新たな力を手に入れた睦生。その実力とは……?
皆さんは私の調教に耐えきることができるでしょうか?それではどうぞご覧ください。
ビーケの半身は真っ二つに切り裂かれた。
目の前にいるこの男の手によって。
「---睦生……キサマ…………ククッ。そこにいるのはわかる。わかるぞ……あれじゃ助からなかっただろ?悔しいか?悔しいよな……お前はまた救えなかった。なにもかも…………だが、安心しろ。お前とそこの奴らも全員殺してやるからなぁ……!!!」
半身を即座に再生させ、右腕を振り上げ平手打ちをした……はずなのだが、ビーケの手は睦生をすり抜けた。いやすり抜けたのではなく手に穴が開いていた。彼の形となって。
「---な……なに……ッ!?」
「…………どうした?準備運動は終わりか?」
「---ほざけ!!!!」
右腕を剣から元に戻し、片手で受け止めると、軽々と持ち上げ地面に叩きつける。
「な…!!あいつ…一体なにがあった……」
「能力が……戻ってる……?」
間髪入れずに睦生はビーケを殴り続ける。まるで隙を与えない。そしてすぐに殺さないように手加減を行なっているようだ。
「---カハッ…!?どうなっている……!!お前は…能力を失ったはずがは……ッッ!?」
「あぁ、失ったかもな。でも今はあるだろ?」
「---…ッッッ!!!」
まなと正義は驚いていた。先ほどの彼とは全く違う。その姿、その力、まるで今までのアンチバイツとは比べ物にならない似て非なるものであった。
右腕をブレードに変えると、弾き飛ばすように刃を当てビーケを壁にめり込ませる。
「---これが……ブレードなのか……?これは一体なんだ……!!?」
「………………」
睦生の持つ全ての能力は混ざり合った。能力はバイトとブレードのみとなってしまったがあらゆるものが複合されたのだ。
クローによる、重量軽減。
マッスルによる、全身を限界値まで倍加。
ハンマーによる、超破壊力。
シールドによる、超硬化。
ウィップによる、柔軟性と伸縮化。
ウィングによる、翼を展開せずとも飛行を可能とし。
ガンによる、遠方へほぼ無限に放つことができ。
エンジンによる、超加速。
スピーカーによる、爆音。
弥生のコアを喰らったことにより、全ての力は元の状態を遥かに上回る形で元に戻り、究極の姿となった。
そしてこの10番目の力。アーマーはヴァイザーを睦生の全身に纏わせるようにしてできたもので、シールドには劣るものの、核爆発だろうと余裕で耐えられる耐久性を身につけた。
「その見えない目で俺を見ろ、ビーケ」
「---…なに…?」
「お前が最後に目が見える頃には、お前が死ぬ時だ」
「---死ぬだと…?……死ぬのは貴様だ…貴様なんだヨォォォォッッ!!!!」
またも殴りかかろうとするビーケだが、一瞬のうちに腕をまるで雑巾のように絞られ、捻り取られてしまった。
その腕をビーケの顔目掛けて思いっきり叩きつける。
「---ピギュッッッ……!!!」
「お前を……簡単に殺すと思うなよ?」
「---な、なにを……」
すると睦生はビーケの目に腕を突っ込み、中でかき混ぜるように指を動かす。苦痛の声が辺りに響き渡る。それをまるで聞こえていないかのように、拳を握りしめるとそのまま何度も何度も地面にビーケの型が出来るほど叩きつける。
最後に腕を引き抜くと、今度は頭に指を突き刺し、もう片方の目を見えるのようにヴァイザーを伝せ修復した。
「これで…見えるな?」
「---ハァ…ハァ…………ッッッ!!!」
「恐怖か?それとも絶望か?……どっちでもいい。絶対許すつもりはない」
「---た、頼む…これ以上は……」
「哀れだな…悪いが、お前には聞く耳を持てない……ここで仇を取る。例えこれが間違っているやり方だとしても……俺は……お前をこの手で葬らなければならない」
「---……ククッ……今の貴様は……人間か?それともアンチバイツか?」
「…どっちだろうな……ただ言うとするなら、俺たちは……ヴァイザーだ」
「---ヴァイザーか…………この世で最強の生物となるのは貴様かもな…………ハハハッ……ハハハハハッ……」
