与えているだけだからひどく間接的。ていうか、どこであんな技術を……)』
さらに言えば、もっと驚いていることがある。
『(力を与えられている英明もそうだ。あそこまでエネルギーが与えられたら、間接的であっても回復しているはず。それでもまだあんな中途半端な回復にしかなってないってことは……器が大きいのか)』
英明を見ながら、ブルームは思い出す。
『(久しいな。相棒候補を見るのは)』
遊月が抱えている秘密と計画はどれも大きいものだ。
そのすべてを知っているのは、序列上位三名であるレッドアイズ、ドーハスーラ、ブルームの三人だけ。
だからこそ、その相棒もそれ相応の実力者でなければ耐えられない。
『お前はどう思う?もう死んでからすごく時間がたったけど』
ブルームはオシリスの攻撃を防ぎながら、カメラを取り出す。
一つのボタンを押すと、『カシャン』という音とともに、『閃光の双剣-トライス』のカードが出てくる。
『初代は『イージー・チューニング』で、二代目は『ボンディング-D2O』だ。三代目のお前は、どう思うだろうね』
ブルームはカメラをしまうと、再びオシリスの攻撃を防ぐのに集中した。
回復というより、強化されていくと、体は思うように動かなくともしゃべれるようにはなる。
「皐月、いったい、何を……」
「だいじょーぶだいじょーぶ。ちょっと、力を使ってるだけだから」
余裕そうなことをいう皐月だが、額や頬には汗が流れ、体は震えている。
元気という概念が形を持ったような皐月がこのような状態になるとなれば、明らかに異常だ。
「皐月……」
「英明君。それより先を言っちゃだめだよ。私がやりたいって思ったことをやってるだけなんだからね」
「でも……」
「でもも何もないよ。それにね……惚れた男の前ではね。女はダサいことはしたくないもんだよ」
「……」
「アハハ!めちゃくちゃいやそうな顔だね。たぶん英明君は、私のこと、『嫌い』か『大嫌い』かのどっちかでいえば、『大嫌い』なんだろうね」
「……」
「でも、『大好き』か、『大嫌い』かなら、どっちだろうなぁ……よし、終わった!」
英明の頭をバシンとたたく皐月。
だが、次の瞬間、皐月の背中にあった翼が……消えた。
「皐月!」
完全に回復した様子の英明が、倒れる皐月を支える。
「アハハ、ちょっと、体内の精霊力が空になっただけだよ」
「……クソ。もう、俺もグダグダ聞いてられねえな。皐月、俺にどうしてほしいんだ?」
「そうだねえ……」
皐月は、自分がつけているデュエルディスクを捜査して、カバーを開いた。
そしてその中から、キューブの部品を引っこ抜いた。
さらに、デッキから一枚のカードを抜き取る。
「とりあえず、これは英明君に持っていてほしいなぁ。このキューブ……『ディスク・コア』には、私のデュエルのデータが全部入ってるからね」
「ああ、わかった」
キューブとカードを英明は受け取った。
「あとはそうだなぁ……守りたいって思った女の前で、ウジウジしちゃだめだよ」
「わかった」
「約束だよ?」
「わかってるって」
「なら、もう大丈夫だね」
皐月はブルームのほうを向く。
「ブルーム君。私、どうなるのかな」
『ん?ああ……精霊力を使って限界まで行使した場合、肉体が限界を感じて強制的に休眠に移行するんだ。マスターは起きるまで五年はかかった』
「そっか……」
「皐月、俺はもう大丈夫だ。ゆっくり寝てろ」
「……そうだね。すごく眠いし、あとは、よろし……く……」
そういうと、皐月は眠りについた。
とても幸せそうな顔で、すやすや眠っている。
英明は皐月をそっとおろした。
『さて、覚悟は決まったな?』
「ああ」
『なら、一つだけ教えておこう。デュエルディスクのコアには、一枚だけ、カードを入れることができるスリットがあるんだ』
「……あった」
『りょーかい。んじゃ、あとよろしく!』
ブルームはオシリスの雷撃を弾き返して、オシリスをひるませる。
英明は、皐月のディスク・コアに、皐月から受け取ったカード『ミラクル・フュージョン』を入れた。
すると、ディスク・コアの側面に接続端子が出現する。
