「やめろ! そんなこと誰も望んでいない!」
…なんの事だ…? 望む? 何が? 誰が? 誰が喋っている…?
意識がはっきりしない、いや、そもそも意識とか、そういう概念が通じるような場所ではないのか…?
そんなことを考えてる間も何者かは叫び続ける
「方法があるはずだ!」
方法…? 何の……
「思い出せ! キ………
そこで、最初から無いに等しかった俺の意識は途絶えた。
ジリリリリリリリ
「う~ん…」なんだ、うるさいな…
ジリリリリリリリ
「うる…さい…」 こんな朝、俺の耳元で鳴るうるさい物なんて、一つしかない 。
「あーもう!うるさい黙れえええ!」ガチャン!
「あ…」さて、また目覚まし時計を一個お釈迦させました。
まぁ、これは捨てて新しいの買えばいいか…
「ふぁぁぁぁ~…」俺は新井キヨト、今年の春から清掃業者に就職して働いている、ただの清掃員だ。
もうこれで4つ目だ、目覚まし時計を壊したのは…
最初は高いやつを使っていたのだが、どうせ壊れるならと思い、今は安物を使っている
「仕事終わったら買わなきゃ…はぁ………って…もう時間ねぇ!」
目覚まし時計の針は止まったが、現実の針は止まってはくれない、さぁ、着替えて飯食って出社しますか…
「………ですので、わが社の使命は…」
俺の勤めている会社、クリーンファウンデーションは、毎朝社長の長話で始まる
「ふぁぁぁ~…眠い…」
ぶっちゃけ、ダルい。
「おい! 新井! しっかり聞け!」
「あっ、はい! すみません!」
ちくしょう、こちとらあんたの話のせいで眠いんだよ……なんて事は当然言えないので、とりあえず謝っておく。
「おやおや、新井くぅん、弛んでおりますなぁ」
声に振り向くと、俺の同僚でこの春から共に働く真崎がニヤニヤしている
「うっせぇ、真崎、お前だって昨日あくびして怒られてただろ?」
「いやいや、あれは寝不足のせいで…」
「はっ 寝不足ぅ? こちとら本日4時就寝じゃあ!」
「いやお前そんな時間まで何してたん……」
「うるさいぞお前ら! 後で私の部屋に来い!」
「「すっ! すみません!」」
共に頭を下げるが、下がった奴の顔がこっちを向き、ニヤニヤ笑ってやがる。
「はぁ…」
今日は忙しい1日になりそうだ…
「………え~ですので、今日も頑張りましょう! では、解散!」
やっと終わった、悪夢の30分が、しかし、今日の俺にはまだもう一つ悪夢が残っている。
「ほら、行くぞ新井…」
「はぁ…やっぱ行かなきゃダメだよなぁ…」
近くにあったゴミ箱に、壊れた目覚まし時計を勝手に捨てていく。
今から社長に怒られるんだ…最悪だよホント。
会社の廊下を真崎と喋りながら歩いて行く。
「こうして我々はボロ雑巾の様に使い捨てられて行くんだねぇ…」
早速何かほざいてるぞこいつ…
「ただ怒られるだけだろう? なんでそうなるんだよ……しかもボロ雑巾とか(笑)」
「いやいや、ボ……着いちゃった…」
「仕方ない、真崎、覚悟決めろよ…」
「おう」
コンコン、社長室の無駄にでかくて豪華な扉をノックする
…………………………………………しかし、何も起こらない
「お? いないのか?」
「いやいや、そんなはず無いだろう、基本働かないで社長室に籠ってる人間だし」
「まぁいいや、入ってみよう」
「おう」
「「失礼します…」」
誰もいない……
「なんだよ~新井、戻るぞ…………え……?」
「ん?どうした真ざ……なんだこれ」
真崎の体は蜘蛛の糸のような物に絡みついていた。
「と、とれねぇ…」
「なんなんだよこれ…」
取ろうとするが、真崎の体から離れない。
「ひっ!」
「今度はなんだ!?」
怪人、そうとしか言えない、蜘蛛のような姿をした怪人が真崎の後ろにいた、よく見ると真崎に絡まってる糸はその蜘蛛の手から出ていた。
「う、うわあああああああああ!」
それに気づき、暴れる真崎だが、怪人は微動だにしない
「真崎!」
助けなければ、咄嗟にそう思った俺は、走り出す。
「うおおおおおおおああああああ!」
そう思った俺は、何も考えずに怪人に殴りかかった。
「ぐっ!」
しかし、怪人が新たに出した糸に、俺まで絡められててしまう。
「くっ…はな…せ…」
隣を見ると、真崎は気を失っていた。
「ぐ…うぐ…」
糸での拘束はかなりキツイ、俺の意識もすぐに消えた。
「…………で………しい………体……のです…どうし……す?」
「………は優秀です、で……例のベルトを着けさせましょう……井は特に価……が無いの…………しまいましょう」
なんだ、誰が喋っている…? よく聞こえない、というかここはどこだ?
