馬酔木の花 作:あばちみゃかむ
気恥ずかしくなる表現を敢えてもちいるならば、そこは、希望の楽園だった。かつて幼少期を過ごした故郷と違い、豊富な水と食料に恵まれていた。忌々しい濃霧とは無縁で、多くの人々が道を行き交い、活気に溢れた場所だった。
露店の主人と客は気さくに談笑していた。値段を巡って交渉するにしても、口論を交わす光景は見当たらない。
駆け回る幼子たちの衣服は小奇麗なもので、無邪気に笑い声をあげている。周囲の大人たちはそれを微笑ましく見守っていた。
「ちょっと、なにそんなとこで突っ立ってるのよ」
懐かしい声だった。背後を振り向く。夕陽を彷彿とさせる茜色の瞳と、零れるように艶やかな髪が特徴的な少女だった。両腰に手をあて、怪訝な表情で見上げている。
飢えから逃れるべくわずかな水と食料を分かち合い、寄り添いながら共に過ごした存在を思い返す。
こみ上げてくる感情の奔流を押し留め、祐輝は彼女の名を呼んだ。
「それがお前の姿なのか、
世界が砕ける。楽園の残滓を振り払えば、馴染み深くも忌々しい濃霧が祐輝の視界を覆った。斬魄刀と同調を試みた際の精神世界だった。
「なぁんだ、あたしが茜雫じゃないってバレてたんだ。つまんない」
不満気に頬を膨らませた斬魄刀の仕草は、記憶に残る存在と同一のものだった。
「アイツは俺が呆けてたら問答無用で蹴りをかましてくるからな」
「なによその信頼、もしかして痛みに快感を覚えるのアンタ。気持ち悪いからちょっと近寄らないで、この変態」
「付け加えるならお前みたいな性格じゃなかったよ茜雫は」
斬魄刀は口元を歪ませて後ずさり、蔑む視線を投げかけて来る。幼い茜雫の姿にはあまりにも似つかわしくない態度だった。
「それで、今まで俺に名前を教えてくれなかった意地の悪いお前の用件は?」
「なにそれ嫌味? 性格悪いわねアンタ、しかも莫迦だし。ちゃんと教えたでしょ、あたしの名前は鈴葬よ、り、ん、そ、う」
ふむ、気難しい性格の斬魄刀だな。いや、わざとらしく名前を強調しているから性悪なのだろう。なにせ、死にかけるまで名前を教えてくれなかったのだから。
呆れを滲ませた深いため息。鈴葬は額に掌を当て、首を横に振っていた。それはまるで、祐輝の内心を全て見通しているように感じられた。
「あたしの声を聞かずに、ただ斬魄刀の力が欲しいだけの莫迦に名前を教えるとでも思ったの?」
「俺は何度もお前の名を問いかけたぞ。それに、声だって?」
そんなもの聞こえたことは一度もなかった。いや、待てよ。声でなくとも、斬魄刀の存在を認識した音ならば。
「あの鈴の音色のことか?」
「呆れた、あたしはずっと話しかけてたのよっ! それでも声が聞こえなかったのは、アンタが
仕方がないわね、と鈴葬は続ける。同調は深い側面まで達していたが、言い換えるならばそれは最奥に眠る斬魄刀の力という側面だった。
死神は対話と同調を繰り返すことで己の斬魄刀を認識し、名を知ることでその能力を解放させる。
祐輝に足りなかったのは対話だった。同調のみで斬魄刀の存在を深く認識してしまった弊害かもしれない。力を追い求めるが故に一方的に名前を訊ねるだけの姿勢では、鈴葬の声が届くことはなかった。
「真面目に授業に出ないのも、心のどこかで戦いにはあまり役立たないとでも思ってたんでしょ。縛道が失敗するのも、アンタの力を欲する心が霊力に影響を及ぼしてんのよ」
「お前の能力にも、そうだろ?」
「あら、そこに気づいたのは素直に褒めてあげる。あたしたち斬魄刀は、持ち主の魂の半身とも言える存在。だからあたしの力は、アンタの心や霊力、そして魂が何らかの形で具現化しているのよ」
