遊戯王Incarnation   作:レルクス

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 大変ご迷惑をおかけしますが、前回のコラボの最終話ですが、再編版に修正しました。

 見直してみると、デュエル描写がひどかったです。

 フィールドに一体しか存在できない『ジェスター・コンフィ』が三体並ぶ。
 カード名が別でなければならないスカルデットで、ラベノスが被った。
 そもそも使っているカードが六十枚を超えている。
 『コンセントレイト』も二枚しか使っておらず、『リミッター解除』もない。

 というわけで、HRT様の許可は取った上で、上記の四点をそろえたデュエルに再編しました。

 この話の後半でも再編後の数値は出てきますが、もしも『デュエルでその数値が見たい』という方は、前話からどうぞ。


 なお、コラボ回最終話と、再編で力尽きてしまったので、この話は短いです。


第三十話

『ムッフッフ。これはいい。これはいいぞ!』

『どうした?ブルーム』

 

 ブルームが歓喜している様子だったので、ドラゴネクロが聞いてきた。

 

『美少女が百合っている写真までゲットしたのさ!これで歓喜の舞を踊らずしてどうする!』

『俺に言われても困るわ!』

 

 遊月の家の地下。

 精霊たちにとっても集まりやすい環境が整えられているので、遊月の中でなくともかなり自由に活動している。

 そして、特に遊月が直接デッキに入れるような精霊たちは、それぞれ個室を持っているのだ。

 当然、セキュリティは抜群である。

 

 ……ただ、遊月の中のほうが当然セキュリティがあるので、遊月のところに戻れないときの一時的なバックアップデータを置いておくくらいしか使い道がない。言い方を変えれば倉庫扱いである。

 ただこういうのは、称号そのものに意味があるので一概に良い悪いといえないのだが。

 

『あ、そういえば、ドーハスーラとみずきも歓喜してたぞ』

『そうなの?』

『ドーハスーラは『我がコストにされることなく、活躍することができたぞ!』と言っていて、みずきは『出番が来たあああああ!』とはしゃいでいた』

『本人たちらしいな。ていうか、もともとドーハスーラとみずきって効果の相性いいもんね』

 

 アンデットが効果を発動すると効果を発動できるドーハスーラと、手札誘発でしかもフリーチェーンで効果を使えるみずき。

 確かに相性はいい。

 問題なのは、そんなことをごちゃごちゃいう前にドーハスーラが退場することだ。

 

『そういえば……』

『どしたの?』

『いや、レッドアイズとドーハスーラは単体でも戦えるし、マスターと融合することで進化を発揮するだろう。ブルームにはそういうものはないのか?』

 

 ドラゴネクロはそう思った。

 レッドアイズはその力を使って、遊月を『ロード・オブ・ザ・レッド』にしたうえで、『真紅眼の黒竜剣』になることができるし、さらにそこにドーハスーラも混ざれば言わずもがなである。

 だが、ブルームの場合はデュエルしている描写はあるものの、基本的には根っこを職種のように動かしているだけである。

 

『……僕にも強化手段がないわけじゃないよ?ただ、デュエルに使えないってだけでね。しかも、それはドーハスーラもレッドアイズも同じさ。ネクロ・バロール・ザ・ワールドはね。まだ『切っていい切り札』なんだよ』

『まだあれより上があるのか?』

『あるよ。ただ……マスター以外の全員が束になっても、マスターには勝てないっていう力関係があるからなぁ……』

 

 遊月だけが飛びぬけて格が違う精霊たちの力関係である。

 

『ふむ……俺も鍛えるべきか』

『君は早くドラゴキュートスになるべきだね』

『グハッ!』

 

 ドラゴネクロは吐血した。

 

 まだ長いことドラゴネクロのままなのだが、そもそも、『遊月と一緒にいるだけで質が上がる』という性質上、ドラゴネクロとして質が上がってしまったため、そこからドラゴキュートスになるためには相当な鍛錬が必要である。

 かわいそうな話だが、それでも、ドラゴネクロよりもブルームが断然格上なのは間違いない。

 

『……あ、そうだ、ブルーム。お前はあのデュエルを見て、どう思った?』

『そうだねぇ……』

 

 ブルームはデュエルを思い出して、そのコンセプトを理解したうえで言った。

 

『あのデュエルは、『エンシェント・ホーリー・ワイバーン』の、最後の晴れ舞台じゃないかな』

 

 ★

 

 何か大きなことがあったとき、その影響力を調べるのは重要である。

 

「で、何か報告することはあるか?時雨」

『衛星軌道で待機していた『ラボ』で、膨大なエネルギーの回収に成功したわ』

「……ああ、あったな」

 

 衛星軌道に研究所を置いている。

 まあ、何とも言えないレベルの話だが、リアル・ソリッド・ビジョンを使うことで、疑似的にそれを可能とする。

 

「『ダメージ・コンデンサー』か」

『そうよ。みんな、急ピッチで機材と設備を準備して、超特急で移動してかまえてたんだから。見ていて面白かったわ』

「さようですか」

『しかし、恐ろしいダメージね』

「ああ、四十兆のダメージだからな」

『フフフ。本当にとんでもないダメージよ?世界中のデュエリストが相手だったとしても、あの一撃で五十億人が吹き飛ぶんだから』

「怖いな」

 

 そういえば、そういう数値か。

 

「で、時雨のやりたいこそは済ませたのか?」

『そうね。フフフ。アムネシアは精力が強い人がいっぱいいていいわね♪』

「……そうか」

 

 もう何も言うまい。

 

「で、時雨のほうから急にかけてきたわけだが、何かあるのか?」

『まあ、とりあえず報告をしたということと……最近、アムネシアで暗躍してる人たちがいるけど、あの収集施設以外でも、悪霊瘴気を集めてるそうよ』

「そうか……」

 

 悪霊瘴気というのは基本的に操作するだけのものであり、何かにとどまっておくためには核が必要となる。

 だからこそ、集まるようにしておくことで、あとはそれを片付ければいいと思っていた。

 

『……どうおもう?』

「さあな。ただ、それができる保存媒体を開発したか、それとも、私たちが何か常識にとらわれているか、そのどちらかだろう」

『……それもそうね』

 

 圧倒的な年月を生きている遊月と時雨。

 当然ながら、常識など常に作られ、そして動いているものだということは知っている。

 いちいちとらわれていると、前に進めない。

 前に進めないのは……とてもつまらない。

 

『まあ、遊月のことだから何か考えがあるんでしょうね』

「ああ、アムネシアにいるというのであれば、最終的には私がつぶすさ。学校にいる三年間は私にとっては休みのはずなんだがな」

『世の中そういうものよ』

 

 ふと、時雨が聞いてきた。

 

『遊月。もしも、あの数値をたたき出したあの子が、本気で敵になったらどうするの?』

「時雨、知っているはずだ。私は……才能も、努力も、常識も、運も、すべて叩き潰せるものを持っている」

『……それもそうね』

 

 時雨は納得した様子。

 

『まあ、これからは事後処理で忙しいでしょうから、そっちに集中しなさい』

「そうだな。そうするとしよう」

 

 通話終了。

 スマホをポケットに入れて、遊月はつぶやく。

 

「切らないほうがいい切り札なんだが、使う日は来るか?」

 

 答えは、出ない。

 出てほしいとも、思わない。

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