気怠げな修復屋   作:四乱 蹴戸

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期末テスト突入。更新遅くなります。

そして今回は珍しく戦闘要素アリ。寄ってらっしゃい見てらっしゃい。


歌姫と剣聖

「我々は宇宙人だー.....あー.....」

 

オリ主は、寛いでいる。

扇風機擬きが送る風に当たって、子供の頃によくやった宇宙人の真似をしている。

え、店はって?やってるけど?誰も来ないけど。

まぁ、今日は何もないからな。特に誰も来ないだろう。

 

 

カランカラン。

 

 

「こんにちは、ホワイトさん!」

「こんにちはーっす。」

「.....最近珍しい客しか来ないな。」

 

そんな事を思っていると、入って来たのはまたもや珍しい客。

美しい歌でプレイヤーを支援する【歌姫】サマと、FNC(フルダイブ不適合症)に打ち勝って剣の実力を日々成長させている【剣聖】サマ。

因みにコイツらはカップルだったり。リア充爆発しろとか思って.....思って.....る。(本音)

 

 

「どうしたんだ?2人揃って。」

「何もないですよ。ただ、どっちも頃合いだっただけです。あ、お願いします。」

「ついでにお昼ご飯もー!」

「何言ってんだコイツ」

 

剣聖サマも大変だねぇ。こんな奴のお世話を毎日やってるとか。幸せそうで何よりだけど。

さて、お2人さんから武器を受け取る。どっちも重くて笑える。

剣聖サマの両手剣である【ブレイヴチャージ】と歌姫の()()()である【ノクターン】。

 

読者サマ方も思っただろう。ギターなんかで戦えるのかと。最初は俺も思った。

しかし、一緒に戦ったことがあるから分かる。意外と強い。まぁ、囮的な意味だけど。

自分が引きつけて、パーティーメンバーが倒す。んで自分もレベルアップ。良い戦術だ。

 

 

「ふぅ.....んじゃ、始めるか。」

 

いつものようにメニュー欄を開き、【修復】をタップ。右手が疼く.....!ごめんなちい。

いや、疼きはしないんだけど、なんか温かいんだよね。冬には便利ですよ奥さん!(何処が)

 

 

「そういえば、お前らって今何してんの?まだ攻略組?」

「はい。血盟騎士団()()()()です。」

「私はそのサポートみたいな感じかなー。」

 

へぇ。めちゃくちゃランク上がってるじゃん。結構頑張ってるんだな。

にしても、あれだけの事があったのにまだ前線に居るとか。俺にゃ耐えられんな。

 

 

「.....また、特訓に付き合ってくれますか?」

「んえ?何で?」

 

ホントに何で?確かに猛特訓してあげたけどさ。

そこまでランクアップしたならもう必要ないと思うけど。

 

 

「俺は、まだ弱い。まだユナを守り切れるか分からないです。だから、もっと強くなりたい。お願いします.....!」

「ノーちゃん.....」

 

良いセリフだ。そこまでの熱意を見せられて黙っている程、俺は非道じゃない。

つまりは、そういう事。

 

 

「...良いぜ。久し振りに付き合ってやるよ。」

「ホントですかっ!有難うございます!!」

 

ハァ.....ついでに自分のもやっとくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて.....当たり前だけど、《初撃決着》で良いよな?」

「勿論です。」

 

デュエル申請を送って互いに得物を手に取り、静かに佇む。

奴はさっきの両手剣。対して俺はいつもの短剣。ユニークは出来るだけ使わない。

 

 

「頑張れノーちゃーん!」

「ほれ、彼女も応援してる事だし、思いに応えてやらないとな?」

「うっさいですよ.....」

 

照れ隠しかよ。ツンデレかよ。リア充死ねよ。(涙目)

そのリアル.....俺がブチ壊してやらぁ!