出来の悪い学童を褒め称えるように鈴葬は頬をほころばせた。
「どうして俺はお前の名前を知ることができたんだ?」
声が届かなかったと鈴葬は言っていた。しかし現世で虚を相手に死にかけた祐輝は、斬魄刀を解放することで難を逃れている。素朴な疑問を問うてみれば、己の半身は飄々と口ずさむ。
「あたしが
あら、時間だわ。茜雫の声で、異なる存在の声が木霊する。淡い燐光を発揮し、鈴葬は不透明な輪郭と化してゆく。
「死にたくないからあたしの名前と力を授けたこと、それだけは忘れないで。じゃあね、次は
▽
総合救護詰所の廊下を雛森は落ち着かない様子で歩いていた。白地に朱色で染め抜かれた霊術院の制服は、黒一色に白帯の死覇装を着た死神たちの中では目立つ。加えて、傍らには十三人しか存在しない隊長の一人、藍染が連れ立っている。
一つの隊を預かる立場の藍染は多忙なはずだった。それでも時間を割いて週に一回は霊術院へ足を運び教鞭を執る。そして今は、雛森のために貴重な時間を割いてくれた。
事前に藍染が同伴する旨を伝えていたらしく、本来ならば面会謝絶となっている祐輝への見舞を雛森は許可された。
霊術院の生徒と五番隊の隊長、奇妙な組み合わせにも関わらずに受付の隊士は快く病室の場所を伝えた。
「あの、藍染隊長。面会謝絶になるほど祐輝くんの具合は悪いんでしょうか……?」
自身も一回生のころに現世で虚から襲われた経験がある。多くの級友が傷つき倒れた。当時引率していた六回生は殆どが死傷していた。
近頃は真面目に授業に出ている少年の横顔を思い浮かべる。飄々とした立ち振る舞いは掴み所がない。斬術の腕前は相当なもの誇る。その祐輝でも、やはり虚に襲撃されたならば重傷を負ってしまったのだろうか。
両手に抱えた風呂敷へ視線を落とす。病院食は味気ないものだと級友から伝え聞いたから、甘味や果物を包み込んである。もし、見舞いの品を口にできないほど傷の具合が酷かったとしたら。
「雛森君、現世で実習していた生徒の全員が面会謝絶な理由を考えたことはあるかい」
人の気配がしない廊下での唐突な問いかけ。
三回生の二組と引率の上級生は全員が総合救護詰所へ運び込まれ、面会謝絶の処置となった。
もちろん雛森はその理由など深く考えもしなかった。心根の優しい性格をした少女は、皆が重態に陥ったのだと思い込んだ程だった。
しかし藍染からの問いかけならばなんらかの意味があるはず。僅かな間を挟み、言葉を紡いだ。
「えっと、全員が面会謝絶になるほどの重傷を負ったから。それとも、面会謝絶にすることで、全員を隔離した、でしょうか」
でも、仮に隔離したとしてその理由はなんだろう。わざわざ霊術院の生徒にそこまで手間をかける必要があるのかな。流石に考えすぎたかも。
自らが建てた仮説を打ち消そうとするが、それは傍らの隊長によって肯定された。
「素晴らしい洞察力だよ雛森君。試験ならば僕は君に満点を与えていたさ」
「そ、そんなことないです。でも、満点ですか?」
「その通りだよ。生徒たちは検査が終わるまで隔離されているんだ。詳しいことはまだ分からないが、質の悪い虚の毒をその身に受けたようなものだ」
「それって、じゃあ祐輝くんはやっぱり……っ」
流石に毒の耐性など持ちうるはずもない。面会謝絶と偽って隔離検査する必要がある毒ならば、祐輝はさぞかし苦しんだはずだ。
「こう言ってはなんだが、彼は無事だ。相応に傷は負っていたようだが、毒はなかったらしい。ただ、まだ話には続きがあってね」
「続き、ですか?」
「君にはこちらの方が本題かもしれない。彼は始解して虚を撃退したらしい」
