前回、復活した男!!篠瀬 睦生!!
あぁ^〜良かった助かった生きてるはっはっはー!!帰ってこれタァ〜!!
と言うのもつかの間、大事なことを忘れてしまっていた……あ、ふーん(察し
それではどうぞご覧ください。
睦生は謝罪した。
めちゃくちゃ謝った。
かの実の母に頭を下げて、泣くほど謝った。
弥生は怒ったが、泣きながら笑っていた。睦生もまなも泣きながら笑いあった。3人でその日はずっと話したのを覚えてる。
それから1週間が経ち、自分の正体をひた隠しにしてきた。死んだはずの男が生きていたとなればとんでも無い事になりかねない。それに1番厄介なのが、正義である。もしバレることがあれば戦いは逃れられないだろう。今現在の自分ではまともに戦うことはおろか、今度こそ塵ひとつ残さず消されそうである。
「暫く外に出てないけど……ホントにきつい……」
「---あぁ。暇だな……睦生」
「ん?なに?」
「---お前わかってんだろうな?自分の今、起きている事がよ」
「わかってるよ。生きてるって事を隠し続けるんでしょ?」
「---違う。今更だが、お前の体のことだ」
「…あぁ……そういえばなんかあるんだっけ……」
忘れていたが自分は一度死んだはずの身である。実際本当に死んだわけではないが、もしヴァイザーの判断が少しでも遅れていたら、自分はもうこの世にはいないだろう。
だからこそ自分の身に何かが起こってるのは確かである。ヴァイザーとは互いに一つの生命体として成り立っていたが、今回は再同化という一見元に戻ったという感じではあるが今までのものは違うらしい。
「---俺はお前のコアにとなり生き長らえた。だが、それは容易なことじゃない。人間の急所は馬鹿みたいにあるが、俺たちアンチバイツにとって急所はたった1つ。頭を潰されようが、両腕を蝶結びにされようが、目玉をくり抜かれようが、俺たちにとって大したことはない話だ」
「……(大したことあると思うんだけど…)」
「---そのたった1つが、わかっていると思うがコアだ。たかが、1。されど、1だ。このコアがあるからこそ、俺たちは複雑な形状変化が行える……そんな体の全てを任されているコアが欠損でもしてみろ。再生はおろか、動く事もできやしなくなる」
「今回はハンメアーと同じようにコアが割れたとかそんなんじゃないの?…半分にはされたけど……」
「---あぁ…本来なら俺とお前はそこらのアンチバイツとは違う。再生力で言えば群を抜いている…だが、相手があの正義だったのが災いしたな」
「正義さんが…?」
「---俺もよくはわからん。何にかしらあいつが仕込んだか……何はともあれ、俺たちは今、ファングとブレードの2つの武器しか持っていない。さらに言えば、再生能力も身体能力も前よりも劣っている始末だ……あいつに勝てたのは正直、驚いたがな」
「あいつくらいには一応勝てるって事なのかな…?」
「---本来なら瞬殺だ。あんな小物」
するとコンコンと、ドアをノックされる。
きっとまなが帰ってきたんだろう。
「まな?いいよ入って」
「入るわよ」
ドアが開くと、まなが買い物袋を持って入ってきた。食材の買い出しに行ってきた訳ではなく、こうして自分たちが外に出られない代わりに菓子類やらを買ってきてもらっている。早く外に出たいのは山々なのだが、こればっかりはどうしようもない。
しかし最近になって気になる事ができた。正義がまなに対して手を出さない事だ。なにかしらの考えがあるのだろうけれど、意図してそれをやっているのか分からないうちは油断できない。まなもそれについてはわかっているのか定かではないが……
「---…まな。この近くにアンチバイツの気配がする」
「ほんと?」
アンチバイツの気配を感じられない。オルギンがいう近くというのがどれほどかは分からないが、それすらも感じ取れなくなっている。
かなり厄介な状況である。
「睦生ちょっと出てくるね」
「---大人しくしていろ。ヴァイザー」
「---…けっ」
睦生は「いってらっしゃい」というと、まなが出て行きドアが閉まるまで手を振った。そして大きなため息をつく。
「……動かないってここまで嫌な気分になるのかな……」
「---お前も欲してるんだろ。血肉を」
「……やめてくれ……さて、ちょっと母さんの手伝いでもしないかな」
「---ニートだったか?恥ずかしいものらしいな」
「……やめてくれ……ほんと……」
自分の部屋を出て、キッチンへ向かうがそこに母の姿がない。いつもならば料理を作っている時間帯のはずである。最初は出掛けているのだろう、そう思った。
