読んでくれてる兄貴たちありがとナス!!
今回またも新能力を手に入れる……はずだった。
もう察してると思いますが、睦生たちに一体何が起こったのでしょうか。それではどうぞご覧ください。
最近ユニクの目撃情報が多発している。レアな種であり、出現率も高くないと言っていたヴァイザーの言葉は妙に引っかかる。昨日のムスクルの時もアンチバイツは一般兵。ユニクは上級兵みたいなものだ、とか言っていたけど、それなら出現率とかなんとかって矛盾してる気がする。一体何を隠しているのかはわからないけど、今はヴァイザーと共に戦うだけだ。
「…睦生。いつまでご飯眺めてるつもり」
「………っ!あ、え!?ううん、食べるよ」
考え事をして手が止まっていた。ささっと食べてしまおう。
「『弥生』。これなんだ?」
「ん?それは金目鯛の煮付けよ。『睦吾郎』さん」
「はえぇ〜通りで美味いわけだ」
「…それどういう意味?」
「あぁ…!い、いやそういう意味じゃなくて…弥生の料理は最高だな!!」
弥生というのがうちの母。睦吾郎が父。睦生という名前は2人から一文字ずつ貰った名前だ。結構自分の名前は気に入っている。
「あ、そうだ。睦生」
「ん?」
「あんた最近バイト長引いてるけど…大丈夫なの?」
「う、うん…って俺も一応、大人なんだからさ。どっか寄り道したりとかで少し遅くなったりするよ」
「……ならいいんだけど」
「……なにその感じ」
「ま、あんたが悪いことするはずないもんね」
「するわけないでしょ」
「どうだかね〜。アンチバイツみたいに暴れてたりして」
「…!!ゴホッゴホッ!!!!???」
「ど、どうしたのいきなり!?」
「いやただ…そ、その喉に詰まっちゃってははは…」
絶賛戦ってるし、アンチバイツ?になっちゃったし…息子がそんな事になってるなんて話しても信じてもらえないだろうし……
「ごちそうさま」
部屋に戻るとすぐに横になる。
---食べてすぐ寝るのは体に悪いと聞いたぞ?
「…僕の今の状態で病気とかなるのかな……」
---なるはなるだろうな。まぁ俺が治すけどな。
「治せるの?」
---お前は俺が付いている限りは死なないし死なせない。よほどなものじゃなければ、時間はかかるが治せる。
「すごいね…」
横になっているとウトウトし始めてきた。本格的に睡魔が襲ってくる前に寝支度済ませてしまおうとした時、あの声が聞こえる。助けを求める声。
「…………」
---…来たな。
「うん。行くよヴァイザー」
怪人態となり窓から出て行く。その直後に母親がドアを開けて入ってきた。
「睦…き…?あれ?いない…いつ出かけたのかしら?…あ、窓開けっ放し」
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「……何もないねここ」
---あぁ。
現場に向かうとそこは平地であった。周りに何もなく、あるのはわずかな隙間から生えた雑草だけ。
「こんな所じゃすぐ見つかるはずなんだけど…」
耳を澄ませ辺りを歩き回り、アンチバイツを探す。その途中ピタリと足を止める。あのムスクルでさえ、ここまでの力は持っていなかった。
「なに…これ…!?」
---…………。
底が見えないほど巨大な穴がそこにあった。人力ではないのは確かだ。
何故なら今、その開けたであろう張本人が自分の後ろにいるのだから。
「待ちくたびれたぞ。ヴァイザー」
「……ユニク」
「なんて言ったか……あーそうだ。人間のお前は睦生だったな…俺様はハンメアー。この穴作ったのは俺様だ」
「何のためにこんなものを…」
「あ?そりゃもちろん。ゴミ捨て場よ」
「ゴミ捨て場?」
「俺様たちアンチバイツだって味覚は感じるからな。不味い人間は捨てるんだよ」
「…!!」
「人間だって食えない所は捨てちまうだろ?それと一緒だ…まぁ俺様の場合は、単純にすぐに死ぬ人間が面白いからだけどな」
「なに…!」
「使い終わったら捨てるようにな?流石に潰れたもん食うのは気がひけるからなぁ?」
「お前…!!」
「文句があるのか?」
「やめろって言ってもやめないんですよね?」
「あぁ…俺様に命令できるのは俺様だけだ」
右腕を巨大なハンマーに変え睦生に向かって振り下ろす。だがその動きは今の彼にとってはとても遅く感じる。軽く身を躱し、すぐさま攻撃に移ろうとした。が、そのハンマーが地に着いた時、大きく広く深い穴が地面に開く。
「なっ…!?」
---奴の動きは今のお前にとってはただノロいだけだ。一気に潰せ。
「うん!!」
全身の筋肉を膨張させ、身体能力を跳ねあげる。凄まじいスピードでハンメアーを殴る。何度も何発も、間髪入れず全身に叩き込む。
「ぐっ…!うっ…!!」
「うおぉぉぉぉぉっっっ!!!!」