「これはすごいな」
英明は自分のデュエルディスクに『マスク・チェンジ』と『フォーム・チェンジ』のカードを入れて、ベルトに接続する。
「……行くぜ。皐月」
英明は、皐月のディスク・コアを、自分のデュエルディスクに接続する。
すると、デュエルディスクの画面に存在する『MT』と『FT』……『マスク・チェンジ』と『フォーム・チェンジ』をそれぞれ意味するアイコンの下に、『MF』……『ミラクル・フュージョン』のアイコンが出現した。
「変身!」
英明はデュエルディスクに一枚のカードを入れて、『MF』のアイコンを押した。
『ミラクル・フュージョン カオス』
英明の胸から黒い霧が出現し、背中からオネストの翼が出現する。
その二つは霧散して、英明の体を半分ずつ包む。
英明は、『C・HERO カオス』となった。
『ギャオオオオオオオオ!』
オシリスの上の口が開いた。
その中から、雷の弾丸が放出される。
「無駄だ!」
英明は黒いほうの腕から闇を放出し、弾丸を無力化し、そのままオシリスに闇をぶち込んだ。
『……オオオオォォォォォ』
オシリスは一気に弱った。
『ふーむ、雲の規模の割に大きさがそうでもないな。英明、さっさと決めな』
「ああ」
英明はオネストのカードを取り出す。
皐月が自分に力を与えるために使ったものだ。
一瞬、カードが光った。
「ん?……な、皐月?」
カードのイラストが変更され、男性の天使のものから、羽衣を身にまとった皐月の姿になった。
元気いっぱいの表情で腰に手を当ててふんぞり返っている。
「迷惑な奴だ」
そういいながらも、英明の眼は優しい色をしていた。
『オネスト』のカードをデュエルディスクに入れる。
『英明君!がんばるぞおおおおおおおおおお!』
「あ、こんな時でもうるさいんだな」
自分の背中に翼が広がるのを感じながら、英明はそう思った。
溜息を吐いた後で一気に飛び上がって、オシリスよりも上を陣取る。
英明はデュエルディスクのボタンを押した。
『カオス・エンディング』
両脚にエネルギーが集約する。
英明は、そのまま急降下して、オシリスにけりをぶちかました。
大爆発を起こしながら、そのまま地面に降り立つ。
「はあ、はぁ……うぐっ!」
急激に怠惰感が全身を襲って、変身が解除された。
「な、なんで……」
『あんなにボロボロだったのに、回復行程を無視して能力強化だけで立ち上がったんだ。デュエルディスク二つ分のエネルギーに耐えられるわけないでしょ。当然だよ当然』
「……冷たいな」
『いや、あんなにオドオドウジウジしてたのに、あれだけで変わるなんて若いなって思っただけだよ』
ブルームはそれ以上は何も言わずに、オシリスのほうを見る。
オシリスはボロボロになりながらも、カードを五枚出現させていた。
「んな。まだデュエルする元気があるのか」
『そりゃあるでしょーね。ま、あとはボクが片づけておくから、お子さんは寝てな』
ブルームは根っこを使って、英明を首トンで気絶させた。
『さーてクソガキ。ここからはボクが相手だ。ここ最近はいい写真がいっぱいとれて気分がいいんでね。全力で相手してやろう』
ブルームのそばにもカードが五枚出現する。
『ぐ、ぬうううう!舐めるな!』
『これはボクのセリフじゃないんだけど、使っておこうか。死後の世界の広さを教えてあげるよ』
『『デュエル!』』
ブルーム LP8000
オシリス LP8000
『俺の先攻!手札から『古代の歯車機械』を召喚!』
古代の歯車機械 ATK500 ☆4
先攻のオシリスのフィールドに出現したのは、あまり使われることのないガジェットモンスター。
『……【オシリスガジェット】か?』
『あまりその名は聞かんが概ね間違っていない。古代の歯車機械の効果発動。名称をグリーン・ガジェットに変更。そして『機械複製術』を発動し、デッキから『グリーン・ガジェット』を二体、特殊召喚!』
グリーン・ガジェット ATK1400 ☆4
グリーン・ガジェット ATK1400 ☆4
