仮面ライダーヴィランズ   作:辰ノ命

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ようこそ!私の小説へ!わーおっ!
前回も後書きで申し上げました通り、今回ユニク編最後です。

まさかの父が睦生と同じアンチバイツに!?やべーよやべーよ…

果たして、皆さんは私の調教(小説)に耐えきる事ができるでしょうか。それではどうぞご覧ください。


EP09 親子の怪人

「話したい事?」

 

「うん」

 

父に全てを話した。今まで自分が行ってきた事、自分の中にいる者の事、そして今からすべき事を。

睦吾郎は睦生の話を1つも余す事なく聞いた。それから目に涙を浮かべ睦生を優しく抱きしめる。息子が自分の命を顧みず戦い、その事を何も知らずに過ごしてきたのが腹立たしかった。

 

「そうか…そうか…何もしてやらなくてごめんな…」

 

「ううん。僕がこうして今まで戦ってこれたのも家族…父さん。母さんのおかげだよ」

 

「本当に…立派になったな睦生」

 

「…父さん…もう一ついいかな?」

 

「ん?どうした?」

 

「…僕と一緒にあのユニクを倒して欲しいんだ」

 

「……」

 

「無理にとは言わないよ。ただ…僕の力だけじゃあいつに勝てないかもしれない。父さんの力が必要なんだ。その銃の能力が…」

 

「…………」

 

睦吾郎はしばらく黙った。ただ睦生を見据え続ける。そして一つため息を吐くと、ようやく口を開く。

 

「自分の息子が困っているのに断れるわけないだろ?任せろ。俺も戦う」

 

「父さん……!!」

 

「まぁお前の方が経験豊富だからな。俺も役に立つかわからないが…」

 

「全力でカバーするよ」

 

「…あぁ。被害が大きくなる前に倒さなきゃな…」

 

「うん…ねぇ父さん。父さんはいつ寄生されたの?」

 

「あぁいつだったかな…公園のベンチに座った時…からか?俺の中にいるやつはあまり喋らないから詳しいことはわからん」

 

「ふーん…」

 

「『グンパー』…って言ったか?確か名前が…」

 

「グンパー…」

---聞いた事ないな…。だがまぁ協力者が増えた。明日に備えて準備しろ。ワンガ喰うぞ。

「…珍しいね」

---あ?

「…父さんのこと食えって言うのかと思った」

 

「え…?」

 

「あ!?いや違うよ!?なにもしないからね!?」

 

「あ、あぁ……お前の中のヴァイザーとか言うやつか。そんな事を言うのか…」

 

「な、なにも言ってないよ!?ただなんかヴァイザーなら言うかなー…って…はははっ…」

---…喰う気がないだけだ。

「…え?」

---…何故かはわからないがな。喰う気が起きない。それだけだ。

「…??」

 

「とりあえず…明日に備えるか。……頑張ろうな睦生」

 

「…うん!父さん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

------------------

 

決戦当日。ワンガは傷が癒え、また人々を襲っている。次々に建物を破壊し人を貪り食う。

もうそんな事はさせない。

 

「行くよ…父さん…ヴァイザー」

 

「あぁ…」

 

二人は怪人態となり、ビルの屋上からワンガ見下ろす。

 

「僕があいつの隙を作るよ。父さんはその隙にお願い」

 

「あぁ。任せろ………睦生」

 

「なに?」

 

「……いや、なんでもない。やるぞ!!」

 

「え、あ、うん!!」

 

睦生は片腕を鞭に切り替え、ワンガを囲むように伸ばす。それに気づいたワンガは、そのわずかな隙間を異常な速さですり抜ける。昨日までとは全く違う。動きがより俊敏になっていた。

 

「同じのが2度食らうとでも?」

 

「まだまだ!!」

 

筋肉を倍加させ、距離を一気に縮める。殴る蹴ると攻撃を繰り出すが、軽々と避け、上空へ舞い上がる。そして急降下し、睦生の周りを高速で周る。速度が上がってくると、徐々に体に傷が入って行く。