最後にフルスイングで一発入れる。その一撃で大きく吹き飛んだハンメアーだったがすぐに体制を立て直す。
「……てめぇ…!!!」
「………!」
---レベルが違ったな。さっさと喰うぞ。
両腕を爪に変化させ一気に間合いを詰め、四方八方から斬りつける。自分のスピードについてこれていない。勝てると思った。ここまで自信が持てるのは、やはり経験からなのだろうか。
「…鬱陶しい!!」
ハンマーを振るうとその風圧により睦生は吹き飛ばされる。
「すごい風…!!」
---こいつの攻撃に絶対に触れるなよ
「わかってるってば!!」
「ごちゃごちゃと………」
空中に飛び跳ねる。
「喋っているなよ…!!!」
睦生に向かって降下して行く。それを軽く躱すと、凄まじい衝撃とともに地面が崩れる。石や砂が飛び散り、手で遮る。周りに警戒する事をしなかった。気がつくと目の前に影がゆらりと現れる。
遅かった。ガードの体制を即座に取るが、ハンメアーの強烈な一撃はその防御を貫通し、睦生を数百メートル先まで吹き飛ばす。どこかの岩肌に激突し、プツッと糸が切れたように気を失う。
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死んだのかな…。ヴァイザーは即死だと言っていた。あの一撃を食らったのだから無事では済まないだろう。まな…約束守れなかった…ごめんね…
…声が聞こえる。聞き覚えがある声だ。睦生はゆっくりと目を開ける
「よかった…!!睦生…!!」
「心配したんだぞ…」
「母さん……父さん……」
どうやらここは病室らしい。助かった。生きてる。死んでいない。泣いている母と父を見ながら医師が口を開く。
「それにしても息子さんはすごい…こんな患者さんは今まで一度も見たことがない。普通の人間であるなら原形をとどめるのもやっとな大怪我です。下手をすれば……しかし息子さんは驚異的な再生能力です。今ではここまで回復している…」
バレなくてよかった…。自分がそういうものになっていると知られたらまずかった。それにしてもよく生きていたな…。
「母さん。父さん」
「ん?」
「ちょっと1人にしてもらえる?」
「え?…あ、うん。わかったわ」
「ゆっくり寝てろよ」
「うん」
病室にいた人たちがみんな外へ出て行く。睦生は不可解だったのだ。あれを食らってコアが無事なわけがない。なぜならコアにほぼ当たっていたのだから。
「ヴァイザー…大丈夫?」
---……あぁ。
「そっか…なんで僕は無事なの?」
---……運が良かったんだろう。
「いや、違う。ヴァイザー何かしたでしょ?」
---俺は何もしてない。お前に制御されてるのにどうやったら動ける。
「それってもし…僕が死ぬギリギリの状態だったら…?」
---…なに?
「そうなれば僕だってどうすることもできないと思って。自分の体が制御できないのにヴァイザーを留めることなんかできない…でしょ?」
---…………。
「それにあの場所からここまで来れるはずがないし。コアだって無事で済むはずない…」
---………あぁ。俺が一度お前の体を操作してここまできた。コアはもちろん無事じゃなかったが…まぁ一か八かだったけどな。なんとか修復できた。
「……なんで体を奪わなかったの?」
---あ?
「本来なら僕の体はヴァイザーのものになるはずだったんでしょ?…なんで…」
---……今のままの方が過ごしやすいと思っただけだ…それに俺とお前でヴァイザーだからな。一人欠けたらよくわからないだろ?
「ふふっ…なにそれ…」
---ふん。今はゆっくりしてろ………ユニクを二体相手にしないといけないからな。
「…え?二体?」
---……あぁ。お前をここへ運ぶ途中に見つけた。
「ユニクが二体も…」
---ただな。そいつを喰えば、ハンメアーに勝てる。
「ハンメアーに?」
---あのバカみたいな威力を無効化できる。
「え…!?」
---……やれるか?
「やるしかないよ…あんな奴をそのままにして置くなんてできない」
---なら傷を治せ。奴も奴でなかなか骨が折れる。
「どういう奴なの…?」
---『シエリド』。まぁ…好戦的ではないな。
「やっぱりそういうアンチバイツもいるんだね…」
---だからってそのままにするのか?
「いや、一度会わなきゃ…わからないと思う…」
---…もうお前に任せる。好きにしろ。
「うん。ありがとうヴァイザー」
---さっさと寝てろ。
睦生は目を瞑る。ユニクを二体も相手にしなければならない。今はとにかく体を回復させる為、眠りにつく。
完全に遅れて申し訳ナス!!
許してください!!なんでもしますから!!
まさかのユニクが二体も出現。次回もお楽しみに。
というわけで次の回でまたお会いしましょう。