「そんなものに興味ない……アンチバイツをこの世から全て消す。全て喰らう。それが俺のやるべきことだ」
「---…ただで…死ぬと思うなぁ……ハハハハハハハハハッ…!!!」
するとビーケの体が突然、光を放ち、みるみるうちに膨れ上がって行く。見た目でわかるが、ここで自分もろとも爆発して巻き込むつもりらしい。さらに言えば今のビーケは、メイズ達を何匹も体内に取り込んでいた為、その破壊力は県一つ分の大穴ができるのではないだろうか。
まなと正義は急いで対処に向かおうとするが、2人を手で静止し、睦生はビーケノ元へ近づいて行く。
「睦生……どうするつもり…?」
睦生はビーケの喉元目掛けて鋭い牙を立てる。ブチブチという肉が裂かれる音が聞こえたかと思うと、膨らんでいたはずのビーケが止まってしまったのだ。
「…俺の牙もまた進化した。食らった部位の再生能力をなくす力から昇華して、お前自身の生命力を食いちぎった。つまり……お前はこの数秒後、死ぬ」
「---…む……づ……ギィィィィッッッ!!!」
「コアをもらう…が、お前は今迄の事を悔いながらゆっくり死んでいきな」
「---ア、アァァァァァァァァッッッ…!!!!!……………………」
ビーケが溶けるように死んで行き、残ったのはアンチバイツにあるコアだけであった。
それを拾い上げ一口で食べてしまう。
「…終わったな。睦生」
「はい…母は……救えませんでしたが……」
「……俺があの雑魚どもで手こずってなければ……すまない睦生。俺の責任だ…」
「いいんです。俺は全てを失ったわけではないから……」
そういうと、睦生はまなを見て微笑む。まなも彼の言いたい事を理解し、微笑み返す。
「……正義さん。1ついいですか?」
「ん?なんだ?」
「…アンチバイツの親玉がいるみたいです。いや、今迄のアンチバイツ全て含めてその元凶が……」
「…やはりか………」
「やはり…?」
「……そろそろ姿を見せたらどうだ!?オルギン!!」
正義の目はまなに向いている。睦生は何が何だかわからなかったが、彼女とは思えない不気味な笑い声が聞こえる。これはまなではない。オルギンの声だ。
「---クククッ。ようやく我の名を聞いたな?睦生よ」
「さっきから嫌な気配がすると思ったら……あぁ。俺がアンチバイツと縁があるってことも、そして母の…正体も。お前の本名もな…ジーエンズ」
2人の会話は続く。正義は自分自身、知らないことが多く驚いていたが、いつも通りの冷静さを取り戻し彼らの話を聞く。
「…これからどうするつもりだ?」
「---お前はどうする、睦生。我を殺すか?まぁそうだろうな」
「まなの体から離れろ。話はそこからだ」
片腕を剣に変え、剣先をオルギンの額へ向ける。怯むことなく立ち上がり笑い始める。まるで余裕かのように剣を指一本でゆっくり右へ移動させる。
「---この女はまだ使える。いいか睦生?我は貴様を簡単にひねり潰せるというのは頭に置いておいた方がいい。あとで、後悔する羽目になるからな」
「ジーエンズ…俺はアンチバイツを終わらせる……みんなが笑える明日を作るためにな」
「---……そいつはいい心がけだ。関心した……なら我は消えさせてもらうとしよう……世界は終わりに近いからな」
「なん……っ!?」
そういうとオルギンことジーエンズは一瞬のうちにその場から消えてしまった。まなもいなくなっている。
「…正義さん……」
「あいつも万全な状態になりつつあるってことか……わかってる。まなをどうにかするんだろ?む
「はい…」
「その件に関しては任せてくれ……次こそは俺が助ける。ライダーとしてな」
「お願いします…正義さん」
遂に始まる絶望。アンチバイツの始祖ジーエンズ。
睦生たちの最後の戦いが幕を開ける……
早くなぁい?
許してください!!なんでも許してください!!
次回オリジン・アンチバイツ編スタートです。
仮面ライダーヴィランズ。ついに最終章。
残すは5話…!!
それではまた次の小説でお会いしましょう。またのぉ!!