『効果により、デッキからレッドを二体手札に加える。そして『カード・アドバンス』を発動。デッキの上から五枚を変更、だが、本命はこちらだ!俺のフィールドの三体のモンスターをリリース!』
三体のモンスターが消えて、体がそれなりにボロボロになっていたオシリスが、完全な体となる。
『『オシリスの天空竜』……俺自身を召喚!』
オシリスの天空竜 ATK0→4000 ☆10
『ふーむ……出てきたか』
『俺はカードを一枚セットし、ターンエンドだ!』
オシリスの天空竜 ATK4000→3000
『ならボクのターンだ。ドロー!』
『俺は本来、守備表示には対応できない。だが、永続罠『最終突撃命令』を発動!これにより、お前のモンスターは全て攻撃表示になる!』
『……セットには対応してないよ。それ』
『なぬ?……マジだった』
軍神ガープはセットにも対応するが、最終突撃命令は無理である。
『まあそれはともかく、デュエルを続けようか』
『ククク。最終突撃命令をどうにかしない限り――』
『ごちゃごちゃうるさいな。とりあえず『アンデットワールド』を発動させてもらうよ』
広がり始める屍界。
もちろん、彼のマスターである遊月が持っているような『化身カード』ではないものの、らしいカードではある。
『そして、『おろかな埋葬』を発動、デッキから『グローアップ・ブルーム』……ボクを墓地に送る。そして効果発動。来てもらおっか。『死霊王 ドーハスーラ』!』
死霊王 ドーハスーラ ATK2800 ☆8
精霊としての彼は今は遊月と融合中なので、当然精霊など宿っていないが、彼のデッキにも入っていておかしくはないカードだ。
『ム、だが、俺の効果で……』
『そう、強制効果だ。そして、お前は今アンデット族だ。ドーハスーラの効果発動。オシリスの天空竜を除外する!』
雷の弾丸は発射されたが、ドーハスーラが波動を放出してオシリスを除外。
元のボロボロの姿になった。
死霊王 ドーハスーラ ATK2800→800
『グッ……』
『確かに強い効果だよ。でも、強制効果だからこそ怖くはない!手札から『強欲で貪欲な壺』を使って、十枚除外して二枚ドロー。『牛頭鬼』を召喚して効果発動。デッキから『ゾンビキャリア』を墓地に送り、手札を一枚デッキトップに戻してこいつを特殊召喚!』
牛頭鬼 ATK1700 ☆4
ゾンビキャリア ATK 400 ☆2
『レベル4の牛頭鬼に、レベル2のゾンビキャリアをチューニング。シンクロ召喚!レベル6『デスカイザー・ドラゴン』!』
デスカイザー・ドラゴン ATK2400 ☆6
『さらに、手札から速攻魔法『バスター・モード・ゼロ』を発動!』
『そのカードは……』
『デスカイザー・ドラゴンをリリースして、手札から、『デスカイザー・ドラゴン/バスター』を特殊召喚!』
デスカイザー・ドラゴン/バスター ATK2900 ☆8
『特殊召喚成功時の効果により、君の墓地のグリーン・ガジェット二体とボクの墓地のデスカイザー・ドラゴンを、ボクのフィールドに特殊召喚する!』
デスカイザー・ドラゴン ATK2400 ☆6
グリーン・ガジェット ATK1400 ☆4
グリーン・ガジェット ATK1400 ☆4
『これで、僕のフィールドにはモンスターが五体!その攻撃力の合計は……』
800+2900+2400+1400+1400=8900
……800まで下がってるドーハスーラいらねぇ。
『バトルフェイズ。まずはドーハスーラで攻撃!』
『チッ、仕方があるまい。手札から『速攻のかかし』の効果を使い、バトルフェイズを終了させる!』
『……むう、仕方ないな。ならメインフェイズ2だ。グリーン・ガジェット二体でリンク召喚!リンク2『ヴァンパイア・サッカー』!』
ヴァンパイア・サッカー ATK1600 LINK2
『でまぁ。『アドバンスドロー』を使って、ドーハスーラをリリースして二枚ドロー。そして、墓地のバスター・モード・ゼロを除外することで、デッキから『バスター・モード』をセット、これはセットしたターンでも発動可能だ。『バスター・モード』を発動。デスカイザー・ドラゴンをリリースして、二体目の『デスカイザー・ドラゴン/バスター』を特殊召喚!』