しかし様子がおかしい。冷蔵庫は扉が開いたままであり、野菜は切っている途中で、よく見ると包丁は床へと落ちている。明らかに何かが起こったことは間違いないのだ。
「……ヴァイザー」
「---睦生。窓を見てみろ」
ヴァイザーに言われて窓を見ると、カーテンがなびいている。開かれている。まなは部屋のドアから出て、その時に母いたのだろうか。入れ違いか。或いはそれを見計らって母を連れ去ったか。
連れ去られたと決めつけるのもどうかと思ったが、睦生のそれは確信に変わる。窓に近づいてみると傷跡が見える。ぶつけて出来たものである。かといってこの家の誰かがぶつけたものなのかと言われると違う。これは爪痕だ。そしてその近くに母の服の切れ端が引っかかっている。
「……ヴァイザー……」
「---あぁ。わかってる。だが、お前の今の状況を理解しているな?」
「わかってるよ……だけどこれ以上……大切な人を失いたくない…!!」
「---……ひと昔前の俺ならその言葉鼻で笑って行こうとは思わなかったが……行くぞ睦生。弥生を救い出す」
「うん!!」
「---飯を食いそびれた仕返しだ。派手に暴れてやる」
「……だよね…」
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「どうやら……お前の息子は釣れたらしい。弥生という女」
「……睦生になにをする気なの?」
「フフフッ。いえいえ別にどうしようというわけではありませんよ。弥生嬢」
とある研究施設。ここは昔メイズ達が産まれた場所、作られた場所である。大きなカプセル内に緑色の液体が入っており、そこにメイズであろう化け物が身を丸めて入っている。他にもいくつも同じカプセルがあり、中にメイズ達が眠っている。それから正面には複雑な機械がズラリと並び怪しげな雰囲気を醸し出している。
ビーケはそこで弥生を連れ出し、椅子に座らせ、手と足を拘束し動けない状態にして睦生が来るのを待っていた。
「ここはメイズ・アンチバイツを生み出している場所なんでしょ?丁度いいわ。睦生があなたを見つけてボコボコにしちゃうから」
「ほぉ……息子さんが私を?1度もこの私に勝ったことがおありでないのにも関わらず?」
「睦生はね……睦吾郎さんが亡くなってから……いえそれよりずっと前から私に黙って、必死になって、みんなのために戦ってきたのよ。そんな息子を私は誇りに思ってるし、だからこそあなたみたいな化け物は絶対、睦生に……」
最後に何かを言おうとした瞬間。ビーケは椅子が倒れるほど弥生の頬を殴った。口の中を切って血が滲み出る。しかし弥生の目はビーケを睨みつけ、全く臆していない表情を見せる。
「わからないな……いずれあの男は血眼になって乗り込んでくるだろう。しかしまぁどれほど時間がかかるか。奴は今、気配を感じ取ることも、形状変化もろくに出来やしない。ましてや身体能力、再生能力の低下……これで勝てるとでも?私に勝つことすらできていない男が、前よりも遥かに劣る力でこの私に」
「えぇ……あなたは負けるわ。だって……睦生は…………私の息子だもの」
「……馬鹿馬鹿しい」
ビーケはそう言うと、操作盤は向かう。そこでなにやらパスワードのようなものを打ち込んだ後、ボタンを押すと1つのカプセル内の液が吸い出されていく。
全てなくなるとカプセルが開き、中からメイズが唸り声をあげながらゆっくりと出てくる。ヨダレを垂らし、全くと言っていいほど知性を感じられない見た目をしており、まるで獣のように周りの匂いを嗅いでいる。
「…う…っ!?」
弥生はビーケと違い、その恐ろしい姿を見て思わず声を漏らしてしまった。するとこちらに気づいたのか、奇声を発しながら走って近づいてきている。
しかしそこへビーケが目の前に来ると、ピタリと止まり、大人しくなってしまった。
「いい子だろ?もし私が止めていなければお前は……まぁ感謝することだな。お前にはまだ生きていてもらわなければ困るんだよ」
「…………っ!」
「……よし、そうだな…お前の名前は『 シレン 』だ。この写真の男を…………食い殺してこい」
話を理解したのか、そのシレンというメイズは研究所の階段を駆け上がり、外へと飛び出していった。男というのはきっと睦生のことであろう。弥生は口ではそう言っていたが、睦生の弱体化の話は聞かされており、かなり心配でありとても不安なのだ。今は無事を祈るしかできない自分が悔しくてたまらない。
「さて、睦生。よくもまぁ生きててくれたなぁ?……そしてまな。約束を破るというのはどういうことか身を持って味わってもらう」
