遊戯王Incarnation   作:レルクス

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HRT様よりご提案がありまして、このたび、コラボを開催することとなりました!

……とはいいますが、内容は重くならないようにしたうえで、そしてかなり頭のネジが外れた内容となっております。どのキャラが、とは言いませんが。

口調に関しては違うのではないかという意見があるかもしれませんが、後でHRT様から報告をいただいたうえで修正していく予定となっておりますので、『勢い』をお楽しみください!
それではどうぞ!


コラボ回 第一話

「……?」

 

 香苗は疑問に思った。

 昨日の夜、綾羽に負けたので自室(といっても遊月から借りている部屋)で寝ていたのだが、なんだかとてもいいにおいがする。

 そして……うまく動けない。

 

「……!?」

「あら、起きたみたいね。フフフ。もうちょっと寝ていていいわよ」

 

 香苗の意識は一気に覚醒。

 目を開けて上を見ると、とてもきれいな顔立ちの女性が微笑ましい目で自分を見ていた。

 

「んーーーーー!んーーーーーー!」

 

 叫ばれてはたまらないと思ったのか、自分の胸に香苗の顔を押し付ける女性。

 とても大きくて形のいい胸である。

 まあ、胸がでかいのは香苗も同じなのだが。

 

『うひょおおおおお!『黒髪美女と銀髪ロリ巨乳の寝間着でウフフな絡み合い』だ。こりゃたまんねえ!』

 

 なんだか暴走している花がいる。

 まあ要するに……この部屋に香苗の味方はいなかった。

 

 ……で。

 

「いつ来たんだ?時雨」

 

 なんだか1000ポイントくらいのダメージを受けている様子の香苗と、とてもいい笑顔の時雨がリビングにいた。

 本日は休日であり。授業はない。

 遊月は休日であってもそこまでアムネシアの運営にかかわるような仕事をしているわけではない。

 そもそも、『高校生活の三年間』というのは、遊月に与えられた長い休憩時間のようなものだからだ。

 全く働かないというわけではないのだが。

 

「フフフ、かわいい子がいるんだから、気になるに決まっているでしょ?まあ、私はこれからいろいろ調べ物をしてくるから、今日はもうそろそろ出るけれどね」

「そうか」

 

 とりあえず時雨を見ながら、遊月は思う。

 

(なんで時雨って、普段着は黒のドレスなのに、寝間着はピンクなんだろうか……まあいいか)

 

 思考を放棄する遊月。

 

 ……そして、早速自分が以前使っていた部屋でパッパと準備をして、パッパと出かけていく時雨。

 

「なんか、すごいね」

「女の準備は時間がかかるというが、時雨の場合は素の自分に絶対の自信があるからな」

「でもドレスなんですよね」

「ドレスは普段着だからな」

 

 意味不明である。

 遊月はとりあえず時雨のことを置いておくことにして、遊月はタブレットをとりだして、ニュースを見る。

 

「……アムネシアの南東地区で、高ランクの悪霊がいる危険性がある……か」

「え、悪霊が出てるの?」

「確定ではないが、そもそも収集装置のせいで悪霊瘴気が集まりやすい。その結果、偶然が重なって強い悪霊になる場合がある」

 

 というわけで……。

 

「一応、行っておいた方がいいだろうな。英明も今日は暇そうだから呼んでおこう」

 

 というわけで、早速英明の電話番号を出してコール。

 一回でつながった。

 

『もしもし、どうした遊月。こんな朝っぱらから』

「南東地区に高ランクの悪霊の気配があるらしいからな」

『……あ、ほんとだ。確かに注意が出てるな。これって確率は低いんだよな』

「相当低いが、ゼロではない」

『分かった。今日は俺も暇だし、向かうことにするぜ』

「ああ」

 

 通話終了。

 

「さてと、準備するか」

「創輝さん呼ぶの?」

「いや、今日は私が運転しよう」

「お兄ちゃんって車の運転できるんですか!?」

「出来るよそれくらい……私を何だと思ってるんだ」

 

 まあ、そんなことをごちゃごちゃ言いながらも、遊月たちは自分の部屋に入っていった。

 遊月がリビングにおいたタブレットを、ひょこっとブルームが見る。

 

『南東地区って、確か『あの店』の支店があったような……』

 

 うろ覚えのブルーム。

 

 とはいえ、気にかけていいほどのものであることは間違いない。

 

 ★

 

 その頃……。

 

「あれは一体、どういう顔にゃ……」

 

 アムネシアとは根本的に別の空間である『メルト』の一角で、カフェ『黒猫亭』のオーナー。ウィズは呟いた。

 猫耳がやや不安そうにぴくぴくしている。

 

「オーナー。どうしたの?」

 

 そんなウィズに話しかけるのは、『召喚師ライズベルト』の精霊であるライズ。

 この黒猫亭の従業員の一人である。

 

「さっき、ルシフィアが『すごい笑顔』で歩いてたにゃ」

「いつものことじゃないの?」

 

 それでいいのか。と思わなくもないが、それを言っても仕方がない。

 神聖な儀式をしていると思っている連中が、注意された程度で止まるわけがないのである。

 

「「あはは!まてまて~!」」

『うわああ!やめろおおお!調味料と水を持ってこっちくんなああ!』

 