「祐輝くんが、始解を……そっか、ちゃんと名前を聞けたんだ」
驚愕を差し置いて安堵と歓喜が湧き起こる。斬魄刀が名前だけ教えてくれないと悩む祐輝の相談に乗り、励ましたのも記憶に新しい。
主人に似て、意地の悪い斬魄刀なのだろうか。少なくとも祐輝は名前を教えない意地悪な性格だと言っていた。
藍染の言葉が思考を現実に引き戻した。
「彼なら始解できると信頼していたのかい?」
「はい、祐輝くんは斬魄刀の存在を認識していましたから。焦らずに寄り添えば、いつかは名前を聞けて自分の斬魄刀を解放できるはずだって」
「教え子の君たちが固い信頼で結ばれていると知って僕は誇らしく思うよ。ただ、君には酷なことを言ってしまうかもしれない」
歩みを続けながら藍染から視線を向けられる。逆光によって眼鏡の奥に潜む瞳の色は伺い知れないが、穏やかな雰囲気は鳴りを潜めていた。
「朝霧君は、霊術院にもう通えないだろう」
放たれた言霊を咀嚼し、理解するまでに如何ほどの時間を要しただろうか。
死神を目指すべく霊術院に通い、遂には始解を修めた祐輝がどうして霊術院に通えないのか。混乱を抑えて思考をまとめ上げれば、疑問が溢れ出て来る。
「どっ、どうしてですかっ!? 霊術院に在学中で始解した人は、全員が優秀な成績を残して死神になってます。だって、数十年に一人いるか、それくらい稀有なことですからっ」
「だから霊術院に通えなくなるのはおかしい、ということかい」
「はい、祐輝くんは特進学級じゃないですけど、それでも始解を修めています。だからっ」
「そうだね。飛び級をしたわけでもない、良く言えば平凡で、悪く言えば未熟な彼が始解を修めた。だからこそさ、雛森君」
一拍の間をおいて藍染は続けた。
「力の扱い方を誤れば大きな事故に繋がるかもしれない。或いは、若さ故に過ちを犯すかもしれない。全ては仮定の話だが、朝霧君を霊術院に通わせるのは危険だとの声が挙がっているのも事実だ」
「そんな……」
「十三番隊の志波副隊長も、僕の副官を務める市丸君も、霊術院を飛び級した逸材だ。朝霧君は違う」
鬼道の天才だと、級友たちは持て囃す。それは件の少年も同様だった。
数十年に一人の割合で、霊術院の生徒は斬魄刀を解放する。総じて優秀な成績を修めて霊術院を卒業し、護廷十三隊に入隊後も上位席官入りを果たしている。
雛森にしてみれば、天才の呼び名は祐輝にこそ相応しいものだった。
「藍染隊長は、どうしてあたしに教えてくれたんですか?」
「護廷十三隊の将来を担う君たちに期待しているからさ。僕にできることは少ないが、それでも、君たち二人の何らかの力になれたらいいと思ってね」
藍染の歩みが止まった。釣られて雛森も立ち止まれば、陰鬱な病室の扉が視界にみとめられた。
「朝霧君の部屋だね。僕は廊下で待っているから、遠慮なく二人で話してきなさい」
「そんなっ、藍染隊長を待たせることなんてできませんっ!」
「その気持ちだけで充分だよ雛森君。それに、朝霧君も退屈な入院生活に飽きているはずだ。隊長の僕が顔を出して変に緊張させるよりも、君と話した方が落ち着くだろう」
重ねて言われたのならばそれ以上雛森に反論のしようもなかった。藍染の言葉は正論で、尚且つ厚意に満ちたものだった。
どんな顔をして会えばいいのだろう。始解のことで悩んでいたけど、それが原因で霊術院に通えないなんて。素直に祝福することができない。あぁもう、せめてお見舞いが終わった後に話してくれてもいいのに。