 

「っ…!!またか…!!!」

 

「俺に同じ攻撃は効かない。けどお前はどうかねぇ?」

 

「なに!?」

 

「ま、俺の攻撃は精度も威力も前とは違うから」

 

このままでは父が攻撃できない。一瞬でもその隙が作れればいい。なら自分はこうする。自分の再生能力だからできることを。

左腕を盾に変え、足を大きく開き踏ん張る。それから盾をワンガの正面に当たるような位置どりをする。

 

「無駄よぉ?なに考えてるか知らないけどそんなの当たるわけが…」

 

「その自信はどこからくるのか……な!!!」

 

盾を振るうようにワンガはぶつけようとするが、寸前のところで避けられる。

 

「やっぱりな…」

 

そう呟き睦生に一発喰らわせようとするが右腕で掴まれる。掴んだ瞬間すぐさま筋肉を倍加し、離さないよう渾身の力で掴み上げる。

 

「な、なんだと…!?」

 

「盾を当たるギリギリのところに持って行ってもどうせ避けられる事は分かってた。だけどお前はその瞬間スピードを落とす。そのわずかな隙が命取りだった」

 

「くそっ…!!」

 

銃声が聞こえる。ワンガに三発の銃弾が撃ち込まれる。

 

「かはっ…!?」

 

「よし!!…ハァァァァァッ!!!」

 

殴ろうとするが筋肉倍加を振り払い、上空へ逃げる。高速移動を行い、自分ではなく別の方向へと飛んで行く。あの方角は…

 

「父さん!!」

 

「俺を本気にさせたなぁ…!!!!」

 

足を鉤爪のようにし、睦吾郎を掴み上げ、先ほどよりも比べ物にならないスピードで飛行する。それから高度を下げ、地面を引きずり回す。

 

「ぐああぁぁぁぁっ!!」

 

「くそっ…!!」

 

ワンガを追うもののその速さについていけず、立ち止まってしまう。筋肉倍加のスピードよりも速いとなるとどうすることもできない。

 

「この怪物が!!!」

 

「ん……っが!?こいつ!!」

 

近距離で銃を乱射しワンガの翼に穴を開ける。ゆらゆらとしながらもスピードを落とさず、そのまま壁に叩きつける。

 

「かはっ!?」

 

「このやろうがよぉ…っ!!?」

 

素早く翼を再生させ、飛びながら鉤爪で切りつける。途中えぐるように鉤爪部分を閉じると、激しい痛みが睦吾郎を襲う。

 

「ぐあぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!」

 

「やってくれたねぇ??えぇ…!!!?」

 

睦生は両手を爪に変え、翼を斬りつける。怯んだその隙に、その体を突き刺し投げ飛ばす。それから睦吾郎の元へ駆け寄る。

 

「父さん大丈夫!?」

 

「ハァ…ハァ…あ、あぁ…」

 

「よかった…」

 

「こ、このくらい…ハァ…屁でもない」

 

「…父さん…?」

 

「ん…?」

 

「その能力……もしかしてだけど自分の肉体使うって事はないよね…?」

 

「なに…?」

 

「その疲れ具合…それに体も少しだけど軽くなってる気がするんだ。……それが銃の能力でしょ?」

 

「…………あぁ。弾は自分自身。全く体に良くないな…」

 

「そんな…!!なんで…」

 

「これ言ったら…ハァ…ハァ…お前は俺を止めるだろうからな……それが嫌だった…」

 

「父さん…」

 

その瞬間、背後からワンガが猛スピード突っ込んできた。気づいた時には対処しきれない距離だったが、しかしワンガは吹き飛ばされた。睦吾郎が撃ち抜いていた。

 

「ごめん父さん…ありがとう」

 

「俺の事は気にするな…!!行け睦生!!」

 

「うん!!!」

 