 まだ営業前だからと言って、かなり自由な様子の幼女二人と猫。

 それぞれ、ヒュプノシスターと召喚師セームベルとトランスファミリアであり、愛称は『ヒュプノ』『セーム』『トラファ』だ。

 

「また猫鍋かにゃ」

「なんか衝動的にやりたくなったみたいで……」

「幼いって結構物騒にゃね……」

 

 ウィズは『ここにも問題はあったにゃ』と言いたそうな顔になった。

 

『おいライズ!そんな余裕そうに構えてないで助けてくれよ!』

「え……」

 

 ライズがトラファを見る。

 だがしかし、妹に甘いライズは、トラファよりもセームとヒュプノが目に入る。

 二人とも、目をウルウルさせていた。

 ライズはここで、一度考えた。

 

 ヒュプノは十四歳、セームは十一歳。

 確かに二人とも幼いが、もうそろそろ、十五歳である自分がしっかりと注意するべきなのではないかと。

 ……とかなんとか、コンマ一秒で考えて、ライズは言った。

 

「セーム。ヒュプノ……頑張れ!」

 

 シスコンにはまあ無理な話である。

 

『薄情者おおおお!』

 

 トラファは再び逃走。

 二人は再び追いかけていった。

 

「……ハッ!俺は一体……」

「いや、もう遅いにゃ」

「そう言えば、前はすぐに片づけさせたのに、なんで今日はスルーなんですか?」

「たまには息抜きも必要にゃ。何かそうした方がいい気がしたにゃ」

 

 さて、そう言った時、ドアが開いて一人の少女が入って来る。

 

「あ、リフィル……どうしたにゃ?何か不安そうな顔をしてるにゃ」

 

 入って来たのは、黒猫亭の従業員のリフィル。

 手に持っている紙を見ているが、何か悪いことでもあったようだ。

 

「支店からの情報が来た」

「ん?どっちにゃ?」

 

 ウィズたちが今いる『本店』の他に、支店が現在二つある。

 

「アムネシアの方だ」

「あっちかにゃ。確かに悪霊は多いみたいだけど、黒猫亭には近づけないはずにゃよ?」

「それが、高ランクの悪霊が発生しているらしい」

「ふむ……」

 

 ウィズは腕を組む。

 

 ぶっちゃけてしまえば、高ランクの悪霊であろうと、黒猫亭に近づけないことに変わりはない。

 もちろん、黒猫亭に近づけないというだけで、黒猫亭付近のエリアに悪霊が来れないわけではないので、カフェの売り上げには響くかもしれない。

 が、一応の報告としては、それで終了。

 この話は終わりで、今日も普段通りに……

 

(ん?)

 

 ウィズは一つ、思いだした。

 

(ルシフィアはとても、良い笑顔だったにゃ)

 

 それは、今朝見かけたルシフィアの顔。

 とても笑顔で、なにやら厳重なケースを持っていた。

 どこかで聞いた『神聖な取引』だろうか。

 

(ルシフィアがアムネシアの方で取引している可能性は十分考えられるにゃ)

 

 一度考え始めれば、ウィズの頭は回る。

 

(もしも、アムネシア支店のそばで、高ランクの悪霊が発生したらどうにゃる?)

 

 ルシフィアと言えど、高ランクの悪霊を放置はしないだろう。

 第一、いつ取引現場に出て来るかわからない悪霊はあまり放置したくない。

 そうなれば、ルシフィアはどうするか。

 

(当然、デュエルをするはずにゃ)

 

 そして、思い浮かぶ。

 

 バカげた数字を叩きだす。あの一撃を。

 

(もしも……もしも、支店のそばで悪霊が発生したら、支店のそばでデュエルするはずにゃ)

 

 可能性は低いかもしれない。

 リフィアの念押しが若干甘いということもあるが、そもそも、アムネシアは悪霊に対して警戒が強く、大きな問題はかなり早く解決される。

 

(ルシフィアの運命力はすごいにゃ。そんじょそこらの悪霊相手でも、三百万とかはいかなくても、多分百万はいくにゃ)

 

 悪霊が黒猫亭に近づけないことに変わりはない。

 だが、『余波』はどうだろう。

 平和なメルトでは、ルシフィアに都合の良い補正がかかるだろう。

 だが、アムネシアまでそうとは限らない。

 

(……)

 

 ウィズの額に汗が流れ始める。

 

「今日は本店はお休みにゃ!支店の様子を見に行くにゃ!」

「「え?」」 

 

 ライズとリフィルは驚く。

 二人とも、ウィズがそこまで気にかけるとは思っていなかったのだろう。

 

 ウィズは常連客の予定を確認。

 

(ふむふむ、今日はみんな結構予定があるにゃ。すぐ行ってすぐ帰って来れば問題なさそうにゃ)

 

 セームとヒュプノも、アムネシアには行ったことが無い。

 が、まあ、きっと大丈夫だろう。

 

(支店が原子分解する可能性があるにゃ。万が一でも、止めた方がいいにゃ)

 

 もちろん、どれほど攻撃力が高かろうと、単なるソリッドビジョンだ。

 だがしかし、文字通りケタが違うとどうなるのか。

 実はそのデータは、あまり出回っていないのである。

 