デスカイザー・ドラゴン/バスター ATK2900 ☆8
『効果発動だ。君の墓地のグリーン・ガジェット二体と古代の歯車機械を特殊召喚!』
グリーン・ガジェット ATK1400 ☆4
グリーン・ガジェット ATK1400 ☆4
古代の歯車機械 ATK 500 ☆4
『そして、墓地からアンデット族モンスターが特殊召喚されたことで、ヴァンパイア・サッカーの効果で一枚ドロー』
『ぐっ、ここまでまわしてくるとはな。だがいずれ、ガジェット戻って来る!』
『戻りません。僕はガジェット三体をレベル6として扱い、オーバーレイ!』
『ファッ!?』
『エクシーズ召喚。ランク6『交血鬼-ヴァンパイア・シェリダン』!』
交血鬼-ヴァンパイア・シェリダン ATK2600 ★6
『……ま、まさか。俺のガジェットたちまで奪われるとは……』
『僕はカードを一枚セット、ターンエンドだ』
『俺のターン。ドロー!』
オシリスの二枚の手札はどちらもレッド・ガジェットだ。
しかも……。
『スタンバイフェイズ。ドーハスーラの効果発動。戻って来い!』
死霊王 ドーハスーラ DFE2000→ATK2800 ☆8
『そして、ヴァンパイア・サッカーの効果で一枚ドロー』
『ぐっ……だが、俺は『真実の名』を発動!』
『……ん?そうか。『カード・アドバンス』の効果で、後四枚は分かるわけか』
『その通りだ!デッキトップは『強欲で貪欲な壺』!当然正解!デッキから特殊召喚!『オシリスの天空竜』!』
オシリスの体が再び完全なものになる。
オシリスの天空竜 ATK0→3000 ☆10
『さらに、『強欲で貪欲な壺』を発動し、デッキの上から十枚を除外し、二枚ドロー!』
オシリスの天空竜 ATK3000→4000
『俺は、俺は負けんぞ!さらに『マジック・プランター』を使い、『最終突撃命令』を墓地に送って二枚ドローだ!』
オシリスの天空竜 ATK4000→5000
『魔法カード『サンダー・ボルト』を発動!お前のモンスターを全て破壊する!』
『……』
ブルームは絶句した。
オシリスの天空竜 ATK5000→4000
『これで、貴様のモンスターはいなくなった。俺はスケール8の『メタルフォーゼ・スティエレン』とスケール1の『メタルフォーゼ・ゴルドライバー』でペンデュラムスケールをセッティング。ペンデュラム召喚!『レッド・ガジェット』二体!』
レッド・ガジェット ATK1300 ☆4
レッド・ガジェット ATK1300 ☆4
『効果により、デッキから『イエロー・ガジェット』二体を手札に加える。そして、レッド・ガジェット二体でリンク召喚!『プラチナ・ガジェット』!』
プラチナ・ガジェット ATK1600 LINK2
『効果により、手札の『イエロー・ガジェット』を特殊召喚!』
イエロー・ガジェット ATK1200 ☆4
『効果で三枚目のグリーン・ガジェットを手札に加える。そして、メタルフォーゼ・スティエレンの効果発動!プラチナ・ガジェットを破壊し、デッキから『メタルフォーゼ・カウンター』をセットする。そしてプラチナ・ガジェットが破壊されたことで効果発動!デッキから『レッド・ガジェット』を特殊召喚!これにより、デッキから『グリーン・ガジェット』を手札に加える』
レッド・ガジェット ATK1300 ☆4
『そして、レッドとイエローでオーバーレイ。ランク4『ギアギガント X』!』
ギアギガント X ATK2300 ★4
『効果を使い、デッキから『ゴールド・ガジェット』を手札に加える。このままバトルフェイズだ!まずは俺でダイレクトアタック!』
『逃げも隠れもしないから全部来ていいよ』
『ごちゃごちゃうるさいな。ならばフルアタックだ!』
ブルーム LP8000→4000→1700
大きくライフが削られるブルーム。
しかし、ブルーム本人はほとんど傷を負っていない。
『な……ど、どういうことだ?』
『君よりボクが断然格上なだけだよ』
『グッ……俺はこれでターンエンドだ!』