 

 

「行きますッ!」

「来い!」

 

ブー、と開始を合図するブザーが鳴り響く。

その瞬間、奴は俺に向かって突撃して来た。

 

 

「らァァァァァ!!!」

 

良い気迫、良い太刀筋だ。大抵の奴ならその動きすら見えないだろう。

自分の目の前に両手剣が迫ってくる。それを俺は━━

 

 

「甘い。」

「!」

 

短剣は使わず、剣を蹴って軌道をずらす。

隣にドゴン、とデカい音がした。そのまま態勢を取り戻そうとする奴に接近する。

 

 

「ハァッ!!」

「フッ!」

 

互いに打ち合う、打ち合う、ただひたすら打ち合う。

俺が振るえば跳ね返され、奴が振るえば俺が跳ね返す。

正に互角。いや、拮抗と言うべきか。

 

約15秒間ほど打ち合った後、互いに距離を取って態勢を立て直す。

 

 

「ハァ...ハァ.....やっぱ.....強いですね.....」

「そっちこそ強くなってんじゃん。打ち合った時に負けるかなーって思ったぞ?」

「本気出してない癖に何言ってるんですか.....」

 

あらま、気付いていたのか。流石は親衛隊長。

んじゃ、ちょっとだけやりますか。ほんのちょっとだけ。

俺はメニューを開いて、続いて装備の箇所を開く。

そして、()()1()()()()()()()()()、左手に持つ。

 

 

「.....やっと本気ですか。キツいなぁ.....」

「戦おうっつたのはそっちだろ。ちゃーんと本気出してやるから感謝しな。」

 

右手の短剣はそのままに、左手の短剣は逆手に持つ。

これぞ俺流。一番動きやすい姿勢だ。

俺は大きく深呼吸をして数秒沈黙し、そして、言った。

 

 

「行くぞ。」

「!!」

 

━━刹那、俺は既に奴へと斬りかかっていた。

相手が防げたのはほぼ反射だろう。良くやったものだ。

しかし、一撃で終わらせるのは有り得ない。つまり.....

 

 

「ハァァァァァ!!」

「うぐッ!?」

 

無駄な動きは除き、攻撃の動作も無駄なく。

ただ、先程のように斬りまくる。違うのは一方的という事。

偶に防がれるものの、すぐに斬り刻んでいく。やっぱりまだ追いつけないか。

 

 

「舐め、んなッ!!」

「おっ、と!」

 

痺れを切らしたかのように両手剣を振り回す。

咄嗟に飛び退いて、俺はそれを躱した。

危なかった。まぁ、レベルアップしたのは能力だけじゃないって事か。

 

 

「...ソードスキルで決めましょうか。」

「そうだな。んじゃ、お先にどーぞ。」

 

先手は譲る。そもそも俺の戦闘スタイルがそうだからな。

奴の剣は希望を示す黄金色に光り輝く。“アバランシュ”の構えだ。

一瞬沈黙が訪れて、そして━━

 

 

 

 

 

「ハァァァァァ!!!」

 

━━瞬時に接近。刹那、光が増したような気がした。

自分に振り降ろされる両手剣。対する俺は.....

 

 

「ハァァァ.....デヤァ!」

「!!」

 

“ラピッドバイト”。短剣の中級突進技だ。

俺は敢えてそれを選び、同じように突進した。

黄金色の剣技と深緑色の剣技。勝ったのは.....

 

 

 

 

 

「.....俺の勝ちだ。」

「そうみたいですね.....」

 

俺の目の前にwinnerの文字が出現。つまりはそういう事。

短剣を鞘に戻しながら、倒れているノーチラスを起こす。

 

 

「やっぱり俺には勝てなかったな。ざーんねん。」

「そりゃそうでしょ。ソードスキルを発動しながらスピードアップするってなんですか.....」

 

そう。俺がさっきの勝負で勝った要因はただ1つ。避けたからだ。

ソードスキルの動きには逆らえない、なんて事は常識中の常識。ではどうやって躱したのか。

簡単な事だ。()()()()に動けば良い。そうすればブーストがかかるのだ。

 

 

「ま、お前も十分強くなってるよ。俺だって危なかったぞ?」

「ホントですか.....」

 

何を失敬な。俺とここまで戦えるのはお前か黒助、聖騎士サマだけだぞ。

.....まぁいい。さて、そろそろ腹も減ったし飯にするか。

 

 

「...今から昼飯作ろうかね。何が良い?」

「別になんでも「洋食が食べたーい!」...あのなぁユナ。俺達はタダ飯で食ってるのも同然.....」

「大丈夫さ。んじゃ、作るから準備だけ手伝ってくれ。」

「ホワイトさん.....。...すいません.....」

「やったー!パスタ♩パスタ♫」

 

今日も今日とて、修復屋はのんびり運転。




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