 若干不安な様子のウィズを筆頭に、リフィル、ライズ、セーム、ヒュプノ、トラファはアムネシアに向けて出発した。

 

 ★

 

「はぁ、今日は開店休業かなぁ」

 

 黒猫亭・アムネシア支店。

 そこでは、ウィズが現地で雇った支店長の少女がいた。

 幼い顔立ちで、猫耳としっぽがあり……説明が面倒なので暴露すると、『No.29 マネキンキャット』である。

 精霊にしては珍しく、肉体に縛られている存在だが、本店のオーナーの周辺メンバーを考えると『まあそりゃ選ぶだろうなぁ』という特徴だ。

 ネームプレートには『マネキ』と書かれており、そこもまたウィズが選ぶには不自然のないものである。

 

「まあ、悪霊が来てるみたいだし、仕方ないか。一応、本店には連絡してるから、大丈夫だと思うんだけど……」

 

 そんなことを考えた時だった。

 

「……あれ?ルシフィアさん?」

 

 本店によく来ているルシフィア。

 ただし、アムネシアに来ているときはよく支店のほうを通るのだ。

 窓から見えたので少し気になった。

 

「また何かの取引かな?」

 

 そもそも支店によくブルームが来て『フフフ』と笑っていることがあるので、その関係で知っているのである。

 とはいえ、その程度だ。

 まだまだ黒猫亭の支店長としての期間が短いマネキ。

 どうやら、『要石』として存在するということがわかっていない様子。

 平和だと思っているのだった。

 

 ★

 

「ウフフフフ。ブルームさんが『黒髪美女と銀髪ロリ巨乳の寝間着でウフフな絡み合い』を録画できたとのことでしたから、逃すわけにはいきませんね」

 

 神聖な儀式の取引のため、アムネシアに来ているルシフィア。

 その顔に浮かんでいるのは、ブルームから伝えられた題名から察せられる『楽園』の一ページを見るかのような、そんな表情をしている。正直、ゆるふわ系といえる顔がすごいことになっている。

 

「『変態紳士と変態淑女の会』として、この取引は必ず完遂しなければ……おや?」

『グルル……』

 

 取引現場に向かう途中、唸り声が聞こえてきた。

 ルシフィアが振り返ると、そこにいたのは『疫病狼』であった。

 悪霊瘴気が漏れ出ており、そもそもの性質も相まってやばいことになっている。

 

「ほう、悪霊瘴気としての質が高いものですね。高ランクの悪霊でしょうか」

 

 どうやら、ブルームとの『神聖な取引』で脳内を占領されて、悪霊についての情報を調べていない様子のルシフィア。

 とても彼女らしいが、そういう人に限って悪霊に遭遇するのである。

 

「私は今、とても気分がいいのです。まあ、いずれにせよ一撃で終わりますから、さっそく始めましょうか」

 

 ルシフィアはデュエルディスクを取り出し――

 

「デュエ「待つにゃああああああああああ!」

 

 ルシフィアの背後からとんでもない絶叫を出すのは、黒猫亭・本店のオーナー。ウィズである。

 その手には、『デュエルにおけるダメージの実体化の考察 著:レイジング』と書かれた本がある。

 栞がはさまれているところを考えると、どうやら相当やばいことが書かれていたようだ。

 ちなみに、書いた本人はアニメでブレスで壁をぶっ壊しているので、説得力が尋常ではない。

 

「あら、ウィズさん。どうしたのですか?」

「こんな支店の近くでデュエルされたらたまらんにゃ!ブラマジ!ガール!たのむにゃ!」

 

 ウィズが二枚のカードを掲げると、ウィズのそばに『ブラック・マジシャン』と『ブラック・マジシャン・ガール』が出現。

 

「なるほど、おや?疫病狼が自分の効果も使っているみたいですね」

 

 雄たけびを上げる疫病狼。

 

「関係ないにゃ!『黒・魔・導・連・弾』を発動にゃ!」

『いくぞ!』

『はい!』

 

 ブラマジとガールが杖を合わせて、エネルギーを集中。

 

『『黒・魔・導・連・弾!』』

 

 そのエネルギー弾は、たやすく疫病狼を貫いた。

 

「……ブラマジだけでよかったのでは?」

「高ランクの悪霊だから、まあ念には念を入れただけにゃ」

 

 出番は終わったのか、ブラマジとガールは引っ込んだ。

 

「さてと、リフィルたちを支店に預けてるから、とりあえずそっちに行くにゃ」

「私もそうしましょう」

(……まあ最悪、デュエルするとなれば距離を取ればいいにゃね)

 

 悪霊は退治したが、なんだか疲れたウィズ。

 

「……にゃ?」

 

 気配を感じたウィズ。

 

「む、ウィズさん。どうやら囲まれているようです」

「そうみたいだにゃ」

 

 いつの間にか、大量の『疫病狼』が二人を包囲していた。

 

「むう、ちょっと面倒にゃ」

「ですが、問題なさそうですね」

「どういうことにゃ?」

 

 ウィズがそういいながらルシフィアのほうを向いた時だった。

 

『光牙 エンディング』

 

 そんな機械音声が聞こえた。

 次の瞬間、オオカミがたまっているところに、『M・HERO 光牙』が降ってきた。

 

「にゃ!?」

「足がもげそうですね」

 

