幻想鋼転生   作:お米握り

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Mission2-3 part3

あのツクヨミと出会って100年の時が過ぎた

 

とある大きなライブハウスに演奏会が開かれている

 

そこでは都市の有名な演奏者や楽団が集まっておりプログラムに従い一組ずつ出演していた

 

峰門もケースに入れた三味線(音波)を背負い出演者として何度も参加している

 

彼は80年前に軍を退職していた。理由は峰門に寿命が出来てしまったからだ

 

肉体は徐々に衰弱しておりこの都市でトップレベルの頭脳を持つ八意永琳という科学者曰く、何時死んでもおかしくない状態とのこと。この事実を知るのは本人だけではなく大和とその娘達、そしてサウンドウェーブだけだった

 

前世で出会った人間を知るサウンドウェーブは普通の人間にしては長生きしている方だと違和感を感じていた。

 

しかしここは別世界の地球、最初は穢れが存在していなかったから寿命の概念がない。時間の感覚が違うと自ら納得した

 

残りの人生を愛する音楽に捧げたいと願う峰門は音楽家として余生を楽しむことにしたのだ

 

峰門が奏でる音楽は天才的で、三味線の他にもピアノ・ドラム・バイオリンなど、住民からは彼に使いこなせない楽器は無いと言われるほどで弟子入りを志願する者もいたが全て断っていた。今回の演奏会も峰門の演奏が目当ての来客者が殆ど多い

 

控室には演奏へ向けて準備中の峰門、それを見守る大和と永琳がいた

 

大和「おい、本当に大丈夫なのか?」

 

峰門「心配し過ぎだよ。このとおり指もちゃんと動くしね」

 

大和「心配せずにいられるか。この前倒れたばかりだろ!」

 

永琳「・・・穢れに侵された貴方の体に限界が近づいている。今の私達では寿命を伸ばす技術がない。己の未熟さに悔やまれてならないわ」

 

八意永琳は科学者だけではなく医者でもある。大和と同じ古くからの友人だ。優秀な頭脳を持つ故に多忙な彼女に峰門が毎日のように相談役を務めていた

 

峰門「大丈夫、体も軽いし充分動けるよ」

 

彼は穏やかな笑顔を向けるが二人の表情は沈んだままだ

 

サウンドウェーブは彼の言うことが全て嘘だと分かっていた

 

サ(馬鹿な人間だ。素直に弱音を吐けば良いものを・・・)

 

峰門は活気のある振る舞いをしているだけで実際右手も動かなくなって来ている。サウンドウェーブは自室で一人吐血する彼を何度も見ていた。大事な友を心配させない為に無理をしている

 

人間の体は妖怪よりも遥かに脆い、それでもなお音楽に執着し続ける峰門を理解できなかった

 

サ(自分の体は自分が一番分かっているはずだ。なのに何故ここまでする必要がある?)

 

サウンドウェーブ自身音楽に執着心を持つが峰門のように命を賭してまではいかない。ここまで来ると狂人に見える

 

サ(それだけ・・・か?それだけの為にこの人間は)

 

サウンドウェーブは彼の心を読んだ途端疑問が晴れた

 

音楽に対する愛情

 

その想いが彼を動かしているのだ

 

サ(・・・この腑に落ちない感情は一体なんだ?前回もそうだ。始めてあの人間を見た時、何故か同じような事があった)

 

演奏会も終盤を向かえ、取りを務める峰門に出番がやってきた。三味線を手に持ち舞台に向かう

 

舞台に足を踏み入れると同時に歓声と拍手が峰門を覆い被せる

 

位置に着いた峰門は三味線を構え、碌に動かない右手に鞭を打つように撥で演奏を開始した。弦の音色は静まり返ったホール全体に響かせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

演奏会が終了して数日後

 

峰門は再び倒れ病院に搬送された。もうすぐ命の蝋燭が消え果てようとしている

 

サウンドウェーブは峰門の自宅の暗い部屋で置き去りにされたままだ

 

サ(頃合いか・・・)

 

彼の目的は転生して以来消息を絶った部下の捜索だ。肉体を手に入れるのを第一目標として漸く実行できるのだ。だがいくつか問題はある

 

前世と違って今は通信手段がない。信号弾も所持していない、ならばサイバトロン語を使いあらゆる場所にメッセージを残すしかないだろう。それに部下達が生存しているかどうかだ。有機生命体に転生していると考えるならあまり時間を掛けるわけにはいかない

 

まずは肉体を具現化させる。そう考えた彼は実行しようとするが玄関の音が聞こえた為待機する

 

サ(不審者か?)