『僕のターン。ドロー。このドローフェイズ中、『禁じられた聖杯』を使って、オシリスの天空竜の効果を無効にする』
『チッ……』
オシリスの天空竜 ATK4000→400
『スタンバイフェイズにドーハスーラを特殊召喚できるけど、しないでおくよ』
『何?』
『必要ないからね。僕は手札から、『死の花-ネクロ・フルール』を通常召喚』
死の花-ネクロ・フルール ATK0 ☆1
『な、なんだ?そのモンスターは』
『これはね……ボクが
『はっ?』
『続きを語るつもりはないね。ボクはネクロ・フルールの召喚に対して、『連鎖破壊』を発動。デッキからネクロ・フルール二体を破壊する!』
『い、一体、何の意味が……』
ネクロ・フルールが破壊されたが、大地に、花が咲いている。
『ネクロ・フルールが破壊されて墓地に送られた時……デッキから、『時花の魔女-フルール・ド・ソルシエール』を特殊召喚できる。それが二回だ』
時花の魔女-フルール・ド・ソルシエール ATK2900 ☆8
時花の魔女-フルール・ド・ソルシエール ATK2900 ☆8
『な、なんだと!?』
『フルール・ド・ソルシエールの効果発動!このカードの特殊召喚に成功した時、相手の墓地のモンスター一体を、直接攻撃不可、ターン終了時破壊を付与して特殊召喚する。ボクが君の墓地から選択するのは、『グリーン・ガジェット』二体!』
一体何回奪われたら気が済むんだ……。
グリーン・ガジェット ATK1400 ☆4
グリーン・ガジェット ATK1400 ☆4
『そして、またグリーン・ガジェット二体をレベル6としてオーバーレイ!『交血鬼-ヴァンパイア・シェリダン』!』
交血鬼-ヴァンパイア・シェリダン ATK2600 ★6
『そしてモンスター効果発動。ギアギガント Xを墓地に送る』
『そ、そんな馬鹿な……』
『バトルフェイズ!ヴァンパイア・シェリダンでオシリスの天空竜を破壊し、フルール・ド・ソルシエール二体でダイレクトアタック!』
オシリス LP8000→5800→2900→0
『こ、この俺が、ジャストキルされるとは……うああああああ!』
オシリスが消えて行く。
そしてそれと同時に、悪霊瘴気の雷雲も晴れていった。
『……ふう、終わった……ん?』
ブルームが振り向くと、遊月が遠くから飛んできていた。
まだ本気の姿のままである。
『お、マスター!』
「ブルーム。こっちはどうだったんだ」
『オシリスが来たよ。僕が片づけておいた。まあ……ほとんどは彼だけどね』
遊月は、倒れている英明と皐月を見る。
「……いや、どういう状況だ?」
『皐月ちゃんは精霊力が空になって休眠。英明は無理しすぎてたから首トンで気絶させました』
「そうか」
遊月は英明を見る。
「……どうやら、壁を超えたようだな」
『まあ、大した枷でもなかったみたいだけどね』
「構わない」
遊月は本気のそれを解いて、通常の状態に戻った。
レッドアイズとドーハスーラが離れて、そのまま引っ込んだ。
……一番精霊力と体力を使っているのは遊月のはずなのだが、その遊月に不調が見られないのはなんとも不思議だが、この場では気にしないブルーム。
「ブルームはどう思う?」
『英明はいいね。素質あるよ』
「そうか。まあ、レッドアイズに聞いても同じことを言うだろうな」
『皐月ちゃんは……』
「とりあえず病院に連れていこう。しばらく起きないのは変わらないからな」
『それもそうだね』
遊月が電話をし始めた。
それを尻目に、ブルームは晴れていく雲を見る。
『(……オシリスはまだ完全に消えていないね。そして、あの特殊召喚されたオシリスが墓地に戻らなかった。あれは一体……)』
ブルームには考えてもわからなかった。
が、それらを感じとった後、電話が終わった様子の遊月に話しかける。
『そういえばマスター。オベリスクは?』
「手懐けた」
『うわっ。ヤバいな……』
ブルームは『まあ、悪霊としてすごかったからまだ安定するまでに時間がかかるかな』と考えながらも、『こりゃ大変なことになったな』と思うのだった。
なんだか。勢いだけのような回になったような……。