 こら、ルシフィア、現実的なことを言うんじゃない。

 

「さっさと片付けるか」

「いくよ。ルイン!」

 

 次にあらわれたのは、『真紅眼の黒竜剣』を持つ『ロード・オブ・ザ・レッド』と、『巨乳の女神ルイン』であった。

 ルシフィアはこっそり写真を撮った。特にルインを。

 そんなことはお構いなしに、二人は剣と槍をそれぞれ使って疫病狼をなぎ倒していく。

 

「行きますよーーー!」

 

 遠くからそんな声が聞こえたので、ウィズとルシフィアが振り向く。

 そこには、グスタフ・マックスの主砲のようなものがついている等身大の機械鎧を身にまとった少女が、こちらに向かって主砲を向けていた。

 ルシフィアはこっそり写真を撮った。

 そんなことはお構いなしに、少女は大砲をブッパする。

 疫病狼はなぎ倒されていった。

 

(うちのルシフィアもそうにゃけど、この嬢ちゃんも容赦にゃいにゃ……)

 

 ウィズは頭が痛くなった。

 とまあ、それはそれ、これはこれ……でいいということにしよう。

 心には平穏が必要だからだ。

 

 疫病狼の殲滅も終わって、全員が変身や換装を解いた。

 

「ふう、で、大丈夫か?」

 

 腐った眼の少年が話しかけてくる。

 

「あ、大丈夫にゃ。助けてくれてありがとうにゃ」

「ふう、何事もなくてよかったです」

 

 笑顔で銀髪の少女が話しかけてくる。

 それをみて、ルシフィアは頭がフル回転!

 

(ぎ……銀髪のロリ巨乳!まさか、ブルームさんからの映像には、この子が『ピーーーーー』する映像が映っているのでしょうか!?)

 

 まあ、こんな具合である。

 ……ただし、ブルームの性癖が『一線を越えないエロを楽しむ』のため、それに影響されているルシフィアも、そこまで激しいものだとは考えていない。

 誤解がないといえばいいことなのだが……大丈夫なのだろうか。

 ちなみに、なぜ伏字にしたかといえば、単に彼女の沽券のためである。

 

「あ、私はウィズっていうにゃ。ちょっと遠くのカフェのオーナーをしてるにゃ。こっちはルシフィアにゃ」

「どうも、ルシフィアといいます。よろしくお願いしますね」

 

 ウィズ側が自己紹介をしたので……。

 

「不死原遊月だ。よろしく」

「俺は仮澤英明だ」

「あ、大束綾羽といいます。よろしくね」

「私は江藤香苗です!よろしくお願いします!」

 

 さて、自己紹介は終了。

 あまりにも簡単すぎるが、まあ、この程度である。

 

「あ、このあたりには支店があるにゃ。今日はちょっと様子を見に来てるだけにゃけど、みんなも来てもらえると嬉しいにゃ。(まずは常連客の確保にゃ)」

 

 かっちり運営のことも考えながらそんなことを言うウィズ。

 それに対して四人は……。

 

「まあ、悪霊退治が目的だったが、あまりこのあたりにはこないからいいんじゃないか?」

 

 と遊月が言ったので、ほかの三人ともうなずいた。

 そんなわけで、六人で黒猫亭・アムネシア支店に行くことになった。

 

 ★

 

「「あはは!まてまて~!」」

『今度は何も持たずに来るのか!ていうかその満面の笑みって怖いんだけど!』

 

 アムネシア支店では、ヒュプノとセームがトラファを追いかけていた。

 

『元気な幼女って見ていていいよなぁ』

 

 ブルームはそんなおっさんくさいことを言いながら、コーヒーを飲んでいた。

 ちなみに、かなりやばいレベルのプライバシーがかかわる取引を常日頃から行うのが『変態紳士と変態淑女の会』なので、取引がうまくいかない場合の予備プランはいくつも存在する。

 裏路地での取引はあきらめて、人が集まってごちゃっとした時にパッと取引をする方向にシフトしたようだ。

 意気揚々と裏路地を歩いていたルシフィアが『支店に行く』といった理由がこんなところにある。

 

「でも、そんな高いコーヒーでいいの?」

『問題ないよ。リフィルさんが作ったコーヒーっておいしいし』

「ありがとうございます」

「でも、一杯4500円の『ブルーアイズ・アルティメット・マウンテン』を普通に飲めるってすごいですよね」

 

 ブルームの懐事情を心配するライズだが、ブルームは印税をもらっているので問題はない。

 コーヒーの腕が絶品のリフィル。

 支店に預けられたわけだが、ブルームという客がいたし、そのブルームが最高金額のコーヒーを注文したので、支店長をそっちのけでコーヒーを作って出したわけだ。

 それでいいのか。マネキ。

 

『……お、そろそろマスターたちが来るね』

 

 そうブルームが言った時だった。

 

「マネキ!商売は繁盛しているかにゃ!」

 

 ウィズが正面から入ってきた。

 

「お、オーナー!?なぜここに!?」

 

 支店長のマネキはびっくり。

 

「フフフ……常連客候補を連れてきたにゃ!」

「客の前で言うなよ……」

 

 溜息を吐きながら、ウィズの後ろから遊月が入ってくる。

 まあ、ウィズもウィズで、アムネシアで『招き猫』がモチーフであるマネキンキャットを拾って支店長にするあたり必至であるが。

 

 そんなオーナーと支店長のやり取りをよそに、ルシフィアはブルームと目があった。

 アイコンタクトで通じ合っている様子の二人。

 

「「あ、お客さんだ!いらっしゃい!」」

 

 セームとヒュプノの二人が、遊月たちを見て挨拶をする。

 そして、遊月たちが二人のほうを向いた瞬間……。

 

 シュパパパパパ!

