とあるライブハウスの会場はいつも通り満席だった
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ステージの上に立つ二人、清水峰門と清水空門は今日も三味線の弦を弾く
演奏が終わり観客達の拍手が送られた二人は客席に向かってお辞儀する
二人は互いに手を取り合い微笑んでいた
空門「・・・む、夢か」
最近夢を見る
峰門と共に演奏するという夢
都市に戻った俺は家で情報収集をしている途中で寝てしまったようだ
もしこの場にメガトロン様が居れば叱責されるだろうな
顔を洗おうと立ち上がると玄関からノックの音が聞こえた
空門(この時間帯だと多分アイツか)
玄関を開けるとそこには綿月大和の娘の一人、綿月豊姫がいた
空門「また訓練抜け出したのか?今頃依姫がお前を探してるのが目に見える」
豊姫「今日は休みですよ。ほらほら、桃を持って来ましたから一緒に食べましょう♪」
豊姫は訓練を抜け出す度によく俺の家に来ている。誤魔化しているのは心を読まずとも丸分かりだがあえて何も言わず家に入れることにした
後の展開がどうなるかも読めるしな
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豊姫「ハァ~癒される。やっぱり桃と空門さんの奏でる三味線のセットは最高ですわ」
空門「そう言ってくれると嬉しい限りだ」
豊姫「・・・本当に嬉しいです。貴方が峰門様の後を継いでくれたのが」
突然豊姫の表情が曇る
俺は演奏を止めずそのまま聞き返す
豊姫「峰門様は優しい方でした。私達姉妹が子供の時から遊んでくれて毎日のように演奏を聞かせてくれるだけでなく色々なことを教えてくれました」
豊姫「永琳様もお父様もとても幸せそうでした。だからこそあの方が亡くなったと聞いた時はもう二度と演奏を聞くことは出来ないと思い私達だけでなく都市の多くの人々が悲しみました。そんな時に現れたのが、清水峰門の忘れ形見と呼ばれた貴方でした」
豊姫「空門さんは音楽は好きですか?」
空門「勿論だ」
豊姫「そうですよね、峰門様は辛い時や悲しい時でも楽しく歌ってましたから。そんな彼に惹かれた人は沢山います。私達も、そして貴方も含めてね」
確かにそうだ。この世界に転生して始めて演奏を聞いた時は自然と心が安らいだ
片腕を失い感覚のない機械の腕になっても病に侵されても弱音も吐かず諦めないバカな人間
そんなバカが死んだ時、何故か嘲笑うことが出来なかった
本来見下すべき人間のはずなのにいつの間にか、心のどこかで・・・いや、心の底から惹かれてしまっていた
だから始めて気づかされた
自分が互いに分かり合える友との出会いを待っていたことを
そうでなければ、あのような夢を見ることもなかったのだ
・・・それにしても
空門「豊姫、お前どれだけ桃を持って来ているんだ。まさかとは思うがこれを此処で全部食べ切るつもりか?」
豊姫が持ってきた桃は家の外で並んでいる大型貨物車三台分くらいだ。どう考えても一人の人間が平らげらる量ではない
豊姫「それも良かったんですけどね、空門さんにも食べて貰おうかと」
空門「待て、確かに桃は旨いし貰えるのは嬉しいが流石にこの量では食べ切る前に腐ってしまう」
豊姫「桃は常温保存で三日間持つそうですから大丈夫ですよ」
空門「それは分かっている。この量を三日間で全て平らげるのに無理があると言っているんだ」
豊姫「そうなんですか?私なら一日で六台分はいけますのに」
空門「一日で六台分だと!?」
イカれてる、そんなに食べて何故太らないんだ?
豊姫「というわけで、あ~ん」
空門「止めろ、自分で食べムグゥッ!!?」
豊姫が、俺の肩を掴みねじ込むように食べさせる
何故まるごと喰わせようとするのだろうか。せめて切ってほしい
見かけによらず力が強く振りほどけない
そんな窒息しかけている俺に救いの手が現れる
?「此処で何をしてるんですかお姉様!!」
豊姫の背後には妹である依姫が立っていた
豊姫「あ・・・あら~依姫いつから此処に?」
依姫「訓練抜け出したと思ったらまた空門さんを困らせて!早く戻りますよ!」
豊姫「待って待ってせめて300個ぐらいは食べさせて!?」
依姫「あれだけ食べてまだ食べる気ですか!!?いいから行きますよ!空門さんいつも姉がすいません」
空門「いや大丈夫だ、慣れている。とにかく外にある桃を片付けてくれると助かる」
依姫「もちろんです。では失礼します」
軽くお辞儀すると豊姫をずりずりと引き摺り去っていった
こうして見ているとどちらが姉か分からん
切っ掛けはどうであれお陰で目が覚めた。情報収集を再開するか
来るべき日が訪れるまで時間はある
この都市に潜む
空門sideout
レーザービークside
あの惨状の原因をようやく見つけた。150年も掛けてしまった
150年だぞ!!150年も掛かったんだぜ!!?
