ベル君がジョーカーアンデットなのは間違っているだろうか? 作:オンドゥル
翌日、ベルは冒険者登録を済ます為に冒険者ギルドへと向かった。ヘスティアから教わったギルドの建物に着き扉を開け、中へ入る。如何にもな格好をした厳つい男や、エルフなどの人ならざる種族など多種多様の人たちで溢れていた。人混みに流されることなく、ベルは空いていた受付に座り受付嬢だと思わしき人へ声をかける。
「あの、冒険者登録をしたいんですが……」
「え?あ、はい!」
声をかけた事により、受付嬢がベルの方を振り返る。そして、ベルを見るなり怪訝な顔をし始めた。大方ベルの見た目で判断しているのだろう。
「えっと、君、冒険者登録をしたいって言ってたけど、本気?君が考えてるよりずっと危険なんだよ?命の危機に晒される事だってあるし、Lvがずっと上がらないかもしれない。それでもいいの?」
「大丈夫です。覚悟はできてますから」
まあ、アンデットである以上、命の危機なんて言葉とは無縁なのだが。そんな事を全く知らない受付嬢は、ベルの返事を聞くと用紙を取り出し、机の上に置いた。
「この用紙に、君の名前と種族、それから年齢とLvと所属している【ファミリア】の名前を記入して」
そう言われて、ベルは用紙に書き込み始める。Lvに関してはヘスティアから1と記入しておけと入念に言われた為、そう記入し、年齢も実際のを書き込むと優に1億歳を超えるので14歳と記入し、それ以外は普通に書き込み、それを受付嬢の渡す。
「えーと……名前はベル・クラネル。種族はヒューマン。年齢は14歳でLvは1。【ヘスティア・ファミリア】に所属している……【ヘスティア・ファミリア】?初めて聞く名前だけど、最近できた【ファミリア】なの?」
「あ、はい。何分僕が初の【眷属】だったもので」
「なるほどね。新規の【ファミリア】っと……」
その後誤りがないかなどを再度確認し、受付嬢がサインを記入した。
「これで良しっと。ヒューマン、ベル・クラネル。只今より貴方をオラリオの冒険者として登録します。宜しいですね?」
「はい!問題ないです」
「では、これより私が貴方の攻略アドバイザーを担当させて頂きます。私の名前はエイナ・チュール。これから宜しくね。ベル君」
「はい!ベル・クラネルです!宜しくお願いします!」
「さて、じゃあこれからダンジョンの注意事項を教えてあげるね……“しっかりと”ね」
やけに強調されたしっかりとという言葉を聞いた瞬間、あ、これは不味いと思ったベルだった。
*
結果だけ言うなれば、受付嬢……エイナはスパルタであった。とりあえず一通り教え込んだ後テストを実施し、間違えた所を徹底的に教え込みの繰り返し、元々記憶力は悪くないベルであったが、これは少々応えた。まあ、最終的に全問正解を叩き出し、明日からダンジョンに潜っても良いと許可ももらった。明日から頑張るぞと心の中で意気込みながら、ベルはヘスティアの待つ古い教会へと足を向けた。