 

(……ふう)

(取引完了)

 

 いい笑顔で取引(というより交換)は完了したようだ。

 尻目に見ていた遊月はスルー。

 

「あ、いらっしゃいませ~」

 

 マネキが一歩遅れて挨拶をする。

 まあ、このテンポについていくのは難しいのでウィズもそこはスルーした。

 

『さてと、とりあえず自己紹介からしておく?』

 

 ブルームはそういった。

 ……正直、飲食店にいって最初にするようなコミュニケーションではない。

 しかし、そう言ったことを即座に言えるのがブルームの特徴とも言える。

 

「まあ、それもそうですね」

 

 ライズもうなずいた。

 というわけで、それぞれが自己紹介である。

 先ほど、遊月たち四人とウィズ、ルシフィアは済ませているのだが、黒猫亭の従業員は分かっていなかったので、必要なことである。

 

『さて!デュエリストが何かそろってきたし、デュエルでもする?』

 

 ブルームがそういった。

 デュエルをする。というブルームの宣言に、デュエリストたちは『やろっか』見たいな空気になった。

 デュエリストなら別に問題などなにもない。だってデュエリストなのだから(謎)。

 

 だがしかし、ウィズは違った。

 

「でもまあ、場所は考えた方がいいにゃ。お互いに大型モンスターを出した時、このあたりだと色々迷惑にゃ」

 

 ウィズとしては『支店が原子分解したらまずいにゃ』と言ったものなのだが、他のメンバーとしても納得している。

 

「そうだな。このあたりはそれなりに建物が多いし、そもそもまだ朝早い時間と言っていいからな」

 

 遊月の補足もあって、移動することになった。

 

 ★

 

 アムネシアは『ソリッドビジョンを用いたデュエル』をするにふさわしい広さが確保されたデュエルコートがいくつも存在する。

 そのうちの一つに集合した。

 

 ……ちなみに、『さすがに本店も支店も休みにするのはマズいにゃ』ということで、マネキは支店においていかれた。かわいそうに。

 

『というわけで!『アムネシア組』と『メルト組』でデュエルをするぞ!』

 

 ブルームが宣言した。

 

「……メルトって何だ?」

 

 英明がそういった。

 遊月と綾羽と香苗も首をかしげているところを見ると、どうやら全員が知らない様子。

 

「黒猫亭の本店があるところですよ。今度いらっしゃってくれるとうれしいです」

 

 そしてしっかりと宣伝も混ぜながら説明するリフィル。

 クールビューティーと言う設定に恥じないセリフである。

 

『というわけで、くじびき作ったからこれ引いてね』

 

 くじが四本ずつはいったコップをブルームがそれぞれの組に渡した。

 全員がくじを引く。

 なお、くじにはそれぞれ、『1』から『4』の数字がかかれている。

 

 結果……。

 

1 香苗VSルシフィア

2 英明VSライズ

3 綾羽VSリフィル

4 遊月VSウィズ

 

 となった。

 

『ほう、一回戦から脳筋対決になったなぁ』

 

 ブルームがメタいことを言う。

 

「え、と言うことは、ルシフィアさんもパワーデッキですか?」

「そうよ。私は今日は気分がいいから。全力で相手してあげるわ。(グフフフ。こんなかわいい子とデュエルなんて、今日は本当にラッキーね)」

 

 内心で何を考えているのか、メルト組ははっきりわかっていたが、あえて言わない。

 

「むむっ、私は【列車】デッキですからね!パワーなら負けませんよ!」

 

 張り切っている様子の香苗だが……。

 

(正直、無理だと思うにゃ)

(まあ、頑張ってください)

 

 始まる前から心配になったウィズとリフィル。

 

『なーんか。すごく微妙な空気だな』

 

 トラファが呟くが、おそらくこの場の空気を最も表現しているといえるだろう。

 

 というわけで、デュエルコートの指定位置になって、デュエルディスクを構える。

 

「「デュエル!」」

 

 香苗    LP8000

 ルシフィア LP8000

 

 先攻はルシフィア。

 ルシフィアは手札を見て、とても良い笑顔になった。

 

「なんか、すごいことになりそう」

「でもでも、ルシフィア姉さんですから、きっと記録を更新してくれますよ!」

 

 ヒュプノとセームがルシフィアの顔を見てそんなことを呟いた。

 

「私の先攻。まずは『手札断殺』を発動、お互いに手札交換よ」

「む、分かりました」

 

 お互いに、二枚を墓地に送って二枚ドロー。

 

「この時、墓地に送られた『髑髏顔 天道虫』の効果により、私のライフを1000回復」

 

 ルシフィア LP8000→9000

 

「そして、永続魔法『魔力倹約術』を発動して、魔法カード発動のライフコストをなくして、『エンシェントリーフ』を三枚発動!」

「え……さ、三枚!?」

 