途中他の妖怪に襲われて逃げて回ってたら道に迷って帰れなくなった挙げ句ラヴィッジとはぐれてしまったんだよ!マジで恨むぜ空門、生きて返れたら覚えてろ!!
頭に四本の角、背中に翼手を生やし肌と髪は灰色で赤い瞳をした化け物は妖怪の群れに襲われてる
いや逆だ、むしろ襲われてるのは群れの方だ
見ての通り化け物としか言えない強さだ
素手で首引きちぎるわ掌から弾が発射されて爆発するわ口から炎は出すわ物浮かすわで滅茶苦茶しやがる!!?
空からその様子を見てたが迂闊に近寄れねえよ。あんなのが前世ではディセプティコンだったなんて正直思いたくない。超逃げたい
逃げたいんだけどな、放っておけないんだよ
あれを見ていると他の妖怪と違って戦闘に慣れている動きをしているからだ
妖怪は基本単調な動きで獲物を食らい付くことしかしないが例外はある。その例外っていうのがあの化け物だ
炎を出して操るのもそうだが物を浮かしているのは多分重力を操ってるのか?どういう仕組みかは知らんが空門と同じく何らかの能力を持っていることは間違いない
そうこう考えている内に化け物は湖の近くにある木の傍で焚き火を付け、途中で始末したドでかい蜥蜴を食べ始めた
話し掛けるなら今しかないと思い近付こうとした瞬間身の周りが暗闇に包まれた
レ「な、なんだ?何が起こってグゲェッ!!?」
何も見えないせいで木にぶつかってしまい草むらに落ちてしまった
レ「ぐぉぉ・・・イッテェ、なんなんだよクソが‼」
あまりの痛みにバタバタと悶える
レ「今は夜だったよな、月は出てたのにどうなってんだよ・・・全く見えん」
何処を見ても真っ暗、化け物が付けた焚き火でさえも視界に入らない
だがその暗闇も長く続くことなく霧のように消え、月の光が灯された瞬間声が聞こえた
?「わ、私の闇が!?貴方一体何をしたのよ!?」
?「何と言われても、俺はただ貴様が発した闇を壊しただけだが?」
レ「ん?なんだ?」
地上には腕を組む翼手の化け物、そして空に浮かんでいるのは白黒の洋服を身に付け金色の長い髪をした女性が向かい合っていた
あの金髪妖怪の口振りからするとさっきの暗闇はあいつのせいだったのか
でもなんだろう・・・化け物の声、聞き覚えがあるような気がする
レ(しかしマズったなぁ完全に話し掛けるタイミング逃した)
俺は仕方なく二人の戦闘を遠くで見ることにした
金髪「壊した!?どういう原理か知らないけど闇を防いだくらいで調子に乗るな!!」
金髪妖怪の手に背中に黒い翼が生えた!?
いや生えたというより具現化したって感じだな
妖怪はあんなこともできるのか?
それとも空門や彼奴と同じように能力を持ってるってことか、さっき闇がどうのこうの言ってたし・・・中二病かよ、しかも剣まで取り出した
その剣で斬り掛かっていくも相手の背中の翼手で弾き返され距離を取った直後掌から弾丸のような物が放たれた
レ(あいつも銃持たずに撃てるのか!?)
放たれた弾は化け物の肩に当たるも傷一つ無かった
化け物「その程度か?小娘ェ」
弾がショボかったのかそれとも相手がタフ過ぎなだけなのかは今狼狽えてる金髪妖怪を見ると多分後者だな
今度は化け物が同じように弾丸を放ち金髪妖怪に直撃・・・しない、弾丸はこっちに向かって飛んで来る
・・・へ?こっち来てるヤバイ!!?