 

此方に向かってくる足音が聞こえてきたが変に感じた。通常なら一定のリズムで発せられる筈だが今聞こえる足音はバラバラで安定していない

 

部屋のドアが開きそのまま三味線に近づいてきたのは病院に眠っている筈の峰門だった

 

峰門「・・・ハア・・・・・ハア・・・・・・」

 

サ(バカな!彼処からかなりの距離があるというのに!)

 

峰門の顔色は悪く息も絶え絶えで今にも倒れそうだ。この状態では病院から出ることはできない。病衣の服装を見ると抜け出して自らの足でここまで来たのは間違いない

 

峰門は正座するとカチャカチャと震える義手で三味線(音波)を構え演奏を始めた

 

だが彼の演奏はいつもとは違い、力が入っていないかのように弱かった

 

かつて鮮やかで美しかった音色も今では一つ一つ途切れリズムが安定していない

 

それでも彼は撥を離さず弦を弾くのを辞めなかった

 

サ(まただ、この感覚。鬱陶しいはずなのにそれが好ましくも想ってしまう)

 

サウンドウェーブは気付いた。峰門に対して感情を抱いていることに

 

サ(漸く理解した。今思えば、始めて彼の演奏を聞いた時はもう既に魅了されていたのだな。・・・フフ)

 

峰門「ゼェ・・・ゼェ・・・・・・ねぇ・・・」

 

峰門は弦を弾きながら数百年共にしたパートナーに声を掛けた

 

峰門「・・・ごめんよ・・・君を・・・奏でて・・あげら・・・れるのは・・・これ・・・で、最・・・後だ」

 

サ(・・・)

 

弦の音が弱まっていく度に死が近づいている。まるでゼンマイ仕掛けのオルゴールのように

 

峰門「今まで・・・・・・ありが・・・と・・・う」

 

彼は動かなくなった。もう彼の奏でる音色は聞くことはできない

 

力を失った右手から撥が膝元に転げ落ちる

 

それでも、左の義手は三味線を離すことはなかった

 

 

 

 

サウンドウェーブは肉体を具現化しもう二度と動かない峰門に目を向けた

 

死してなお弦を弾こうとするその姿に凛々しさを感じる。とても死んでいるようには見えない

 

サ「清水峰門、最期まで馬鹿な人間だ。だが、いい相棒だった。・・・お前もそう思うだろう?」

 

そう言って視線を部屋の入口に目を移す

 

?「・・・気付いてたのね」

 

入口から八意永琳が姿を現す。彼女の頬には涙痕が残っていた

 

 

サ「科学者八意永琳・・・本名、八意××。俺のことはツクヨミから聞いたな」

 

永琳「名前以外はね。さすがに私の本名まで分かるのは予想しなかったけど」

 

サ「俺の存在を知っているのはお前とツクヨミ、後は綿月大和だけか」

 

永琳「・・・人の心を勝手に読まないでほしいわね」

 

永琳「それより貴方はこれからどうするの?お仲間を探しに行くのでしょう?」

 

サ「・・・ああ、だが他にもある」

 

 

サウンドウェーブは峰門の亡骸を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は既に亡き相棒の意志を受け継ぐことを決心していた

 

サ「まだ俺の名前を教えていなかったな」

 

 

 

 

ディセプティコン情報参謀 

 

サウンドウェーブ改め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空門「俺の名は清水 空門《からかど》。清水峰門の相棒だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、何時までたっても文章力が上達しない愚作者の米握りです

空門「空門だ。改めてよろしく頼む」

やっと更新できたよ!マジでシリアス難しい

空門「今回は特に、無理矢理感が酷い。次はもっと早く更新できるようにしろ」



はい、善処します

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