 流石の香苗も驚く。

 エンシェント・リーフは、ライフが9000以上の時、2000ポイントのライフコストが必要となる。

 普通のデュエルならば、そもそもエンシェント・リーフが手札に来る確率なども考えると一枚が限界だろう。

 だが、ノリに乗っているルシフィアは、普通ではない。

 

「私はこれにより、カードを合計で六枚ドロー。ふむ、このルートね。私はカードを四枚セット、『カードカー・D』を召喚して、リリースすることで効果を発動。二枚ドローして、ターン終了よ」

「この瞬間、墓地に送られた『無頼特急バトレイン』と『弾丸特急バレット・ライナー』の効果を発動です!バトレインの効果でデッキから『深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト』を手札に加えて、バレット・ライナーの効果で、バトレインを回収します!」

 

 そして、ターンが移る。

 

「私のターン。ドロー!」

「スタンバイフェイズ。『ゴブリンのやりくり上手』三枚。そして『非常食』を発動するわ」

「えぇ!?」

 

 これには外野もびっくり。

 

「あの人、一体何のゲームをやってんだ。ポーカーじゃねえんだぞ」

「ていうか実際、ポーカーも強そうだな」

「ルシフィアは運命力がすごいにゃ。まあ、耐えてほしいにゃ」

 

 英明の呟きに対して遊月は苦笑する。

 ウィズとしては……『これがルシフィアにゃ』としか言いようがなかった。

 

「結果としては、4000回復、その後十二枚ドローして、三枚を戻すわね」

 

 ルシフィア LP9000→13000

 

 これにより、ルシフィアはフィールドにカードはないが、手札は驚異の十二枚だ。

 三枚デッキに戻したが、元々三枚握っていたのでこうなってしまった。

 もはや意味不明である。

 

「む……むぐぐ……」

 

 香苗が唸っている。

 手札は八枚。

 多い方だ、多い方なのだが……なんだこれは。

 

「ですが、ルシフィアさんのフィールドにカードはありません!私は『深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト』を妥協召喚!さらに、『弾丸特急バレット・ライナー』を特殊召喚です!」

 

 深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト ATK 0 ☆10

 弾丸特急バレット・ライナー        ATK3000 ☆10

 

「私は二体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!ランク10『超弩級砲塔列車グスタフ・マックス』!」

 

 超弩級砲塔列車グスタフ・マックス ATK3000 ★10

 

『ちょっとだるいけど頑張ろっか……うわっ、何だあの手札……』

 

 だるそうな様子で出て来るグスタフだが、ルシフィアの手札の枚数を見て愕然とする。

 

「グスタフ・マックスの効果発動!オーバーレイユニットを使って、ルシフィアさんに2000ポイントのダメージを与えます」

「フフフ、さすがにここまで手札があって、防御札がないということはありませんよ。手札から『ハネワタ』を捨てて、このターンの効果ダメージを無効にします」

「ならば、私はグスタフ・マックスでオーバーレイネットワークを再構築!」

 

 グスタフ・マックスがオーバーレイユニットとなって渦に飛び込んで行く。

 

「全てを滅する力を得て、いざ、出動!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!ランク11『超弩級砲塔列車ジャガーノート・リーベ』!」

 

 超弩級砲塔列車ジャガーノート・リーベ ATK4000 ★11

 

『ホッホッホ。さて、ワシも老骨に鞭を……いや、あの手札枚数は何じゃ』

 

 リーベも驚く手札枚数である。

 

「リーベの効果を発動。2000ポイントアップです!」

 

 超弩級砲塔列車ジャガーノート・リーベ ATK4000→6000

 

「そしてバトルフェイズ!ジャガーノート・リーベで、ダイレクトアタック!」

「手札から『速攻のかかし』の効果を使い、バトルフェイズは終了です」

「……通る気配がないですね。私はカードを三枚セットして、ターンエンドです」

「私のターン。ドロー」

 

 香苗のターンに手札を二枚使ったが、ドローしたことで手札は十一枚。

 まるで意味が分からんぞ!

 

「まずは『ハーピィの羽根帚』を使って、セットカードを全て破壊!」

「うわっ!」

 

 三枚とも破壊される。

 『超信地旋回』と『デモンズ・チェーン』と『次元幽閉』だ。

 いずれもこのタイミングでは使えない。

 

「ふむ、なかなか妙な手札ですね。カードを五枚セット、ターンエンドです」

「私のターン。ドロー!」

「スタンバイフェイズ。永続罠『女神の加護』三枚!これにより、ライフを合計で9000回復します!」

 

 ルシフィア LP13000→22000

 

「22000……ですが、女神の加護はフィールドを離れた場合、3000のダメージが発生するはずです!」

「勿論そんなドジは踏みませんよ。私は手札一枚をコストに『レインボー・ライフ』を発動し、チェーンして『非常食』を発動!」

「……」

「非常食の効果で、四枚を墓地に送ることで4000回復、さらに、女神の加護のデメリット効果が発動しますが、レインボー・ライフの効果で回復に変わります!」

 

 というわけで。

 

 ルシフィア LP22000→26000→35000

 

「ライフポイント、35000ですか……」

「どうしますか?」

「削れませんが、動けるだけ動きます!」

 

