気怠げな修復屋   作:artisan

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黒の女誑し

「だ・か・ら!何でお前はここまで壊すんだよ!?」

「うぐっ.....」

 

オリ主は此処に居る。

目の前の真っ黒黒助に対して怒号を散らしている。

いや、これはいつもの事なんだが。正直言って、コイツは学習する事を知らないのかと疑いたくなる。

この黒人(※誤字ではありません)、武器を壊す頻度がホントに多いのだ。

 

例えを言おう。仮に武器の耐久度が100あるとしよう。

此処に来る人は大体10〜15ぐらいまで削れているのが目安だ。

それをコイツは1どころか0.01まで減らしてから来るのだ。.....まぁ、まだ壊していないだけマシか。

 

 

「それでお前は菓子も要求するだとぉ!?お前は何様だぁ!?ブラッキー様かぁ!?剣士様かぁ!?」

「全て合っています.....」

 

この野郎.....!!.....ハァ。もういいや。

ちゃんと代金は持って来てるし、責めてもイライラが増すばかりだ。

さっさと直して、イライラを鎮めるとしますかね。

 

 

「.....ほれ。試作中のショートケーキだ。噛み締めて食うんだな。」

「ありがとうございますッ!!」

 

ああもう飛びつくな。誤って地面に叩きつけちゃったじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい。直ったぞ。さっさと金出せや。」

「お前はヤンキーかよ.....」

 

知るか。これが俺の商業スタイルなんだ。(コイツにだけ)

んでコイツは見事に完食してやがる。おいコラ至福の表情を浮かべんな。

 

 

「ハァ.....攻略は進んでのか?」

「ああ。もうすぐアスナと74層のダンジョンに行くんだ。そこで多少は進むかなって。」

 

最前線か。コイツは兎も角、閃光サマはそんな奴だっけか?

.....あ。成る程。コイツ目当てで切り出したのか。凄い勇気だな。

 

 

「.....お前、ユニークバレるんじゃねぇの?ホントに大丈夫か?」

「大丈夫だよ。余程の事が無い限り、アレは出さないさ。」

 

どうだか。こういうフラグを建ててブチ壊すのがコイツなんだよな。

ま、まぁ、コイツ自身が言った事だし、安心しておこうか。......不安だけど。

 

 

「取り敢えず、頑張れよ。同じ()()()()使()()として応援してるぜ?」

「応援してる、か。.....前線には出ないのか?お前みたいな奴だったら十分戦力になるだろ?」

「.....確かにそうかもな。でも、俺は前線には極力出たくないんだな。それに.....俺が此処で待たないと、誰がお前らの帰りを待つんだ?」

 

ハッ、と驚いた表情を見せる黒の剣士。

そんなに驚くモンかね?ただ面倒臭い事をしたくないから綺麗事を言ったまでなんだが。

.....さてさて。そろそろ仕事の時間だし、支度をしますか。コイツにはさっさと帰ってもらおう。

 

 

「おい。そろそろ仕事だ。レベル上げに行ってこい。」

「仕事ってどうせ新レシピの作成だろ.....別に良いじゃんか。なんなら審査員、務めるぜ?」

 

クソッ。言うんじゃなかった。

この後、結局コイツにご馳走したのは余談だ。ハァ.....

 

今日も修復屋は平常運行.....




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