それとも、祐輝くんはもう誰かに同じことを聞かされているのかな。だから、何も知らないまま何気ない一言で傷つけないように、前もって教えてくれたのかも。そうだとしたら、藍染隊長はどれだけ心の広い人なんだろう。
逡巡し、息を整える。
「えっと、祐輝くん……?」
緩慢な動作で扉を開け、顔だけ出して覗き込む。小奇麗に手入れの行き届いた病室内には椅子と備え付けの机、寝台が一つ。
「んあ、もしかして雛森か?」
そして、裸体だった。
「わるい、甘味処に行く約束はまだ少し先になるわ」
振り返ったその上半身には各所に裂傷の痕が見受けられた。腹部は不自然なほどに肌の色が変色していた。
「ちゃっ、ちゃんと服を着てよっ! 祐輝くんのバカぁあぁぁぁっ!」
▽
病室で目を覚まして以降に訪れた見舞客を祐輝は鮮明に記憶していた。
死神を目指すきっかけとなり、またしても命の恩人となった十三番隊の副隊長。二日酔いで道に迷ったらしいが、真意は不明な八番隊の隊長。そしてかつての級友にして五大貴族の末席に連なる平隊士。
目を覚ました初日の見舞客だけでも、忘れることなどできない個性溢れる面子だった。
傷の癒えていない身体でなにをするでもなく、退屈な入院生活で唯一の楽しみが人との触れ合いだった。経過観察に訪れる四番隊の隊士と交わす雑談すらも、娯楽の飢えを潤わせるに充分だった。
昨日は、二人の隊長が祐輝の病室に訪れていた。
二日酔いで道に迷った挙句、仕事を迫る部下から隠れる場所を探していたらしい十番隊の隊長はともかくとして、海燕とルキアの上司である十三番隊の隊長、浮竹との談笑は中々に賑わった。
改めて考えれば、一介の霊術院生を見舞うにはあまりにも雲の上の地位を持つ人々が来訪している。
偶然かもしれない。病弱な浮竹は薬をもらうために救護詰所へ度々訪れていたらしい。海燕とルキアの上司でもあるから、顔を出してくれたのは不自然でないとも言えた。
本来ならば顔を合わせ、言葉を交わすことなど望めない隊長たちだ。浮竹のような偶然は考えられるが、しかし、何らかの思惑を疑ってしまうのも否めない。
その点、本日の見舞客はある意味で必然的な存在だった。
「せめて一声かけてから扉を開けてくれよ」
「だって、祐輝くんが裸でいるなんて考えてなかったから」
頬の熱気が醒めぬまま、申し訳なさそうに瞳を潤ませる。同学年で一番の鬼道の使い手で、もっとも親しい間柄の級友。震央霊術院の三回生一組、雛森桃。
まあ確かに、病人が半裸でいるなど分かるはずもないか。不幸な事故だな、うん。
傷もほぼ癒えたことで自由に身体を動かせた。まだ安静にしていなければならないが、着替えは担当の看護師の手を借りずに一人で行える。着替えの最中に訪れた雛森が不幸にも祐輝の上半身を目撃してしまったが。
「でもよかった、元気な祐輝くんを見て安心したよ」
「もしかして、なんだ、心配かけてたのか俺」
「虚に襲われたなら誰だって心配するよっ! 二年前も、祐輝くんあたしのこと心配してくれたでしょ?」
「ん、まぁな。そっか、わるいな」
「もう、謝る必要なんてないのに。ほら、これお見舞い」
風呂敷の中身は甘味で溢れていた。ともすれば一人で食べきれない量だ。小柄な身体でよくも抱えて来たと妙な部分で感心する。
「羊羹と大福でしょ、それから」
風呂敷から取り出された薄く淡い色合いの果実を、雛森の手からさりげなく取り上げる。
「桃」
「うひゃあっ! どどどどうしたの急に!?」
「ん、桃だよ、持って来てくれたろ、ほれ」
海燕とルキアの見舞いの品は、それぞれ羊羹と大福だった。虚に負わされた傷のせいで祐輝はそれらを殆ど口にすることもなく、昨日訪れた十番隊の隊長がついでとばかりに酒のつまみとして腹に収めている。