 香苗の手札は四枚ある。

 まあ、動くだけならできるだろう。

 

「私は手札からフィールド魔法、『転回操車』を発動します!」

 

 香苗の背後に車両ドッグが出現する。

 

「そして、手札から『深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト』を妥協召喚します!」

 

 深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト ATK0 ☆10

 

「転回操車の効果で、デッキから『無頼特急バトレイン』を、レベルを10にして特殊召喚です!」

 

 無頼特急バトレイン ATK1800 ☆10

 

「さらに、手札から『弾丸特急バレット・ライナー』を特殊召喚!」

 

 弾丸特急バレット・ライナー ATK3000 ☆10

 

「出てきてください。重機を呼び起こすサーキット!召喚条件は、機械族二体。私はバトレインとリーベを、リンクマーカーにセット!新たな設計図で、いざ連結!リンク召喚!リンク2『機関重連アンガー・ナックル』!」

 

 機関重連アンガー・ナックル ATK1500 LINK2

 

 大型のエクシーズを素材に出てくるアンガー・ナックル。

 まあ正直、エクストラモンスターゾーンをエクシーズが占領していると邪魔である。

 

「さらに、ナイト・エクスプレス・ナイトとバレット・ライナーでオーバーレイ!『No.81 超弩級砲塔列車スペリオル・ドーラ』!」

 

 No.81 超弩級砲塔列車スペリオル・ドーラ ATK3400 ★10

 

『さて、そろそろ私の出番に――ライフポイント35000!?』

 

 ドーラも驚愕。

 

「私はカードを一枚セット、ターンエンドです。バトレインの効果で、デッキから『重機貨列車デリックレーン』を手札に加えます」

「フフフ。私のターン。ドロー」

 

 ルシフィアの手札はドローして五枚。

 

「まずは、『カップ・オブ・エース』を三枚発動。運命はすべて私に味方しているわ!すべて表!カードを六枚ドロー!」

「!?!??!????!?!」

 

 もはや言葉にならない香苗。

 いったいどんな運命力だ。

 それはともかく、手札は八枚。

 

「こ、これは悪夢だな」

「さすがは私たちには到底できないことをやってくれるルシフィアお姉ちゃん!そこに痺れる憧れる!」

『いや、そこは『この人でなし!』じゃねえの!?……あれ、気のせいか?前にもこんなことを言った気がする』

 

 外野も絶好調だ。

 

「私は手札から、『死者蘇生』を発動し、墓地から『力の代行者 マーズ』を特殊召喚」

 

 力の代行者 マーズ ATK0 ☆3

 

「さらに、速攻魔法『地獄の暴走召喚』を発動。さらにマーズを特殊召喚!」

 

 力の代行者 マーズ ATK0 ☆3

 力の代行者 マーズ ATK0 ☆3

 

「そしてフィールド魔法『天空の聖域』を発動!」

 

 そして出現する『天空の聖域』

 その『存在感』を感じ取った遊月はあることを感じたが、この場で指摘するのは無粋だと判断したのか、沈黙する。

 

「そしてマーズたちの攻撃力は、『天空の聖域』が存在し、相手よりもライフが多い場合、その差の分だけ攻撃力がアップする!」

 

 ルシフィアは35000

 香苗は8000

 よって……。

 

 力の代行者 マーズ ATK0→27000

 力の代行者 マーズ ATK0→27000

 力の代行者 マーズ ATK0→27000

 

「さらに、『神秘の中華なべ』を三枚発動。それぞれの攻撃力分、私のライフを回復!」

 

 一回目

 

 ルシフィア LP35000→62000

 力の代行者 マーズ ATK27000→54000 ×2

 

 二回目

 

 ルシフィア LP62000→116000

 力の代行者 マーズ ATK54000→108000

 

 三回目

 

 ルシフィア LP116000→224000

 

「んな……ライフが……ライフが……」

 

 香苗がついにパニック症状を起こした。

 

「私の手札は二枚。ちょっと使いすぎたわね。でも『トレード・イン』を発動。手札から『マスター・ヒュペリオン』を捨てて二枚ドロー。来た!」

 

 何が?

 

「私はフィールド魔法を張り替えて、『祝福の教会-リチューアル・チャーチ』を発動!その効果により、墓地の『カップ・オブ・エース』二枚。『神秘の中華なべ』三枚。『エンシェント・リーフ』三枚をデッキに戻して、レベル8の『マスター・ヒュペリオン』を特殊召喚!」

 

 マスター・ヒュペリオン ATK2700 ☆8

 

「そして、墓地から『錬装融合』の効果!このカードをデッキに戻してシャッフルして、一枚ドロー。『魔力倹約術』を発動して、『エンシェント・リーフ』を発動。そして引いた『エンシェント・リーフ』二枚を使って、四枚ドロー。そして『カップ・オブ・エース』二枚も使ってさらに四枚ドロー!」

 

「にゃ!?」

「こ、これはいったい……」

 

 普段から運命力を見ているメルト組も愕然とするドロー数。

 とりあえず、あれだけ使って手札は6枚。

 

「『アドバンスドロー』を使って、マスター・ヒュペリオンをリリースして二枚ドロー。発動されている『魔力倹約術』でコストを踏み倒して、『サモン・ダイス』を発動。出目は……3!墓地から『力の代行者 マーズ』を特殊召喚!」