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家を飛び出したまなは、ビルとビルの合間を跳びながら現地へと向かっていた。しかし彼女は妙なことに気づいていた。そのメイズの気配が近くだったのは確かなのだが、かなり薄くなっているのだ。感じ取れないほどではない。けれどこの分だと死にかけているか、単にアンチバイツの方が気配を殺しているか。
「……なんか、全然感じ取れなくなってきたんだけど」
「---……怪しいな」
「なにが?」
「---して…やられたという感じのようだな」
「え?」
「---そこで止まれ。あそこを見てみろ」
すぐ近くのビルの屋上に立ち止まり、現地を見てみるとまなは目を開いて驚いた。
「これは…!!」
「---むごいな」
見ると、メイズであろうそれは肉塊のように原型を留めておらず、されどその状態のまま生きているようだ。先ほどまで感じ取れた気配だったが、急に薄れたのはこのせいであろう。しかしおかしい事に出てきたばかりにも関わらず、メイズの悲惨な状態を見る限りまな達が向かう直前にやられたようだった。
「…罠…って事でいいのかしら」
「---そのようだな……」
まなは右腕を刀に変えると、すぐさま後ろは振り返り構える。気配を感じ取っていた。真後ろに体中触手だらけの怪人がいるのである。触手といっても、誰しもが想像するようなヌメヌメしたような物ではなく、1本1本が鋭利な刃となっている。
「あなたはメイズでいいのよね」
「…………」
そのメイズはなにも答えず、ただ触手をうねうねとさせている。
見つめ合い続けて5分が経った頃ようやくメイズが動き始め、戦闘態勢に入ろうとするまなであったが、メイズの方は地面に傷を付け始めた。
「…?」
傷跡を見ると【 ティーシル 】と書かれていた。このメイズの名前だと思われる。
「ティーシル…あなたの名前?」
「…………」
ティーシルは何もしてこない。ただその触手をうねらせているだけでこちらに危害を加えてこない。
しかし暫くすると触手が広く、かなり伸びてきているのがわかる。みるみるうちにまなの周りを刃が覆う。
「……まずいかも」
「---そのようだな」
そして急に動きが荒ぶったかと思うと、全ての触手がまなに向けて一斉に襲いかかってきた。思っていた以上に量が多く、更に1つ1つが不規則に動いているため避けることが困難である。
まなは避けながら人がいない方へと跳び、ティーシルを森の方へとおびき寄せることにした。
「さて、この後どうするかだけど……」
「---とにかくこいつの触手は厄介だな。我ならばこの木々を盾にするがな」
「それ名案だと思う」
地面に刀を突き刺し、ティーシルが追いつくのを待つ。意外とスピードはそうでもないのかかなりの距離がある。
「ここで向かい打つわ」
「---…くくくっ。メイズも進化したな。味が楽しみだ」
「そう。行くわよ」
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「まずはまなを探して状況を話そう」
「---あいつどこへ行ったんだ…」
「さぁ……っ!?あぶなっ…!!」
睦生は避けると同時に足を滑らせ、ビルの上から地面に叩きつけられる。それを見た周りの人達は悲鳴をあげて遠くへ逃げて行く。
この程度なら毛ほども痛くないはずなのだが、弱体化によってかなり痛い。特に背中が。
「いったた……ま、まずいな…正義さんにでもバレたら……」
「---んな事は後回しだ。来るぞ」
上を見ると、唸り声をあげて一匹のメイズが落ちてきた。見るからに危険そうである。それに筋肉も大きく、弱い部分が見つからないほどがっしりとした体型だ。今の自分達で勝てるとは到底思えない相手だ。差し詰めビーケの命令である事はわかった。それほど睦生を殺したいらしい。
「ビーケはとことん僕を殺したいらしいね」
「---目障りなんだろうな。俺たちが強くなる事が嫌で嫌で仕方ないようだな」
「それならここでこいつを倒して、まなを見つけ出して母さんを助けて、ついでにビーケを倒す」
「---最初からそのつもりだ」
「行くぞメイズ……お前を喰ってやる!!!」
今、暇さえあれば書いてる状態です。
ぶっちゃけきつい(本音)いや、やっぱりきつくはない(本音)
とりあえず次回は2話使ってティーシル戦とシレン戦を終わらせます。
メイズ編も残すところ大体110弱でしょうね(大嘘)
まぁ、22話がメイズ編最後となりますけどね……初見さん,。
23話以降は最終章になるよう予定です。終わりは近づいていますね……。
皆さま!最後までお付き合いください!それでは次回のオフ会でお会いしましょうまたのぉ〜いぃや!