視界は真っ暗、体は相変わらず糸が絡まっている。
「……」
ダメだ、口も塞がれている、声を出す事もできない。
「なる…ど、では… 新井は処分しましょう。」
………!? 安定していなかった聴覚だが、はっきりと自分がどうなるのかを聞き取った。
処分、この状況だと退職とかそういう話ではないだろう、なぜか拘束された身柄、こんな状況で指す処分とは、一つしか考えられない、この世からの退職だ。
「そろそ…着きま……ね、……ぁ彼は……い…だったよ」
俺は殺されるのか? そんな事考えていたら、俺が詰められていた箱が開けられた
「おい、起きろ」
さっきの怪人だった、辺りの暗さから、現在は夜であることが分かる。
「お前の処分が決まった、おとなしくしていろ、そうしてれば楽にやってやる」
拘束のせいで動く事はできない、逃げる事はできないのだ。
「よっ」
怪人に軽々と持ち上げられる、そしてそのまま怪人は歩く、どこへ連れていかれるのか、その答えはすぐに分かった。
「さて、さよならだ」
理解した次の瞬間、俺の体は宙に浮いていた。 投げられたのだ。
「~~~~~!」声が出せないが、精一杯の悲鳴をあげ、落っこちていく
「~!」
背中から着地し、その場所をはっきりと認識する、ゴミ処理場、それも焼却するやつだ、これから何が行われるのか、自分はどうなるのか、すぐに想像できた、そして、想像したら真崎の事が心配になってきた、彼もここの何処かに捨てられたのだろうか…
「!!」
そして、ついにその時が来た、俺から少し離れた位置のゴミが燃え始めたのだ。
「!~!」
どうにかならないか、そう思い辺りを見回すと、なんと今朝俺が会社のゴミ箱に捨てた目覚まし時計が見つかった、なんでここにあるのか、分別はしないのか、そんなことを考えている暇はない、こいつは全面のガラスが割れて針がむき出しになっている、それを上手く使って…………!
「!」
針で擦ったら糸が切れた、自由になった手で口を覆っていた物も取る
「はぁ…はぁ…どうすれば…!」
炎はすぐ近くに迫っている
辺りを見回すと、なにやらベルトの様な物を見つけた
「なんだこれ…」
他のゴミと違い、汚れている所かなにやら光っているようにも見える
「でも…」
なぜだろう、こいつからは特別な何かを感じる。
「くそっ!」
一か八か、そのベルトを巻いてみた。
「クリーンドライバー!」
「!?」
喋った、起動したらしい、やはりこいつには何かある。
「!」
ベルトの横に雑巾の様な物がいくつかくっついている、間違いない、これだ。
「はっ‼」
そのなかの一枚をベルトの正面にセットしてみる。
「FLL! ~~~~♪」
喋った、そして待機音の様なものが鳴り始める
「雑巾だから…やっぱこうだよな…」
ベルトに着いた雑巾を左右に拭いてみる
「クリーンup!」
準備完了と言わんばかりに音声が鳴る。
「…………変身!」
気づいたらこの言葉を言っていた。
「FLL! フフフフ~ル~♪」
ふざけた音声が鳴ったと思ったら、目の前に大きなパネルの様なものが数枚出現した。
「え…」
そのパネルが次々体にくっついていく、最後に雑巾らしき何かが顔面にくっついた。
何が起きたのかは分からない、でも…
「力が…みなぎる!」
体の中から燃える様に力が沸き上がってくる…これなら…
「はっ‼」
炎がすぐ目の前に来た所で、俺は全力で跳躍した。
「うおっ!」
すげぇ、あっという間に外まで登って来れた。
燃え終わるまで待っているつもりだったのだろう、先ほどの蜘蛛の怪人がいた。
「…!? 貴様! どうして…!? その姿、まさか!? あの試作品を…!?」
怪人は驚愕の声を上げる。
「さっきはやってくれたな!」
今言われた「試作品」って言葉が気になるが、それは後だ、すぐに走りだし、間合いをつめる。
「クソがぁ!」
怪人が蜘蛛の糸を出してくる。
「喰らうか!」
腰についていた雑巾を前に出し、盾にする。
「何!?」
怪人が驚いてたじろぐ。
「だぁ!」
怪人の顔面にパンチを3発当てた。
「ぐっ…」
「やっぱり、効くんだな!」
すかさず回し蹴りを腹に当ててやる、しかし、怪人もやられてばかりではいてくれない。
「死ね!」
怪人もパンチを繰り出してくる。
「はぁ!」
当たる寸前で俺は高く跳んだ、上空から怪人を見下ろす。
「何!?」
奴もこれは予想外のようだ。
「今だっ!」
俺は右足を突きだし、急降下していった。
「おりゃああああああああああ!」
その攻撃が怪人の頭にクリーンヒットする、俺はそのまま着地した。
怪人の体から火花が散る。
「ぐ………おの…れ…ゾ、雑巾ガアアアアアアアア!」
そう叫び怪人は爆発する。
「雑巾が… ゾーキンガー……… ゾーカー! ゾーカーにするか!」
とりあえずこの姿の自分の名前を決め、変身を解いた。
「さて、どうやって帰れば良いんだろこれ」
とりあえずスマホを取り出し、地図を確認する
「うわマジか…30kmて…どうにかならないかなぁ……あ、そうだ」
もしかしてと思い、ベルトに着いている雑巾を一枚一枚確認していく、すると、バイクと書いている物が見つかった。 幸い、ベルトにセットするだけで使えるらしい
「さて、帰るか」
夜の町に、バイクの音を響かせてキヨト改めゾーカーは走っていった。
つづく
どうも、この「仮面ライダーゾーカー」を書いた、ネタキャラと申します、この作品は、「仮面ライダー」の名を借りた二次創作です、作者はこういうサイト詳しくなくて、初歩的なミスを犯している事があります、そうした場合でも、優しく指摘してくれると嬉しいです。
ゾーカーは、このyoutubeチャンネルで生まれました→https://www.youtube.com/channel/UCWfsk77t3DBY0g7mS8dFmqQ 良ければお越しください(宣伝)
二次創作が黒に近いグレーゾーンだという事は理解していますので、何か問題があればすぐにご連絡ください、即刻本作品を削除します。