 

 力の代行者 マーズ ATK0 ☆3

 

「さらに、『地獄の暴走召喚』を発動!」

「まさか……」

「さらに出てきなさい!」

 

 力の代行者 マーズ ATK0 ☆3

 力の代行者 マーズ ATK0 ☆3

 

「そして永続魔法『パーシアスの神域』を発動。このカードは、『天空の聖域』として扱えるわ!」

 

 力の代行者 マーズ ATK0→216000

 力の代行者 マーズ ATK0→216000

 力の代行者 マーズ ATK0→216000

 

「あ、墓地から『ヘルウェイ・パトロール』を除外して、手札から『レッド・リゾネーター』を特殊召喚するわね」

 

 レッド・リゾネーター DFE200

 

「マーズを選択するわ」

 

 ルシフィア LP224000→440000

 力の代行者 マーズ ATK216000→432000 ×3

 

「さらに、『神秘の中華なべ』三枚を再び発動!」

 

 一回目

 

 ルシフィア LP440000→872000

 力の代行者 マーズ ATK432000→864000 ×2

 

 二回目 

 

 ルシフィア LP872000→1736000

 力の代行者 マーズ ATK864000→1728000

 

 三回目

 

 ルシフィア LP1736000→3464000

 

「な……ライフが……三百万を超えた!?」

「『貪欲な壺』を使って、マーズ三人とハネワタ、かかしをデッキに戻して二枚ドロー。手札から『終末の騎士』を召喚して、デッキから『D-HERO ディアボリックガイ』を墓地に、レッド・リゾネーターと終末の騎士でリンク召喚!『水晶機巧-ハリファイバー』!」

 

 水晶機巧-ハリファイバー ATK1500 RINK2

 

「ハリファイバーの効果で、デッキから『ハネワタ』を特殊召喚!さらに、ディアボリックガイを墓地から除外して、二体目を特殊召喚!」

 

 ハネワタ             ATK200 ☆1

 D-HERO ディアボリックガイ ATK800 ☆6

 

「レベル6のディアボリックガイに、レベル1・光属性のハネワタをチューニング、天空に舞いし翼龍よ、天使の加護を受け、この世界に舞い降りよ!シンクロ召喚!さあ、現れ出でなさい!エンシェント・ホーリー・ワイバーン!」

 

 エンシェント・ホーリー・ワイバーン ATK2100 ☆7

 

「エンシェント・ホーリー・ワイバーンは、私のライフが相手より多い場合、その数値分アップする!……『パーシアスの神域』で300上がるけど、まあ今更ね」

 

 ちなみに、マーズも天使族ではあるが、そもそもマーズは魔法カードの効果を受けない。

 

 エンシェント・ホーリー・ワイバーン ATK2100→2400→3458400

 

「念には念を入れて……『強欲で貪欲な壺』を使って、デッキの上から十枚除外して二枚ドロー。『ライトロード・ビースト ウォルフ』を捨てて、『ソーラー・エクスチェンジ』を発動。二枚ドローして、デッキから二枚墓地に。『星遺物を継ぐもの』を発動。『マテリアルドラゴン』をハリファイバーのリンク先に特殊召喚!」

 

 マテリアルドラゴン ATK2400 ☆6

 

「バトルフェイズ!エンシェント・ホーリー・ワイバーンで、アンガー・ナックルを攻撃!」

「……今日の朝のデッキ調節の時、このカードを入れた私を恨みます!罠カード『魔法の筒』を発動!攻撃を無効にして、そのモンスターの攻撃力分、ダメージを与えます!」

「マテリアルドラゴンの効果により、回復に変更」

 

 ルシフィア LP3464000→6922400

 エンシェント・ホーリー・ワイバーン ATK3458400→6916800

 

「そして、攻撃が無効になったことで、『ダブル・アップ・チャンス』を発動。攻撃力を倍にして、もう一度攻撃を行う!」

「え……えぇ!?」

 

 エンシェント・ホーリー・ワイバーン ATK6916800→13833600

 

「こ、攻撃力が……一千万を超えた!?」

「『パラダイス・ロスト』!」

 

 古代の光の龍のその光が、あたり一面を覆い尽くした。

 

 香苗 HP……じゃなくて LP8000→0

 

「フフフ、大勝利よ!さあ、ライズ、英明さん。次のデュエルよ」

((いや、マジかよ。この空気でデュエルするってのか?))

 

 思わず頬が引きつる二人。

 

「信じられない攻撃力だったな」

「あ、ちなみに、普段は『DNA改造手術』と『リミッター解除』二枚を使って、さらに四倍くらいになってるにゃ」

「じゃあ、もっと本気だしたらあれの四倍ってこと?」

「もしそうなったら、攻撃力は五千万を超える」

 

 遊月がつぶやいたので、ウィズは頭痛をこらえながら補足する。

 綾羽は気が付いたようにそう言ったので、リフィルが電卓で計算する。

 

 そんな中、ルシフィアだけがうっとりした表情で、完全に気を失っている香苗を膝枕しているのであった。

 誰か、この空気をどうにかしてくれ。




満足してやりました。後悔も反省もしていません!
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