大本営に連絡を入れたところ『明日そちらに人員を送る。
まぁ逃げるも何も
「なるほどな...ありがとう。だが明日となるとしばらく時間があるな...。」
「ならここの案内をしようか?」
「...俺はこの鎮守府にいるとは一言も言っていなんだが。」
「だって貴方数日前にここら辺に来てたでしょ?ここの偵察をしに来たんじゃないの?」
どうやら漁船でここに来ていたことはバレていた様だ。一目には気を付けていたからカメラか何かに見られていたんだろう。
「まさか映ってたとはな。まぁそうだな、ここに着任することを認めてくれるなら俺は貴女の艦となろう。」
「そんな簡単に決めていいの?他にも貴方以外の艦と話を付けないと...。」
そう言えばまだいろいろ弄れることは言って無かったな。
「それについては大丈夫だ。」
「なんで?」
「あの艦隊の艦はすべて俺だ。」
「は?」
まぁそうか。普通はこんなこと言われても理解できないだろうな。
「俺の艦は兵装から船体の形状まですべて変えることが出来るんだ。」
「...つまり今まで出てきた不明艦は同一艦ってこと?」
「そういうことだ。理解が早くて助かる。」
「...うそ、信じられない。」
取り敢えずボケっとしていた
「先ずは執務室。基本的に私と秘書艦がここで執務をしているよ。」
執務室は内装はほとんどなく執務机と椅子、本棚程度しか置いてなかった。
「なら何か用事がある場合はここに行けばいいんだな?」
「そういう事。それじゃあ次行くね。」
「次は工廠。ここで入渠や建造、装備開発を行ってるの。」
中に入ると機械油の臭いが鼻を突く。中には様々な機械があったが、どれがどれだか俺にはわからなかった。
「なるほど...だが俺はここにはお世話になることはなさそうだな。」
「あはは...じゃあ次行こうか。」
「ここは艦娘寮だよ。艦娘たちはここで寝起きしているよ。」
艦娘寮は基本的にすべて同じ部屋の大きさらしい。廊下をざっと見ただけだが、ゴミなどは一切見当たらない。
「清掃は行き届いているようだな。」
「そりゃ当たり前でしょ。」
とまあこんな感じで様々な場所を案内してもらって日が暮れる頃に食堂に案内してもらった。
「で、ここが食堂。ここで皆ご飯を食べるの。」
中は見た感じ古き良き食堂といった感じの場所だ。夕飯時だからか腹の虫を起こすようないい匂いが漂ってくる。
「ふむ...いい匂いだ。それに何故だか懐かしい。」
「この食堂は間宮さんと伊良湖ちゃんで回してるの。二人とも料理の腕が良いから期待してもらって良いよ。」
「そうか、期待しておこう。」
俺が提督と食堂で少し話していると後ろから「あの...。」と声をかけられた。
「ん...何か用か?」
「貴方はあの空母に乗っていた人ですよね?」
後ろから声をかけてきた女性は黒髪のロングヘアで和服を着ており、頭に金のカチューシャのようなものを付けている。
「あぁ、そうだが。君は?」
「私は榛名と申します。」
戦艦榛名。偶然か運命かはわからないが俺が接触した二つの艦隊にいた艦だ。
「あの...大和さんは...どうなったんですか?」
「あぁ...大和か。あいつならまぁ...大丈夫だ。死んではいない。」
まだすべて俺が変形した艦だということはまだ提督しか知らない。
「そうですか...。あの、出来れば大和さんにありがとうと伝えていただけると...。」
「分かった、伝えておこう。」
俺がそう言うと榛名さんは「ありがとうございます!」と一礼した後に彼女と同じ服装の女性のもとに走っていった。
「...伝えなくてよかったの?」
「どこから情報が洩れるかわからん。少なくとも大本営との話し合いの主導権をこちらが握るまでは明かすことはしない。」
「そう。」
取り敢えず俺は食券機で『焼サバ定食』を買った。