今まで手に入れた能力をフルに使い、ワンガに対抗する。そのスピードに完全について行くことはできないが、ある程度までは体が慣れてきた。お互い一歩も譲らず体力を消耗して行った。

 

「ハァ…ハァ…」

 

「中々…大した奴じゃないのぉ……」

 

「うおぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!!!!!」

 

「ちっ…!!」

 

剣にした腕で鉤爪を切り離す。怯むことなく、ワンガのもう一方の鉤爪が睦月の腕に突き刺さり、そのまま引き千切る。すかさず睦生を地面に何度も叩きつける。

しかし睦吾郎が横から銃で撃ち抜く。この一発はコアの角に当たったらしく、今まで出したことがない悲鳴をあげる。睦生はその隙を逃さずにワンガの首をへし折るように蹴りを放つ。

それから辺りに響き渡るほどの悲鳴をあげ、しばらくのたうちまわったが、次第に動きが鈍くなって行き、しまいにはピクリとも動かなくなってしまった。

 

「……終わった……?」

 

「ハァハァ…らしいな…ふぅ…」

 

「父さん!!!!?」

 

「あ、あぁ大丈夫だ。…前もこうなってな。アンチバイツを不本意だが食べたら治った……ははっ。ホントに怪人になったな…」

 

「全く…あーよかった…」

 

「しかし睦生…強くなったな…」

 

「ありがとう」

 

「ん?」

 

「ただのお礼だよ」

 

「別にいいのにな…」

 

「まぁいいじゃん」

 

「なんだそれは………っ!!!?睦生!!気をつけろ!!」

 

「え?」

 

父の指差す先にワンガの姿がなかった。どうやらまだ動けたらしい。すぐさま周囲の警戒へ入る。

 

「一体…どこに…」

 

「どこだ…」

 

静まり返る。羽音も聞こえない。神経を研ぎ澄ませ、その時を待つ。

すると上空から空を掻っ切るような音が聞こえる。凄まじい速さでそれは飛んできた。

 

「はやっ…!!?」

 

睦生は腹をえぐられた。しかし間一髪のところでコアへのダメージは避けられた。自分は避けられた。

 

 

 

 

 

自分だけが。

 

 

 

 

 

「父さん…?」

 

 

 

 

 

「あっ…っ……」

 

 

 

 

 

「父さん………父さんっっっ!!!!!」

 

父の元へ駆け寄る。コアが見えている。それに半分以上が壊れ、その半分がなくなっている。

 

「あぁぁぁ…っっ!!あぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!」

 

「睦…生…」

 

「ごめん父さん…僕が…僕のせいだ……僕があの時…!!!!」

 

「違う…睦生…よく聞け……!!!」

 

「うぅっっ…!!ぐっ、うぅ…」

 

「いいか…?よく聞け…?……俺はもう…死ぬ……だから……!!…ゴボッ…!!」

 

睦生の手を強く握り、睦生の目を見る。そして一言。彼に対して言う。

 

 

 

「俺のコアを……喰えっ……っっっ!!!!!」

 

 

 

「そんな…!!やだ!!ねぇ父さん!!いかないで!!お願いだから!!!!!」

 

 

 

「睦生ィィィィッッッッッ!!!!!!!」

 

 

 

「…!?」

 

「頼む……あいつを…倒せ…!!」

 

「父さん…」

 

「お前は俺の子だ!!!お前ならできる!!!……っっ!!ゴホゴホッッ…!!」

 

「父さんっっ!!!!」

 

「母さんを……守ってやってくれ…………睦生………弥生………愛してるぞ………………………────────」

 

「父さん…?ねぇ……起きてよ…ねぇ!!!父さん!!!……あぁ…あぁぁぁ…………アァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

それからまた後ろから風を切る音が聞こえる。

 

「死にな!!?ヴァイザァァッッ!!!!!!!」

 

「……………………」

 