手にした桃はとれたてのようだった。瑞々しい輝きを放ち、一目で濃厚な果汁を味わえると察せられた。
慌てた様子で雛森は落ち着きなく視線を彷徨わせていた。怪訝な表情を浮かべ、祐輝は原因と思われる果実へ視線を落とす。
「桃、もも、もも?」
「だっ、だからどうしたのかな祐輝くんっ!?」
両手を振り回し、熟した果実よりも色濃く染まった表情で雛森は勢い強くにじり寄る。
合点がいった。娯楽に飢えていた祐輝の嗜虐心を刺激させるには充分の反応だった。敢えて怪訝な表情を浮かべ、これ見よがしに掌の上で果実を転がす。
「いや、だから桃だよ。美味そうだったからついこの桃を手に取ったんだ。さっそくこの桃貰ってもいいか?」
「う、うん、そうだよね。大丈夫だよ、うん。祐輝くんに食べてもらうために持ってきたんだから」
「でも一人で食うのも風情がないし、どうせなら雛森
しつこく雛森の名を繰り返す。期待から落胆、そして見慣れた表情へと移ろい変わる様は非常に満足するものだった。無意識に口元が歪む。
果実を振ってみせれば、流石は生真面目な優等生。すぐさま祐輝の意図を見抜いた。
「もうっ、あたしの名前でからかわないでよっ!」
「わるいわるい、だから一緒に桃を食おうぜ
「祐輝くんのバカぁっ!」
可愛らしい拳が振るわれる。寸前で躱しながらも、大仰に腹部を抑えた祐輝は呻き声をあげて寝台に横たわる。
慌てて覗き込んだ雛森に格好つけて口角を釣り上げれば、問答無用で頬をはたかれた。
「ほんと、意地悪なんだから。ずっと斬魄刀が名前を教えてくれなかったのも、祐輝くんの性格を表してるよ。って、そうだよっ!」
「どうしたよ急に」
「やっと始解できたんでしょっ!? よかったね、祐輝くんずっと悩んでいたんだもん」
純粋な祝福の言葉を向けられ、反応が一瞬だけ遅れる。精神世界での対話を脳裏に描き、つとめて普段通りに振る舞う。
「ありがとうな、コイツは死にたくないからって理由で漸く俺に名前を教えたんだけど」
傍らに立て掛けていた斬魄刀を掲げて見せる。不満気に鈴の波紋が響いたが、雛森に聞こえた様子は見受けられなかった。
「鈴に葬ると書いて、りんそう、それが俺の斬魄刀の名前だ」
「綺麗な名前だね。ねぇ、どんな能力の斬魄刀なの?」
「あぁ、どう言えばいいんだ」
虚を斬った際の情景を思い返し、伝える。まだ一度しか解放していないから、能力の全てを把握したわけでもないと付け加えた。
「能力も、祐輝くんそっくり」
「どういう意味だよ」
「そのまんまだよ、祐輝くん、目を離せばどっかに行っちゃうから」
「今は真面目に授業を受けてるだろ」
苦笑を零した雛森は、ことわりを入れてから鈴葬を両手に抱く。祈りを捧げるようにしているが、似ているが異なると直感した。刃禅だった。己の斬魄刀ならいざ知らず、他人の斬魄刀と刃禅など聞いた試しがない。
穏やかな鈴の音色が響いた。短い刃禅を終え、祐輝の手元に斬魄刀を返しながら雛森は答えた。
「素直で、優しい斬魄刀さんだと思う。祐輝くんを護ってくれるよう頼んだら、聞き入れてくれた気がするの」
「そりゃまた、どうしてそんなことを頼んだんだ?」
「だって、今は元気でも大怪我を負ったんでしょ。その、さっき祐輝くんが着替えているときに、お腹の傷とか見えたから」
「鈴葬が名前を教えてくれる前だったからな」
「それだけじゃないよ」
なぁ雛森、どうしてお前は哀しい
「祐輝くんが遠い場所に離れて行っても、あたしの代わりに支えて欲しいから」
はじめてアイマスのライブに行きました
来年はフェイト・T・Hの中の人のライブに行こうと思います