レ「ギャァァァァァァァァァァァァァァァ!!?」
俺は爆発に巻き込まれ悲鳴と共に空高く飛んでいき地上からどんどん離れていく
チクショウ!!?ここまで来て振り出しかよ!!
レーザービークsideout
空門side
レ「ってなことがあったんだよ!!危うく焼鳥になるところだったわ!!」
空門「そ、そうだったのか」
レ「あの後ラヴィッジが俺を見付けなかったら他の妖怪に喰われてたかも知れなかったんだよ!!」
空門「いや・・・まあ、すまなかった」
今、俺はレーザービークからの報告(愚痴)を受けている
レーザービークは俺と同じく諜報のスペシャリストだ
オートボットとの戦争で活躍出来たのも彼とラヴィッジの協力があってこそだ
そんな彼が情報を集めるのに150年もかかってしまうのは想定外だった
前世と違い彼らは有機生命体だ。俺のように能力を持っていないし通信機能や追跡装置など持ち合わせてはいない為荷が重かったのだ
通信機を装備しなければ仲間との連絡も取れない
俺以外はな
空門「レーザービーク、報告はもういい。直接見るから頭を出せ」
レ「え、なんで?見るってどういう・・・」
空門「能力を使う」
俺の《情報を操る程度の能力》は相手の思考を読めるだけではない
相手の身に起こった出来事や聞いた物の記憶を視ることができるのだ
だがこれは相手の身体に直接触れないと発動できないのが短所だ
レーザービーク頭に手を触れ目を瞑ると彼の記憶が脳内に浮かび上がる
そこで見たのは森の中に妖怪のあらゆる変死体、突然の暗闇、大きな翼手と四本角の妖怪、それに対立する金髪の人間・・・いや闇を操るのだから妖怪だろうか?
結局名前は判明しなかった
だが先程レーザービークは言っていた。四本角の妖怪の声には聞き覚えがあると
当然だ、忘れるはずもない
この妖怪は、このお方は間違いない
そうか、貴方もこの世界に・・・
転生してようやくの主の発見で思わず口元を緩めてしまった
空門「レーザービーク、メガトロン様を見つけたぞ」
レ「メガトロン様!!?てことはやっぱりあれが・・・」
空門「今すぐ合流したい所だが俺は都市を離れることはできない。レーザービーク、すまないがもう一度捜索に向かってくれ」
レ「ゲェェッ!?またァ!?こっちは見つけ出すだけで大変だったんだぞ!それにメガトロン様は以外と単純な所あるから下手すりゃ喰われるか潰されちまう!」
空門「落ち着け、あと単純とか言うな。それにメガトロン様はこの都市に近付いている」
レ「なんでそれが分かるんだよ」
空門「防衛軍の偵察兵が四本角の妖怪と金髪の妖怪が共に行動しているのを見つけたらしい。前のように捜索が長引く心配はない」
本来別の方法の探すべきだがこれ以上部下を危険な目に遭わせるのは心苦しいがやむを得ない。今は人手が足りないのだ
レ「そうか、なら安心・・・いや出来ねぇよ!まだ喰われる可能性があることがまだ解kモゴォッ!!?」
駄々をこねる相棒を黙らせる為ある物を口に突っ込んだ
レ「いきなり何を・・・なんだこれ!!?」
空門「うまいだろう。それは桃という人間の食べ物だ」
レ「ウマイッ!!その辺の木の実とは比べ物にならねぇぞ!!」
因みに桃は元々豊姫から差し入れで頂いた物だ
レーザービークには悪いがこれを使ってもう一仕事して貰おう
空門「今回桃はこれだけしか持っていない。もし我々がメガトロン様と合流出来ればたらふく喰わせてやるが・・・どうだ?行ってくれるか?」
レ「OK牧場任せてくれ!!絶対メガトロン様連れてくるからな!!行くぞラヴィッジ!!」
ラ「ガウッ!」
チョロい、ここまで行くと逆に不安になるな
お久しぶりです。
愚作者の米握りです
レ「もう4ヶ月ぐらい経ってるよな」
仕事忙しくて作る気力が出てこねぇ
かと言って辞めたくないしなぁ
レ「ふーん」
・・・なんかテンション低いですね
レ「だって話進まねぇんだもん。ダルくなってきた」
いきなり作者の本音言わないで!!?