筋肉を倍加させ振り向き様に殴り飛ばす。強烈な一撃が脳を震わせる。

 

「ガハッ!?」

 

そして睦生は喰らう。コアを。父を。

銃に変化させる。何も言葉は発さず。ワンガを睨む。とてつもない殺意が全身から溢れで出る。

 

「武器が追加された程度だろぉ?…なぁ!!!」

 

飛び上がろうとした瞬間、顔の半分を吹き飛ばす。それでもなんとか持ちこたえ、とてつもないスピードで飛び回る。

 

「くそっ!!このスピードならどうだぁ!?」

 

「………………」

 

ゆっくりと銃口を向ける。そしてものの数秒でワンガの翼を穴だらけにする。飛行能力を失い落下するワンガの上へ跳び、そこから何度も何度も銃弾を撃ち込む。地面に背中から落ちてから更に、何発何発も打ち込んで行く。

 

すでにワンガは再起不能。死んでしまっている。

 

「………っっっ!!!!!!!!!!!!」

 

---おい睦生。そいつは死んだ。

 

「…………っっ!!!!!!」

 

---おい!!!このままだとお前が死ぬぞ!!!

 

「…………っ!!!!!!!」

 

---今ここでお前が死んだらお前の母親はどうなる?2人の家族を失うことになるんだぞ?それでもいいのか?お前はそれでいいのか?睦生!!!!!

 

「わかってるよ!!!!!……わかって…る…………うぅ…うっ…………」

 

崩れるように膝をつく。そして泣いた。側から見たらその光景はどう映るのだろうか。きっと親を亡くした可哀想な子だろうと。

彼が泣いているのは父を亡くしたからでもあるが、行き場のないこの感情をどうすることもできないことへの涙である。

 

---ん…サイレンか…ようやくお出ましだな。

 

彼は泣いた。涙が枯れ果てるまで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

------------------

 

あれから3ヶ月が過ぎた。悲しみはなくなることはないが、今は楽しくやっている。母も最近になって笑顔を取り戻した。

 

「母さん。手伝うよ」

 

「ありがとう睦生」

 

「このくらいいいよ」

 

母にはまだ何も伝えてはいない。父は事故で死んだことになっているが、実際は自分と父はアンチバイツで、父は戦って死んでしまった。

思い出すたびに自分の責任だと感じてしまう。

 

「そろそろバイトの時間だ。行かなくちゃ」

 

「え?もう?……それじゃ行ってらっしゃい」

 

「うん。行ってきます」

 

戦うたびに大切な人を失って行く。やめたいと思う時もある。だけど僕はそれでも人を守る。この先もそうであり続ける。

ヴァイザーとともに、これからも約束を守る為に僕は戦う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユニクはこれで全滅…という事でよろしいでしょうか?お嬢?」

 

「………………」

 

「おっとユニクはあの睦生…残りはヴァイザーだけですね」

 

「………………」

 

「我々、人工的に生み出されたアンチバイツ。『メイズ・アンチバイツ』の出番はもうありません」

 

「………………」

 

「そうですね。下等なアンチバイツどもなら、腐るほどいますが…」

 

「………………」

 

「まぁ数に入りませんね。とにかく今は彼らを抹殺するまでにございます」

 

「………………さい…………」

 

「…はい?」

 

「…………うるさい」

 

「…これは失礼致しましたお嬢……」

 

お嬢と呼ばれる女性は窓際へ行く。扉を開け空を見上げる。

 

「…………明日は……晴れるかしら」

 

「さぁどうでしょうか……明けない雨はありませんから…」

 

「…………そう…」

 

 

to be continued ──────。




これにてユニク編終了です。
次回メイズ編、開始致します。

ぬわぁぁぁぁぁん疲れたもぉぉぉぉん
きつかったすねぇ今日は、あーもうすげぇきつかったゾぉ〜

次回もお楽しみに!!終わり!!閉廷!!以上!!解散解散!!
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