居酒屋『鳳翔』から出てしばらく歩いたが特に何も起こっていない。どうやら他の子達は出撃やら遠征やら演習やらで忙しいらしい。
「ふぅ...こうも何もないと暇だなぁ...かと言ってあの飲んだくれのところに戻るのもなぁ...。」
俺がそう愚痴りながら歩いていると後ろから呼び止められる。
「ねぇ、あなたがアライ?」
「ん?あぁ、俺がアライだが...何か用か?」
振り返り声の主を確かめると、それはスク水の上にセーラー服を着た赤い髪の女の子だった。
スク水ということは...恐らく潜水艦だろう。潜水艦はオリョクルのイメージしかないが今日は非番なのだろうか。
「私は伊168よ。イムヤって呼んでくれていいわ。それで、あなたに一つ質問があるの。」
「質問?俺の答えられる範囲なら何でも答えよう。」
一応俺の分からない単語とかが出てきたらまずいので副長と通信回線を開いておく。
「あなた...いったい何者なの?」
「...それは...どういう意味だ?」
「あなたが敵艦隊を壊滅させたときに私は偶然近くにいたの。その時あなたがいたから興味本位で見ていたのだけど...。」
副長、対姫級戦の時に潜水艦って近くにいた?俺っちそんな報告聞いてないんですけどぉ。
『えぇ、通常魚雷しか撃てないような潜水艦は脅威ではありませんからね。』
それ以外が撃てたらそれこそおかしいと思うんですが。
「...あなたが私達の常識の範囲外の攻撃をしていたのを見たの。それに...あなたの船体が変わるのを見たの。」
「...そうか...あれを見られていたか...。」
『艦長、カッコつけてないで質問に答えたらどうですか?』
突然辛辣な言葉を放たないでくれ。俺の心にダイレクトダメージが入るから。痛いから。
「そうだな...私は漂流艦なのは間違いない。だが...この近海で目が覚めた時以前の記憶がなくてな。何も覚えていないんだ」
「そう...わかったわ。ありがとうね。」
そう言ってイムヤは手を振りながら向こうへ歩いて行った。
「...副長、俺の目が覚める前の記録ってある?」
『少々お待ちください...ありました、該当件数は36件です。』
うぇ、そんなにあるのか。俺が目が覚める前一体何があったんだろうな。
「その記録って何かわかる?」
『はい、船体データをまとめた物や聞いたことがない国の兵器一覧やレーザー兵器製作のイロハ!というタイトルの記録などです。』
「ん~...それって全部同じ国?」
『いえ、すべて違う国の物です。しかもすべて違う世界のようです。』
「それってつまりすべて異世界の兵器ってこと?」
『はい、そうなります。』
「...ちなみにその中にベ〇カ式国防術って言うもの入ってる?」
『少々お待ちください...該当件数は一件です。』
Oh...あっちの技術も入っちゃってるのね。道理でなんかオーバーテクノロジーがわんさかあるわけだ。
「...おっけ、了解、理解した。取り敢えずやることないから引き続きぶらぶらしとるから何かあったらよろぴくね~。」
『了解しました。』
さぁ...ぶらぶらするといったが...この後はいったいどうしようか...。
あの後提督と秘書艦と一緒にめっちゃ執務した。