サウンドウェーブside
あれから200年の時が経過した
この200年間の中でいくつかの情報で分かったことがある、かつてこの世界の人間は、前世で出会った人間とは違って寿命の概念がなかったのだ
だが都市の外では妖怪という生命体が確認されたことで穢れが生まれてしまい人間に寿命を持つようになってしまった。いわゆるウィルスのようなものだ
それだけではない、この世界の人間は稀にだが産まれ持つ能力が存在する
現に綿月大和の娘達がそうだ
まずは姉である綿月豊姫、海と山を繋ぐ程度の能力を持っている
その力は空間の点を繋ぎどのような場所でも移動できるのが可能。まさに人間スペースブリッジだ
その妹である綿月依姫は神霊の依代となる程度の能力
この世界の神を身に宿し、その力を利用することが出来るとても強力な能力だ
強力過ぎる故、彼女の身体に負担が激しい為に過度な能力の使用は禁じられているが、いずれ使いこなすようになれば防衛軍に大きな戦力となるだろう
因みに俺も能力を持っていることが二つ判明した
一つ目は音を操る程度の能力
二つ目は情報を操る程度の能力だ
このようなことを知ったのもこの能力によって調べることが出来た
・・・まあ、ただの三味線がこのような能力を持っていること自体奇妙な話だが
俺は音を操り人間の《心》を読む、次に情報を操ることでこの世界の知識を調べ続けていたのだ。
前世と違ってコンピューターや手を使わずに情報収集を実行できるのは便利だがせめて人の姿に転生したかったと今でも思う時はある
俺は今、峰門の部屋で一人・・・いや、一挺置かれており周りには誰もいないので再び情報収集を行っていた
200年が経過してから部下達の行方も分からず終いだ。三味線の姿になった俺のように別の姿に転生したか、それともこの世に存在していない可能性があるだろう
??「妖力を感じて来てみれば三味線とは面白いですね」
サ(!!?)
誰もいないはずの部屋に一人の青年がそこに立っていた
サ(全く気配を感じられなかった。一体何者だ?他の人間とは明らかに異質だ)
??「意思を持つ三味線に異質なんて言われたくないです」
どうやらこちらの思惑が感知できるようだ
ツクヨミ「私は月読命。この都市の神です」
青年はそう名乗ってきた
なるほど、こいつが噂の神か
前々からこの都市に神が存在するという情報は知っていた
外見はその辺の人間と変わらないがそれだけだ。この青年からただならぬ力を感じるのだ
これが本当の神が使う神力というやつか
そう解釈した俺は警戒心を高める
サ(妖力を持つ俺を妖怪と判断し破壊する為に来たのか?)
ツ「いえ、ただ単に気になっただけですよ。それに、貴方からは穢れを感じられない。私の思考を読めば分かると思いますが?」
俺はツクヨミの心を読んだが彼の言うことに偽りはなかった
ツ「妖怪は穢れを持って生まれますが時には穢れを持たない者もいるのですよ」
サ(俺はそれに含まれているのか?)
ツ「そうですね、貴方は三味線に転生・・・と言うよりも、三味線に貴方の霊魂が宿ったと言ったほうが正しい。つまり付喪神ですね」
ツ「妖力が高まればいずれ肉体を持つことが出来るでしょう」
ツ「それで、自分の利益に繋がる情報は見つけましたか?」
サ(貴様どこまで知っている?)
ツ「何も知りません。ですが貴方の目的は理解している」
サ(・・・)
ツ「ところで、貴方の名前を教えてほしいのですが」
サ(答える義理はない)
俺はそう答えた
ツ「コタエルギリハナイ・・・変わった名前ですね」
・・・こいつは馬鹿なのか?それともわざとか?
どちらにせよ食えない神だ
ツ「冗談ですよ。貴方の名前はまたの機会に聞きます」
ツクヨミはそういって部屋から消え去った
少し奇形的な神だったが嘘は何一つ言っていなかった
肉体を持つことが出来る、有意義な情報を手に入れた
肉体を手に入る為には妖力が必要だ、それに関しては時を待つしかない
読者の皆様、新年明けましておめでとうございます
作者の米握りです
後、遅くなって申し訳ございませんでした
理由はネタが思い付かない=スランプDEATH(ToT)
え?何故顔に包帯巻いてるかって?
そりゃあもちろん顔を剥がされたに決まってるじゃないですか
HAHAHAHA